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No.9553の一覧
[0] 【習作】半端な俺の半端な介入録(リリカルなのはsts オリ主)最新五十八話更新[りゅうと](2017/05/22 20:30)
[1] プロローグ-別れと出会いと-[りゅうと](2018/07/08 02:01)
[2] 第一話-旅と道連れ世に情け-[りゅうと](2018/07/08 02:23)
[3] 第二話-驚き桃の気キャロさんの気-[りゅうと](2018/07/08 02:41)
[4] 第三話-愛しさと切なさとなんかいろいろ-[りゅうと](2018/07/08 03:00)
[5] 第四話-朝練と三等空尉と部隊長と-[りゅうと](2018/07/08 03:11)
[6] 第五話-六課の中の誠吾-[りゅうと](2015/07/26 21:34)
[7] 第六話-朝と依頼と高い所と-[りゅうと](2015/07/26 21:42)
[8] 第七話-初任務とあれ以来のそれ-[りゅうと](2015/07/26 21:45)
[9] 第八話-始まりと決意と焦りと-[りゅうと](2015/07/26 21:53)
[10] 第九話-一つの出会いと焦りの果て-[りゅうと](2015/07/26 21:59)
[11] 第十話-中二×理念=フラグ-[りゅうと](2015/07/26 22:09)
[12] 第十一話-経過と結果と副作用-[りゅうと](2015/07/26 22:17)
[13] 第十二話-休暇×地球×海鳴-[りゅうと](2015/07/26 15:24)
[14] 第十三話-ホテル×ドレス×着火-[りゅうと](2015/07/26 16:01)
[15] 第十四話-接触×考察×燃焼-[りゅうと](2015/07/26 17:24)
[16] 第十五話-人によって出来ごとの価値が変化していく不思議-[りゅうと](2015/07/26 19:46)
[17] 第十六話-言葉にすれば伝わることと言葉にすると伝わらないものを使い分けることに対するさじ加減について-[りゅうと](2015/07/26 22:33)
[18] 第十七話-とある日常-[過去編][りゅうと](2015/07/26 23:56)
[19] 第十八話-出会う日常-[過去編][りゅうと](2015/07/27 00:15)
[20] 第十九話-起きる日常-[過去編][りゅうと](2015/07/27 00:20)
[21] 第二十話-駄弁る日常-[過去編][りゅうと](2015/07/27 00:26)
[22] 第二十一話-出向く日常-[過去編][りゅうと](2015/07/27 00:31)
[23] 第二十二話-語らう日常-[過去編][りゅうと](2015/07/27 00:42)
[24] 第二十三話-廻る日常-[過去編][りゅうと](2015/07/27 23:39)
[25] 第二十四話-真実隠蔽-[りゅうと](2015/09/12 00:00)
[26] 第二十五話-似通う境遇-[りゅうと](2015/09/13 01:50)
[27] 第二十六話-桃色発起-[りゅうと](2015/09/13 02:01)
[28] 第二十七話-父子の顛末-[りゅうと](2015/09/13 02:24)
[29] 第二十八話-旧知再会-[りゅうと](2016/01/01 02:57)
[30] 第二十九話-敗者の日-[りゅうと](2016/01/02 04:41)
[31] 第三十話-交差する未明-[りゅうと](2016/05/16 01:01)
[32] 第三十一話-嘘も方便-[りゅうと](2016/05/16 01:44)
[33] 第三十二話-平穏?な幕間-[りゅうと](2016/05/21 23:38)
[34] 第三十三話-明かせぬ過去-[りゅうと](2016/05/22 00:39)
[35] 第三十四話-その情報、危険につき-[りゅうと](2016/05/22 00:59)
[36] 第三十五話-接触其々-[りゅうと](2016/06/05 01:03)
[37] 第三十六話-擦れ違う言葉-[りゅうと](2016/08/06 19:45)
[38] 第三十七話-忘却事件-[りゅうと](2017/02/27 23:00)
[39] 第三十八話-想い混線-[りゅうと](2017/02/27 23:00)
[40] 第三十九話-風邪っぴきなのはさん-[りゅうと](2017/03/01 01:10)
[41] 第四十話-ユーノくんとの裏事情-[りゅうと](2010/11/28 18:09)
[42] 第四十一話-彼と彼女の事情-[りゅうと](2011/02/28 23:49)
[43] 第四十二話-桃色奮起-[りゅうと](2011/04/20 03:18)
[44] 第四十三話-連鎖するいろいろ-[りゅうと](2011/05/15 01:57)
[45] 第四十四話-微進する諸々-[りゅうと](2011/06/12 02:06)
[46] 第四十五話-高町トラウマパニック-[りゅうと](2011/07/08 03:14)
[47] 第四十六話-それは己の未来の如く-[りゅうと](2011/11/20 02:53)
[48] 第四十七話-変化は微細に-[りゅうと](2012/05/05 23:46)
[49] 第四十八話-答えの日①-[りゅうと](2013/01/04 03:56)
[50] 第四十九話-答えの前に考察を-[りゅうと](2013/09/08 23:40)
[51] 第五十話-答えの日②-[りゅうと](2013/11/11 01:13)
[52] 第五十一話-友達として-[りゅうと](2014/10/29 00:49)
[53] 第五十二話-ファントム分隊-[りゅうと](2014/10/29 00:48)
[54] 第五十三話-彼の思うゼロの先-[りゅうと](2015/06/18 23:03)
[55] 第五十四話-動き続ける思惑の裏-[りゅうと](2015/12/21 01:51)
[56] 第五十五話-そしてわたしは名前をつける①-[りゅうと](2016/03/12 23:53)
[57] 第五十六話-そしてわたしは名前をつける②-[りゅうと](2016/05/06 00:37)
[58] 第五十七話-そしてわたしは名前をつける③-[りゅうと](2016/06/26 02:46)
[59] 第五十八話-そしてわたしは名前をつける④-[りゅうと](2017/05/22 00:40)
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[9553] 第三十八話-想い混線-
Name: りゅうと◆352da930 ID:73d75fe4 前を表示する / 次を表示する
Date: 2017/02/27 23:00
高町たちのところからそそくさと逃げてきた俺が10秒チャージ飯を口に銜えてずるずるすすりながらファントムの過去データ引っ張り出してみたら、確かにあの時空港で治療した人の中にスバル・ナカジマって名前があった。ついでにギンガ・ナカジマも。覚えてないけど。ガチで。
ま、こんなデータ見つかったところであの頃よっぽど周囲に興味無かったんだろうなーってことしか証明されないけどどうでもいいよねそんなん。て感じで仕事してたら昼時になったあたりで昼休みをもらったらしいティア達に突貫されて質問攻めにされた俺だった。
朝練の時に出した幻影魔法についてとか昔は仕事中上司だろうが部下だろうが誰かれ構わず敬語使ってたこととかなんで髪短くしたのとかそんな類の質問の山。
それらに適当に答えながらマルチタスクと併用しての華麗なる(笑)なブラインドタッチによって午前までに片付けようと思ってた分の仕事を片付けてる最中に通信が入って久しぶりに酒に誘われた。ゲンヤさんに。
あーお父さん一昨日ぶりーとか、お久しぶりですゲンヤさんとか、スバルとティアが言ってたけどそんなん気にもならん。
俺としては、断る理由はないどころかむしろそろそろ一緒に呑みに行きてえええと思ってたくらいなので二つ返事で了承する。
なんかいろいろあって疲れ気味なので久しぶりにパーッといきたいのだった。
もうホントいろいろあったからねこの数日。さっきのあれも含めて。
例えばそう、オフィスへと続く廊下を歩いていたら後ろから呼びとめられて、

「私、やっぱりお前のことは守るからっ。ぜってえ守るからっ!」

とのヴィータさんの俺守護宣誓をいただいたこととか。
今思うとあの子ちょっと単純思考に磨きがかかりすぎて純粋とか直情的とかそういうものを超越してただの馬鹿なんじゃないかと思うというか、そもそもお前八神の騎士なのに俺にばっか傾倒してるのってどうなのよとかとも思ったんだが、あの時は思わず面食らって、

「……ああ、そうですか」

としか言えずに固まる俺。しかしヴィータはそんな俺に構わず、

「ああ、そうだ。今度こそ絶対にお前を助けて見せるから、覚悟しとけよなっ!」

とか、ずびしと人差し指を俺に突きつけてまくし立ててから、満足そうに不遜な笑顔を浮かべて俺に背を向けどっかに去っていった。
なんかもう、あいつも高町と同レベルに言葉通じない。事ここに及んで高町×2+αな状況とか、俺の胃袋がストレスでマッハになるのは確定的に明らか。そろそろシャマルさんか親父に胃薬でも処方してもらった方がいいかも知れんね。
てか覚悟って……。助ける立場の相手に覚悟って……。
まあ、どっちもどうでもいいっちゃあどうでもでもいいことなのだが。
結局、高町に凹まされようがヴィータに宣言されようが、俺の行動がいちいち変わるわけではなくて。
何かされるたびに一喜一憂というか戦々恐々というかそんな感じの感情変化があるのは事実なのだが、多くも少なくもただそれだけのことなのである。
で、他にも色々とあったのだがその辺は某所某所で適切に説明していこうと思うので話を戻す。
ゲンヤさんに超魅力的な御誘いを受けた俺は、昼休みを終えて去っていったあいつらを見送り、いつもなら終業時間の30分前には追加分の様子を見ている書類仕事をこの日は常にない情熱を注ぎこんで更に30分ほど早く終え、呑みすぎた際の影響も考慮して明日の分で今日処理できそうな案件にまで手を出してガリガリザクザクと仕事の山を削り減らしていく。
それでもって終業時刻。グリフィスくんに今日は早めに上がるわーと伝えてから、アルトとか他のオフィス陣にこんな時間に帰るならこっち手伝ってくださいよーとか言う泣きごとを聞かされるも完全無視でオフィスを後にした。
悪いな皆の衆。そろそろ俺も、心休まる時間が欲しいんだ……。
それに、今朝の夢のことも、朝練の時のいろいろも、ちょっと考えたくはないし。
……はぁ。
自分の回想に自分で気落ちしつつ、寮に戻って私服に着替えてからゲンヤさんをお迎えするために第108陸士部隊に赴くも、向こうにつくと急に追加の仕事が入って遅れると説明してくるゲンヤさんから、ギンガさんと話でもして待っててくれと言われる。
で、まあ文句言っても始まらないし、時間がちょっと押したくらいでギャアギャア喚くほど子供でもなかったので、ギンガさんに伴われて隊舎の隅っこの休憩所で俺の奢った飲み物飲みながら時間をつぶすことに。
そーいえばシグナムさんとの訓練だが、基本的にシグナムさんが暇な時にしか出来ないので本日任務中な彼女は引っ張り出せない関係上自動的にお休みであった。
まあマルチタスクでのイメージトレーニングは欠かしてないので、最近最初よりはまともに相手できるようになってきていると思う。
それはともかくしかしアレだ。前回会った際の別れ際。あんな話題で〆たせいかギンガさんの俺への態度が非常にまずい。
両者超無言で超気まずい。ギンガさんに至ってはこちらに視線すらよこさず顔を俯けている。
まさかと思うがこの空気は俺の方から話題を振らなければいけない流れなのだろうか。
まあ前回の手術で体に機械が云々の話はほとんど俺が言いだしたことが原因であるわけだし、話題を振れとおっしゃるのであればそうすることに吝かではないと言うかむしろ自分の責務とも思っているくらいなのだけれど、しかしどうしたものだろうね。
彼女との共通の話題なんて、頭の端っこにすら引っかからない。
強いて言えばスバルのことならばそれなりに話せるかもしれないが、前に会って話した時以上にあいつのことで知れたことなんてつい先日の機人的なあれくらいしか覚えがなく、だとしたらこの雰囲気でその話題は確実なまでに死亡フラグな匂いしか漂っていないので別の話題にしましょうねと心を他へと向けた結果、ああそういえばあの空港火災での話もアリじゃねと思いついた矢先のことであった。

「────聞きました」
「────え? 何を」

突然の言葉に俺が反射的に聞き返すと、彼女が伏せていた視線を真っすぐこっちに向けて続けた。

「スバルに、戦闘機人について、説明を受けたらしいですね」

………。
え?
死亡フラグが向こうからやって来た感じ?
え、これどうすりゃいいの? とかさっきまでの居心地の悪さ的な緊張感と予想外の話題のせいでの混乱が極限にまで達して頭が真っ白にすらなった俺だったが、絶句し続けているのは流石にまずいと思ったので無理にでも頭を動かして言葉を捻りだした。

「────…あー、えー。……まあ、流れで?」

そんな、必死になってやった割には説明にも言い訳にもなっていないそれだったが、ギンガさんは普通に首を傾げただけだった。

「流れ……ですか?」

引き続きの混乱で、はい、流れで。としか言葉に出来ず、ギンガさんが今度こそ何とも納得いっていないような表情になる。

「……流れだけで聞けるほど、スバルの心は他人には開いていなかったと、思ってたんですけどね」
「え、あー……。はぁ……まあ」

ヤバいですね。どう返せば正解なのか、それがさっぱり分からない。むしろ分かる奴がいたら俺の前まで来てほしい。正解をご教授願います。
つーか分かるわきゃねええええだろおおおおっ! まだ会うの二回目なんだよ前のあれきりなんだよ前回の出動の時になんか一緒に作戦行動してたっぽいけどそれ職務中のあれこれで正直話したうちに入ってないし直接会って話したりしてないんだよおおおおおッッ!
とか心の中で絶叫と見悶えと壮絶なる苦悩を抱えたりやってたらギンガさんがいきなり頭を下げた。

「……ごめんなさい」
「……え?」

いや、何で謝んの?
彼女、俺に謝らなけりゃならないようなことをしただろうか?
むしろ、俺が謝らなきゃいけないような無遠慮な質問をした覚えならあるのだが、謝られてるわけだからそれは関係ないよね……。とか混乱してたら普通に説明開始してくれた。

「あなたと初めてお会いした日のこと、覚えていますか?」
「あー。なんかゲンヤさんと八神連れて飯食いに行ったよね」
「そっちじゃなくて、その帰り道のことです」
「あー……? ────…。ああ、アレね……」

あの時のスバルとギンガさんが大怪我してどうのの例え話を思い出す俺。それで合ってた様で、話はそういう流れで進む。

「あの時私、あなたがスバルを傷つけるようなら、絶対に許さないと思って、あんな風に発破をかけたんです。だから、あなたを試すような真似をしたことと、試したくせに信じてはいなかったことを謝りたいんです。────ごめんなさい」

……えーと。

「つまりあの質問のあと放置されてたってことは、それなりにきみの納得する答えは言えてたってこと?」
「はい。けど、それでもあの子に害はないだろうって思っていただけで、あなたがあそこまでスバルと打ち解けられるような人だなんて、思っていなかったんです」

……あー、まあ、仕方ないんじゃなかろうか?
初対面であんな質問をした相手を、そこまでに信じる方がどうかしていると言えるだろうし、彼女の反応は普通に正常だ。

「────私は、もう吹っ切ってるんです、このことは。しがらみも悩みも一杯あったし、今も尽きないですけど、それでももうそれら全てを呑みこめるくらいには悩んだので、大丈夫なんです。けど……」

スバルはまだそういうことで悩んでるって知ってたから、心配だったそうです。

「そっかー。けど、まあ、あいつにも言ったんだけどさ。俺にとっては、昔の事情は関係の無い事なんだよね。だから、今のあいつといつもの通りに付き合うってだけ」

他の人たちにとっちゃあ難しいのかもしれないが、俺にとってはそうでもない。
前にも言ったが、そういう話は日常茶飯事だ。
まあ、もう少し、突っ込んだ理由もあるにはあるのだが……。

「……随分と達観してらっしゃるんですね」
「いろいろあったんだよ。働き始めた年相応にね」
「年相応って……。おいくつから働き始めていたんですか?」
「あー、……本格的に働き始めたのは十一かそこらくらいかな」

それまでは事務以外は使い物にならない役立たずだったのだった。泣けるね。

「あ、それでもなのはさんたちよりは遅いんですね」
「あいつらより早かったら、それはそれで問題だと思うんだが」

八歳とか、流石に若すぎじゃね?と言うと、確かにそうですね。と、ようやく笑顔を見せてくれたギンガさん。
それからしばらくの間、先ほどまでの重い内容とはうって変わって取りとめもない話で時間をつぶす。
そうしているうち、その場で思いついたように唐突に、ギンガさんが切り出してきた。

「それから、一つ言いたいことが」
「んー? なに?」
「そのギンガさんて呼び方、なんとかなりませんか?」
「なんとかってなんぞ」

別に呼び方としておかしいところがあるとも思えなかったので本気で疑問符を浮かべる俺だったのだが。

「あなたは私より階級も年も上ですし、さん付けはおかしいかと思うんですけど……」
「あー。そういやそうだなぁ。いやでもほら、俺年下だけどフェイトさんのことフェイトさんて呼んでるし」
「フェイトさんはあなたより階級が上じゃないですか」
「やー、今は確かにフェイトさんの方が階級上だけど、この呼び方、ガキの頃に諸々の事情で俺の方が階級上だった頃からこうだから、一応別に階級関係ないのよね」
「そうは言っても、私としても年上の男性上司からこの呼ばれ方は違和感が強くて……」
「そこはアレだ。今はプライベートだし軽い気持ちで、普段は上の立場で偉そうな態度の男を精神的に跪かせてみたいという願望を満たしてみたいと思ってみても────…いいんじゃね?」
「プライベートだとしてもあなたは年上ですし私にそういう特殊な趣味や願望はありませんっ!」

怒られた。えー。じゃあどうするかー……とちょっと悩んでから、じゃあ改変少なくストレートにニックネームでもつけようかーと思って、

「じゃ、スーパーマリオさんとか呼んでみる?」
「何でですかっ!? と言うか誰!?」
「いや、ギャラクシー的な意味で配管工チックな……」

ギンガさんが珍しく狼狽する。付けた理由とかよく分かって無さそうだったので補足説明する俺。

「ほら、『ギンガ』さんだし、ちょっと捻ってギャラクシー的な? 地球にスーパーマリオギャラクシーってゲームがあるのでそこから拝借したみたいな?」
「……いや、何を上手い事言ったみたいな顔をしているんですか全然上手くないですよ……? しかも根本的なさん付けが取れてませんし……」
「えー、きみも俺のネーミングセンス否定すんのかよー。姉妹揃って酷く我がままですね……」
「こ、こんな呼び名じゃ誰でも文句付けますよ! なにを自分は被害者みたいな顔をしているんですかっ!」

と言うかスバルにも同じことしたんですかっ!?と聞かれ、はいと答えると何とも歯痒そうな表情を浮かべてから俺と彼女のネーミング決定権争奪戦開始だった。



ギャラクシー、ミルキーウェイ、地上の星(砂)etc.etc.……



「くっ……ここまで出すアイディア出すアイディア全てを否定されるとは……ギンガさんの理想の高さがやばいね!」
「ここまで出てくるアイディアの全てが頓珍漢なあなたが悪いんじゃないですか……。というか、良くもそれだけ次から次へと出てきますね……」

呆れすぎてむしろ感心しますよ。とか言われて、くやしい…! でも(ryとか思いながら、いい加減そろそろゲンヤさんも来る頃かなーと思ってそろそろ切り上げるかー。って感じで一つ提案。

「じゃあここは適当にギンちゃんとかいってみる?」
「なぜでしょうね……。その呼び方がまともに聞こえてくるあたり、私、毒されたんでしょうか……」

今まで散々からかったせいか若干虚ろな目をしてるギンガさん。毒とは失礼な。これはあの逸話を聞かせてやるしかあるまい……。

「一応言っとくけど、俺のトークとか前にいた課じゃ無意識にツッコミを入れてしまうほどの理不尽さがたまらないと大層評判だったんだぞ。ほらなんか毒性とかそういう感じ無い。すごく平和」
「それ、絶対に中毒症状ですし、全く平和な要素が見当たらないんですけど……」

セリフとともに溜息を虚空に溶かし、ギンガさんがげんなりとした表情をした。
いかん。素直な反応で鋭いツッコミを入れてくれるのが楽しすぎてついついやりすぎてしまったようである。
これは反省とともに何かお詫びをしなくてはなりませんね分かりますとか思ってると、俺のボケが止まったおかげか少しだけ生気を取り戻したギンガさんが小さく息をついてから口を開いた。

「……ですけど、そんな風にちゃん付けで呼ばれたことはあまりないので、ちょっと新鮮ですね」
「あれ、散々ねばった割には、こんな子供っぽさ溢れる単純な感じの方がいいのか?」
「……いえ、本当はもっと限りなく単純にギンガと呼んでもらうだけでよかったんですけど。これ以上話をかき回すと今まで出た以上に突拍子の無いめちゃくちゃな呼び方が出てきかねませんからそれで我慢します。どうしても普通に呼ぶのは嫌のようですから……」

うん、せっかく呼び方変えるならその人だけの何かにしたい。と主張すると、分かってます。と言うか、この数分で嫌というほど理解しました。と諦め気味のギンガさん。

「しかしなんかギンちゃんて、近所のおばちゃんとかに呼ばれてそうな感じなんだが」
「普通にギンガちゃんと呼ばれてましたけどね」

へー。まあ、どうでも、いいですけれど。てか、これでいいならどっちかってーとちゃん付けよりさん付けの方がしっくりくるんだが。ギンさん、て。刀の内側に毒とか仕込んでないだろうし天パでもないだろうが。
と言う感じの話をしたら、結局さん付けですか……。とため息をつかれたのだが、なんかもう女性に対する男のさん付けって普通じゃあないかなぁと思うのでいいじゃないかーと説得してみた。で、

「じゃ、ギンさん、改めてよろしく」
「……はい、こちらこそ」

とかやってたあたりでようやくゲンヤさん登場。よーし今夜は飲みまくるぞぉと言ってた所をほどほどにしてねお父さんとギンさんに言われてゲンヤさん涙目状態だった。
許してあげて。たまに飲みに行く時くらい許してあげてっ。
とか言いながら隊舎を後に。途中でギンさんと別れのあいさつ。

「じゃーねギンさん。今日はからかいすぎて悪かった。今度何か詫び入れるよ」
「あれはやっぱり確信的犯行ですかっ!」

ああすまない。仕方ないから今度豪華粗品持ってきますね。とか言ったら「ご、豪華な粗品……?」とか首を傾げられる。
ですよねー。豪華なのに粗品だったら 豪華×粗品=中間 って感じで要するにただの普通じゃね?って感じのことをギンさんに聞いてみるものの、

「どうでもいいです……」

と心底そう思ってる感じで言われて俺ちょっと涙目。

「それにしても、今度、ですか」
「ん? なにその言い方。え、なにこれ何かの伏線?」
「伏線なんて大袈裟なことではないと思いますけど。きっと、すぐに分かりますよ」

とかやり合いながらお別れした。やり取り見てたゲンヤさんに、

「なんだお前ら。少し時間作ってやっただけで随分と仲良くなりやがったな」

とか別れた後で言われたんだが、おい聞き捨てならない。時間を作ったとはどういう事でござるかと突っかかっていったら、スバルから戦闘機人告白事件について連絡を受けたギンさんが、なんか悩み気味だったので話す機会を作ってやろうという親心だったんだとか。
そうならそうと言ってくれれば俺だって協力くらいしましたけどねと言ったら、いつも通りのお前じゃなきゃ意味ねーだろと返された。
要するに余計なこと考えた答えに興味は無いってことらしい。

「まあ、久しぶりにお前と呑みたかったってのも本音だがな」
「あ、嬉しい事言ってくれちゃってますね。よーし、俺今日は朝まででも付き合っちゃいますよ」
「いや、せいぜい夜中までにしてくれ。流石に明日に響く」
「えー」
「えーじゃねえよ、ったく。確かにお前は朝までやっててもそのまま仕事に行けそうだがな」

本当どんな肝臓してやがんだ、お前は。と言われても困る。
確かに水さえ飲んどきゃ睡眠とんなくてもそのまま活動を続けることも出来るが、それはどちらにしろ眠気との戦争の始まりなので辛いことに変わりがない。
てかアルコールは飲んだらその三倍水を飲めと言う話あるけど、そんなに飲めるか腹ん中がガバガバじゃねえかとか思うよね。

「まあ確かに、酒の匂い漂わせて仕事行くわけにもいきませんし、今日はほどほどにしときますかね」
「おう、そうしとけそうしとけ。こっちもギンガが滅法心配するもんでな、最近じゃ昔みたいな無茶も出来やしねえ」

若え頃は3軒とか梯子したもんだがなと言われ、おーと感心する。しかしアレだ。

「いいじゃないですか、心配してくれるだけ。俺とか生まれてこの方親父にそのテの心配したことありませんよ」
「いや、お前それはなんに対してのフォローだよ」

親視点なのか子供視点なのか。つーかお前の親父さんが可哀想なんだがと言われ、まあ俺視点なので子供じゃないですか?と告げてみる。で、後半の質問について返答。

「いやー、うちの親父休暇以外は見事に摂生された体にいい生活送ってますから、俺の方に心配する余地がなくてですねー」

だから、心配かけるような親のいるギンさんは羨ましいですねーと言ったら、誰が心配かけるような親だコラと頭殴られた。
こういうやり取り、ちょっと楽しくなる。
よっしゃー今日は飲むぞーと思いながら、いつもの店へと歩を進める俺とゲンヤさんだった。
まあこの後、彼との会話でまた一悶着あるのだが、それはまた別の機会に。






























いろいろ話して飲んで食って。まあ気が済むまで二人でごちゃごちゃやってたわけだが、明日もあるのでそれなりで切り上げ。
浴びるほど呑みたいって願望はまたもや達成できなかったわけだが、やれなかったことがやれるようになる代わりに自分のやりたいことをやりにくくなるのが成人するってことだと思うので、その辺は割り切ってるから気にしない。
ちなみに行きも帰りもタクシー使った。どうせこんなこととあの趣味の山くらいでしか給料使わないので構わない。
そんなこんなで六課にたどり着いたのは、深夜一時を回った頃である。
で、明日もあるし適当に水分摂ってからさっさと寝ようと思いながら宿舎の正面玄関へと向かうと、途中の道の少し外れた場所にある花壇の隅に人影が見えたので目を凝らしたら、そこにいたのは夏らしくTシャツとめっちゃ短いジーンズ生地の短パンだけの涼しそうな格好で頭を膝に埋めて蹲っている高町だった。
大変だ。面倒くさそうな匂いがぷんぷんしてますねこれは。
周囲には他に人影がないので、フェイトさんとか全員寝静まってから部屋を抜け出してきたんだろうってのは分かるんだけれど、それで部屋抜け出してまでそこで蹲ってる理由って何よと考えてみると、この場から全力ダッシュで立ち去りたくなりました。
そんな俺がいかに薄情者かと言う談義については、この雰囲気の時の高町に関わって碌な事があったことが嘗て無い身としては許しを請いたい所存である。
碌で無いこと。最近では、八神主導、誠吾・プレマシー六課引き抜き事件がこれに該当する。



……。



お分かりいただけただろうか。声をかけることをものすごいためらったその理由が。
けどまあ、躊躇はするもののそのまま放置といかないあたりが俺の意志の弱さを表すカギであり、あの時お前が声をかけていたらとかもう少し早く相談を受けていたらとかそういうことを気にする後ろ向きさを示す事実でもある。
と言うわけで、一つため息ついてから足をそちらに向ける。
で、至近距離まで接近しても気付かれないのが悩みの深さを体現している気もしないでもないのだけれど、ここまで来て引き返すのもなんだかなーと思うのでさくっと声をかけた。

「こんばんは」
「────っえ?」

声さえ聞こえれば流石に気付いたようで、高町が素早く顔を上げてこちらを見上げた。
で、俺に気付いて、慌てて立ち上がって、こちらを指差して、「な、ななな、なんでこんな時間にせーくんがっ!?」と驚愕を露わにしてた。
いや、言っただろ。ゲンヤさんと飲みに行くんだって。その帰り。てゆーか驚きすぎ。と言うと、え、こんな時間まで? と聞かれて、消灯時間は過ぎてるよとのご指摘を受けたのだが、それを言ったら高町だってこんな時間にここにいるし、そもそも俺は寮長さんとエリ坊に今夜は遅くなりますとご連絡済みなので特に問題は無い。
つーかそれは別にどうでもいいんだが、こいつの着てるTシャツ、なんか肩まで出るタイプのやつで、おまけにさっきまでしゃがんでたせいかシャツグシャグシャで胸のあたりが肌蹴すぎててなんかヤバい。
別に俺としてはどっちでもいいのだが、なんかヤバいので注意することにした。

「どうでもいいけど服乱れてるんだけど。もうちょっとでなんか見えそう」
「────え。うわぅっ!?」

慌てて前かがみになって服の前を掻き抱く高町。その仕草と赤くなった頬と上目遣いにぶつけてくる警戒感の強い視線のせいでなんか余計エロくなった気もするが、高町だからどうでもいいや。どうせココ俺しかいないし=今の高町見て興奮する奴いないし。

「せ、せーくんのえっち……!」
「はあ、まあ、安心しろよ。扇情的だとは思うけど高町にだけは欲情とかないから」
「それはそれで酷いよっ!?」

俺の言い様が気に食わなかったのか「女の子に向かってなんてこと言うのっ!」とかボカボカとこちらを殴ってくる高町。んだよ。「ああ、エロいな。だからもっと見せろ」とか言ってもどうせ殴るクセに。乙女心って本当めんどくさいね。
つーか俺だって本当は人並みにドキリとした反応を示したりしたいのである。けどこの常時無防備娘相手にそんなことしてたら体も心もいくつあってももたないのでこんなんなってしまいました。
俺が見る限り誰に対してもこんななのも、こんな風に邪険にすると両手振り回すところも昔から変わらない。
それを適当にあしらっていると、こいつがいきなりクシュンとくしゃみしたので、夏の入りでも夜は少し冷えるよねしかも肩丸出しだしとか思いながら仕方なく上着脱いで、うーと唸りながら鼻をすすってる高町の肩にかけてみた。
初夏用だから薄手だけど、長袖なのでないよりはマシだと思う水色のそれ。
高町はポカンとしてから「あ、ありがとう」と呆然としつつお礼を言ってきて、それからようやく状況を呑みこみ始めたのか、Yシャツの袖に腕を通して、かなり余った裾をちょこんとはみ出た指でつかみつつ「わー、ぶかぶかー」とか嬉しそうに笑顔を浮かべ始めた。
そ、そんなに嬉しがるようなことかよ……。いや、確かにこんないい人っぽい何かを以前彼女にやったのとかいつのことかも思い出せないくらい前なんだけどさ……。
そんなことくらいで機嫌がよくなられると、なんか普段すげー粗末に扱ってるような気分になる……。いや扱ってますね……。
なんか居た堪れない気分になったので話を先に進めよう……。
というわけで、前のボタンを二番目から下まで全部締めてようやく落ち着いた高町に聞く。

「それで、こんなところで何してんだよ。お前は」
「────え。えっと……」
「……?」
「……は、花を見てる?」
「……」

おい、なに、リアルでそれだけ? いや、それならそれで俺自身激しく楽なのでむしろ「バッチコイやぁぁぁぁ!」って感じなのだが、そもそもさっきまで膝に頭埋めて蹲ってたから花どころか周囲の全てを見ていないよね。
それともなにか。貴様の目ん玉は頭頂部についていると申したか。
それはそれで中々に夢の溢れる光景ではあるが、怪奇ホラー全開で流石にビビるのでやめて欲しい。
で、

「えと、ちょっと悩みがあって……」

さっきの疑問点を追求したらなんやかんやでそんな事を言い出した。いや、それは分かってますけどね。
俺が知りたいんだか知りたくないんだかよく分からんあれはその先のことなのであって、そんな前提の話題とかお前がそこで蹲ってる時点で分かりきってんだから言わなくてもよいでござる。とか思ってたんだが。

「その悩みを、せーくんに相談するかで悩んでたの」

続いた言葉で一気に訳わかんなくなった。でもそういうことならどちらにしろ俺には解決不能ですね分かります。よしそれでいい。それでいいから今すぐこの場から即離脱の精神を体現し、面倒からの逃避行を開始しなければ私の胃袋がストレスでマッハなうえにソニックブームでの追撃までも起こりそうなので自分の欲求に従いますね。

「そうか。なら相談するか決めたらまた来てくだされ。全力で逃げるから」

最後に完全なる本音が漏れたが気にせず高町に背を向けた。シャツの裾を掴まれて引っ張られた。

「……なに?」
「えっと、えと……相談はともかく、お、お話しない?」

お話ってなんぞ。つーかマジな話、明日も仕事なんだからこんなところでこんな時間に雑談なんぞおっぱじめたら最悪出勤すら出来ないことになりかねないんだがそれでもよろしいか。とか聞いたら「あぅぅ……」とか反論もしないなんて珍しい状況に陥ったんだがなんなんだ一体。

「と言うか、何をお話するようなことがあるんだ。少なくとも俺にはないわけだが」
「……例えば」
「例えば?」
「……せーくんがスバルに、わたしがヴィヴィオの保護責任者を引き受けたことを否定するみたいなことを言ったことについて……とか」

言われてびっくり驚愕ディス。
口止めは確かにしていなかったとはいえ、まさかあんな話題を渦中の本人にそのまま伝えるとはあやつのワンころ的忠誠心具合が心配でならんよねとか思いつつ、まああいつ自身も自分の母親、クイントさんのことがあるから、いろいろと思う所があったのかも分からんとか考察。
まあ正直どうせいつかばれたんだろうから、それが今だろうがあとだろうが別にどっちでも変わらないと言えば変わらないんだが。
あの時、俺はあいつに母さんが俺を産んだ時の状況を話した。俺が一瞬とはいえ嫌そうな表情をした理由がその辺にもあったからだ。
別に話したかったわけじゃないが、そうしなければ納得してくれなさそうな感じだったし、俺自身他人に隠している過去ってわけでも無かったから構わなかった。時間を食ったのだけはいただけないが、エリ坊たちにもこないだ話したわけだし。
そしたらそのお返しとでも言わんばかりにあいつは、自分がクイントさんの遺伝子データから作られた戦闘機人で、その違法研究の捜査をたまたま行っていたクイントさんが、たまたまスバルとギンさんを発見して、それならと引き取ることを決めたんだって話をしてきた。
自分のクローンを引き取る気持ちってのは、引き取ったことが無い俺には分からないが、それでもかなりの覚悟は要ったと思う。思う所もいろいろあったんじゃないだろうか。
それでもあんなに真っすぐに二人を育てて、彼女自身尊敬される母親でいたと言うのだから、それは素晴らしいことだと思う。最後に二人を置いて死んだのでなければ。
状況は詳しく知らないが、ゼストさんの命令無視に付き合って違法研究所に突入し、殉職したのだそうだ。
ここまで聞いて俺は、自分とスバルたちが似たような状況であることに気付いた。
子供に対して何かしら覚悟があって、その覚悟を全うしている最中にこの世を去る。
それはきっと、世間さまから見ればカッコいい美談なのかも知れない。
ただ、置いて逝かれる立場だった俺たちからすれば、冗談ではないってだけの話で。
スバルの方は、俺とは違う思いを抱いたらしいのだけど。
それはともかく悩みってそれかよと思ったのでそう聞いたら、これとはまた違う話らしい。
それはとても面倒ですねとか思いながら頭を抱えてたら高町がまた聞いてきた。

「せーくんは、反対なの? わたしがヴィヴィオのママ役をするの」
「別にどっちでもいいです。個人的には気に食わないってだけ。好きにすればいいと思うよ」
「な、なんでっ?」

焦ったように聞かれて、なぜ焦るのよと首を傾げる。
別に俺がどう思っていようが、どうでもよくね?
まあ聞きたいってんだから聞くまで離してくれる気なんてないってのは高町的に確定的に明らかなんだが。
大体、スバルとあれこれ話してからいろいろ考えてなんであんな風に思ったかってのの最終的結論にはなんとか達してるけど、正直自分で思って勝手な屁理屈の展開だなぁと思うくらいなのであんまり言いたくねーですと言ったらそんな遠慮はいらないから教えてお願いとの御達しだった。
……こうまで必死ってことは引き下がる気なんてないんだろうなと理解出来るくらいに彼女との腐れ縁を続けてきた自分が憎い。けどそんなん今更言っても仕方ないのでとりあえず説明開始。
俺の抱いた何とも言えない拒否感情ってのは要するに、なんかヴィヴィオに必要以上に馴れ馴れしすぎじゃね?と言うアレである。
もちろんそれは、俺がヴィヴィオにもっと懐かれたいとかそういう安直な意味での高町に対する嫉妬ではなく、本気で引き取るかどうかも分からないのに懐かせすぎなんじゃないかという心配の方。
あんなノリでこのままさらに懐かせていったら、多分ヴィヴィオは他の人に引き取られる気なんてなくなってしまうと思う。
そうなったとき、高町はどうするのだろうか。
それでも引き取れないと突き放すのか、それなら引き取りますと決意するのか。尤も、多分高町はそうなったらそうなったであの子を引き取ることにするんだろうけど、それはそれでどうなのよって感じ。
だってこいつ、ワーカーホリックじゃん。近頃ちょくちょく聞き出すこいつの六課に来る前の生活リズムの情報とか統合すると、家になんてほとんど帰って無いってのに、ヴィヴィオ引き取ってどうやって育てる気なんだろうか。
今は確かにさびしくないだろう。六課にいる間はほとんどいつだって会うことが出来る。
だが、ここはあと半年強ほどで解散なのだ。そうなったとき、高町だって自分の帰る場所に帰る。
そうなった時に高町がヴィヴィオを引き取っていたら、どうするんだろう?
まさかと思うが、ハウスキーパー雇うとか?
それとも、家に一人で留守番なのか?
確かに、たまに家に帰って顔を合わせて、その時一杯かまってあげれば、ヴィヴィオはそれなりに幸せなのかもしれない。
でも、高町は小さい頃にそれと似たような状況を作られて、家族に安易に甘えられなくなって、死ぬほど寂しかったって言ってたはずなのに、ヴィヴィオに同じような体験をさせる気なんだろうか?
仕事で大怪我を負い、瀕死の重傷で入院した士郎さんと、そんな状況の中で当時開店したてで踏ん張り時だった翠屋を支えるので精いっぱいになった桃子さんや美由希さん、そしてそんな一家を何とか守らなければとピリピリとした緊張感を常に漂わせるようになった恭也さん。
高町は、そんな彼らに気を遣って、迷惑をかけないようにと自分だけ家族から孤立していった────と、本人から告白された。
だとしたら、ヴィヴィオが仕事で大変な高町に気を遣って、当時の高町と同じような気分を味わってしまうんじゃないかとか、思わないのだろうか。
それとも、自分はそれをされても耐えられたから、それをあの子にしてもいいかなとか思ってるとか? ……いや流石にそれはないだろうけど……。
と、そう言う所のことを全く考えないで仲良くなろうとしてるだけって感じだったので、そういうのはあまり感心しないなぁ、と言う話。ただそれだけ。
ここまで話したあたりで、高町がふらふらとおかしな挙動になってるのに気付いて、大丈夫かと肩を叩こうとしたら、それより先に俯いたまま俺の服に縋りつくみたいに体を預けてきた。
昔のトラウマをほじくり返されて、気分が悪くなったのかもしれない。もしそうなら俺のせいと言っても過言でないので流石に突き放すことも出来ずになすがままに高町の好きにさせとくことに。
ちなみに両手は万歳状態。俺は一切触れません。
そんな感じの流れの中、体調が悪くなるほどにトラウマな話だってのに高町が先を促してきた。
俺も流石に大丈夫かよと聞き返すが、大丈夫だからと消え入りそうな声で呟いて受け入れようともしない。けど、もう言いたかったことはあらかた言い終えてる。
だからここから先は完全に俺個人が高町に対して聞いておきたいことでしかないんだが、その辺を口にした。

「ところで俺たちこんな仕事してるわけだけど、いつか死ぬかもとか考えたことは?」
「それは……無くは、無いけど」
「じゃあ、あの子の中で唯一のめちゃめちゃ大事な存在になってる高町が死んだ時に、あの子がどんな風に思うか考えたことは?」

少なくとも俺は、あの頃は事情も何も知らなかったけど、大事な母親が逝っちゃうってのは結構辛い事だったよと告げると、高町がこちらを見上げた顔を泣きそうに歪めて「せーくんっ……!」といろいろと感情が籠ってそうな感じで俺の名を呼んだ。
母親になるから安易に死ねないとかそういう問題じゃないとは思う。引き取るなら管理局をやめた方がいいって話でもない。ただ、子供にとって世界の全てと言っても過言じゃない対象である母親が、自分から死地に近付いて行く様子を知った子供の不安を少しだけでも考えては欲しいと思った。
……流石に余計なことを言ったかもと、今更ながらに思うけど。
でも、子供を育てるって、すげえ大変なことなんだと思う。
育てたことが無い俺が考え付くだけでもさっきみたいにいろいろあるくらいだから。
高町は、そのあたりのことをあまり考えていないみたいだったけれど。
よく考えれば、あれに関する高町の詳しい過去を知ってる人間は六課には俺しかいなくて、だからああいう風に考えられてそれを高町に伝えられる人間は、今は俺しかいないのだ。
だから、いろいろ考えて違和感を持ってしまったんだから、聞かれようが聞かれまいがいずれ嫌味に交えて話していたのかもしれないとも思うけど。
けど、こんなことを言わなくてもなんとかなっちまうんじゃないかと思ってる自分がいるのも事実で。
知らぬ間にエリ坊とキャロ嬢の母親になってたフェイトさんが母親っぽいことが出来ているかはともかく、あの二人が今ここであんな風に笑っているのを見てしまっては、フェイトさんみたいに誠意のような何かさえあれば意外とノリでいけるんじゃないかと思ってもしまうのだ。
子供だって、一人の人だ。そう考えれば子育てだって、人付き合いの一環だと俺は思う。
だから、考えたら正解だとか、考えなかったら不正解だとか、そういう一括りにはきっと出来ない。だけど、俺の屁理屈が、高町が考えなかったことを後悔しないようにしてやれるくらいの意味があればいいなとは思う。
だから、屁理屈をこねた舌の根も乾いてない癖に、フォローのように口を開いた。

「まあ高町だし、意外とこれでいいんじゃないかなとも思うんだよね」
「────…っ?」

嗚咽をこらえるような状態になってた高町が、俺のトーンの変わった声音に反応した。
俺は、カラカラ笑いながら言った。

「だってさ、お前の言葉でヴィヴィオとスバルが元気になったのは事実だし、このなんかいろいろ考えてそうで実はその場のノリに流されてるだけな感じも高町っぽいし」
「ひ、酷っ!?」

仕方ない。これが俺です。嫌なら離れるべきそうすべきと言ったらそれは嫌だと即答乙です。
……もういいです。結論へ急ごう。

「それにもし高町がヴィヴィオを引き取ったら、それに合わせて高町のワーカーホリック、治るかもしれんしね」

高町がヴィヴィオに寂しい思いをさせたくないと言うなら、自然とこいつは休みを入れたり早く帰ったりしなければならなくなる。
そうなれば、高町の無茶も抑えられて、ヴィヴィオも寂しい思いをしなくなる。まさしく一石二鳥と言うやつだ。
こう考えると素晴らしいパートナーじゃないか、この二人は。
だから、そういう所についてもちょっと考えてみるといいんじゃないかな。と言うと、高町は無言で小さくコクリと頷いた。
それから、俺の方を見上げて、ありがとうと笑顔を作る。

「なんだか、久しぶりにせーくんに教えてもらっちゃったね。……本当、考え無しで嫌になっちゃうよ」
「高町が考えつかないところは、フェイトさんとか八神とかが近くにいてなんとかしてくれるんだろうから、そのまま何も考えずにいつも通りに生きていけばいいんじゃないかなと思います」

あれ、これ作文? とか思ってると、高町が「……じゃあ、せーくんは?」とか聞いてきて首を傾げる。

「何が?」
「せーくんは、わたしの考えてないところ、近くでフォローしてくれないの?」
「……メンドくさ」
「ホンっトに酷いね、きみはっ!」

なんだかそろそろ高町さんが本調子気味である。よかった、ツッコミの際に発生するエネルギーが高町をいい方向へと導いてるよツッコミすごいですね。

「つーか俺の気付けるようなことならあの二人でも気付けるだろ常識的に考えて……」
「そんなことないよっ。今回のこれ、せーくんしか違和感持ってなかったみたいだし……」

それはただ単に、俺だけが知ってる高町情報があったからであってそれ以上でも以下でもない。

「そもそも違和感っつーか、勝手な屁理屈の展開だけども。自分の気に入らないことに文句を言ったとも言う」
「うー。本当にああ言えばこういう……」
「俺ですから」

そんな風に言ってから、高町の手を俺の服から離させ、一歩下がって距離をとる。これだけ俺といろいろ言いあえるならもう精神的にも大丈夫だろうと踏んだからだ。
予想通りそれなりに体調を回復していたらしい高町は、「わわっ」と驚きながら俺から離れて、それから真剣な顔で俺の方を見た。

「今日はありがとう、せーくん。わたし、もっとちゃんとヴィヴィオのこと考えてみるね」
「そうか。じゃ、頑張って」

そういって右の手の平を高町に向けて掲げる。
高町はそれを見て一回首を傾げるも、すぐに俺の意図に気付いたのか楽しそうに笑ってから自分の右手の平をあげて、俺の手の平に叩きつけてきた。
パチンと小気味いい音が響いてハイタッチ完了。俺の手の平に少々痛みが走るが些細な話だ。
俺は一回苦笑してから、じゃあまた明日なと身を翻した。
随分長い話になったので、今日の仕事をそれなりに片付けておいた昨日の自分GJと思いながら。































介入結果その二十七 高町なのはの懊悩





遠ざかるせーくんの背中を見送りながら、わたしは小さくため息をついた。
また自分は、考え無しに先走って失敗する所だったみたい。
昔からいつもそうだった。考え無しのおかげで成功したこともあるけれど、それと同じくらい失敗だって少なくない。
そういうことを、わたしの周りの人はあまり指摘してはくれない。というより、類は友を呼ぶとでも言うのか、周りの人の大体はわたしと同じ考えで、意見の相違なんてほとんどない。
そして、それ以外の人になるとわたしに意見を言ってくれる人なんてほとんどいないんだ。
わたしはどうやら、普通の管理局員の人たちにとって近寄りがたい存在みたいだから。
それくらいにわたしは、エース・オブ・エースって異名は異様だから。
だけど、せーくんだけはそうじゃなかった。
わたしに対してだけじゃ決してないけど、彼は自分がおかしいと思ったことは、納得できるまで自分の中で結論を求める人だ。
そして、聞けばその考えをちゃんと教えてくれる人。
彼自身は、自分の思ってることなんて数ある意見の一つでしかないから、余程のことがない限りは真に受ける必要なんてないなんて言っているけど。
彼とのそう言うコミュニケーションは、わたしにとってはその数ある意見を聞く少ないチャンスだから。
彼の話を聞くと、わたしの世界がまだ小さなものだって思うから。だからもっと広げたいって思う。
遠慮なんてほぼなく自分の考えたことを口にしてくれる、わたしの大切な友達の一人。
フェイトちゃんやはやてちゃんや、他の誰とも違うタイプの、皮肉屋さんで素直じゃない人。
彼にこうして自分とは違う視点を見せてもらったのは、これで何回目だっただろう。
初めに助けてくれた時も、リンカーコアのことを隠そうとしていた時も、そのことで話を聞きに行った時の魔法ってものの捉え方についても────他にも、いろんなことを彼を見て知った。
────その中でもわたしの中で気持ちの比重を大きく変えたものが、彼が仕事中に執拗に迫られない限りは敬語を使わなくなったあの時のことだと思う。
あの時気付けたことを、わたしはティアナ達に伝えたい。
以前までのわたしは、この事を生徒に教えるようなことは無かった。けど、せーくんに、もっと生徒と近づいて話すべきだって、教わったから。
体験から学ばないと身につかないからなんて理由は、話をしないことに繋がらないって、ようやく分かったから。
教えたことを真に受けてそのまま受け止めて欲しいわけじゃない。けど、みんなに教えたいことがいっぱいあることに気付いたから。
って、こんな風に考えて、せーくんがわたしに自分の考えを教えていた時の気持ちが少しだけ分かったような気がした。
いろんな人がいるから、わたしのそれは間違いだって言う人もいるかもしれない。
自分の気持ちを相手に真っ向から否定されたらって、ちょっと怖い。
だけど、それでも伝えたい。
それが、本当に理解し合うってことだって、今なら思うから。
けれど、どうすれば?
あの話をティアナ達にするのなら、それにはせーくんに立ち会ってもらわなくちゃならない。
それはあの話がせーくんの重大な過去だからだけど、つまりそれはせーくんの思い出したくないことを思い出させることになってしまう。……かもしれない。
正直、良く分からないんだ。せーくんがあの時の事件に何を思って、それにどう結論をつけたのか。
細胞のクローニングとは相性が悪かったらしいからと、ジェッソさんの勧めで彼の知り合いのお医者さんに最新鋭の技術で作られた試作品の機械の義手をつけてもらったロロナさんがその手をリハビリで動かしながら「ははっ、どうだ、カッコいいでしょー」と笑っていたことと、それを複雑そうな表情で見ているせーくんが、あの時のわたしが知っている彼らの結末だから。
あのあときっと、二人は何かお話をしたのだと思う。けど、それがどんな内容なのかは分からない。
分かっているのは、あの事件から少し経ってロロナさんが管理局を辞めて結婚したことと、せーくんがそれまでとは人が変わったみたいに周囲の人に明るく接するようになったこと。
……わたしの勝手な考えだけど、せーくんはロロナさんの真似をしているんじゃないかと思う。
ロロナさんは、職場でいつもキラキラと笑っていて、さながら太陽みたいな人だったから。
自分のせいでそんなロロナさんを管理局からいなくしてしまったから、自分が少しでもその穴を埋めようとしているのかもしれない。
だから迷っていた。
せーくんに相談すれば、わたしが一人で考えるよりもよほど上手に、ティアナ達に気持ちを伝えることが出来ると思う。
だけど、それでせーくんを傷つけたいと思えなかった。
だってもうわたしは、最近の出来事の中で何度も、せーくんに迷惑をかけてる。
彼が六課に来たことだってそう。
セイスさんの所に行ってから、せーくんは以前みたいに元気に飛び回るようになった。
せーくんの気持ちをわたしが癒してあげられなかったのは残念だけど、元気になってくれただけで嬉しいからそれでよかった。
だけど、嬉しかったけど、わたしとせーくんが会う機会は極端に減った。
それは考えてみれば当たり前のことで、ただでさえわたしが忙しくて、はやてちゃんにいろいろ手を回してもらってせーくんの休みと時期を無理矢理合わせていたのに、せーくんにも暇が無くなったら会える時間が出来るわけがない。
そんな期間が約三年。話をするのはたいてい通信越しで、時々任務でかちあって一緒に仕事をするのが関の山。
直接会ってゆっくり話なんて出来そうにも無くて、でもそれをせーくんが喜んでいるのは何となくわかってる。
これでわたしと距離を置けるって、これでわたしが自分のリンカーコアの異常を知る機会が減るってそう思ってるって分かっていたから。
わたしのためって気持ちが、嬉しくて悲しい。そして、会えなくてさびしい。
そんな時だった。はやてちゃんからとある部隊を作るから、信用できる人を集めて欲しいと言われたのは。
時空管理局所属、古代遺物管理部機動六課。
ロストロギアの対処を専門とするその課で、せーくんと一緒に働けるかもしれない。
元気になったせーくんと一緒に、空を飛べるかもしれない。
そう思ったわたしが実行したことは、もう周知のこと。
周りが見えなくなって、せーくんを困らせて、フェイトちゃんやはやてちゃんに心配をかけて、それからセイスさんにまで迷惑をかけた。
だけど、それでもせーくんはいつも通りで、ティアナとの仲をとりもってくれて、他にもいろいろと手助けをしてくれた。
それが嬉しかったのに。なのに、せーくんはある日突然怪我をした。
そして、Sランク魔導士、ゼスト・グランガイツさんと言う人の存在。
ジェッソさんの友達なんだって言うその人に、せーくんは負けた。
あり得ることだって、そう言う風にして撃墜されることだってあり得ることだって、八年前のあの日に、嫌と言うほど分かっていたはずなのに、わたしは凄く動揺して。
動揺して、ジェッソさんに連絡をとって。あまりに混乱していたわたしを見かねたのか、忙しいはずなのに、ジェッソさんは六課まで足を運んでくれた。
もうめちゃくちゃだった。けど、その時の出動の事後処理を必死に終えて六課に戻ったわたしを待っていたのは、ジェッソさんの「誠吾は大丈夫だ」と言うとても落ち着いた声音で紡がれた一言。
それで思わず涙を流したことも、随分記憶に新しい。
六課に来なければ、怪我をすることも無かったって本人に行ったら怒られそうなことを思って、この時点で、せーくんを六課に呼んだことを、すごく後悔していた。
なのに、先日はやてちゃんから聞かされた話は、もっとわたしの気持ちを重くするものだった。
六課設立の真の目的。
詳しく説明すると随分と長くなるから有体に言えば、管理局滅亡の阻止。
こんな大きな事件に、せーくんを巻き込んでしまった。
きっと彼は、面倒だ面倒だと文句を言いつつも仲間を掛け替えのないものだと理解している彼は、自分が囮になれば、とか誰かを庇うために、という状況に陥れば、仕方がないってそれだけの理由で自分が何とかしようとする。
それはもう、ゼストさんを一人で足止めしたことからも分かる。
それを止められる人は、いない。
わたしにも、他のみんなにも、出来ない。
だって彼は────────
……そして、今回はそれだけじゃない。多分せーくんは、ゼストさんをなんとかして助けようとする。
ジェッソさんの親友。そして、自分の旧知の彼を、なんとか自分だけで助けようとする。
ジェッソさんのために。そして自分のために。
それが自分の勝手だってわかっているから、きっと彼は助けを求めないと思う。
ゼストさんと遭遇した時周りに仲間がいても、ここは俺に任せて他に行けって言うに違いない。
彼は、昔からそうやって、わたしたちがみていてハラハラすることを、なんでもないような表情をしながら、心の中ではびくびくしているのにその場の勢いだけでやってしまう人だから。
ほとんど話す機会を持てなかったから、ヴィータちゃんとの噂を理由に取調室に彼を呼び出した時は、なんだかわたしには読めない表情をしていたけど、もう既にいくつか手を打ち始めていることは噂程度に聞いているから。
自分を犠牲にするようなやり方だけは許せないって、そう思ってるけど。
隊長でエースが、今のわたしの立ち位置だから、彼だけを優先させるわけにはいかない。
────わたしは、自由に動けない。
もうせーくんは、言葉じゃ止まらないって分かってるのに。なのにわたしは手が出せるかも分からない。
ならそれもどうすればいいかって、悩んでる。
なんだか悩みだらけだなって、自嘲した。
ほとんど自分の蒔いた種だから、自分で刈り取らないといけないのが、辛いけど。
けど、全部何とかしたいって思うから、だから今はまずヴィヴィオのことを考えよう。
自分が今できる目の前の事から始めよう。
あの、わたしに無邪気に懐いてくれる、かわいい女の子のことを考えよう。
とりあえずそう決意した時、わたしはまた一つくしゃみをした。
せーくんに借りたシャツのおかげで大分マシだけど、やっぱり少し肌寒い。
とりあえず、部屋に戻ろう。そうして、それから考えよう。
夜更かしは、仕事で慣れてる。最近少し疲れ気味だけど、もうちょっとなら大丈夫だろう。
……と、それが命取りだと気付いていないわたしは、少し小走りに宿舎へと戻るのだった。
































2010年9月3日投稿

2010年10月4日「高町なのはの懊悩」微改稿

2017年2月27日改稿

そんなわけで第38話でした。
正直長すぎますね、はい。ごめんなさい。

ちなみになのはさんは誠吾が思ってるほど演技下手じゃないです。
むしろうまいです。リンカーコアのことばれてるってこの数年他人に悟らせないくらいに誠吾に対してそのテの遠慮をしていないという演技が上手いです。
というわけで今回の件での今までも持ち前の演技力で誤魔化せてます。
ただし今までもこれからも誠吾の前限定なので、気心の知れているフェイトさんや八神さんの前では化けの皮がはがれます。それゆえの八神さんの引き抜きのあれに繋がるわけです。
以上説明でした。

次回も6割かけているのでそれなりに早く投稿できそうです。
ちなみに気付いている方も多いとは思いますが、要するにあの方が風邪ひきます。以上。
というか、前回の最後に今回のこれ以上のなのはさん乙女チック無理とか書いたんですけど、なんか今回よりすげーのかけました。私の妄想力乙。

ところで、最後の高町さんの介入結果の所は後でちょっと手直しを入れるかもしれません。
この先少しだけ忙しくなる予定ですのでちょっと近日だと今日しか更新できなそうだった故のスピード更新ですが、その辺ご理解いただきたく思います。

というわけで次回も早めに会えますよう頑張りますね。では。また。


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