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No.9452の一覧
[0] 砂漠の少女(H×H オリ主転生 TS)~チラ裏から~[まじんがー](2009/07/19 02:10)
[1] ぷろろーぐ[まじんがー](2009/06/14 20:46)
[2] 死亡フラグのない平和な部族です[まじんがー](2009/06/14 20:47)
[3] 私の手が真っ赤に燃える![まじんがー](2009/06/13 17:29)
[4] 夢がある限り、私たちは戦い続ける![まじんがー](2009/06/11 18:55)
[5] 過去なんて簡単に変えられるんだよ![まじんがー](2009/06/12 15:36)
[6] これが私たちの追い求めたものなのか![まじんがー](2009/06/14 20:48)
[7] NTR………だと?[まじんがー](2009/06/13 17:28)
[8] お腹痛いです………。[まじんがー](2009/06/14 19:28)
[9] あの夕日の向こうまで全速力で駆け抜けろ![まじんがー](2009/06/21 01:31)
[10] 私の裏側見せてやんよ!(念能力解説)改定[まじんがー](2009/06/21 01:30)
[11] 修行、修行、修行だよ![まじんがー](2009/07/19 02:07)
[12] 何でお前がここにいる![まじんがー](2009/06/19 09:04)
[13] スーパーエルリオタイムなんだよ![まじんがー](2009/06/21 02:03)
[14] スーパーコンちゃんタイ――コンちゃんの馬鹿![まじんがー](2009/06/28 14:20)
[15] 紳士と呼ぶのも生温い![まじんがー](2009/06/21 20:19)
[16] 何か憑いている……のかな?[まじんがー](2009/07/19 02:08)
[17] 呼び方って大事だよね?[まじんがー](2009/06/28 14:05)
[18] 飛行船の中の惨劇だよこれ![まじんがー](2009/06/30 14:15)
[19] PV10万記念 さすらいのロリコンドル前編[まじんがー](2009/07/01 18:03)
[20] PV10万記念 さすらいのロリコンドル後編[まじんがー](2009/07/01 17:17)
[21] 容赦なんてありゃしないんだよ![まじんがー](2009/07/17 17:20)
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[9452] PV10万記念 さすらいのロリコンドル前編
Name: まじんがー◆2e2abe3d ID:2e416595 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/07/01 18:03
 ちみっこいガキだった。

 編みこまれた黄褐色の髪は背中まで伸び、強い光を宿した瞳は宝石のような美しい琥珀色。民族衣装なのか街中では見かけたことのない奇妙な風貌は、しかしその褐色の肌に相成ってエキゾチックな様態を醸し出している。

 局部がその年にしては多少盛り上がっている気がしないでもないが、俺はロリコンではないのでノープロブレムだ。問題があるとするなら、それはこんなガキんちょが闘技場なんて無粋な場所に立っていることだろう。


 強さへの追求。

 最強の証明。


 馬鹿らしいと言えばそれまでだが、俺の求めるところはつまりそういうものだ。故郷で喧嘩一番で名を馳せた俺が一体この世間でどれだけ通用するのか。俺はそれを知りたいのだ。

 そんな俺のステージに、街中を駆け巡っているような年の子供が立っていることは、まるで俺の目的そのものを侮辱された気がした。


「おいおい、ここはガキの遊技場じゃねぇぞぉ。ガキは帰ってママのお乳でも飲んでな!」


 だからそう恫喝して―――向う視線は禁断の薔薇のごとき可憐なくの一の女性。

 あまりに強く誘うように薫るその色香。見せ付けんばかりの雄大な谷間。太陽のごとく眩い太もも。

 控えている間にチェックしていた女性なんだが………ふぅ。これは生唾ものだっ!

 ………いや、違う。違うぞ。別にこれは俺の目的から逸れたものでは、まったくない。

 なぜならば俺の目的は強さの追求。しかし、その強さの片鱗を俺はあのおっぱいに感じたのだ。あの胸部は暴力に等しい。ならばそれを見ずして何を見るというのか。

 罵声が聞こえた。生意気なガキだ。

 振り返る。

 少女は俺と同一の視線をあのおっぱいへと向けていた。そして再び咬み合う俺と少女との視線。

 何だかこの少女とは仲良くなれる気がする。

 このとき感じた印象は間違いではなかった。








 少女は強かった。

 いや、確かに予想以上に強くはあったが、何より不可解なのはこちらの攻撃がさほど利いていなかったこと。手ごたえを感じる攻撃も、人ならば鍛えることが不可能な急所への攻撃も、少女は持ちこたえた。


 あれぇ~?


 可笑しいぞ。何だ、俺のパンチは赤子のパンチとでも言うのか。おい、こら外野。何あいつ弱くね?みたいな視線を俺に向けるんじゃねぇ! 


 で、理由があった。


【念】というらしい。習得できたのは嬉しいが、三途の川で婆ちゃんが「こっちくんな!」と騒いでいたのを耳にした。婆ちゃんありがとう。おかげで殺人未遂のこいつの頭を遠慮なく殴ることができます。

 頭を抑えながら涙目で上目遣いに「う~」と睨まれるその顔に、ホント一瞬、一瞬だけだが―――背筋がぞわっと総毛だった。

 何か未知の世界への第一歩を踏み出したような感覚。禁忌の門を叩こうとしたがごとく。

 危ない、止めろ、駄目だ。それは茨の道ぞ、堪えろコンドル。今は規制が激しい。お前は正常な性癖だろう?

 静かに部屋に帰り、何とかシグレというらしい運命の女性の生唾おっぱいを思い出し持ちこたえた。………ふぅ。危なかったぜ。そうだ、俺は強さを求める孤高の男。俺にはこのシグレたんのおっぱいがあればいい。


 そしてホタル、という少女との修行の日々が始まった。


 体術は未熟。ただセンスは悪くない。まだ慣れていないだけだろう。組み手を交えて指導してやる。こうしていると、弟のような妹ができたみたいだった。何となく頬が緩む。面倒臭がりだがやるときはちゃんとやる奴のようで、こちらの教えも素直に聞き取り、綿に水を染み込ますがごとく俺の教えを体得していった。

 これは俺とは大違いだな。俺は人にモノを教わるなんざぁ、あんまり好かねぇ。いらっとすんだよな、不思議と。

 とはいえ、ホタルから教わる【念】には一考の余地もあり、真面目に教えを聞いたんだが。

 強さへの追求。それが俺の目的だからだ。

 決して、話を聞かないとこいつが泣き出しそうだから、なんて理由じゃない。








 二つ名がついた。

「ロリコンドル」と、世間では騒がれているらしい。

 ………死にたい。

 ホタルに隠れて修行の合間に知り合った女性のメアドが壊滅した。

 ………泣きたい。

 その元凶はといえば、純粋無垢な顔でとことこ俺の後ろをついてくる。

 うむ、世間体と年の差を考えれば確かにちょっと仲良くしすぎたか。まだこいつは12歳。俺とは8つも違うのだ。ここは少し距離を置くべきだろう。こいつもまだまだ子供。なら年の近い子供と遊ばせていたほうが教育的にも良いに違いない。


「ホタル」

「何、コンちゃん?」


 見下ろす俺の視線に見上げる視線。

 子犬みたいな目だった。

 無条件の信頼、という奴か。胸が痛い。


「あの、な?」

「うん」


 キラキラした目だった。

 おっぱいおっぱい騒ぐ少女とは思えぬ性癖を持つホタルだが、普通にしていれば可愛い女の子――じゃなくて無邪気なガキんちょだから困る。何?と首を傾げるその顔に、もしも「俺にあんま近寄るなよ」と言ったときの変貌を思うと――。


 …………。


「俺の部屋でシグレたんのDVDを見に行こうぜ! 今回は特に乳揺れがすごいらしい!」

「行く行く!」


 誤魔化した。


 子供の無邪気さの片鱗を味わったぜ。距離を置く、と言った瞬間脳裏にはうるうると目に涙を溜めて「コンちゃん、私のこと嫌いになった?」と袖を引くホタルが垣間見えた。恐ろしいまでの威力だった。無理だ。やばい。しかし何とかしないと、俺の社会的ステータスが底辺を泳ぐことになる。


 そして翌朝。


 徹夜でDVDを見終わったあとにベッドですぅすぅ寝息を立てるホタルを見て、ふと思ったんだ。

 もしやもう、取り返しがつかないレベルなんじゃないかと。

 そして世間でまた、あらぬ誤解が一つ増えたらしい………。








 卑劣な隊長の裏切りを経て天空闘技場を出た。

 そしてなぜか素敵な笑顔で俺の携帯を踏み潰す悪魔がいた。

 あの夏のメモリィがああああぁぁぁぁひと夏の思いでがああああぁぁぁぁぁ!?

 これで、俺と彼女たちの繋がりは完全に断ち切られてしまった………。いや、彼女ではないんだ。ただの女友達だし、よからぬ関係を持ったこともない。だけどさ、やっぱり女の子のメアドは大事なんだよ、男にとって。それがポッキーのようにか細いフラグであろうと抱きかかえられずにはいられないのが男の性というもの。

 やって良い事と悪いことがある。ならばこれは極刑ものに等しく悪いことだ。うむ、ここは大人として子供にキチンと教育すべきだな、と顔を上げホタルの顔を見たところで俺は危うく思いとどまった。


 そこに笑顔の般若がいたからだ。


 手を出していいときと、悪い時がある。怒るときと触れてはいけないときがある。コンドル=ライフレッド。引き際を知る男。今まで培ってきた勘がここは引けと叫んでいた。

 だから大人しくいじけておいた。

 まあ、なかなか高性能な携帯を奢ってもらえたし良しとしよう。携帯ショップで二人巡ったときのホタルの顔は、何ら怖いところのない満面の笑みだったしな。怒る気力も失せた。

 そこでショップの店員に「兄妹ですか?」ではなく、一歩引いて「恋人ですか?」と呟かれたときは床に沈んだわけなんだが。

 あの青ざめた店員の顔が忘れられない。

 俺はロリコンじゃねぇっつってんだろ!








 捕まった。

 待て、落ち着こう。まだ慌てるような時間じゃない。

 だから俺はロリコンじゃないんだ!


「最初は皆そう言うんだ」


 黙れマッチョ。俺は無罪! 無罪だ!

 確かにタイミングが最悪だった。それは認めざるを得ない。なぜ確認もせずあそこに立ち入ってしまったのか。万が一、不慮の自体、という不吉な言葉が頭に過ぎったのだ。後悔とは文字通り後に悔いるものなんだと理解した。


 一種背徳的だったあの情景を思い出す。


 血が伝う褐色の肌。向き出しの箇所に視線は這って行き――

 脳裏に描く鮮明な光景に起き上がるけしからぬ息子は全力で殴った。内股になりながらぶつぶつと「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ………」と呟く俺に、尋問するマッチョの男の傍ら、精神科医と思しき白衣の男は無念そうに首を振った。


「末期です」


 連行された。








 連行されている最中もあいつにどんな顔で会えばいいのかわからなかった。

 あの瞬間を見られたことが女性にとってどれだけ精神的負担になっているかは男の自分にだって想像に難くない。トラウマになるレベルだろう。殺されても文句は言えない。もうあいつと馬鹿な掛け合いもできないかもな、と考えて、あまりに軽率だったと何度目になるか分からない後悔をした。


「まあ成るようになるんじゃない?」


 メンチ、という飛行船の中で知り合った女性は簡単に物を言う。けれどその後の「まあ私だったら包丁で串刺しにするわー」とあっけらかんと言ったその笑顔が、なぜかホタルの般若の笑顔と被った。あれ? 可笑しいな。震えが止まらないぞ?

 飛行船のスタッフの方々に説明を施し釈放に助力してくれた女性、メンチ。多分俺より年下だろう。けしからんおっぱいが惜しげもなく披露されていたわけだが、今はそんなこと気にかけている暇もない。頭の中はあいつにどう謝ればいいのかで一杯だ。


 で、言葉も見つからぬままホタルと会った結論。

 こいつ、まるで気にした様子がない。


 むしろ俺の顔を見て「ドンマイ、ドンマイ。いつかイイ事あるよ!」となぜか慰めてくる。おい、それでいいのか女として。いや、俺のほうが気にしすぎていたのか? そんなに重要なイベントじゃなかったのか? 男の自分には諮り知ることができない。

 しかし、謝るべきときに謝らないのでは男が廃る。あれは謝らなくてはいけないことだ。例え理由が何であれ。


「すまねぇ、ホタル」


 頭を下げる俺の謝罪の意図も分からないようでホタルは「ん?」と首を傾げていた。絹糸のように細く質のある砂色の髪がしゃらん、と音を奏でるがごとく靡いた。








―――

誤字修正。申し訳ないです……


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