次の日の朝目が覚めたらエースとじいちゃんに凄く心配されました。
「だから大丈夫だって。昨日はちょっと遊びすぎただけだって!」
嘘は言っていない。最後の方のネタ技はほとんど遊んでたしね。
「ホントに大丈夫か?」
「無理をするなよキース」
何とか説得しないと実験が出来ないから結構必死なんだ。
それと今日の実験に必要な物も揃えなきゃダメだしな。
しょうがない。じいちゃんが喜びそうな言葉を交ぜつつおねだりしてみるか。
「ねえねえ、じいちゃん昨日は遊んだからさ今日は修行しようと思うんだ。
それで剣の修行がしたいから剣か刀か貸してくれないかな?」
そう、今日の実験は武器類に付属効果を与えてみようと思うんだ。
昨日の実験で思いついたもう一つの使用法で、刀に最上大業物とか書いたらどうなるのかといった物だ。
それに斬魄刀とか再現できりゃあ怖いもんなんかほとんど無いしな。
「うーむ、そこまで言うのなら・・・」
倒れた件もあり大分渋っていたんだが何とか説得成功。
うれしい事に、予想に反して海軍の武器庫に連れて行ってくれるらしい。
職権乱用とか思ったが自分の為にも黙っておこう。
元一般人の俺が本物の武器を見る事なんてほとんど無かったならな。
今から楽しみだよ。
第三話:ネタで実験するのは非常に危険でした
さて、やってきました海軍本部武器庫。
いやあ流石は本部。今俺の目の前に並ぶ大量の武器も、いくつもある保管庫の一つにすぎないんだとか。
「武器を選んだら入り口の係員に言うんじゃぞ。ワシは仕事があるからこれでの」
じいちゃんはそういって出て行くが、俺はそんな事より武器に夢中だったんだ。
うーん、あるわあるわ。剣に槍、銃、鎧。数えるのも馬鹿らしくなるぐらい置かれている。
刀剣類だけで一体幾つあるんだ?
まあ今の体じゃあんまりでかいのは使えないんだけどさ
「そうだ、こんだけ武器あるんだ。見学しつつ倉庫内で出来るものを試していくか」
まずは男のロマン、銃のおいてある辺りに向かう。
「ふーむ、これがこの世界の銃か」
元の世界にもあったよな、この手の銃。フリントコック式だっけ?
銃も好きなんだけど、これ単発式だったよな。どっちかって言うと火縄銃に近い構造だっけ?
マシンガンとかなら撃ってみたいけど、これだと弾込め、めんどくさそうだな・・・・・
10年すればリボルバーみたいなのは出るんだったっけ?レーザーがあって、何で他の銃火気がこんなに貧相なんだか。
銃の開発しよっかな?でもなー、海軍に戦力傾きすぎんのもな。
それに、銃が出張りすぎると『英雄』ってやつが出てきにくくなるんだよねえ。参謀とかは別としてね。
軍人としては間違ってるんだろうけど、たった一人が戦列に並ぶだけで戦局がひっくり返るってのは憧れるのさ。
この世界なら能力者とかいるから一概にそうとも言えないけど、最強って言われた人間が一発の銃弾で終わりじゃあねえ。
ところでクリークとかあんだけ全身に装備して弾込め、めんどくさく無かったんだろうか?
そもそも銃って俺の能力とはあんまり相性良くなさそうなんだよね。銃弾にちまちま字書いてられるか!!
「よし、銃はパスで」
「やっぱ使うならこっちか・・・・」
接近戦闘は怖いんだけど、四の五の言ってられんな。弱けりゃリアルに死にかねんからな。
刀、剣、槍。その他近接武装。
間近で見ると、どれもこれも鈍い輝きを放ってて、見てるだけでゾワゾワくるよ。
これで人の命を奪わにゃあならんのか・・・・・・・
「出来なければ、これらで俺が殺される、か」
うう、ションベン漏らしそうだよ。
取り敢えず刀を手に取ってみるが、
「重っ!!」
何じゃこりゃ?!重すぎて持てんぞ!!
むう、これじゃ実験ができんだろうに・・・・・
「そうだ!いー事考えた(ニヤリ)」
俺は甲冑の並ぶ方へ向かう。その中でもハガレンのアルみたいなフルプレートの前に立った。
台座を使い、胸と腹の部分に“傀儡”とデカデカと書き込んだ。
「くくく、お前に仮初めの命を与えよう。さあ動き出せ鉄塊よ!!」
うーん、気分的には悪の総帥って感じだねえ。
ガチャンッ、と重そうな音を立てながら甲冑は動き出した。
うーん、ノリと思いつきでやってみたが上手くいったか。なんだかんだいってこれが最大の成果かも・・・・
今の俺じゃ10体も同時に動かしゃ混乱するだろうけど、慣れれば100はいけるだろ。
そうすりゃ、それだけでかなりの戦力になる。
おまけに鎧の内側に字を書いとけば、その部分が壊れない限りずっと戦い続けれるしな。
「まあいいや、そろそろ外に行くか」
俺は甲冑に色々武器を持たせ、受付に進む。
「すいませーん、受付さーん」
「はいはい、何だね坊や」
「こんだけ武器借りてきたいんですけど?あ、これ許可証」
「えー、ちょっと待ってね。ふむ、ガープ中将のか・・・・うん。持って行きなさい。
ただし、本部内からの持ち出しは禁止って書いてあるから、使い終わったら返してね」
「はーい、解りました」
そう言って、俺は甲冑を引き連れ保管庫を後にした。
「はて?あの子以外保管庫の中に入ってったけ?」
困惑する係員を残して。
俺は武器満載の重甲冑を借りて兵士の訓練場へ足を運んだ。
出来ればあんまり能力使ってるところ見られたく無かったんだけど、まあしゃあないでしょ。
それに、じいちゃんから修行するならここでやれと言われてるしね。昨日ぶっ倒れたのが心配だったみたいだ。
まあ隅っこの方で試せばいいか。試し切りの出来そうな丸太の方へ向かっていき、とりあえずナイフで色々試してみた。
元々の切れ味は木に傷を付ける程度だったけど、最上大業物と書いたとたん切れ味が大幅アップしました。
「元が刃物な分、言葉との相性が凄く良いな」
やはり書き込む物は重要だったようで、同じ文字でも紙に書くのとは違った使い方が出来そうな物もあった。
たとえば刀身に“火炎”と打ち込んだら燃えるナイフにバージョンアップしました。オンオフ機能まで追加されていたし。
書く文字の意味だけではなく、書き込んだ触媒の本質と組み合わされて発動するって事か。
文字自体が発動するんじゃなくて、触媒が能力を発揮しているんだな。
“火炎”なら火炎+刃物で火炎剣って所か。
この分じゃ“毒”とかって書いて、発動しても相手に毒の効果が移らないって事になりそうだな。
道理で紙じゃあ発動しないのが幾つもあるはずだよ。
「精神力の減りを考えなければ、だいぶ使えるな」
ふむ、だったらこういうのはどうかな。
“徹甲作用”をつけたナイフを投擲してみたんだが、的になった丸太に根本まで突き刺さり、もうちょっとで丸太を吹き飛ばすところだった。
「すげえ威力だな。元々徹甲作用は投擲技法だから不安だったんだけどな」
うーん、何か色々大雑把な所もあるのかこの能力・・・・・・
で、次の武器を見繕おうとしたんだけど、隅に置かれた箒に目がとまってしまった。
「ふむ、まさかな」
洒落をこめて、“飛翔”入れてみたんだけど、明後日の方向に飛んでいっちゃいましたよ。
ぽかーんとしながら、つい「宅急便」って言っちゃいましたよ・・・・・
大雑把な訳じゃなく、悪魔の実が何でもありって事でしたか・・・・・・・
「まあ、あの様子じゃ制御がめんどくさそうだ。次行ってみよーーー」
うん。見なかったことにしよう。
で、色々実験しててんだけどさ、ついネタに走ってやっちゃたんだ(笑)
「万象一切灰燼と為せ“流刃若火”!!」
効果を発動させた次の瞬間、俺の意識は途切れた。
目を覚ました次の瞬間体を激痛が襲う。痛みに身をよじったらより一層痛みが襲ってきた。
しばらく声も出せず悶えていたが、時間が経つと少しは落ち着いてきた。
「ぐあ~~~っ。いって~~~っ。一体何があったって言うんだよ」
自分のみに何が起こったのかを思い出そうとしていると、
「ほう、それはワシも知りたいのう」
お話聞かせてくれるかな?状態のおじいさまと目が合いました。
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今回の一言
改訂したは良いけど筆が進まない。ひょっとしたらまた直すかもしれません。
ごめんなさい。