<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.8807の一覧
[0] 獣と魔物と煉獄と…【迷宮探索学園?】【習作】 更新+微修正[63](2009/09/18 18:05)
[1] 2[63](2010/06/25 16:21)
[2] 3[63](2010/06/25 16:23)
[3] その日の《金獅子》[63](2009/08/19 09:40)
[4] 4[63](2010/06/25 16:25)
[5] 設定+おまけ[63](2010/06/25 16:27)
[6] 5[63](2009/09/18 18:05)
[7] 6[63](2009/10/04 06:34)
[8] 7[63](2009/10/25 03:21)
[9] 8[63](2010/10/19 19:52)
[10] その日からの《金獅子》[63](2010/06/25 16:35)
[11] 9[63](2010/10/19 20:21)
[12] 10[63](2010/11/06 14:43)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[8807] その日の《金獅子》
Name: 63◆ce49c7d8 ID:f09c18c0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/08/19 09:40

その日の《金獅子》









《金獅子》というパーティーネームはアークライン特殊探索者養成学園においては特別な意味を持つ

というのも《金獅子》はアークライン特殊探索者養成学園創成期に結成され、それ以降常にその時期のトップクラスのパーティに受け継がれているパーティーネーム、さらに前パーティーが残した強力な武器防具秘薬などが次代に引き継がれる為、他のパーティーに比べダンジョン探索が有利になるという点も魅力的な点である

また、歴代の《金獅子》からは《英雄》や《偉人》と呼ばれるに相応しい業績を残した者達が排出されこのパーティーに名を連ねる事で卒業後の進路さえ変わってくるとも言われている

もっとも、パーティーネームの引継ぎは前パーティーリーダーから次代のパーティーリーダーへの指名となっているのでそれなりの実力を見せつけなければ指名を受けることは出来ない

そして当代の《金獅子》メンバーはというと・・・



アリス=ワールウィンド

パーティーリーダー、希少スキル中の希少スキル《精霊の加護(全)》と膨大な魔力量を誇る100年に一人の逸材と呼ばれる強力な精霊術師



ジークフリート=フォートレス

パーティー副リーダー、希少スキルは発現していないが圧倒的な膂力で本職の騎士とも互角に戦える戦士にして、強靭な肉体と無尽蔵の体力で一人で戦線を構築すると言われる歴戦の勇士



カイト=ラインズバック

一応希少スキルに分類されている《知識神の蔵書》・・・通称《鑑定》スキルを持つが、それ以上に開錠・採集・罠解除等その技能の多さと高さで評価され、前衛・後衛とも行える事から《万能》とも呼ばれる戦士



スズカ=ハヤシザキ

東方のツキノワ特殊探索者育成学院より交換留学で来ている修練生。金属を嫌う精霊を刃に宿らせる事を可能とする希少スキル《属性剣術》と東方独特の刀術を駆使し、圧倒的な剣速と攻撃力を両立させた剣士



アリサ=ワールウィンド

リーダーのアリスの姉にして、希少スキル《地母神の加護》と《癒し神の加護》という希少スキルを2つも持っている大陸でも類稀な才能を持つ神術師、メインは回復系の術だが幾つかの攻撃系の神術も使える正真正銘の怪物



5人中4人までが希少スキル発現済みという歴代でも最も才能に溢れたパーティー。周囲からは《奇跡の世代》とよばれその評価にたがわず30階・60階という試験合格ライン最速到達という偉業を達成している

そんな彼等であったがプライベートでは上手くいっているわけでは無かった。と、いうのもパーティーリーダーのアリスと副リーダーであるジークフリートの仲が日に日に悪化している事が原因である

アークライン入学後、座学を共に学び最初の探索でパーティーを組んだ当時からその片鱗はあったが、ここ最近ではアリスが一方的にジークに捲くし立てている光景がよく目撃されるようになった

その原因は不明であるが多くの修練生から見れば《有能》なパーティーリーダーが《無能》な副リーダーを叱咤激励しているように見え、それに対するジークフリートの態度に憤りを感じることが多かった

そして、《その日》とうとう《金獅子》の長い歴史の中で初めて脱退者が出ることとなった

「で? アリス? 勝手に副リーダーを追い出したことに対する弁明はないのか?」
                
「弁明? 何で私がそんな事をする必要があるの? 私は《金獅子》の今後の事を考えて無能な者と有能な者を入れ替えただけよ?」

「はっ、お前のはただの嫉妬だろ? 元々お前の憧れだった前パーティーリーダーからの指名を受けてたのがジークで、希少スキルが発現していなかったからお前がパーティーリーダーを引き受ける事になった事が気に入らないんだろうが!」

均整の取れた体躯と甘いマスクをした青年がアリスへと食って掛かる。その舌鋒は鋭く普段の彼――カイトを知る人物ならば目を丸くして驚く事だろう

カイトに痛い所を突かれたアリスが少し涙目になりながらカイトを睨む。だがその視線は間に入ったスズカによって遮られる事となった

「カイト、それは言いすぎです!!」

「・・・・・・確かに言い過ぎた事は謝る。もう手続きの大半が終わっているからどうしようもないが、俺は今回の件に関して一切納得していないからな!!」

「でも、《炎神の加護》をもった新人さんが入ればそれだけ殲滅力があがるんだからメリットは大きいよ?」

「はっ、殲滅力? 笑えるね? 今でも十分な攻撃力がある《金獅子》にこれ以上いらんだろう? それよりもこれからどういう戦い方をするか決めた方が良いんじゃないか? 何せ戦線維持をしていたジークがいたからこそスズカの《属性剣術》やアリス・アリサの術の発動時間が稼げていたんだぜ?」

その言葉に後衛の二人はどこかきょとんとした表情で首をかしげ、スズカは顔を真っ青にしてアリスに詰め寄る

「ちょっと待ってください! その新人は勿論重戦士ですよね?」

「え、あ、ミカエルはその魔法剣士に分類される筈だけど・・・」

「あー、もう! 嘘でしょう!? 信じられない!? この時期にまた一から戦術組みなおし?」

「え? え?」

いつものスズカらしくなく動揺しているのか地団太を踏みながら叫ぶの見て、焦るアリサ

「何よ二人して? ミカエルに重戦士の戦い方を教え込めばいいだけじゃない? 半年もあれば十分育つだろうし、その時のために《黒ノ衝撃》と《緋ノ残照》没収したんだから」

「ええい、フォワードの苦労を知らない癖に語るな! それ以前の問題として剣士をしていた奴がアダマンタイト製の《黒ノ衝撃》と《緋ノ残照》を装備して戦闘が出来る訳ないだろう!?」

「・・・・・・カイト意見に賛成です。あんな馬鹿みたいな重量の武器防具を装備して戦闘可能なのは《白銀龍》のトールかジークぐらいのものね」

その言葉が意外だったのかポカンと口をあけて間抜けな表情をするアリス・アリサ

「・・・・・・一度そのミカエルとかいう新人の能力を確認しに行きましょうか?」

「だな、戦闘能力がわからないと連携もとれないしな」

「何時行きます? 私としてはなるべく早い方がいいかと・・・」

「パーティー新規登録ならまだしもメンバーの入れ替えを行うんだから今日明日って訳にはいかんだろう。まあ、5日後の正午でどうだ?」

「・・・・・・そんなにかかるの?」

アリスの事務手続き――PTの脱退・再登録の手間――を全く分かっていない言葉をコメカミを揉み解しながらカイトが仏頂面を浮かべながら口を開く

「今まで事務手続きを全くしてこなかったパーティーリーダーは黙っててくれるかな? 俺の我慢の限界がそろそろ来てるんだがね?」

「カイト、落ち着いて下さい。アリス、今日明日中にそのミカエルとかいう新人に5日後の正午に40階層で戦闘力確認を含めた試験を行うと言っておいて下さい。・・・・・・いいですね?」

「今日明日中に? ・・・・・・わかったわ、今から伝えて来る」

そう言って冷ややかな目で見るカイトとスズカから逃げるように部屋から出て行く

扉が閉まり足音が遠くに消えて行ったのを確認してから、カイト・アリサ・スズカは備え付けのテーブルに無言で座り、顔を突き合わせながら溜め息を吐く

「・・・・・・正直、アリスがこんな性急に動くとは思って無かったわ」

「同感だよ。どうしようか?」

「・・・・・・・・・どうしようもないだろう。おそらくジークも戻ってくるつもりは無いだろうし、アリスも戻ってくるのを許す訳がないしな。とりあえず、5日後の結果次第で《煉獄塔》の探索はしばらくお預けになるな・・・・・・」

「この時期に何を考えて脱退させたのかしらね」

「アリスの事だから希少スキル持ちでフォワードやってる子がいたから衝動的に誘ったんじゃないかな? あの子能力が無駄に高いから、問題が起こっても行き当たりばったりで解決できるせいで昔から計画性ってものが欠けてるのよ」

難しい顔をして話し合っている中で唐突にアリサが遠い目で言い募る。その言葉に対して思うところがあるのか、スズカとカイトも深く頷いている。と、急にカイトが顔を上げ切羽詰った声で二人に話しかける

「ちょっとまて! ジークがいないって事は《教官室》《生徒会》《商工会》との調整・報告は誰がするんだよ!? リーダーだからってアリスにやらしたら一日で根こそぎ奪われかねんぞ」

「「・・・・・・カイト、頑張ってね(下さい)」」

「・・・・・・・・・そうなるよな」

満面の笑みを浮かべた美少女二人から言葉にカイトはテーブルに突っ伏しながらそう漏らした。その姿を見ながらアリサとスズカは一度視線を合わせた後、同時に溜め息つき気だるそうカイトの左側へと視線をむけた

そう主の体格に合わせて周りの椅子より一回り大きく作られた椅子へ・・・・・・


そしておそらく主が二度と座る事が無くなった椅子へと視線を合わせ、再度溜め息を吐く

そうして、日に日に暑くなっていくその日は終わった

3年を共にした戦友が消え、これから先への不安が積もる。だが、これからも彼等は《煉獄塔》を探索するだろう。なぜならば、彼等は《金獅子》なのだから・・・・・・








   
あとがき

うん、書いてみた。書いてみたけど、また戦闘無いんだよ・・・ごめんなさい。本当にごめんなさい

それと一週間ぐらい前には書きあがってたんだ。うん、正直読んでくれている方々いるか不安だったし、それ以上に今回の話が面白いのか判断できずグズグズしてたんだ。申し訳ない

今回のは感想くれた方々、誤字・矛盾点指摘してくれた方の為に書いてみました。感想等頂き本当にありがとうございます。











おまけ



能力表?



NAME:ミカエル=プロミネンス   AGE:15


 
CLASS:第58期アークライン修練生PT《銀剣》リーダー

   ⇒第57期アークライン修練生PT《金獅子》メンバー


   
ABILITY: Str:C+  Con:D  Int:D  Dex:C- Spr:E Agi:C+  

  評価基準:S/A/B/C/D/E E=一般成人平均 C=二流 A=達人
 


TACTICS: 剣C- 盾D+ 炎剣(神)B
 


SKILL:  インファイトD+ ガードD+ 炎神の加護 抗魔D



最高到達階層:28階層
 

     
Equipment

武器:火属性片手剣《紅ノ漆》等級Ⅶ

防具

 頭 部 :革兜

 体 部 :強化革鎧《白ノ鼓動》等級Ⅷ

 腕 部 :革籠手

 脚 部 :強化革靴

アクセサリー:抗魔のお守り



ITEM:下級ポーション×20 下級マナポーション×5



支給品:《ペナーテスの法袋》《学生証》



評価

基礎能力・スキルとも同学年の中でTOP3に入る。特に希少スキル《炎神の加護》により火属性限定だが高い攻撃力防御力誇っている。またこの時点でC+という評価があるのは相当優秀である。火属性片手剣《紅ノ漆》と特殊SKILL炎剣の相性もよく、破格の攻撃力を誇っている

性格は明るくポジティブでリーダーシップとる事も多い。ただいささか視野狭窄を起こす事、英雄願望が強い事等が心配事項として各教官より挙げられている。戦闘スタイルはフォワードでアタッカーを務める



炎神の加護

炎を司る神ヴァランの加護を受けた者に現れる希少スキル

スキル効果は強力な耐火能力と火属性攻撃の強化(共にB相当)、特殊Tactics・Skillの発現、成長促進等の効果

このスキルを持つ者の中には《焔の始祖》ヴァランタイン、《中興帝》イグルシードⅢ世など武名名高い者が多い

加護スキルは強力な《力》を持つ者に与えてくれるが、その中でも炎神ヴァランは圧倒的な破壊力と殲滅力を誇る




前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.020796060562134