ヒナさんとこの部隊はあっという間に追い出されちゃったけど、スモーカーさんの部隊は居心地が良い。
スモーカーさん自体があんな性格だから、部隊の人たちも大らかで話が合う。
どんだけしごき倒しても子供扱いしてくれるのは、嬉しいんだけど中身大人な分複雑。
「~~~~~♪」
シャボンディ諸島にも随分と馴染んだ。今ではこの島の有名人。あらゆる場所にuntouchableと書かれた顔写真が並んでいる。
子供だと侮って突っかかってくるバカども(犯罪者、賞金稼ぎ、一般人問わず)返り討ちにし続けていた結果だ。
七武海のドフラミンゴには「商売の邪魔したら殺す」と面と向かって言われるほどさorz
「おっちゃーん、いつものヤツ!!」
「あいよー!ご無沙汰だったなキース!!」
「いやあ、最近部隊の人たちも強くなってきてねえ。定期の休み以外が無くなちゃったんだよね」
部隊移動した後はスモーカーさん達良く行動不能になってたんで俺は休めたんだけどね。
おかげでこの店みたく馴染みの店が幾つも出来た。
ちなみに此処は歴とした無法地帯。店主のおっちゃんも料理界から追放の処分を受けてるらしい。
「ははっ!そいつはうちの店にとっちゃ大打撃だ!!お前さんは随分と売り上げに協力してくれてるからな」
「ま、たまにしか来れない分、たっぷりと食わせて貰いますよ」
「そりゃあ、頼もしいこった!!」
第十九話:探し人に会えました・・・・・
「うーい、すまんが酒をくれ」
皿が山ほど積み上がった頃、新たに客がやってきたようだ。こっからだと顔が見えんな・・・・
「おや、随分久しぶりですな。今日はちゃんと金あるんだろうね?」
「うむ、臨時収入があったのでな」
どれどれ・・・・ってあの人は。やれやれ、やっと会えたか。島中探したってのに会えなかったからね。
バーまで行ったけど留守だったからな。中にはいるとぼったくられそうなんで入ってないが・・・
「すいませんがご一緒させて貰って構いませんか?・・・・『冥王』シルバーズ・レイリー」
最後のは店長には聞こえないように声を抑えた。此処でその名前を大っぴらにしたくない筈だから、いきなり襲いかかってくるとはないと思うが・・・
「ガープの孫か。なんじゃ、ワシを捕まえに出も来たのか?」
レイリーさんは俺の顔を見て片眉を上げたが、俺何かよりも酒のほうが重要らしい。出された酒をグラスに注いでいる。
少々カチンと来たが・・・・・・・うん、戦っても絶対に勝てんな。ルフィが黄猿さんから助けられたときより10歳若いわけだから、その分衰えてないんだろう
「冗談、これでも小心者でしてね。勝てない相手と喧嘩する趣味はないんですよ」
「ならば何のようだ?」
「昔話、いえ伝説が聞きたいんですよ。海賊王の・・・ゴール・D・ロジャーのね」
「そうか・・・・・ならば河岸を変えよう」
俺とレイリーさんは傘を差して歩く。方角からしておそらく目的地はボッタクリバー。
だが、あと少しと言うところで俺たちは足を止めた。
「さて、どうやらお客さんのようじゃのう」
「ですね、まあ間違いなく俺の客でしょう」
冥王なんて言う、下手すりゃ四皇にも並ぶようなビッグネームに喧嘩得るようなヤツはまず居ないだろ。
今度の理由は何だ?生意気だから、敵討ち、名を上げるため?それとも聞いたこともない理由で絡まれるのか?
やれやれ、こちとら雨だからカードすら持ってないんだがねえ・・・・
何にせよ、身に降りかかる火の粉は払わにゃならんね・・・・
「下がっといてくださいねレイリーさん。隠れてる奴等、サッサと出てきな」
これだけ殺気を放ってたら、身を隠している意味が無いと思うんだがね。
「くくく、そうでなくてはな」
俺の声に反応して、マングロ-ブの影から続々と出て来る千を超える海賊達。俺はその中でも船長格の男に注目する。
どっかで見た顔・・・・そうそうこないだ潰したバトーとか言うやつに似てるんだ。
「俺の名は爆腕のギトー!!今日はバトー兄貴の敵討ちに来た!!」
正解は敵討ちか・・・・・結構な数の部下がいるな。ま、数だけ揃えても意味はないんだけどな。
「聞けば貴様の能力は墨を使うと聞く!ならば雨は貴様にとって弱点だ!!違うか!?」
「おしいなぁ、実におしい」
雨や水は『一筆入魂』の弱点たり得る。だけど『真言武装』には効果がない。更に言うなら・・・・
「確かに雨は俺の能力の一部を阻害する。だけど、物によっては強化もしてくれるんだよね」
じわりとにじみ出す墨が足下の水たまりを侵していく。
「墨と水の境界がどこか解るかい?水墨画なんかはかなり薄い墨を使う。それこそ殆ど色がついてないほどのね」
真っ黒に染まった水たまりは濡れた地面を伝って徐々にその範囲を広げていく。
「貴様、何を言っている」
「おや、まだ解らないかな?では答えを教えよう。俺の能力は墨を動かす流体操作でもある」
流体操作、その言葉を聞いてギトーはハッとなる。残念なことに俺の戦闘準備が終わった後に。
「お前ら!撃てぇぇぇぇ!!!」
ギトーの言葉に構えていた銃から放たれる銃弾。中々に射撃の腕はあるらしく、半分は俺の体に命中するだろう。
俺が何もしなければ。
「水遁“水陣壁”」
飛んでくる銃弾は俺と海賊達の間に出現した墨の壁に次々と着弾する。
銃声が聞こえなくなり、俺は壁を崩して再び海賊達と対峙した。
「いやあ、あなた方が来てくれて助かりましたよ。まだ流体操作を人間相手に使ったことが無くてねえ。あなた方は良い実験台になりそうだ」
「ふざけた物言いを・・・・・!!」
「ふざけた?いやいや、俺は実に大真面目だよ。何せ、あなた方にこれが通じないようでは、これから先使えないでしょうから」
「貴様に先など無い!!此処で死ね!!!」
銃が通用しないと思ったらしく、抜刀して海賊達は突っ込んでくる。
ギトー自身は動かず此方の出方を観察しているようだ。ふん、本気で俺を殺したいらしいな。
「水遁“水鮫弾”」
先頭に向かって術を叩き込み数十の内半数を蹴散らすが、残りはその事を気にもせず更に距離を詰めてくる。
中々に勇敢。だが愚か。
「水遁・秘術“千殺水翔”」
本来は囲い込んで放つ術だが、今回は前方へ向けての一斉射。狙いも適当だが次々崩れ落ちる海賊達。
「見事」
「そう思うんだったらご自分でどうぞ」
戦力の小出しは下策なのは言うに及ばず、何より部下を使い捨てにする気概が気に入らん。
「いやはや全く、たいした物だ。そのような若さでそれほどの実力を手にしているのだから」
何だ?ヤケに余裕だな。大抵こういう物言いするタイプは何か策を用意してあるもんだが、果てさて何が出るかな。
瞬間、頭上に莫大な殺気。間髪入れずに傘に衝撃が走る。
その衝撃が傘を押しつぶし、自身に到達する前に剃を使って大きく後退する。
先程まで俺が立っていた場所は、人一人入れるほどのクレーターができており、そこには人影が見えた。
「っち、今のをかわすとはな・・・・」
その人影はバトーやギトーに酷似した姿の男だった。
「ゴトー兄貴!しっかりと仕留めてくれ!!」
「すまんな。よもやあのタイミングでかわされるとは思わなんだ」
確かに結構きわどい一撃だったな・・・・にしても兄貴だと?
「まさか三兄弟だったとは思わなかったよ。だけど今の一撃が切り札か?だとしたら少々拍子抜け「いや、四兄弟だ」ガハァッ!?」
いきなり土手っ腹に一撃貰った!?今の一撃気配がなかったぞ?鉄塊が間に合わず、左のアバラにヒビが入ったか?
何とか足から着地し、顔を上げるとまたもよく似た顔が。
「俺の名は怪腕のザトー。長兄だ。弟のバトーが世話になったな」
一番上だから一番強いってか?そう言えばバトーは“火山獣”状態の俺にブロックさせることができるほどの実力者だったな。
「ゴトー、ギトーこちらへ来い、仕留める。他の者は円陣を組んでコイツを逃がすな」
はぁ、たった一月とはいえ全力出してなかったからな・・・・鈍っていたのかな?
「三人がかりとは些か気が引けるが、弟の仇だ。死ね!!」
だったら・・・・・・・久しぶりにエンジン回すか!!!
「“巌鎧”ウルリクムミ!!」
殺到してくる三人の初撃を鉄塊・空木ではじき返す。常人なら拳が割れると言うのは本当だったらしい。拳を押さえる三人。
なめんなよ、この状態で鉄塊かけた俺はダイアモンド並みじゃ!!
そのまま剃でギトーの懐に潜り込む。おそらくコイツが一番弱い。まずは数を減らさんと面倒だ。
「数え指銃!4・3・2・1!!」
俺のパクリ技が一つ、数え指銃。元ネタは無敵超人のアレだ。
合計10発の風穴を開けられその場で悶絶するギトー。
「貴様ぁ!!よくもギトーを!!「待て!ゴトー!!」止めるな兄貴!!」
ザトーの制止を振り切り突っ込んでくるゴトーだが、俺にとっては好都合でしかない。
俺は二人に対して背を向けており、ゴトーは上手く俺の後ろをとったつもりなんだろうが、生憎と後ろを向いてるのはこれを撃つための溜でしかない。
「嵐脚・斧断!!」
こちらはオリジナル技。蹴り脚を地面に引っかけ、デコピンの要領で打ち出される後ろ回し蹴り。
射程が短く、切れ味も悪いが、その分貫通力が桁違いだ。斬るのではなく叩き斬る、正に斧のような嵐脚だ。
事実、これを喰らったゴト-は錐揉みをしながら円陣を組んでいた海賊達の元へ吹き飛んだ。
吹き飛ばされたゴトーを見て囲んでいた海賊達が浮き足立つ。逃げ出されたら捕まえるのがめんどくさいなーと思っていたら・・・
「おのれぇぇぇぇ!!貴様ら加勢しろ!!」
ナイスタイミングでザトーの発破。一瞬逡巡するものもいたが、迷いながらも全員が向かってくる。
実にありがたい。わざわざ俺の技の射程圏内に入ってくれた。
「オオオオオオオオッ!!」
気合いを入れて周囲の墨に命令を下す。渦を巻いて駆け上がれと。
周囲の墨は敵を巻き込んで、俺を中心にした漆黒の竜巻を形成する。
「消し飛べ・・・ネサの鉄槌!!!!」
標的はわずかに取りこぼした海賊達。海賊達を取り込み膨大な質量となった墨の渦は、悲鳴さえ飲み込んで突き進んだ。
「ふーむ、些かやり過ぎではないか?」
「んー、確かに」
死屍累々。いや死人は(多分)出てないけど、表現する言葉は他にはない。
「だがまあ海賊である以上、この者達も覚悟の上じゃろ」
「経験者は語るですか?」
「そんな大層な物ではないわ」
やれやれ、海賊に怨まれるのも給料の内なんだろうけど、もうちょっと何とかならんかね?
「レイリーさん、すいませんけどコイツらの護送があるんで、今回は・・・・」
「うむ、解った。ワシのことは・・・」
「ええ、ちゃんと秘密にしておきますよ。ではまた」
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すんません、書けませんorz
だめだ、ネタはあれど指が動かない。何より書いていて燃えない。
1~2ヶ月ペースでなら書けるかと思ったけれど、ダメだこりゃ。
すいませんがほぼ凍結状態になると思います。
気分が乗れば一日で書けるんですけど、今はパソの前に座っても全然書けないので。
楽しみにしてくれている方、本当に申し訳ありません。