今日も今日とて、風紀委員第177支部内の休憩室で3人勢ぞろいである。
別に仕事をサボっているわけでは無く、ここ数日は特に急ぎの案件も大きな事件も無いため待機中というのが名目だ
俺たち以外にも適当に暇を潰してるやつが多く、そんなに暇なら外で遊べばいいのにと思うところだが
律儀に皆で待機してしまうのも職業病みたいなものなのかと思う。
別に友達がいないからとかじゃないから勘違いしないでよね!!
ちなみに今現在、俺たちが何をやってるかというと何のことは無い普通のチェスである。
先日、初春が「お嬢様ならチェスですよね!」等と妄言を吐いていたのは記憶に新しい所だが、実際に白井に聞いてみたらそれなりに遊んでいるらしく
俺が提唱していた『百人一首論』は授業の一環で軽くやったぐらいだとのことだった。
それからというもの初春は俺に見せびらかせるかの如く白井にチェスを教わりはじめた。忌々しい実に忌々しい……
そして今日、調子に乗った初春が俺に挑戦状を叩きつけてきたのだった…
これだから素人は力量の違いという奴を理解できないから困るものだ、俺としても何だかんだでかわいい後輩を苛めるなんてしたくないんだけどな
でも初春から真剣勝負だと言われちゃ仕方ないよね。そう言われちゃ仕方ないよね
哀れな初春……今夜は悔しさで枕を涙に濡らす事になるだろうが、こんな俺を許してくれよな?
「やったーこれでチェックメイトです!!」
さっきから初春がよくわからない妄言をほざいてる様だが、本当にかわいそうになってきたな
俺としてもここまで追い詰めるつもりは無かったんだよ。本当なんだ…
ちゃんと相手にも形を作らせる『やさしい打ち方』で両者満足の行く形で終わらせてあげるつもりだったんだ…
「あの折原さーん折原さーん チェックメイトなんですけど?」
だけどな初春、覚えておいて欲しいことがあるんだ、俺がここまでお前を追い詰めることになった訳を
それはとても簡単な答えなんだよ、お前は強かったよ…俺が手抜き出来ない位にさ…
短期間でよくここまで強くなった、先輩として本当に嬉しく思う、今の気持ちだけは忘れないで欲しい。そう願う…
「現実逃避もここまで来ると、超能力の一種として登録できるのではございませんの?幻の『多重能力者』の誕生ですわね」
白井も初春の成長には驚きを隠せないらしく、どこかあきれた表情でこちらを見ている
お前も本当に大したものだよ、お前の指導力がこれほどの物とは思っていなかった、どうせ駒の動かし方位だろうとタカを括っていた俺が恥ずかしい
本当に俺はいい後輩や仲間を持ったものだと思う、今なら俺の隠してきたこの思いを、お前達に伝えることが出来るかもしれない
それは別に特別でもなんでもないただの一言だけど、今までの俺には勇気が足りなかった
だけど、俺が知らない間にお前たちは俺と同じ所まで来ていたんだよな…本当に俺は馬鹿だよ、こんな簡単な言葉も言えないなんてさ
だから今、この俺「折原香澄」からこの言葉を送ります…
「参りました………」
これでまさかの十連敗である……マジで泣きそうだわ
「我輩は風紀委員である」
第3話「新たなる仲間」
「やりましたよ白井さん!!十連勝です。」
「まあ相手が弱すぎましたけど、きちんと打てていましたし合格ですわ」
俺の目の前で、初春が満面の笑みで白井の奴に報告している
それを白井は、まあ当然ですわねといった表情で聞いている
そして俺のほうを向いてその小さな口を開いた
畜生…どうしてこんなことになったんだろう……
「それでは約束の罰ゲームですわね」
ああ…調子こいてた俺……なにやってんの?
というわけで罰ゲーム会場ことゲームセンターにやってまいりました。いえーい
とりあえず白井から指示された内容は、クレーンゲームで『ゲコ太君人形をゲットしろ!!』とのこと
聞いた話によるとそのゲコ某人形というのは某メーカーのマスコットらしいのだが、あたらしくこのゲーセンのクレーンゲームの景品に入ったらしい
そんなんでいいのか?と問う俺に白井は、「お姉さまが大好きですのよ」とか「どうせ貴方が罰ゲームだろうと思ってましたし」と聞き逃せない情報を残し
とりあえず御坂さんのためになるなら俺としてもやぶさかではない。
罰ゲームというテンションの上がりにくい事柄に対しても餌を用いて目標の達成を容易にするべく動く、素晴らしい考えだと感服せざるを得ない
見ててくださいね御坂さん…1個といわず5個でも10個でもとってやんよ!!!!!!!
~30分後~
まさか1個も取れないなんて…なんで…何で取れないの?
もしかして俺の御坂さんへの愛が足りなかったのか?ちゃんと今日も御坂さんのサインに拝んできたのになあ
そんな世の不条理に嘆き悲しんでいた所に突如、不良共と女の子の俺が聞こえて来たのだった。
面倒くさげにそちらに目を向けると居るわ居るわ、ステレオタイプの『ザ・不良』ともいうべき分かりやすい格好をした連中
いや逆にリーゼントとかは今の時代はめずらしいのだろうか?何言う俺も初めて見たのだが…
まあ、実際そんな連中のことなど、どうでもいいので女の子の方に目を向けてみましょう、ふむふむ。
髪は長くて髪留めは花の形か…というかあのセーラー服は初春と同じ中学じゃねーのか?
というか連中どうみてもうちの高校だろうに、中学生に声掛けるとか何を考えとるんだ。本当に碌な奴が居ないな、というか何で俺はこの学校に入ったのだろう…
いやまあ御坂さん程の方なら声掛けるのは百歩譲ってわかるがな、はあ、とりあえずそのままにも出来んし、向かうしかないわな
っておいおい走って逃げるなよ…いやまあ逃げてもいいけどそっちは行き止まりになってんだって、ああもう仕様が無いな走るぞ!!
佐天涙子は正直参っていた。たしかに学校でも、最近近くの男子校で抗争まがいの争いがあったばかりなので注意しろと言われたばかりだ
だからと言ってまさか自分がこういう目に会うとは、思わなかったのだ。
自分はこの学園都市のなかでもレベル0の無能力者、なんの特別な事件も無くただ普通に毎日が過ぎていくだけだった。
だからといってこんな『特別扱い』は心底ごめんである。
いつも一緒に居る初春も今日は風紀委員の仕事があると別れてしまったし、他の友達も今日に限ってみんな先約があるというし
なんでこんな時に限ってこんな不幸が続くんだろうと嘆くしかなかった。
ただただ夢中で離れたい一身で走り続けているものの、一向に後ろから聞こえる下品な笑い声は消えることは無い
足の速さにしても普通は涙子と男達では勝負にならない、それなのにどうして一向に捕まることが無いのか?
涙子は一瞬だけ疑問に感じた直ぐに悩まずに済んだ、なぜなら答えは彼女の目の前にあった。
「嘘…行き止まりなんて……」
本当に今日は嫌なことが続くものだと涙子は泣きそうだった。
しかし、直ぐに思い直す。こんな所で負けてはいけないと、彼女の一番の親友である初春飾利は運動も得意ではないし性格も荒事向きではない
それでもあの子は風紀委員になるため厳しい研修も乗り越えたのだ。だから私もこんなことでくじけてはいられない
「絶対絶対にこんな奴らに負けるもんか!!」
涙子の決心を他所に、男たちはその下品な笑い声を大きくしていく、必死に逃げていた少女が行き止まりを前にして悲しむ姿をみることが心底楽しかったのだろう
しかし、悲しんだのもつかの間に涙子の視線に力が戻ったのを見て男たちは怪訝な表情を浮かべる、そしてリーゼントの男は涙子に口を開いた
「もう逃げ場は無いよお嬢ちゃん、おれらやさしいからそんな怖い顔しないでよ」
涙子はその言葉を聴いても当然態度を変えることは無かった、その様子を見ていた男たちは言葉を重ねる
「悪いけど、そっちからこんな所に逃げ込んじゃったんだからね?誰も助けになんてこないだろうけどね」
「そうだよな誰も来るわけないしな、あれなら叫んじゃおうかな」
男たちは気丈に振舞う涙子が面白くて仕様がないようにどんどんその笑い声が大きくなる。涙子にはなにがそんなに面白いのかまったく理解できるはずが無かった
そんな彼女達を他所に男たちは調子に乗っていく…
「叫べ、叫べ、どうせだれも来るわけ無いんだからw」
「ああわかったいくぞ、『俺を倒せるものはいるか!!!』『俺を倒せるものいるか!!!』『俺を倒せるものはいるか!!!』」
「\ここにいるぞ/」
誰もが予想してなかった5人目の声が響いた。涙子も男達も驚きの表情と共に声の方に振り返る
そこにいたのは、先日抗争があったことで有名な男達と同じ制服を着た目付きの悪い男、しかし彼らと絶対的に違うのはその腕に揺れる『盾の腕章』
「「「げえええっ風紀委員(ジャッジメント)!!!!!」」」
実はノリの良い奴らなのかと涙子は一瞬悩んだ。
完全にやってしまった。どう考えてもあのリーゼントが妙なネタを振るから悪いのだ。不意打ちでとりあえず一人とか考えてた計画が水の泡である
でもまあ見た限り女の子に危害を加えた様子もないので一安心である、突っ立ったままでも仕様がないので男達の所へ歩いていく。
「おいなんで風紀委員がこんなとこにいんだよ」
「だから叫んだりするなって言ったんだよ馬鹿が」
「俺のせいすんなよ馬鹿っていったほうが馬鹿なんだよ馬鹿が」
とりあえずお前ら落ち着けよ。こっちを完全に無視して馬鹿馬鹿言いはじめた馬鹿どもをとりあえず落ち着かせる。
「知らなかったのか?風紀委員からは逃げられない」
逃げたのは女の子の方ですけどね。当の女の子は呆然とこっちを見ている、軽く手を振ってみたら女の子も手を振り返してくれた。
「なにゃってんだよてめえはあよ」
なにかもう日本語かどうかも分からない声で俺と少女のファーストコンタクトを邪魔してくるリーゼント
どうでもいいのはお前だよこの時代遅れのリーゼント頭がとオブラートに包んで返そうと思ったところにリーゼントの隣のリーゼントが声をあげた。ちなみにもう一人もリーゼントである
「おい辞めろこいつはやばいぞ…一夜でうちの学校一のチームを潰した竹内の奴の右腕が、たしか風紀委員だったはずだ…」
おおなんか簡単に話が進みそうな気配が出てきたね。竹内君様様だね、あんまり関わりあいたくないけどさ
ああでもリーゼント達の言葉を聴いた女の子も俺の方を恐れの入った目で見始めた、もう慣れたけどさ良い気分はしないね
とりあえずこれで相手が引いてくれれば何も言うことは無いさ、女の子にも直接的な被害は無かったみたいだしね
「とりあえずさ、引いてくれないかな?俺の言いたいこと分かるよね?」
「逃げるぞお前らこんな危ない奴相手にしてられねーぞ」
「ああそうだな……」
そういってバラバラに逃げようとするリーゼント達、俺の横をすり抜けて走り去る中で、最後のリーゼントだけが立ち止まり俺の方を向く
「女のためにしか拳を振るわない、竹内四天王が一人『愛狩人(ラブハンター)の折原』の噂は本当だったんだな…俺も何時かあんたみたいに…いやなんでもねーよ」
おいちょっとまてちょっとまて、何だよそれなんだよそれ、流石の出来事に俺の脳がフットーしそうである
どうしてこうなった…四天王の件は断ったはずだぞ…いやいや問題はそこではないだろう、たしかに前回のは広義の意味では女のためというのは分かるが
あれは純粋に御坂さんが困ってると聞いたからの話なだけで、なぜにこんな恥ずかしい名前で呼ばれなきゃいかんのだ……
それに何だよ狩人ってあれですか?俺の目が怖いからですか?御坂さんの心を射抜く前に会った事すら無いわこの野郎
もう完全に混乱の最中であったのだが、完全に女の子のことを忘れていたことを思い出した。
そっと目線を向けてみるとさっきのリーゼントの言葉が聞こえていたらしく、女の子からの視線が恐れからなんか理解出来ないものを見るような目に変わっていた…
「あっありがとうございました。愛狩人さん」
わざと言ってるよね君、えっ俺が何か悪いことしたの?どうしてこうなったの?
いじめ?いじめですか?このクラスにはいじめがありますよ先生、もしかしてあれですか?
白井から貰った『御坂さんのシャーペン(2980円)』を専用ケースに入れようとした際に地面に落としたせいで天罰がくだったんですか?
そうか…そうですよね…ごめんなさい御坂さん、いえ御坂様、もう二度とそのようなことの無いようにしますので許してくださいどうかどうかご容赦を…
涙子はどうすればいいか完全に混乱していた。どうしようもない時に助けが来るとは思わなかった。
しかしその助けに来た人も実は学校で注意された抗争の当事者と言うので、怖くなってしまった
そして極めつけは『愛狩人』である、もう何がなんだか分からなくなってきた涙子はつい『愛狩人』さんなどと
お礼の挨拶を言ってしまい。其れを聞いた風紀委員さんはフリーズしてしまい、そのままトボトボと帰っていってしまったのだ。
とりあえず明日、初春に聞いてちゃんと謝ろうと涙子は決意を新たにするのだった。
そして翌日、涙子は通学途中で初春を見つけた。昨日のことを聞かなければと涙子はそっと初春の背後に近寄り、一気に手を振り上げる
その手には初春のスカートが握られている、哀れ往来でスカートを捲られたことに気づいた初春は、犯人が誰かを確認する出なく声を荒げる
「だっだから佐天さん…やめてっていつもいってるじゃないですか!!!」
「だってさー朝の挨拶は一番大事だよー」
顔を真っ赤にして怒鳴ってくる初春を前に反省の色を見せる様子の無い涙子、そんな涙子を前に諦めのため息をつく初春
もう毎日のように繰り返される二人の風景である。
そして、授業もそこそこに流れお昼休みに入り、初春に昨日の件を報告する涙子
「大丈夫だったんですか!?怪我とかしなかったですか?」
本当に心配してくれてるのがよくわかる表情である、だからこそ涙子は初春飾利が大好きなのだ
「うん、もう駄目だって時にね風紀委員さんが助けてくれたんだ」
あの『愛狩人』のことを思いつく限り初春に話す、あの喧嘩で有名な学校の制服を着てること、目付きが凄く悪かったこと
思いつく限りの特徴を話す涙子の言葉を聴く初春は、徐々にその顔を微妙に変化させていた…
「どうかした初春?もしかして知ってる人だった?」
「えっあっはい、たぶん間違いなく同じ支部の折原香澄さんだと思います」
もしかしたらとは思っていたものの、実際に知り合いだったことに涙子は驚きを隠せなかった、『折原香澄』珍しい苗字という訳ではないが
おそらくは間違いないだろう、それにしても顔に似合わず女の子みたいな名前であると涙子は思わず声を出す
「それ本人の前では言わないでくださいね。結構、気にしてるみたいなんで」
昔、言ったことがあるのか、どこか疲れた表情の初春を見て、涙子は人間誰でもコンプレックスや譲れないものがあるのだと感じた
自分だって無能力者であるという事実と正面から向き合えてる訳ではない、どちらにしても一度会ってきちんと俺をしないといけない
涙子は初春にお願いし放課後あわせてくれるようにお願いしてみた、初春が言うには明日は非番だそうだが、居る所は大体分かるだろうとのことだった。
あっという間に放課後が訪れ、二人は連れ立って街へと繰り出していく、しかし其処は昨日、涙子自身が絡まれたところと殆ど離れていないあたりであり
昨日のことを思い出し少しだけ怖くなってしまった、でも隣にいる初春は涙子の恐れ等知らないはずなのに大丈夫ですよと微笑んでくれる。
昨日とは違い怖いことなど有りはしないのだ、今の涙子の隣には初春がいる、多分彼女の笑顔があれば涙子はいくらでもがんばれるような気がするのだ
そんな二人の耳に前のゲームセンターから騒がしい声が聞こえてきたのはその時だった。
結局昨日はショックで茫然自失のまま帰ってしまい夜に白井から人形の話をされるまで意識が完全に飛んでしまっていた。
白井に「罰ゲームになりませんわ」とか「わたくしが動かざるを得ませんわね」とか言われたものの俺は未だに半分思考停止状態である。
なんだかんだでとりあえず明日、もう一度チャレンジということで話がつき俺は力尽きるように眠りに付いた。
「だからなにやってますの!!もう何回失敗したとおもってるんですの?」
「煩いんだよお前も、お前だってもう10回以上は失敗してんじゃねーか」
そして翌日ゲーセン前に集合した俺達の戦いは続いていた。お互いに10を越える回数をこなしながら
つかんだ回数は実に2回、かすった回数は3回という暗澹たる状態である。
「普通は座標把握や空間把握は空間移動(テレポーター)としての必須技能じゃねーのかよ」
「その言葉、そっくりそのままお返しいたしますわ」
売り言葉に買い言葉、失敗するたびにお互いに罵声を飛ばすという負のリサイクルここに極まれりであろう
そんな俺達に救いの言葉が掛けられたのは正にそのときであった。
「白井さん折原さんお疲れ様です」
この時、俺にはもう初春に後光が射して見えたのは決して言い過ぎではないだろう、まさに救国の救世主である
まあそんな冗談をさて置いて、これ幸いと一時休戦し、声のした方を向き俺は驚いた。
初春の隣にいたのは紛れも無く昨日の女の子である、もしかしたらと考えてはいたもののまさか本当に友人だったとは驚きである
彼女も俺がこちらを向いた瞬間、頭を下げ昨日のお礼を言いはじめた。
「本当に昨日はありがとうございました。私ったら混乱して凄い失礼なこと言っちゃてスミマセンでした。」
いやいや俺も勘違いしてたみたいで、とても良い子じゃないか…初春の友達にしとくのがもったい無いな、マジで
突然謝り始めた少女を見て一人現状が理解できてない白井に初春が事情を説明してるようだ、ちゃんと説明できるんだろうな。というか『愛狩人』のことは聞いてないだろうな?
「ふむふむ、折原さんが率先して動くとは明日は槍でも降るかもしれませんわね」
相変わらずの軽口である、あわや舌戦再開かと言う所で、絶妙のタイミングで自己紹介開始である、女の子の名前は『佐天 涙子』、そして初春のクラスメイトらしい
俺もそれに返す形で自己紹介する。といっても大体は初春から聞かされていたような感じだったので特になにもなかった。
しかし次の白井が自己紹介の際は、流石は天下の常盤台中学のお嬢様、初春ほどでは無いにしても佐天さんも憧れの存在らしい
しかし、学校名やらなにやらで無くその人個人を見るべきではないだろうか?御坂さんとか御坂さんとか御坂さんみたいにさ?
「あのう所でお二人は何なさってたんですか?風紀委員としてのお仕事ですか?」
そんな佐天さんの無垢な質問に俺と白井は顔を見合わせる「お前がいえよ」「貴方がいってください」そんな感じの責任の応酬に尽力すること仕切りだった俺達を知り目に
まさかの大穴、初春が説明を始めてしまう。ちょまてよ
「このクレーンゲームのゲコ太君人形をお二人で取ってたんですよ、佐天さん」
「え、これを」
なぜか意味も無く恥ずかしくなり赤面する俺と白井、白井はまだしも今の俺は間違いなく気持ち悪い。ソースは俺
しかし、それを聞いた佐天さんは馬鹿にするでもなくこうおっしゃった。
「私、じつはこういうの得意なんですよね」
神はここにいた…
涙子は今、完全に恐縮しきっていた。あれからぬいぐるみを取るのには難なく成功したのだが、なぜか折原と黒子がそれを見てヒートアップ
もう一回もう一回と言われるうちに涙子も調子に乗り始め、気が付けば同じぬいぐるみばかり5つも手に入れてしまったのだ
それでも白井達は怒るでもなく逆に涙子に対して食事を奢ると言い出し、それに対して再度、涙子は恐縮していた。そんな皆を見て初春は笑っていた。
その後、折原と黒子が折角だからとぬいぐるみをひとりずつに配り始め、折原が「我ら御坂四天王の証だ」と叫べばそれに対して黒子や初春が即座に反論していた。
そんな3人をみて涙子は笑っていた。大声で、それは昔からの友人であるかのように、そして涙子の思いのままに自然と口を開いていた。
「私を風紀委員(ジャッジメント)に入れてください」
つづく
以下あとがき
『主人公×佐天さん』と思わせておいて実は『初春×佐天さん』な私です。
佐天さんかわいいよ佐天さん
あまりのかわいさにレギュラーにしたかった反省はしている。
原作と設定的な差異が出るかもしれませんがある程度はご容赦ください
その辺のさじ加減ってやっぱりむずかしくて悩みます。