その日の訓練に措いて、ダルシェナの動きは精彩を欠いていた。
第十小隊の戦法の肝は二つ。
副隊長であるダルシェナの突撃による相手の防御の粉砕。
そして、隊長であるディンによる支援だ。
逆に言えば、ダルシェナの動きが精彩を欠いてしまえば、訓練そのものの意味がなくなってしまう。
「どうしたんだ、シェーナ」
結局、途中で切り上げとなった訓練。
副隊長相手となると下手に聞くにも躊躇う隊員達は、長い付き合いである隊長に任せて、そそくさと引き上げていた。
まあ、気持ちは分からんでもないとディンは彼らが帰った後、着替えもせず思案顔というより苦悩している様子のダルシェナに話しかけたのだった。幸い、というべきか途中で切り上げた為、訓練室の使用時間にはまだ十分な余裕がある。
内心では、冷たい汗が流れるような気持ちがしている。
或いは……遂に彼女は知ってしまったのだろうか?彼女には知らないでいられるようにしてきたつもりだったのだが。
「……昨晩の事なのだが」
ディンがじっと待っていると、しばらくしてからダルシェナが口を開いた。
少し安心したが、その冷静さもダルシェナの次の言葉を聞くまでだった。
「シャーニッドに会った」
「っ!!」
途端に険しい表情になるディン。
奴は何を言った、また奴は何か彼女に吹き込んだのかと思わず怒声を発しかけて。
「何故小隊を辞めたのか、その理由を聞く事が出来た」
その言葉に。
思わず口を噤んだ。
実の所、ディンにもシャーニッドが何故第十小隊を突然抜けると言い出したのかは分からなかった。
……シャーニッドの事は、不真面目に見える奴だが大切な友人だと、目指すものは同じだと思っていた。
自分達はもっと上へと行ける筈だった。
それが全て壊れた。
どうしても納得がいかなくて、呼び出して勝負を挑んだが、本来狙撃手でありながら、白兵戦さえこなすだけの器用さを持つはずのシャーニッドは、だが、何ら抵抗せずただ黙って自分の攻撃を受けた。それこそ下手をすれば武芸者として再起不能になりかねない程の重傷を負っても、だ。
それだけに、聞き逃せなかった。
憎む、という行為は好意の反対ではない。反対は無関心。憎悪はその相手への興味を失えないが故に起きている。
「……何だったんだ」
だから、ディンは気付けば、そう口にしていた。
「簡単だ、その理由は……」
そう言って、ダルシェナは綺麗な笑みをディンに向けた。
「私がお前の事を好きだからだ。友人としてだけでなく、一人の男性として」
瞬間、ディンの頭が真っ白になった。
まさか、いきなりそんな事を言われるとは思っていなかった。ダルシェナは間違いなく美人だが、ディンは彼女の事をそんな風に見た事はなかったのだ。
……好みがどうとか以前の問題として、ディンは前の第十小隊長に想いを向け続けていたから……。
「し……しかし。それで何故シャーニッドの奴が隊を抜ける事に……繋がるんだ」
それでも懸命に言葉を捜してそう言ったディンに、どこか寂しげな笑みでダルシェナは告げた。
「……シャーニッドに言われたよ。私が好きだ、と。……意味は分かるな?」
その言葉を聞いて、ディンは真っ白になった頭を懸命に回した。
ダルシェナは自分を好きだった。そして、シャーニッドはダルシェナを好きだった。では自分は……。
考えを回す内に次第に冷静になっていった頭が一つの答えを導き出してゆく。元々ディンは内心でカリアンが次の生徒会に関われる逸材候補として考慮していたぐらいだ。頭の回転は速い。
「……そういう事か」
「そういう事だ」
苦い表情で呻くディンに、ダルシェナも頷いた。
既に隊は見た目はともかく、裏とでも言うべき感情部分はもつれて、絡まりつつあった。
シャーニッドが辞めると言い出した折、彼の理由を述べていたらどうなっただろうか?
『ダルシェナが好きだ』
だが、それだけでは理由にならない。
それだけでは、ただの片思いであり、告白に過ぎない。それを隊を抜ける理由に繋げる為にはダルシェナがディンを好きだという気持ちを伝えねばならない。
不真面目に見えて、その辺りは案外純真な男な事ぐらいは分かるぐらいの付き合いはあった。
……ダルシェナがディンを好きだという気持ち、それはシャーニッド自身が口に出してはならない。それを口にしていいのはダルシェナだけだという信念があったのだろう。
そして、それを言えない以上、自身がダルシェナを好きだという事を口にする訳にはいかず――それはただダルシェナを苦しめるだけだから――彼に出来る事はただ沈黙を守る事だけだったのだろう。例え、ディンに殴られ、武芸者として再起不能となったとしても、だ。
その寸前までいきながら、それでも反撃もせず、口にもしなかった、という事が彼の想いの真剣さを示している。
ダルシェナがディンを想っていなければ。
或いは、ディンがダルシェナの想いに気付いていれば。
或いは、ディンが前の隊長に想いを寄せていなければ。
また別の道もあったのかもしれない。
そしてそれが所詮仮定の話であった事もまた分かる。分かってみれば、何の事はない。自分達三人の中で一番物の見えていた男が一番の割を自分から引いてくれただけの事。
「すぐに返事をしてくれとは言わない。しっかり考えて答えを出してくれ」
ダルシェナの言葉が何を意味しているのか分からない程ディンは鈍くはない。
「……すまん」
「何……皆同じさ」
即答出来ないディンはそう応えるしかないが、ダルシェナは優しい声でそう告げた。
……そう、皆同じだった。
これまでダルシェナがディンに告げるまではと沈黙を守り続けてきたシャーニッドも。
ディンの想いに気付いていたが故に、自分に向けられる想いに気付かず、そしてディンに告げる事も出来ずにシャーニッドの言葉でようやく自身の想いを告げる事の出来たダルシェナも。
ただ前の隊長への想いを都市を守るという気持ちに置き換えて、ひたすらに前を見て突き進み、傍らから向けられる想いに気付かなかったディンも。
誰もが気付かず、踏み出せず。
今の状況がある。
ダルシェナも帰り、一人残ったディンは見上げるような視線で呻くように呟いた。
「……俺は……誰に怒りを向ければいいんだ?」
シャーニッドか?ダルシェナにか?それとも……。
今まではただシャーニッドに怒りを向けていれば良かった。だが、真実を知った上で、これまでと同じようにシャーニッドに怒りを向ける事は難しいのもまた分かっていた。
その言葉は誰かの答えが返ってくるでもなく、空中に溶けて消えた。
そうして迎えた第十小隊と第十七小隊との試合。
第十小隊側が攻撃、第十七小隊が防衛という形となっている。
試合自体は盛り上がっている。
何しろ、どちらも最高学年が四年生。すなわち次の武芸大会にも彼らは未だ六年生として残っている。無論、今年の武芸大会に勝利してツェルニが残れば、の話ではあるが、こうした新規の実力を持つ者達の出現は盛り上がる。
そんな中、偶々の話であったが、ディン・ディーとシャーニッド・エリプトン。二人はばったりと廊下で顔を合わせた。
「よう」
「……シャーニッドか」
その様子に、シャーニッドは「おや」、と思う。自分が第十小隊を抜けて以来、ディンとは極めて険悪な関係にあった。そのピリピリした感覚がない。
「ダルシェナから聞いた。……お前の選択が正しかったとは言わないが、間違ってもいなかった事は理解した」
「……そうか」
矢張りそうか、と思う。
まあ、それ以外に関係改善の兆しは起こりようがあるまい。まあ、これがいい方に働くか、悪い方に働くかはまだ断定出来ないが、あの日以来断絶していた流れが再び流れ出した事は確かだろう。
「結論は出たか?」
「ああ。ダルシェナにはこの試合が終わったら告げると伝えた。……終わったらお前とも話しがしたい」
「分かった。試合の結果がどうあれ、寄らせてもらうぜ」
それだけ言うと、二人はそのまま歩き出し、すれ違う。
全ては終わってから。
今は、まだその時ではない。シャーニッドは無論、この後の展開を知っている。おそらく、ディンがこの後小隊戦でも武芸大会でも、少なくとも今回の大会が終わるまで戦場に再び立つ事はあるまい。如何にディンが才能があり、違法酒を用いているとしても、レイフォン・アルセイフという規格外に敵う筈がない。
それでもシャーニッドはそれを一切その表から読み取らせる事はなかった。それは或いは彼にとってはその方が良いと考えていたのかもしれないし、或いは……。
そして、小隊戦そのものは事前の想定通りに進んだ。
今回は第十七小隊が防衛側だ。
第十小隊は明らかに攻撃を得意とする小隊であり、第十七小隊も防御よりはむしろ攻撃が得意だ。そうした意味では第十小隊有利と見たものはいたし、第十小隊の面々も内心安堵した。
……それすらも罠である事に、第十七小隊が防衛側である事は、生徒会と武芸科双方のトップを交えての会議の末に決定された作戦に基づいてのものであった事を気付いた者はいなかった。
罠をフィールドに仕掛けられるのは防衛側のみ。
これこそが作戦の肝だった。
第十小隊が違法酒を持ち込み、それを使用していると判明しながらも、それが未だ公表されてこなかったのには無論理由がある。小隊はエリートなのだ。それが法を犯しているとなれば、武芸大会を間近に控えたこの時期には大問題だ。
ツェルニ内部の話に留まらない。
無論、ばれた際に備えて、『次第についていけなくなる事に焦りを覚えた者が、安易に力を求めて違法な剄脈加速剤に手を出した』という【調査結果】は用意されている。だが、武芸大会直前に判明となれば、ツェルニに対して疑いの目が向けられる事は避けられない。
第十小隊は解散となり、例え用いていなかったとしても、ダルシェナもまた処罰を免れないだろう。
後は簡単だ。ツェルニは有力な戦力の一端を失い、その一方で外部からは疑いの目を向けられる事になる。例え勝利を得た所で、『法を犯して手に入れた勝利ではないか?』と疑われるのは必至だ。
それを避ける為には全てを闇に葬らねばならない。
あくまで、第十小隊は『試合中の事故によって、小隊長が長期入院となった』が故に解散せねばならないのだ。
その為にまずは舞台となるフィールドが砂塵に覆われた。
大規模なそれは、フィールド全体をすっぽりと覆いつくす。通常、ここまでの規模で煙幕が仕掛けられる事はまず、ない。理由は単純で小隊戦は多数の観客を持つ娯楽でもあるからだ。
観客からも全く見えない程の煙幕はそれを台無しにしてしまう。
それ故に、煙幕展開後、間もなく観客席『のみ』に広報が為された。
【空調システムの一部故障により、煙幕としての砂が予定以上に広がってしまいました。現在復旧作業中です。あくまで予想以上に舞い上がった点に関する空調システムの不調であり、観戦には問題が御座いませんので、落ち着いて復旧をお待ち下さい】、と。
無論、そんな広報とは別に砂塵の中では戦闘が続いている。
何時もの如く突撃を行ったダルシェナは慌てて立ち止まった。
当然だ、本来なら自らの後方についてくる筈のディン達と分断されてしまった。これはレイフォンとニーナ二人が雷迅によって両者の間を駆け抜けた為だ。
更に砂塵による目くらましに加え、第十小隊の念威端子は、その機能をフェリによって妨害されまともに機能を発揮出来ないでいる。
「よう、シェーナ」
そうした中、ダルシェナの前に立ち塞がったのはシャーニッドだった。
今日は何時もと彼もまた服装が異なる。とはいえ、その服には見覚えがあった。
ない訳がない。
改造された、その服は……自分達三人が纏っていたもの。今は自分とディンのみが纏っていた筈のもの。
「試合の前にディンと会ったぜ。……お前はやっぱ猪突猛進だな。俺はお前に告白するのにあんだけ時間かかったのにな」
シャーニッドの両手にあるのは黒鉄錬金鋼の二丁拳銃だ。何時もの軽金錬金鋼製の狙撃銃ではない。
無論、ダルシェナの脳裏の一部はシャーニッドの言葉に真っ赤に染まり、また一部では怒りを覚えている。
だが。
それ以外の部分が警鐘を鳴らしている。
何故、シャーニッドはこの服で現れた?
第十小隊から抜けて以来、これまでの試合に措いて、シャーニッドがこの戦闘服を纏っていた事はなかった。……自分達との仲直りを示す為?まさか。その為だけに一人だけ異なる衣装を纏う意味はない。その他にも色んな考えが浮かんできて、そしてそれを打ち消す。
そうして、残ったのは……。
「何か、あるの、か?」
ダルシェナの口から洩れた言葉に、シャーニッドは苦笑を浮かべる。
……それが答えだった。
断言はしない。問い詰めた所で飄々とした態度ではぐらかされるのが落ちだろう。少なくとも、ダルシェナは口ではシャーニッドに勝てるとは思わない。だが、少なくともシャーニッドの態度から、推測がつくぐらいの付き合いはあったと思っている。先だってからの状況の変化で、シャーニッドが変わっていないと知ってからは尚更だ。
そう考えると、この砂塵と念威端子の不調も説明がつく。
つまりは、生徒会が遂に、薄々彼女も悟っていた件に対して、動いた、という事だろう。それが意味する所は……。
「ディン……!」
「行かせると思うか?」
方向はわからないが、それでも向きを変えようとするダルシェナの眼前に立て続けに弾が撃ち込まれる。その弾種は通常のものではなく、剄弾。無論、威力に制限はかけられているだろうが、通常は麻痺弾というある意味おもちゃの実体弾が用いられる(その方が怪我などが起きにくい)銃に対して剄弾。
……シャーニッドの拳銃は実弾と剄弾が選択出来るようになっている。
とはいえ、普段は剄弾は封印されており、その解除は小隊づきの錬金鋼技師が独断で出来るものではない。
それはすなわち、現状は生徒会の承認の元で行われているという事。
「……行かせてもらう」
既に接近戦の間合いに入っている。
この間合いでは突撃槍は使い勝手が悪い。……本来は銃の方がもっと悪いのだが、生憎シャーニッドが使うのは銃衝術。銃を用いた格闘技だ。ましてや、今は弾数制限のない剄弾モード。
「力を隠していたのがお前だけと思うなよ」
突き立てた突撃槍の握りを捻ると、カチリと音がして、細剣が抜き放たれた。
さすがに意表を突かれたらしいシャーニッドだったが、すぐに表情を戻し、構える。一つだけはっきりしている事はダルシェナが迅速にシャーニッドを倒せれば彼女の勝ち、簡単に倒されず持ち堪えればシャーニッドの勝ち、という事だった。フラッグなど最早関係なしに、そえぞれの目的の為に、二人は激突した。
ナルキ・ゲルニは第十七小隊の新参者であり、おそらく小隊員としては最も未熟だ。
まあ、当然といえば当然の話で、彼女はまだ一年生だ。
同じ一年生の小隊員としてはレイフォンがいるが、こちらは一年だ何だと比べるだけ馬鹿馬鹿しい。
そんな彼女の役割は第十小隊の念威操者の無力化だった。
要は彼女では通常の小隊員を相手どる事は無理、と看做された事でもあるが、彼女としても納得している。……第十七小隊に入ってから彼女もまたアルセイフ道場に参加出来るようになったのだが、参加している武芸者全員にいいようにやられ続けた彼女だったからだ。
これが外力系で、というなら、外力系の剄技を苦手としているナルキとしては諦めもついただろうが、いずれも内力系のみを用いた戦闘だった。……まあ、狙撃手らは別な訳だが。
ある意味彼女が第十七小隊にこうして残ったのは、こうした歴然たる事実が、フォーメッドの説得と共に大きい。
彼女が都市警察を目指す以上、彼女が日常に措いて立ち向かうのは人だ。
ましてや、都市の中でも巨大な力を誇る交通都市ヨルテム。そこでは汚染獣を相手どる騎士と都市内部の犯罪を相手どる警察と武芸者にも役割分担を施して尚余裕がある。彼女が希望通り都市警察に入れば、彼女が汚染獣を相手どる事などその生涯に措いてまずあるまい。
となれば、彼女は人を、そして武芸者を相手どる事になる。
ヨルテムは人の出入りが激しく、また外部からの人間もひっきりなしに訪れる。故に情報もまた大量のそれが流れ、それを狙う犯罪者もまた多い。そのヨルテムで都市警察を行う以上、対人戦闘訓練をこのツェルニで積む事には必ず意味がある。
如何に上級生とはいえ、同じ学生でこれだけの差があるのだ。ツェルニで最も対人戦闘に長けた小隊員となって鍛錬を積む事で、必ず自分の力も向上出来る筈……。
砂塵に覆われながら、それがないかのようなクリアーな視界を提供する念威端子に導かれ、一気に第十小隊の念威操者に肉薄する。
懸命に端子の制御を取り戻そうとしていたのだろう、肉眼による視界が砂塵で妨害されていた事によって彼がナルキに気付くのは致命的に遅れた。
慌てて、念威爆雷を展開しようとする前に、ナルキから伸びた捕り縄が彼を捕縛し、それを通じて放たれた化錬剄が電撃となって彼を襲い、気絶させた。
そして、戦場の一端では、遂にレイフォンとディンが一対一で向かい合っていた。
砂塵の向こう側では、ニーナが残る第十小隊の内、二名の小隊員と遣り合っている。
残りはレイフォンに倒され、ディン自身も蹴りを喰らい、他と引き離された。
「貴方の気持ちは分かります」
「俺の気持ちが分かる、だと……!」
そうして面と向った最初に放たれたレイフォンの言葉に、ディンは怒りの篭った視線を向けた。
分かるものか……!才能に恵まれたお前などに!
口には出さずとも分かっていたのだろう、それは或いはディンの視線や口調だったのかもしれないし、或いは自身の体験からだったのかもしれない。
「分かります」
故に被せるようにして、再び告げる。
そうして、語る。
嘗ての自分の、グレンダンでの行為を。何故、自分がこのツェルニに来る事になったのかを。
それはディンとは異なる犯罪の話。だが、ディンも最初こそ嫌悪の感情を示したものの、間もなく、それに込められた意味を理解したのだろう、次第に冷静な、悟った者故の平静な表情を向けた。
ディンも理解したのだ。レイフォンが言いたい事が。
自分の力だけではどうにも出来なくて、法を犯しているとわかっていても、それでも何とかしたいと願う、それは分かるから。レイフォンの、そんな想いが伝わってきたから。
「或いはあの時、ほんの少しの狂いで自分は都市追放ぐらいにはなっていたかもしれません」
そう締めくくられた時、ディンの心もまた静かに落ち着いていた。
「……それがわかって何故止める」
「貴方も分かっているんでしょう?」
今更、の話だと。そんな狂おしい想いを理解していながら、何故自分を止めようとするのか、と既に答えを理解しつつ告げるディンの言葉にレイフォンもまた穏やかに返す。ある意味、これは二人の、道を誤った者同士の儀式のようなものだった。
「もう、自分では止まれないと」
【後書きっぽい何か】
という訳で、戦闘開始です
レイフォンとディンの決着、そして……はまた次の話で。無論、「ほんの少し」ですが優しい結末を考えています
レイフォンとディンって似てます
どちらも、自分の為じゃなく、他の何かの為に法を犯してでも何とかしたかった
本当に、レイフォンがディンを止める事になったのはある意味皮肉だと思います
原作ではどちらも悲しい結末を迎えた訳ですが、それだけに自分の作品の中だけでは、せめてお互いがやり直せる機会をあげたいと思ってます