一瞬、ダルシェナは何を言われたのか分からなかった。
次の瞬間、またしてもはぐらかすのかと怒りが湧いた。
「シャーニッド、貴様…っ!」
「なに、怒ってんだ。お前が知りたいっていうから教えてやっただけだぜ?」
顔は何時もの如く締まりなく笑っていても、目は笑ってはいない。
けれど、頭に血が昇ったダルシェナは気付けなくて。
だから、更に一歩踏み込んでしまう。ここで引き返しておけば、見ずに済んだ事を否応なく眼前に突きつけられる事になる。
「ふざけるな!仮にお前が私を好きだとして、何故小隊を抜ける必要がある……っ!」
「お前がディンを好きで、ディンは前の隊長が好きだからな」
その言葉で。
一気に怒りが消えた。
「……え?」
気付かれていないと思っていた。
ディンが前の隊長に惹かれていたのは分かっていた。
自分がディンを好きになったのは何時だっただろうか?
「分かってる筈だぜ?シェーナ。俺達の誓いの一番最初は借り物だってな」
そう、そもそも何故自分達は誓ったのか。
何故『ツェルニを守る』と誓ったのか。
ニーナ・アントークは簡単だとシャーニッドは思う。
彼女はツェルニそのものと出会った。
学園都市ツェルニそのものと言える電子精霊であるツェルニと出会い、守りたいと願った。それは紛れもなく、この都市に向けられた想いであり、彼女自身のものだ。
だが、果たして自分達はどうだっただろうか?
ディンは前の隊長を想い、誓った。
ダルシェナはディンの為に誓った。
そして、シャーニッドはダルシェナ・シェ・マテルナという女性の為に誓った。
そしてシャーニッドという人間は狙撃手という立場故か、他の二人より景色が良く見えた。結果から言えば、それだけだった。
「別に借り物なのが悪い訳じゃねえ。最初はそうでも、何時かは心からそう思えるようになるかもしれねえんだしな」
だが、と告げる。
皆が同一方向を向いているならいい。だが、向いているようでいて、実はそうでなければ?
確かに目標は同じだ、一丸となって行動出来るかもしれない。だが、その実体は『何をしたい』かは共通でも『何の為に』が全員バラバラだった。それでは駄目だ。『何の為に』、それが少しズレた瞬間に、したい事もまたより優先事項が高い方へと変えられてしまう。
……そう、例えばシャーニッドはもし、眼前にツェルニの勝利が転がっていて、反対側にダルシェナが危機に陥っていれば……ダルシェナを優先してしまう。例えその時を逃せば、勝利が消えてしまうと分かっていても、だ。
「何時かは我慢出来なくなる。ディンはまだいいさ、隊長はここにはいねえんだからな」
手の届かない所にいる人ならば、純粋な想いも向けられるだろう。
想いを向けた所で、相手から反応が返ってくる事がなくとも、ここにいないのならば、それは仕方がないと割り切る事も出来るだろう。
だが。
もし、相手がすぐ前にいたならどうなる?
「やめろ……」
「俺がお前にあの時、こうして告白してたらシェーナはどういう答えを返してた?」
困惑しただけだっただろうか?
それとも今の関係を壊したくなくて、はぐらかしただろうか?
それとも今の関係が壊れるよりはと、表だけ取り繕って彼に応えていただろうか?まさか、それは幾等なんでもシャーニッドを馬鹿にしている……より酷い壊れ方をするのがオチだ。
……いずれにせよ、それまでの関係は壊れただろう。
あの時の、ディンに想いを向けていた自分がシャーニッドに応える事はなかっただろうから……。
「やめろ……」
「或いはシェーナ、お前がディンに対して向けた想いへの返答を求めてたらどうなった?」
シャーニッドが抜けた事で、関係はある意味停止状態に陥った。
今の関係は言うなれば、ダルシェナの片思いとでも言うべき状態だ。
ならば話は簡単だ。ダルシェナが一人ただ彼を見ていればいいだけで、他を見る必要はないのだから……。
「やめろっ!!」
瞬間、無意識に一気に放出された剄が周囲を荒れ狂った。
しかし、シャーニッドは平然とそこに揺らぐ事なく立っていた。……この程度、レイフォンや以前に一瞬だが敵意を向けてきた、あの巨大な老生体とかいう汚染獣のそれと比べれば、そよ風のようなものだ。いや、別にダルシェナの剄が弱いとか、シャーニッドが強いとか言う訳ではないのだが、そうした強大なものを知っているだけに、突然の出来事にも焦らず対処出来るという……経験値とでも言うべきものがある、という事だ。
「俺はこうしてお前に話すまでに、今の今までかかった」
シャーニッドから向けられる視線に、けれど何時もの彼女と違って目を逸らして……けれど、シャーニッドは彼女から目を離す事なく、続けた。
「ディンが隊長でなく、お前を振り向いてたなら、俺は残念じゃあったけど、小隊に残っただろうさ。……お前が俺に応えてくれてたら、ってのはまあ、言うまでもねえな」
どちらでも良かった。
ディンとダルシェナが付き合うというならば、シャーニッドは胸の痛みを抱えて、けれど二人を笑顔で祝福していただろう。
ダルシェナが自分を振り向いてくれていたなら、前の隊長を想うディンを二人して支える事も出来ただろう。
どちらも仮定だ。
そして、もう終わった事でもある。
「つまりはそういう事さ。悪いとは思っちゃいるが、間違った事はしてないと思うぜ」
そして、あのまま第十小隊に居続ける事は出来なかったが、自分としてもツェルニを守りたいって気持ちは嘘じゃなかった。
だから、第十七小隊に入った。
借り物ではない、自分の物としてツェルニを守りたいと願うニーナ・アントークがいたから、彼女が自らの想いを示した時、何時の間にか自分でもツェルニを守りたいと願っていた事を知れたから。
「じゃあな。もし、お前がまだ俺に問いたいって言うなら……」
そん時は、この件に関してお前なりの答えを聞かせてくれ。
そう告げて。
シャーニッド・エリプトンはその場を離れた。
ダルシェナは……追っては来なかった。
「……本当に俺も未練がましいこって……」
声が聞こえない程度には離れた所で首だけ振り向いて見てみたが、未だダルシェナと思しき影は先ほどと同じ所に立ち尽くしていた。
さて、彼女はどうするだろうか?
この件に関してはディンに相談する事は出来まい。……それは彼女自身の気持ち、ディンが好きだという事を告げる事でもある。
もし、それを契機としてディンがダルシェナを受け入れるのならば、それはいい事だ。まあ、今更だからって自分が戻るという訳にはいかないが。
だが、おそらく、それは出来ないだろう。
もし、ディンが断れば……例え、如何なる理由があれ、ディンとダルシェナの関係もまた崩れ去る。
第十小隊の戦闘の基本はダルシェナの突撃とディンの支援にある。
果たして、崩れた時、ダルシェナはディンにこれまで同様に背中を預け続ける事が出来るだろうか?ディンはこれまで同様に冷静にダルシェナを支え続けられるだろうか?
第十小隊は最高学年が四年生とある意味第十七小隊と同じだ。
これは前の小隊長がいた頃、六年生を中心として三年生だった三人を引きこんだからだ。そして六年生が卒業した後、残った三年生だった三人の内、隊長向きだったディンが跡を継いだ。
その第十小隊は……苦戦が続いていた。
原因は簡単だ。
元より、第十小隊の戦闘パターンは黄金形とでも言うべき必勝パターンがある。
ダルシェナの突撃。
それを支えるディンの支援。
更にそれを守る他のメンバーという形だ。極端な話、このパターンは他の四名がダルシェナとディンを守りきればそれで勝ち目が出てくるのだが、実の所密かに眉を潜める者は多い。
理由は単純だ。
現在の第十小隊の戦い方は、他の隊員を育てるものとは言えないからだ。有効なのは認めるが、隊長であるディンと副隊長であるダルシェナ二人の引き立て役にしかなっていない。
小隊とはただ勝てばいいものではない。確かに、勝利して、その中から指揮官を本番に向けて見極めていく必要があるが、それだけではなく指揮官には次代の武芸者を育てていくという仕事もある。そういう意味では、先代の第十小隊長がディン達を選んだのは正に慧眼ではあったが、肝心の選んだ対象が育てる事を実質的に放棄している状態では意味がない。
ましてや、レイフォンから言わせれば、この隊形は汚染獣相手では余り意味がない。あくまで、試合という限られた環境下で有効な戦闘隊形であり、戦法なのだ。
もっともディンからすれば、何を今更、という気持ちが強い。
非難をする側の気持ちも分からないではない。次代を育てるという事が大事なのも今更言われるまでもない。
だが、現在の。小隊戦で上位へと行かねば、肝心の本番、武芸大会で指揮権に関わる事さえ出来ないような体制を作り上げ、それを維持運営しているのは誰だと言いたい。
そして、何より。
武芸大会で過去二度に渡って敗北してきたのは誰だったかと。そう問いたい。
それならば。
まず、何を差し置いても、例え如何なる非難を受けようとも、まずは上位へと食い込んでから。何を引き換えとしようが、全ては次の武芸大会に勝利してから。
その為に剄脈加速剤である違法酒『ディジー』に手も出した。自身の出身都市である彩薬都市ケルネスはこうした他の地では違法とされるものも違法ではない数少ない都市だ。まあ、何が言いたいかというと、彼には違法酒を調達出来るルートがあった。ある意味それがディンにとっての不幸であったとも言えるが。
そして、ダルシェナを除く他の面々は違法酒を用いてでも前へと進む事に同意してくれた。
ダルシェナを巻き込まなかったのは生真面目な彼女はまず賛成してくれないだろう、というのもあるが、同時に彼女には違法酒は不要だろう、という読みもある。
彼女は自分とは違う。彼女は十分な剄の力があり、わざわざ違法酒でブーストする必要などない。
下手にブーストすれば……おそらくその時は彼女に他の者がついていく事が出来なくなるだろう。
しかし、そこまでして手に入れた力でもって最初の頃は順調に白星を重ねつつあった第十小隊だったが、最近は苦戦が続いていた。
理由は単純だ。最近対戦していた相手はいずれもアルセイフ道場で鍛錬を受けている面々。
彼らはいずれも、まず剄の流れがスムーズとなり、技の始まりが軒並み早まっていた。
これだけでも厄介だが、最近の彼らは第一小隊や第五小隊という現在小隊戦のトップを走っている……つまりは今の所ツェルニの次の武芸大会で指揮を執る可能性が高い小隊の者まで道場に加わった事により、指揮というものについて指導を受ける機会を得た上、互いに戦法についても切磋琢磨を繰り返しているという。
まあ、何が言いたいかというと……第十小隊の戦法に関しても互いに試行錯誤を繰り返している、という事だ。
今、勝者を決めるフラッグ破壊の合図が為された。
第十小隊側の勝利だ。
今回は何とかダルシェナが落とされる前にギリギリではあったが、フラッグ破壊に成功はした。
だが、これが防衛側だったらどうだっただろうか?
今回にした所で、後僅かな差だった。
実の所、ディンを含めダルシェナ以外は全員が落とされている。
ダルシェナとてあとフラッグまでの距離が10メルトルもあれば落とされていただろうと思えるぐらい満身創痍だった。それぐらいギリギリの勝利だった。というか、小隊員の損耗だけ考えるなら第十小隊の敗北といっていい。
果たして、現状のままで勝ち残れるのか、そう考えてディンは頭を振った。
勝ち残れるのか、ではない。
自分達は勝ち残らねばならないのだ。
そんな彼らを観客席のブースから見詰める視線があった。
こうしたブースはある意味密談にはぴったりでもある。
「どう思う?」
そう問いかけたのはフォーメッド・ガレン。
他にこの場にはニーナ・アントーク、シャーニッド・エリプトン、フェリ・ロス、レイフォン・アルセイフといった第十七小隊の面々、それにナルキ・ゲルニがいる。
「……間違いなく使ってるだろうな、まあ、ダルシェナは使ってないみてえだが」
溜息と共にシャーニッドが呟いた。
シャーニッドも本音を言えば、嘗ての親友の気持ちが分からないでもないし、彼を裏切るような気持ちがするのも確かだ。だが、もう遅い。既に都市警は彼に王手をかける寸前まで来ている。
この間の密輸摘発が実の所大きかった。
サリンバン教導傭兵団にルートを潰されたのも大きかったらしい。まあ、騙くらかして密輸団の用心棒をやらせようという時点でサリンバン教導傭兵団を馬鹿にしているとしか思えない訳だが。
サリンバン教導傭兵団は潰した際のデータも多少は金がかかったが、惜しげもなく提供してくれた。まあ、彼らにしてみれば団長であるハイアが騒動を起こしたお詫び、という面もあったようだが、お陰で格安でかなりの追加情報が手に入った。
「じゃあ、あの人何も知らないんですか?」
「薄々は感づいてるだろうな、俺でさえ分かるんだ。一緒にいるシェーナが気付かない訳がない」
レイフォンの問いにシャーニッドは苦い笑みを浮かべながらそう告げる。
剄の量を見れば分かる。ダルシェナは確かに剄の量が増えてはいるが、それはそう極端な変化ではない。成長に伴い順次剄の量が増えたと云う所だろう。何より彼女はきちんと自分の剄をコントロールし、扱いきっている。他の面々のように多大な剄量を制御しきれていないという事はない。
だが、同じ小隊のそれに気付かない程ダルシェナは馬鹿ではない。公正無私がモットーだ、イアハイム騎士は~と言いつつも、仲間の不正には二の足を踏み、結局踏み出せないでいる。……いや、結局それは自分も同じか。薄々気付きながら、結局自分はそれを都市警に告げる事も出来ず、それどころかダルシェナが本当に真実に気付くのを妨害していただけだった。
そうして、気付いてみれば今回こうして都市警が真実の全容をほぼ掴んだ事を知らされてようやっと決断を下す有様だ。
そう、今回こうして彼らが集まっているのは都市警察、ひいてはカリアンからの要請を受けてのものだった。
第十小隊による違法酒『ディジー』の密輸とその使用。
それは大きな問題となる。ましてや武芸大会の本番でも使用して、それが学園都市連盟に知られれば、それこそツェルニを危機に追いやる事になりかねない。
最終的に出番が回ってきたのは第十七小隊だった。
正確にはレイフォンだ。
求められるのはディン・ディーの当面の戦線離脱。半年は本調子となれないだけの怪我を負えば、会長命令で第十小隊に解散命令を下す事も出来る。表沙汰にすると色々と拙い以上、それが最善だと所謂政治的判断というヤツがされたのだ。
無論、当初は反対意見もあった。そもそも怪我、それも半年は本調子となれないだけの怪我を負わせる、というのは実の所相当に困難な話だ。医療技術に優れた都市、例えばグレンダンなどでは(何しろ怪我をする武芸者も多いので自然と発達した)切り落とされた腕を一日あればくっつける事も可能だ。
ツェルニはそこまでいかないが、骨折やそこらでは一週間かそこらもあれば完全な治療が終わる。かといって、頭などを打って半身不随にするとなるとまずツェルニでの治療は不可能、というか如何に武芸者といえど下手をすれば後遺症が残る。
だが、生憎と、というべきか。レイフォンの流派には何とか出来る技があった。
レイフォンとしても余り使いたい、気持ちのいい技ではないが、下手に怪我で戦線離脱させるよりはマシな状態となる筈だった。既に剄脈がボロボロになりつつある彼らに用いれば、当分武芸者として動く事は出来ないが、どのみちこのままいけば彼らに待っているのは破滅だけだ。
ナルキが今ここにいるのもそこにあった。
元々都市警には練達の武芸者はいない。ナルキはその中では優秀な武芸者、の卵だが、それでも所詮は一年……だが、第十七小隊ならば色々と融通が効く。元々、この小隊は最近こそ加盟を希望する者が密かに殺到していたりするのだが(最大の要因はフェリとレイフォンだったりするが、ニーナやシャーニッドも元々人気があるのだ)、その大半はミーハーか、実力不足で、その中でニーナが将来を考慮すると加入させてもいい、と思えるのはナルキぐらいだった。
そこでフォーメッドはナルキを第十七小隊に加入させて、レイフォンがディンを動けなくする手伝いをさせよう、というのだった。
第十七小隊の最大の弱点は人数不足だ。
シャーニッドがダルシェナを、ニーナが相手の一部を押さえ、レイフォンがディン+二名程度を相手どる。
レイフォンの腕ならば制限さえかけられなければ、ディンを正確に当面の戦闘不能状態に陥れる事が出来る。無論、邪魔が入らなければ、だが。
逆に言うと邪魔が入ると拙い。
失敗する可能性は低いが、繊細な技な事は間違いないのだ。
レイフォンとて幸い王宮の手配のお陰もあって、大した処罰こそ受けなかったが、一度は違法試合に手を染めた身。ディンの気持ちは分かる。違法だ、違法だと騒ぐ事は容易いが、そうだと分かっていても、それしかなければそれで何とか出来る可能性があるのならば手を出してしまう、そんな追い詰められた気持ちはレイフォンにはよく分かるのだ。それだけにディンが再び武芸者として立ち上げれるだけの余地は残してやりたかった。
だからこそ、念威操者を潰す役が欲しかった。
フェリが前線に出るのは無理。なれば、前線に出て比較的戦闘力の低い念威操者を潰す為にナルキが加入するのだ。
当初ナルキ自身は渋ったが、フォーメッドの説得により最終的に加入を承諾した。
『都市警察に入りたいというなら、小隊戦はむしろ格好の修行の場だぞ』
というのがフォーメッドの理屈だった。
都市警察は都市内部の治安維持が目的であり、武芸者を相手とする事も多い。小隊の対人戦闘というのはそうした意味では戦争だけでなく、都市警察を目指す者向きでもあるのだ。
こうした動きに対して、ニーナ自身は内心複雑ではあったが、黙っていた。
自分が何を言えるのか、という事もある。
何しろ、自身の内には未だ眠っているも同然の状態とはいえ廃貴族がいる。
廃貴族が目覚めた時の力は膨大だ。それこそ剄脈加速剤など玩具も同然な程に。
望んでではない、望んでではないが、結局外部要因で力を手に入れたという事には変わりはない。
こうして都市警から正式に依頼があった以上、下手にディンに問い詰める事も出来まい。
……自分に今出来る事はただ、事件解決を手助けする事だけか……。
内心そう自嘲するニーナであったが、彼女は知らない。
……ハイアが、サリンバン教導傭兵団が廃貴族を狙う事を未だ諦めてはいないという事を。確かにフェルマウスも含め、既にグレンダンが廃貴族をそこまで望んでいない事は知った。
だが、未だ正式な命令として帰還命令も廃貴族回収命令も出てはいない事を指摘されれば、フェルマウスとて止める事は出来ない。
ニーナはその事を未だ知らない。
『後書きっぽいなにか』
ディンの出身都市、彩薬都市ケルネス。ある意味読み方によっては災厄都市とも読み取れますよね
ある意味、違法な薬でも合法なこの都市、他の都市にとってはそうとも言えるかも……
さて、現状は大きく動いてます
既に都市警察は情報の殆どを把握しました
ナルキ自身は納得しきれませんが、協力の見返りとして都市警はナルキの小隊加入を了承してます。まあ、フォーメッドからすれば、ナルキが都市警に所属したまま、小隊の一員として強化される事には大きなメリットがあるのでむしろ積極賛成なのですが
事実、武芸者を相手どる可能性の高い都市警察を目指すなら、小隊員となるのはとってもナルキにとってもメリットがあるとは思うんですがねえ……
ちなみにこの作品では原作と違い、ディンにニーナが問い詰めるような事は起きませんでしたが、最大の理由はニーナの内側に廃貴族がいるせいです。自分とディン、どう違うのか、向こうは違法、自分のはまだまともに世間に知られてないだけじゃないのか、って思いがニーナにはあります
まあ、そんな彼女をサリンバン教導傭兵団もまだ諦めてないんですが……もっとも、この時点ではまだ廃貴族が誰に宿ってるかをサリンバン教導傭兵団は知らないので、すぐにニーナを襲撃って事はしませんけど
ではまた次回でお会いしましょう