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No.919の一覧
[0] IFアーチャーのHFルート[gin](2006/01/16 22:47)
[1] IFアーチャーのHFルート2[gin](2006/01/17 21:36)
[2] IFアーチャーのHFルート3[gin](2006/01/18 23:11)
[3] IFアーチャーのHFルート4[gin](2006/01/19 23:17)
[4] IFアーチャーのHFルート5[gin](2006/01/20 22:22)
[5] IFアーチャーのHFルート6[gin](2006/01/26 23:01)
[6] IFアーチャーのHFルート7[gin](2006/01/31 21:11)
[7] IFアーチャーのHFルート8[gin](2006/02/02 21:02)
[8] IFアーチャーのHFルート9[gin](2006/02/05 21:16)
[9] IFアーチャーのHFルートFinal[gin](2006/02/08 22:16)
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[919] IFアーチャーのHFルート
Name: gin 次を表示する
Date: 2006/01/16 22:47
初投稿の初作品です。よろしければ読んでください。
アサシンはアーチャーから逃れ、木々の闇へと姿を消す。
「上出来…!これで追いつかれる心配も無くなった…!」
「ごくろうさまアーチャー。疲れたでしょ、しばらく休んでていいから霊体に戻っていて」
安心しきった顔で遠坂は言った。
アーチャーは遠坂の方向に振り返ると目を見開いた。
「凛!」
「遠坂!」
木々の陰から生まれるようにアレが浮かび上がっていた。
「え、なに?」
後ろを振り向く。
同時に、黒い影はその触手を伸ばし…。
「とお、さか」
凛の体に黒い触手が今まさに貫かれようとし、
「くっ!」
危機一髪、アーチャーは自分のマスターを抱きかかえ、触手から逃れた。

IFアーチャーのHFルート

黒い影は水風船のようにフワフワと漂っている。
今、逃してしまった獲物に関心があるのか無いのか、それすらも分からない。
遠坂はすぐに状況を理解し、アーチャーの後ろに立った。
アーチャーは黒い影を前にして後ろの主人を守るように立ちふさがる。
「それなら…!」
遠坂はアーチャーに任せて俺はイリヤを守りきる!
黒い影はイリヤを狙っている今、遠坂にはアーチャーがいるが、イリヤにはいない。
俺が、バーサーカーの代わりを果たさなければならない!
フワフワとした黒い影は、ゆっくりとふくらみ始めた。
まずい…!何をするかは分からないが絶対にまずい。
「イリヤ!伏せろ…!」
俺はイリヤに覆いかぶさろうとしたそのとき、
「I am the bone of my sword…」
「えっ?」
驚きは遠坂のものだ。
驚くのも当然だアーチャーは弓兵。
だというのに、赤いサーヴァントが今、呟いたのは魔術の詠唱に他ならない。
アーチャーはいつの間にか携えていた弓を構えている。
弓には矢が無かった。
だとすれば、アーチャーが次にすることは明白だ。
「偽螺旋剣…!」
アーチャーの弓に矢がセットされた。
否、それは剣であった。
しかし、アーチャーが矢として用いる以上、それは剣ではなく矢なのであろう。
黒い影は本能で危機を感じ取ったのか、弓兵に触手を伸ばす。
しかし、それよりも早く射手から矢は放たれていた。
アーチャーが黒い影に放った矢はその体を直撃し、空間ごと引き裂いた。
それだけでは終わらない、後ろの木々を引きずり込む形でねじ切り引き裂いたのだった。
「…すご」
矢が通った先はまるでトルネードが直撃したような状態になっている。
先程のセイバーの宝具とまではいかないが、すさまじい破壊力だった。
アーチャーは油断なく前方を睨んでいる。
「…倒したの?」
「いや、ダメージはあったかもしれんが、この程度で倒せる相手ではない。…この場は逃げたようだ」
アーチャーは言い終えると同時に霊体化した。
やはり、相当な魔力を消費したらしい。
当座の危機が去ったのだから、やすむのは正しい判断だ。
「んっ…」
気が抜けたのかイリヤが足元から崩れるのを慌てて支えた。
「遠坂、イリヤをどこかで休ませないと…」
「…そうね、気に喰わないけど綺礼のところに行きましょう。治療の腕は確かだし」
こうしてこのあと現れたライダーと共に俺と遠坂はイリヤを連れて教会を目指したのだった。

教会で、凛はあの小僧とイリヤを待っている。
衛宮士郎はイリヤが目覚めるのをそばで待っている。
イリヤに怪我はない、ただ気を失っただけである、もうすぐ目を覚ますだろう。
「それで、どうするのだ?凛」
「…何よ?」
アーチャーの問いかけに凛は不機嫌そうに答えた。
「もちろん、聖杯戦争のことだ。残るマスターは君と間桐桜、そして間桐蔵硯の三人だけだ。ただし、間桐桜は蔵硯には逆らえん。となると私は一人でアサシンとライダーの二人を敵にまわさなければならないわけだ」
実際にはそれに加えてあの黒い影にセイバーもいる。
「分かってるわよ。だから今、考えてるんでしょ」
だが、いくら考えたところで勝ち目は薄い。
こちらの駒は弓兵にじゃじゃ馬の魔術師が一人、…おまけで半人前の魔術師一人なのだ。
さらに時間制限として桜が完全に蔵硯の手に落ちる前に、勝負をつけなくてはならない。
「…ところで聞きそびれていたんだけど、あんた記憶が戻ったの?」
「…いや、まだおぼろげだ」
森で宝具を投影したことを言っているのだろう。
宝具は英霊のシンボルそれを使えた以上は記憶が戻ったのだと思うのは当然だ。
「本当?宝具だけ思い出して、記憶は戻らないなんてどんな都合のいい記憶喪失なのよ」
「まぁ、そういうこともあるだろう。なんせあんな乱暴な召還は初めてだったからな」
「うぐぅ…」
痛いところを突かれて凛はどこかのたいやき少女の口癖を呟き、こちらをジト目で見てくる。
…私の正体のことは話せる話ではないが、私の宝具、すなわち投影魔術のことだけは後で話しておくことにした。
そうこうしているうちにイリヤをつれて小僧と神父が出てきた。
その後イリヤの引き取り先でもめていたが、結局、衛宮士郎の家で匿うことになったらしい。
…やれやれ。

凛は衛宮士郎との同盟を続けることになり、これからあの小僧の家に泊まることになった。
もちろん、私は反対したがな。
…まあ、あの小僧はともかくイリヤは保護しなければならないだろう。
イリヤが蔵硯の手に渡ればわずかな勝ち目も消えてなくなることになる。
そして、何よりもあの家には「間桐桜」がいるのだ。
凛ほどの魔術師であればとっくにあの影の正体、そして間桐桜のことも気付いているはずだ。
しかし、凛はあえて気づかない振りを…いや気付きたくないだけなのかもしれないが。
間桐桜の体はとっくに限界が来ている。
まだ、保っていられるのは我慢強さゆえだ。
だが、それも限界だろう、あと数日もしないうちに間桐桜は取り込まれる。
そうなってしまえば、この町、いやそんな規模ではすまないたくさんの人間が死ぬことになる。
…そのときはサーヴァントとしてではなく、守護者として行動ことになるだろう。

部屋割りなどを決めて夕食後に私は屋根で見張っているであろうアーチャーを呼んだ。
アーチャーはすぐに現れたが、その顔は厳しい。
「どうしたの?」
「なに、ここでは内にも外にも神経を使わなければならないからな」
私には感じられないがライダーもこの家にいるのだろう。
「大丈夫よ、向こうからは仕掛けてこないわ」
「…間桐桜がそうでも、サーヴァントがそう思うかは別だ。いつ牙を向けてくるか分からんぞ」
それは、明らかに自分のことも入れた発言だった。
アーチャーは桜とライダーのことを完全に敵視している。
…私だって完全に味方だと思っているわけじゃない。
でも、…
「いい、アーチャー勝手に動いちゃダメよ。…私だって覚悟は決めてる」
アーチャーは試すような目でこっちをまっすぐ見る。
私もまっすぐ見返す。
数秒がたちアーチャーは力なくため息をついた。
「まあ、それはいい。それで明日からはどうする気だ?」
「そうね、昼間は士郎を鍛えて、夜は蔵硯のやつをさがすためにパトロールするしかないわね」
今、出来ることはそのくらいでしかない。
桜はあと数日も持たずに蔵硯の人形となってしまうだろう。
その前に蔵硯を倒してしまわないといけない。
アーチャーは渋い顔をしている。
正気かね?凛とでも言い出しそうだ。
「正気かね?凛」
ほら、やっぱりね。
「いまは、これが最善だと思うけど」
「いや、夜には私も賛成する。だが昼間はまったく無駄なことをしているぞ」
「そうでもないわ。衛宮くんには最低限自分の身を守ってもらわないと、それがパートナーとしての最低条件」
そのためには少しぐらい鍛えてやらなければならない。
「君が、そういうのなら別に構わんが…」
無駄だと思うがな、と肩をすくめる。
その態度にカチンときたわけではないが、私は極上の笑みを浮かべる。
「…どうした、凛?」
アーチャーは私の笑顔に含むものがあることに気付いたらしい。
嫌そうな顔をしている。
「もちろん、あなたにも協力してもらうわ。しっかり鍛えてあげてね」
うわっ、アーチャーがすごく面白い顔になってる。

話を終えるとアーチャーは屋根に戻った。
霊体化しても見張りは続けられるだろうが、アーチャーは実体化したままだ。
アーチャーの視線は外に向けられていない。
敷地内のある一点を見ている。
アーチャーは皮肉気に唇をゆがめる。
「何か言いたいことがあるならば、隠れていないで出てきてはどうかね?」
途端、アーチャーの前方にライダーが実体化する。
「………」
ライダーは無言、そしてお互いの距離は5m、サーヴァントにとっては無いも同じ間合いであった。
「…私は何があっても桜を守るだけです。相手が恋人であろうと実の姉だろうと桜に危害を加えるものは殺します」
「ふむ、それは忠義に厚い立派なサーヴァントなことだ。しかし、悪名高いゴルゴーン三姉妹のメドゥーサの言葉とは思えないな」
アーチャーはメドゥーサの首を切り落としたハルペーに対神宝具のいくつかを思い浮かべいつでも取り出せるように備える。
しばらくにらみ合いが続いた。
ライダーは、ふっと姿を消した、霊体化したのだろう。
アーチャーはふぅっとため息をつく。
物騒な挨拶が終わったところでアーチャーも霊体化し、見張りを続ける。
やけに星が綺麗な夜だった。


あとがき
初投稿のginともうします。
HFルートでもしも、アーチャーが生きていたらを想像して書いてみました。
この後も原作通りに話は進みますが、アーチャーがいてもいなくても関係ないと思われる場面については原作とほぼ一緒ということで飛ばして書いていますのでご了承ください。
レスくれると嬉しいです


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