宴会の後、九蛇城で一泊させてもらいましたよ。
実は寝床は3人と一緒だって言うんで、イヨッシャーーーーーッ!!とか思ったんだけどさ、現実は甘くなかったよ・・・・・
原因はソニアさんとマリーさんなんだけどさ、あの二人寝ぼけて半獣化するんだもん。
あの人達、美しさはそのまま何だけどさ、サイズだけ原作並みになるんだ。そんなの二人に巻き付かれてみろ。
コブラツイストとかそんなレベルじゃ断じて無い!!(片方はモデル『コブラ』だけどさ)
普通に窒息するかと思ったわ!!“耐圧”無かったら死んでたかも・・・・・・
全身の骨が音を立てて軋むなんて本当にあるんだねえ。
なおハンコックさんは巻き付かれても普通に寝てましたよ。覇気ってマジスゲエと思ったよ。
で、朝になって軍艦に送り届けてもらった。
「ありがとうございました」
「うむ、達者でな」
「また会いましょうね」
「無理しすぎないでね」
ハンコックさん達が別れの言葉を贈ってくれるんだが、海兵連中が鬱陶しいな。
人が別れを惜しんでるってのに、キャーキャーと・・・・・・・・・
あ、中将に怒られてら。無視、無視
「ええ、また何時か一緒に飲みましょう」
「ああ、何時か、な」
何かしんみりしちゃったな・・・・・・・と、思ってたら、
「あー、悪いんだがね。今回の一件に関する詳細な報告が聞きたいんだが?」
・ ・・・・・・青キジさん。もうちょっと空気読んでくださいよ。
第14話:嘘のために嘘をつく、泥沼だ・・・・・・・
さて、報告か・・・・・・・・
朝食のとき4人で話し合って辻褄を合わせた話を作ったんだが、まるっと信じてもらえはせんだろうな。
ハンコックさん達には何とかするって言った手前、頑張らなきゃなあ。
ガッ!と靴のかかとを合わせ、姿勢を正し敬礼する。
「報告します、九蛇海賊団船長兼アマゾン・リリー現皇帝『海賊女帝』ボア・ハンコック殿、王下七武海への残留、承諾していただけました」
「ああ、ご苦労。七武海への残留感謝する、ボア・ハンコック」
そう言って敬礼する青キジさん。普段だらけているけど敬礼は凄く様になってるな。
額のアイマスクで台無しだけどさ・・・・・・・
「ふん、友の頼みじゃ。むげにはできぬ」
「ほう、それはそれは・・・・・・・。二人は何時友と呼び合うようになったんで?」
「昨日からじゃ」
「昨日から、ね。・・・・・・・・・・・・さてキース、お前に聞いておかなきゃいかんのだが、
お前は何故アマゾン・リリーに呼ばれた?ああ、楽に話して構わんから」
まあ、当然その話になるよねえ。
ハンコックさん達に事前に聞いた事情は、俺が秘密を守ったか、そして礼を言いたかったの2点。
そのまま話すことはできんから、誤魔化すしかないんだが、思いっきり軍規違反になるなぁ。
まぁ、しょうがないか。
「俺がイーストブルーで航海術の訓練、加えて実戦経験を積んでいた頃のことです。
あの頃に遭難した九蛇のクルーを見つけましてね、帰れなくて困っていたところをアマゾン・リリーまで送り届けた事があったんですよ」
「アマゾン・リリーまでねぇ。・・・・・・・どうやってそこまで?」
「船に“認識阻害”使って渡ったんですよ。まあ、海楼石と同じ様な効果を船につけたと思ってください」
船底に海楼石敷き詰めて、海と誤認させることによってカームベルトを横断出来るんだったら、“認識阻害”で十分同じ事ができらあな。
「で、無事送り届けたは良いんですけど、ハンコックさん達は初航海に行っちゃってて不在でしてね、
王としては礼を述べなければならぬ、って事で呼び出されたんですよ。色々省いて説明しましたけど、大雑把に言えばこんなとこです」
「ふむ・・・・・・・スジは通ってるな」
でも、まだ納得できないって顔してるな・・・・・・・。
まあ、七武海の事だから慎重にもなるんだろうけどさ。
けど、あんまり探られるとボロが出かねんから、話題を逸らすか。
「裏事情は訳あって話せないんですよ。青キジさんがニコ・ロビンを逃がしたときみたいにね」
近づいて耳打ちしたんだが、ロビンの名前が出たとたん一気に雰囲気が変わる。
「お前、それを何処で知った?」
「さあ?何処でしょうねえ?」
チリチリと殺気を向けて来るのが怖いが、後ろにハンコックさんがついてるから何とかなるだろ。
「俺の秘密は海軍に迷惑をかけるようなモノじゃないですから、見逃してもらえませんかね?」
バレても最悪海軍VS九蛇で済むからな。青キジさんとは秘密のヤバさが違う。
古代兵器の復活なんて事になったら、世界政府もどうなるか解らんからなぁ。
うん、青キジさんの秘密とは比べモンにならんな。
「あなたはお偉いさんの中でじいちゃんの次に信用できる人ですから、
秘密にしてくれるというのならあなただけになら話しても良いんですが・・・・・」
殺気を納めて、しばし考え込んでいる様子だったが、
「はぁー、まあ良いだろう。他の連中には俺の方から手を回しておいてやる。
秘密は俺にも言わんでいい。その代わり、男だったらその秘密、必ず墓まで持って行け。いいな」
「ええ、もちろんそのつもりですよ」
やれやれ、やっぱり腹の探り合いは俺には向かんな。
そう思いながら青キジさんから身を離した。
若干気まずかったけど、改めてハンコックさん達と別れの挨拶を交わした俺たちは、一路海軍本部へ。
「で、何で生まれて間もないお前が何でその事知ってるんだ?」
その間、ハンコックさん達の秘密はともかく、オハラの一件を何処で知ったか尋問されたよ。
ハンコックさん達の秘密の追求を避けるためとはいえ、食いつきすぎだろ。
まあ、あっちは世界を揺るがす大事件扱いだったからなあ。
青キジさんに至っては個人的にも色々抱えてるしね。
「あー、怒らないです?」
「怒られるようなことをしたのか?」
うー、元々知ってたとは言えんから、こう言うしかないんだけど、怒りそうだなあ・・・・
「一年前の手合わせで青キジさん回復させたでしょ。その時一緒に“読心”仕込んだんですよ」
「・・・・何でそんな事した?」
やっぱり怒りますよねえ。嘘を隠すための嘘って泥沼化するんだよね・・・・・・
「後ろ盾が欲しかったんですよ」
「は?お前にはじいさんが居るだろ。何でまた」
「俺の叔父の事知ってますよね?」
「ああ、その事か」
「それだけじゃないんですよ。その息子ってのも海賊になりたいなんて言うんでね。
もう、下手すりゃじいちゃんの首だけじゃなく、俺の方にまで飛び火してきそうで・・・・」
誰かが言っていたけど、嘘には真実を一さじ加えれば、騙しやすいってあったね。
まあ、飛び火云々は思いっきり本音だけどね!!
じいちゃんだってエースのこと秘密にしてるからなあ・・・・・
俺も中身が違うって秘密があるしな。うん、秘密だらけの一族だなあ・・・・・
「そうか・・・・・・。お前も苦労してんだねえ・・・・・・」
同情するなら明日を生きる権利をください。
いや、マジで。
場面は跳んで、ここはセンゴク元帥の執務室。
「・・・・以上が今回の一件です」
「俺も確認したんで、まあ間違いは無いでしょう」
青キジさんの援護もあって何とか温厚なまま報告が終わりそうだよ。
いやあ、ついてきたのが青キジさんで良かった。赤犬さんとかだったら絶対一悶着あったな。
あの人“悪”と名のつく物はとことん嫌いだからねえ。七武海も所詮は海賊ってね。
「ふむ、まあそういった事情ならば解らんでも無い。あの女も一応は王だからな。
だがそういった事情があるのならば、何故話さなかった。軍艦一つ動かすのもタダでは無いのだぞ」
「それに関しては謝るしかないですねえ。帰省中は色々あったんで、忘れてたんですよ。
実際にハンコックさん達とは面識ありませんでしたからねえ。いやはや国を挙げて歓迎してくれるとは思いませんでしたよ」
「全く、貴様と言いガープと言い、貴様らの一族はもう少しまともなのはおらんのか」
自分で言うのも何だが、いやはや全くごもっとも。
「まあいい、貴様の所属する部隊が決まった。確認しろ」
そう言ってセンゴクさんは書類を放り投げてくる。
えーとなになに、『モンキー・D・キース准尉をシャボンディ諸島警邏隊第1部隊、第3分隊隊長補佐に任ずる』か。
「中隊長は貴様の希望通りヒナ中尉だ」
「へえ、昇進されたんですか」
付属の書類をパラパラとめくりながら何気なく聞いてみたんだが、
「いや、貴様を預けるのだ。少しは労ってやらんとな」
酷い言い様だねえ。まあ、十中八九迷惑かけるだろうから、それで良かったんだろうけどね。
「で、着任は何時からで?」
「今日、たった今からだ」
早!!準備も何もしてないですよ!
「すでに本部に呼び出してあるんでな。隊に合流するまでに武装を揃えておけ」
そう言って武器庫の使用許可証を放り投げてきた。
「さて、ここに来るのも久しぶりだな」
師匠連との試合や、組み手に使うエモノをここから借りてたんだよな・・・・
大体ぶっ壊して未返却のまんま何だけどさ。
1年ぐらいしか経ってないけどさ、やっぱ懐かしいな。
「俺の能力って、攻撃は武器があってこそ真価が発揮されるからね」
エモノがなけりゃ肉弾戦もするけどさ、身体能力上昇と武器強化の二段構えで行った方が攻撃力アップするんだよね。
憑依合体すれば自身の体が武器化するけど、エモノと違って使い捨てできないからねえ。
「それはさておき、武装しないとね」
今の俺の服装はズボンにTシャツ、その上から着流しを羽織り、腰の辺りをベルトで止めたと言うモノ。
別にコートでも良かったんだけど、袖に色々仕込めるんでこっちをチョイス。
すでに“一筆入魂”を施したカード類は仕込み済み。
だから今必要なのは刀剣類。すでに腰に二本差してあるけど俺の使い方だと足りないんだよね。
「だからこんなモノを用意してみました」
昨日出航する前に注文しておいて、港から来る途中で買っておいた『ソレ』
来るまでに奇異の視線を向けられたけど、こんくらいの物が丁度良いんだよねえ。
目の前に横たわっているのは、俺の身長に合わせて作ってもらった『棺桶』
多くの武器を納められて、尚かつ見た目にインパクトのある物を考えてたら、某ガンアクションゲームのキャラを思い出した。
棺桶に様々な銃火気を納め、鎖で背中に横に吊して持ち運んでたから、俺にピッタリだと思ったんだ。
俺の場合は、取り出しやすいように、かつ勝手に蓋が開かないように手を加えてある。
そして全力戦闘するときは外せるように、フック式にして腰のベルトにつけてある。
成長と共にサイズも大きくしていって、持ち運べる刀剣類も増やせるしねえ。
それにこれは自分への戒めでもある。
俺は弱い。強くなったと思っても油断すれば死ぬ。そういうことを忘れないための物。
『足掻くことを辞めたら背中の棺桶に入ることになる』ってな。
それはともかく武器を選ばないとね。
色々候補は考えてあるんで、選んだ武器に“一筆入魂”して、棺桶にポイッと。
暗器類はリストバンドや袖、懐やベルトへ。
総重量数十㎏になったけど、鍛えてるもんで何とかなったな。
4トンバット振り回すヤツが居るくらいだから、このくらい普通に持てなきゃ生きてけんわな。
「さて個人兵装はこんなとこだな。後はあれだな・・・・・」
そして俺は久しぶりに『彼等』の前に立った。
さあ、お前達。出陣の時間だよ・・・・・・・・・・
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今回の一言
あのままだと続きが書きにくくなってしまいましたので、差し替えさせていただきました。
大分間が開いてしまってすいません。
感想を見てから、この年でああいった話は早すぎるとは思ってはいたんですよ。
そう言ったわけで差し替え前の話は、改訂して後の話に使わせてもらいます。
今回の話ですけど、結構無茶な進め方になってしまいました。
我ながら広げた風呂敷を畳むのが下手すぎる・・・・・・・・(泣)
あと配属先の部隊名は適当です。上司スモーカーとどっちにしようか迷いましたけど、ヒナさんで。
まあ、2人とも配置が同じシャボンディ諸島なんであんま変わら無いんですけどね。
今回調べて初めて知ったんですけど師団とか連隊とかずいぶんややこしい分け方になってたんですね。
追伸
やっぱり、エース、ルフィとは従兄弟の設定に戻します。その方が動かし安いので・・・・・
それと、そろそろ板移動しようかと思います。