<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.9979の一覧
[0] ある隊長とある平局員の話【リリカルなのはSts】(最新話誤字修正)[新人](2009/09/01 23:53)
[1] 1. Stand by ready?[新人](2009/07/04 21:14)
[2] 2. Old friends[新人](2009/07/05 14:16)
[3] 3. Their Work[新人](2009/08/03 23:26)
[4] 4.Usual days[新人](2009/08/08 00:49)
[5] 5.Scramble[新人](2009/09/01 23:52)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[9979] ある隊長とある平局員の話【リリカルなのはSts】(最新話誤字修正)
Name: 新人◆fb7d165f ID:a000fec5 次を表示する
Date: 2009/09/01 23:53
これは前作「ある教導官とある新人局員の話」の続編にあたる作品です。
前作へはコチラhttp://mai-net.ath.cx/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=toraha&all=8889&n=0&count=1

これは新作ではありますが、一応前作の続きのお話です。
前作の中編は中編として完成しており、ひとつの作品として完結しております。
そのためこの作品は蛇足となる可能性がありますので、その点を注意してください。
もちろんそうならないように最大限努力します。













第42管理世界・マハラバ。
この世界には魔法文明があり、故に管理局の管理下におかれる事になった。
しかしまだ管理世界となってから日が浅く、多大な問題を抱えた世界であった。

時代感覚は地球の中世ヨーロッパを考えればいい。
この世界では王権主義を取っているのだが、歴史的背景から常にテロの脅威に脅かされている。
また軍部との仲も悪く、テロに近いクーデターが起こるのもしばしば。

そんな中で性質が悪いのは魔導師によるテロだ。
彼等はデバイス(レベルの低い、お伽噺の魔法使いの杖程度のものしかないが)さえあれば一個中隊にも匹敵する。
それこそ魔導師とまともに戦うためには魔導師をぶつけるしかない、というほどに。

しかし、そんな上層部の諍いに一番被害にあうのが国民だ。
上層部にも国民の事を思う者はおり、管理局に駐留を要請。
管理局も現地の不安定な現状を改善するために部隊派遣を決定。

そして派遣されたのが――――――――









カチカチカチとマウスを叩く音が部屋に響く。
部屋からはすすり泣く声が聞こえ、部屋の中は真っ暗だ。

「うっ、うぅ……どうして死んでしまうんだ」

「しかし…だが、しかし……なんて結末なんだ」

むさくるしい男が二人、情報端末に映る画面を見ながら涙する。
画面いっぱいに二次元的な絵が広がり、美少女が病院のベッドで息を引き取ったシーン。
美少女の亡骸にすがりつき泣き喚く主人公の姿はあまりに悲痛だった。

「おい、指令が来たぞ――――って、ぬお!? 何故号泣しているんだ、お前ら?」

ぎぃとドアを開けて中に黒髪の局員が入り、中でだばーっと柱のような涙を流す二人に思わず飛び上がって驚いた。
しかし黒髪の局員が入室したにもかかわらず、二人の局員達はまるで気にしない。
どうやら本当に画面に集中しているらしい。

部屋の中には情報端末にインストールしたと思われるDVDパッケージが転がっており、
黒髪の局員は反応を返さない二人にため息をつきながらパッケージを拾った。
そして言葉を失いかけ、疲労が滲み出るかのように眦を指で揉む。

「…おい、これはもしかしなくてもエロゲーじゃないのか」

「「エロゲーじゃない!! 一括りにするんじゃない、これは泣きゲーだ!」」

「うお!?」

呆れ返りながら言う黒髪の局員に過剰反応する二人の局員。
急に怒鳴られた黒髪の局員は腰をひいて驚いた。

「ふぅ、やれやれ…戦闘馬鹿には何を言っても駄目ですね、アメリアさん?」

「そうですねブライアさん? いやだわ、こんな素晴らしい文化を持っている次元世界に生まれたのに」

おばさまがたが話すように口元に手をやり、蔑みの視線を黒髪の局員に投げかけながら挑発する二人の局員。
この二人、どうやら地球のサブカルチャーにどっぷりつかってしまったようである。

「ぐ、ぬ……マトモなのはオレだけか、クソ。
いいからさっさと転送ポートに来い。ミッドチルダに帰るぞ」

「えー? まだエンディングまで終ってないんだけど」

「やり出したら止まらないんですね、わかります」

「い い か ら さ っ さ と 来 い!!」

数の暴力というものは嫌なもので、黒髪の局員がいくらまともな事を言っても部屋にいるのは三人。
変態が2と普通1では、どうしても正論を言ってようと不利になるのである。
爆発寸前という感じで震えだした黒髪の局員を見て、渋々二人の局員はゲームをセーブして終わるのだった。

「あ、転送ポートまで遠いからP○P持って行っていい?」

「あ、じゃあ僕はニンテ○ドーD○で」

「~~~~~! お前達…! もう、本当にお前達…!」









「はー、しかしなんで呼び戻されたのかね?」

「オレも知らん。ただ辞令があるから戻ってこい、とだけしか知らされていない」

「ふーん? 僕たちに異動があるとは思えないんだけどな」

ぶつぶつと話しながら、ミッドチルダ管理局塔内を練り歩く三人の局員達。
ちなみに二人の馬鹿コンビの手にはしっかりとP○PとD○が握られている。
あの後すったもんだの大喧噪があったものの、黒髪の局員が管理局につくまでという条件付きで折れたのであった。

彼等の中の話にあるとおり、彼等の派遣された舞台とは所謂『極地』であった。
殆ど毎日テロが起こり、魔導師・質量兵器なんでもござれとばかりの激戦区。
当然局員の消耗率…怪我によって部隊を離れ、再帰不能となる人間も数少なくない。

「それもこれも、コガネイがあんな事するからだし」

「ホントホント、とばっちり食らった僕たちカワイソス」

「あれは、悪かったと何度も…というか、何年前の話だ。それにお前らだって――――」

「「あーあー、始まりは誰のせいだったかなー?」

「ぐ………!」

そんな激戦区に彼等新人局員が最初から派遣されていたわけではない。
武装局に所属していた彼等はエリートコースを歩み、管理局の首都航空隊に身を置いていた。
しかし数年前黒髪の局員が起こしてしまった『ある事件』をきっかけに、彼等は左遷されて危険な場所に身を置く事になってしまったのだ。

「ミッドチルダに帰るのも一年ぶりかー…長かったな」

「その前は報告のためだけの帰還だったから、トンボ帰りだったし。それに二年前だっけ?
ましてやあの世界の飯、マジでまずいしな」

「わかった、わかった。今度も奢ればいいんだろうが…」

やりぃと手をパンと合わせる馬鹿コンビ。
今いる部隊に派遣されていらい、黒髪の局員の肩身は狭い。
そんな感じで和気藹々(?)と彼等の上司がいる部屋へと向かっていたのだが。

「貴様らを新たに設置される時空管理局本局 古代遺物管理部 機動六課に異動を命ずる」

今まで散々嫌われていた上司から、まさかの辞令を言い渡されるのであった。

「は…? 異動、でありますか?」

目をぱちくりと瞬きさせ、一拍の後に言葉を反芻する黒髪の局員。
共通の疑問に長年スリーマンセルにおけるリーダー的な役割をしていた黒髪の局員が代表して訊ねた。

「ああ、そうだ。それに関しては―――――」

「わたしから説明させてもらうわ!!!」

彼等の上司が理由を話そうとしたのだが、
バン! と上司の部屋に扉を押しのけ、勢いよく転がりこんでくる一人の女性。
前回りで一回転半してから腕に力を込め、バッと一気に体を伸ばして見事に着地する。
回転している時にスカートの中を全く見せない技能は素晴らしかった。

「決まった…百点や…!」

何かをやり遂げた顔で着地したまま、ぐっとガッツポーズを取る女性。
馬鹿コンビはおぉー! と手をパチパチと鳴らし、女性を讃えた。
上司は苦い顔で女性の奇特な行為を睨み、黒髪の局員は白けた表情で女性を迎えた。

「なんで、貴女は毎回そんな登場しかできないのですか…」

「いや、だって一年ぶりやん? 一瞬で顔思い出させたろおもて」

あれ、はずした? と笑いながら八神はやてはピースポーズを取った。










「あははは、いやー、久し振りやね。元気にしとった?」

「向こうでは毎日出動だったが、それなりにな。
おかげさまで大分力量は上がったと思う。今なら高町にも一泡吹かせれるに違いない」

「ははは、相変わらずやね?」

上司は後は知らんとばかりに部屋から退出し、部屋には三人とはやてが残されるだけとなる。
八神はやてというビッグネームに馬鹿コンビは動揺し、親しげに話す黒髪の局員を見て混乱から立ち直れないでいた。
そんな馬鹿コンビに気づいたのか、二人に黒髪の局員は事情を説明する。

「なに、知り合いの知り合いと言ったところでな。
既知の仲であるから、公式の場以外での敬語は必要ないと昔に言われたんだよ」

「そそ。だから固ぅなる必要ないからな?」

そうは言われても、いきなりは無茶だろと内心ツッコミを入れる馬鹿コンビ。
八神はやてといえば魔導師ランクSSかつ二等陸佐という雲の上の存在なのだから。

「それで異動とはどういうことなんだ? 新しくできた新設部隊と聞いたが」

「…そうそう、そうやった。今日はソレを伝えにきたんよ」

よう言ってくれた、とはやては佇まいをただす。
これから言う事は正式な辞令で、お遊びの気分のままでしていい行為ではない。
はやての行動に黒髪の局員も気を引き締めて直立不動になる。

「新しく新設された時空管理局本局 古代遺物管理部…通称機動六課。
新設された部隊の部隊長としてわたしが指揮を執ることになった。
ここまで言ったらもうわかる思うけど…君たちをスカウトしにきたんよ」











はやての話はこうだった。

新しく新設される部隊には戦闘を専門とする部隊があるらしいのだが、半分は新人が占めているらしい。
これは教導も兼ねて、という事らしいが、メンバーの中には10歳にも満たないメンバーもいるとのこと。
隊長としてなのはやフェイトといった超強力なメンバーもいるが――

「なるほど…それでは夜間から深夜の出動やフォローの必要もあるな」

フェイトは執務官としての仕事を平行して行うし、新人はひよっこ。
万が一の事があった場合手が回らない可能性もある。
ましてや昼に猛訓練を行った成長途中にある新人が夜間の出動に100%の力は出せないだろう。

「つまり夜間における出動、それ加えて新人達をフォローするのが仕事か」

早い話が交代部隊というわけだ。
確かに夜間に出動要請があったとして、新人やなのは達も動くだろう。しかし、それには時間がかかる。
瞬時に物事に対応できる部隊を黒髪の局員達に求めているわけである。

「ん、そんなとこ」

「しかし、俺達で大丈夫なのか?
あれ以来煙たがられているから、今回みたいに強引な方法をとったら…」

「そこは大丈夫や。
わたしらには心強い後ろ盾がおるし、申請出したら結構あっさり通った。
多分やけど、わたしから見て成果だしよるあんさんらを扱い辛いような風に見えたし」

「そうか。考えてみれば、出動回数で他の奴らに負けるとは思えないしな」

向こうで休日はあってないような物だった。
夜はもっともテロが起こりやすい時間帯なので眠れないし、クーデターでも起こった日には眼もあてられない。
毎日24時間が出動時間のような物だったのである。

「それにな。あんさんらやと都合がいいんよ」

「と、いうと?」

「全然ランク試験受けてないやろ?
せやからコガネイ君のランクは未だに空戦B-、後ろの二人はC+。
隊毎に保有ランクが決められとるから、スター揃いのわたしの隊やと助かるんよ」

「そういえば全く受けに帰られなかったな…」

「僕たちまだCランクだったんだね…」「どうりで給料上がらないわけだぜ…」

日々の激務があって、自分のランクに関して完全に忘れていた三人。
肩を落としてがっくりと項垂れる三人を見て、はやてはまぁまぁと慰める。

「ははは…そのお陰で今回ウチがスカウトできたんやから、感謝しな。
まぁ戦力に関してはシグナムやヴィータもおるから大丈夫やとは思うんやけどね」

「…あの二人がいる上で必要なのか。つまり、それほどヤバイ敵がいると」

はやての慰めの言葉に、黒髪の局員の目に光が灯る。

あ、なんか嫌な予感がする。
黒髪の局員の心底楽しそうな笑顔に、顔が引きつりそうになる馬鹿コンビ。
コイツがこういう風に笑う時はきまって厄介なことになる。

黒髪の局員の難点。それは分の悪い賭けが嫌いじゃやないという性分。
加えて負けず嫌いな一面もあるため、まず厄介な方向に事態が向かうのである。

「いいな、最高じゃないか。よくぞ呼んでくれた、はやて!」

「うんうん、コガネイ君ならそう言ってくれる思うとったわ!
ま、どっちにしろ正式な辞令やから拒否権はないんやけどね~」

黒髪の局員は鼻息荒く興奮しているが、馬鹿コンビのテンションは急降下である。
あくまで彼等はふつーの力しか持っていない、モブ局員A・Bだと己の領分を理解している。
そんな超危険な部隊に行くのなら、魔導師ランクの低いテロリストと戦っている方が随分マシというもの。

「あ、あのー…僕たちに拒否権は…?」

「正式な辞令やからないに決まってるやん」

デスヨねー。
馬鹿コンビの二人はこれからの事を思い、るーるると涙を流すのであった。









「あれ、さっきNANOHAさんも居るって言ってなかったっけ…?」

「……――――――ほぎゃーー!?」



次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.034569978713989