「おぉ、もふもふ狐よ・・・。やられてしまうとは情けない」「もふもふ狐じゃありませんし、やられてませんよ!変な事言わないでください!!」俺に叫び返してくる藍は大量の氷に押し潰されている状態だった・・・その状態をやられたと言わないでなんと言うべきなんだろうか?俺の前にいた青少女はたんこぶを作って湖に浮いてるし緑少女はそんな青少女を起こそうと必死に呼びかけている。そもそもなんでこんな状態になっているのか俺は数分前の行動を思い返してみた。回想「食らいなさい、あたいの最強攻撃を!!」目の前の青少女がそう叫ぶとその手の中になにやら白っぽい光が集まり始めた。俺と藍は唐突な展開についていけずに呆然としている。そうしているうちに、青少女は準備を終えたのか更なる宣言を始めていた。「ふふん、あたいの攻撃の恐ろしさに声も出ないようね」「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」「でも、攻撃は止めない。流石あたい、最強!食らえ、アイシクルフォール~Easy~」「「しまった!!」」青少女が宣言を終えると同時に両の手を前に出し氷の礫を放ってきた。呆然としていた俺はしまったと思いつつもダメージを覚悟しその場で防御を固めた。藍は俺よりも一瞬早く反応しており、氷の礫を避けるために青少女に対して回り込むようにして避けようとした。するとなんということでしょう・・・俺の方には氷の礫はひとつも来ずに、正面から逃げたはずの藍が氷の的になっているではありませんか。俺は悩んだ・・・藍が痛そうに氷を浴びている間、どんな反応をするべきかかなり悩んだ。藍が氷に埋まりきった頃、とりあえず俺は青少女に向かって小石を投げてみることにした。投げた小石は綺麗な弧を描き青少女の頭に命中した。青少女はそのままたんこぶを作って湖へ墜落し、緑少女は湖に落ちた青少女を見て慌ててその方向へ向かい、藍は氷の山から寒そうに顔を覗かせた。そして・・・回想終了「現在に至ると・・・」「何を言ってるんですかアスカ様?何でもいいんですが助けて下さい。寒いんです」「狐火で溶かせばいいんじゃね?」「確かにそうですけど時間がかかりますから助けてくれてもいいじゃないですか!!」「いやな、氷・・・冷たそうじゃん?」「冷たいし寒いですよ!!助けて下さい!」「しょうがないか・・・」俺はそう一言呟くと藍を救出するために氷の山を掘り始めた。少し離れた所では、緑少女が青少女を淵まで寄せて陸に引っ張り上げ、起こそうと揺すりながら声をかけていた。それから数分・・・やっとのことで藍の発掘に成功した。何気に氷の量が多かったせいで手が痛い。どうやら青少女も目を覚ましたらしく目を点にしてキョロキョロと辺りを見回している。そこで俺は攻撃の真意を探るために話しかけてみることにした。「そこの緑の、そっちの青いのは平気か?」「はぅ?!え、えっと・・・緑って私のことですか?」「お前以外に緑色が何処にいる?」「あぅ~・・・」「おまえ!大ちゃんをいじめるな!!」「・・・元気そうだな青いの」「青いのじゃない、あたいは『チルノ』だ!」「チルノね・・・、そっちの緑の「緑じゃない『大ちゃん』だ!!」・・・チルノには聞いてないよ」「なんだと~!!」「チルノちゃん大丈夫だよ・・・私は『大妖精』で、みんなからは『大ちゃん』って呼ばれてます」「ふむ・・・チルノと大ちゃんね・・・」少女達は緑色が大妖精の大ちゃん、青がチルノと言う名前らしい。大ちゃんは俺が何かしないかとビクビクしながらその視線を俺とチルノとで行ったり来たりさせている。チルノは俺のことが気に入らないのか顔をしかめて睨みつけている。ここで妖精観察をしてもしょうがないので俺はさっさと聴きたいことを聞くことにした。「んで、チルノ」「なにさ?」「何でいきなり攻撃してきた?お陰で連れが氷に埋もれてしまったじゃないか」「あんた達が大ちゃんを困らせてたから」「っは?」「だ~か~ら~!あんた達が大ちゃんを困らせたからだよ!!」「・・・・・・大ちゃん、どういうこと?」「え、えっとですね、多分チルノちゃんはさっきの話で私が考え込んでたから、それで困ってるように見えて攻撃したんだと思います」「なるほど・・・納得できないけどなるほど」つまりは大ちゃんがどう言うべきか悩んでいるのを見たチルノがこんな風に考えたわけか。大ちゃん悩む→チルノ見る→大ちゃん困ってる→誰が悪い→話してたこいつら(俺と藍)が悪い→大ちゃんを困らせた→やっつけろっと言うことか・・・友達思いなのは良い事なんだが・・・良い事なんだが何か納得できない。そもそもそれって、「俺達が悪いのか?」「えっと~」「そうに決まってるじゃない!それと大ちゃんを困らせるな」チルノはそう言いきると両腕をぐるぐる回しながら駄々っ子パンチを繰り出してきた。俺はチルノの頭を抑えて前に進めないようにする。するとどうでしょう、漫画で見たことのあるような大人と子供の図が出来上がってしまったではないですか。そんなどうでも良い事を考えながらこれからどうするべきか藍に声をかけた。「なぁ、藍・・・これどうしようか?」「は~な~せ~!」「はぁ・・・どうしましょうか?」「チルノちゃんもうやめようよ」「聞き返されても困るんだが」「大ちゃん、止めないでこんな奴すぐにやっつけてあげるから」「妖精ですし、適当にあしらえば良いんじゃないですか?」「もう私は困ってないから、ねっ?チルノちゃん」「それもそうだな」「ん、大ちゃんがそう言うならやめる」俺が藍との話し合いを終えると、いつの間にやら手の中にあった重みが消えていた。見てみるとチルノは駄々っ子パンチを既にやめており、1・2歩離れた位置に立っている。どうしたんだ?とその様子を見ているとチルノが口を開いた。「ふん、大ちゃんに感謝しなさいよ!大ちゃんが赦してあげるって言ってるから特別に今回だけは見逃してあげるわ」「・・・藍、何言ってるか分かるか?」「すみません、私にはちょっと・・・」「仕方ない・・・大ちゃん、通訳よろしく」「えっとですね、チルノちゃんは私がもう困ってないから攻撃をしませんって言ってるんです」「「なるほど」」「っえ?っえ??あたいおかしなこと言った?」「言ってないよチルノちゃん」「言ってないぞチルノ」「言ってませんよチルノ」「そっか~」チルノは言いくるめられて平和そうな顔をしている・・・この足りなさは将来が非常に心配になってくる。それにしても・・・チルノのよく分からない発言を通訳できる大ちゃんは凄いな・・・よほど仲がいいんだろう。そう思い大ちゃんの方を見てみると大ちゃんも此方に気づいたのかその顔に笑みを浮かべてくれた。さて、ここからは・・・・・・仕返し(もふもふいじり)の時間だ!そう考えた俺は勢いよく藍のほうへと振り返った。きっと俺の目は意味もなく光り輝いていることだろう(キュピーン)藍は俺の様子に気付いたのか体をびくりと震わし、口を開いた。「あ、アスカ様・・・どうかなされたのですか?」「なぁ藍・・・」「はい?」「お前って紫の式神だったよな?」「はい、それが何か?」「ついでに言うと元が狐の妖獣だよな?」「正確に言うと九尾の狐で式神兼妖獣ですけどね。ですが、それがどうかしましたか?」「そんなお前は俺に手傷を負わせるぐらい強いよな?」「アレはどっちかといえばアスカ様が規格外かと・・・だからそれがどうかしましたか?」「最後にもう一つ、そのぐらい強いお前は妖精をいじめたりしないよな?」「そりゃ、弱いものいじめをすることはありませんけど・・・ほんとに何なんですか?」俺は藍が質問してくるのを意図的に無視するとチルノへ顔を向けた。チルノと大ちゃんは俺と藍の話してる意味が分からないのか呆然としている。そんなチルノに俺は質問を投げかけた。「なぁチルノ、お前って最強なんだよな?」「う、うん。あたいは最強だけど・・・それがどうかしたの?」「チルノ、最強の存在は子分を連れているものなんだぞ」「そうなの?」「そうなんだよチルノ、隣にいる大ちゃんは子分かな?」チルノは俺の質問で隣の大ちゃんに顔を向けた。大ちゃんは顔を向けられた瞬間震えるもチルノに笑顔を見せている。するとチルノは再びこちらに向き直り宣言した。「そんな訳ないじゃん!大ちゃんは友達だよ」「チルノちゃん・・・」「へへん」チルノの友達宣言に大ちゃんは感動している。チルノはチルノで照れ隠しなのか鼻の下を指で擦っていた。しかし、真の目的はこの次だ!そう考えていた俺は更に口を開いた。「ならチルノ・・・」「な、なにさ」「一度倒した相手を子分にすればいいんじゃないかな?」「一度倒した・・・」「相手ですか・・・?」ここで、俺とチルノと大ちゃんの顔が一斉に、それでいてゆっくりと藍へ向けられた。藍はその身をびくりと硬直させると慌てて言い返してきた。「ちょ、ちょっと待ってください!私は負けてませんよ」「でも氷に埋まったよな・・・」「あたいの攻撃が始めて当たった相手・・・」「チルノちゃんが勝った人・・・」「え?っえ??なんですか?何でみんなそんな眼で見るんですか???」いつの間にやら周囲は妖精で一杯になっていた。チルノは自分が勝っていたという事実を飲み込んだのかその頬が段々と興奮で紅くなりだし、大ちゃんは未だに何が起こっているのかよく分からないような顔をしている。そこで俺はトドメの一言を発することにした。「藍、お前・・・妖精(チルノ)に負けたな」その一言で藍の顔は羞恥に赤くなり、チルノの顔は勝利の興奮で紅くなり、周囲の妖精は一気に騒ぎ出した。妖精曰く、チルノ最強妖精曰く、九尾に勝った妖精、チルノ妖精曰く、強すぎる妖精、チルノなどなどそれはまさにお祭り騒ぎ、大ちゃんもその輪に普通に入っていき、チルノは歓喜の叫びを上げながら飛び上がった。当然、藍がそんな事認めるわけも無く、俺に対して猛然と抗議してきた。「ちょっと、アスカ様!何てこと言うんですか」「何って・・・事実だけど?」「事実って・・・っっっく~~~!!分かりました、この場でこの妖精(チルノ)を倒して汚名を返上します」「あれ?妖精・・・いじめるの??」「っんな?!違います!これはいじm「ねぇ、いじめるの?」っっっ?!?!」藍の抗議を途中で遮り反論すると藍は口をパクパクさせながら何もいえない状態になってしまった。暫く藍はその状態であったが、段々冷静になってきたのか目に涙を溜めると「アスカ様のバカ~~~~!!」と叫びながら走り去ってしまった。それを見送った俺は一人呟いた。「人の事を人外呼ばわりした君がいけないのだよ・・・藍」妖精たちが騒ぐ中、俺は何時までも藍の走り去った方向を見続けるのだった。<おまけ>「ら~ん!藍~~!!」「ゆがりざま~~~~~?!」「ちょっとどうしたのよ藍?!そんな顔して?」「あずがざまが・・・あずがざまが~~!!」「アスカが?ああそうだったわね」「??」「アスカの家、ちゃんと調べてきたんでしょ?」「っへ?!・・・えっと、それは~・・・・・・」「まさか・・・藍!」「ご、ごめんなさ~い」「待ちなさい藍!お仕置きよ!!」弱り目祟り目なもふもふ狐の巻----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------後書+報告+次回予告どうもお手玉の中身です。アイシクルウォールのノーマルに初見でピチュリましたが何か?そんな訳で、あの頃の悔しさを藍様に味わってもらうことにしました。次の登場キャラが終わるといよいよリクエストいただいた方の起用になります。問題は・・・・・・予想をはるかに超える先生と焼き鳥屋の人気だったorzどちらか片方だけのつもりだったのに・・・いいでしょう・・・お手玉の中身はこの挑戦を受けましたよ~!!というわけで早速作ることにします。楽しみにしていて下さい。では、次回予告お願いします----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------いいわよ、最強のあたいが次回予告をしてあげるわ!平和な日常・・・それは荒らしの予感!霧雨道具店に伸び来るまて?!しかし、どんな時でもヒーローは洗われる!!そう、かれらこそが・・・・・・大ちゃ~ん、これなんて読むの~次 回 「結構愛着が湧いてきたし、○つながりと言うことでww」 チルノちゃん・・・今度、字の勉強しようか by.大妖精