まずは、最後までおつきあいいただきありがとうございました。
4年半前の投稿が最初でした。
書き始めたときからプライベートもだいぶ変わりました。
長いですよね、4年半って。
こちらにたどり着いたのは、エヴァの二次を好きな作家さんが書いていたことがきっかけでした。
途中、何度も投げ出しながらも、そのたびに感想を下さっていた皆さんの言葉に励まされました。
半年以上音信不通でも、感想下さる方がいる!と。
それまでいただいた感想も読み返して、書くための燃料にしていました。
最後まで書けたのは、ここの皆さんのおかげです。
ありがとうございました。
さて、このあとは雑談というかいいわけで(笑)
まず、連載中にここに掲載して消した番外編ですが、完結後に掲載しますと言っていたのですが、ファイルをなくしてしまいました。
申し訳ありません。
春にして~くらいしか確実に手元にないので、それだけは再掲載させていただきますが他はちょっと不確定です。
見つけたら再掲載いたします。
2013.10.27 追加
テキストファイルありますよーのお知らせありがとうございます。
幸い、親切な方にご協力をいただいて、ファイルを入手することができました。
お申し出いただいた皆様、どうもありがとうございました。
おいおい、番外編として追加していきたいと思います。
以前からずっといっていた改訂をする予定です。
完結したので、やっと心おきなく改訂できます(笑)。
途中で改訂すると絶対に最後まで書けないと思ったので我慢していました。
回収していない伏線、伏線としきれていない箇所、書くのが面倒でカットした場面等、とくにカットした場面はそれがないから意味がわからないことがあって、具体的に言うと一番はエルゼヴェルトという姓の意味についてで、最終話にそれを無理やりつっこんだので説明的になりすぎました。
少しづつ……内容忘れない程度のペースでなおしていきたいと思います。
誤字脱字教えてくださっている方、ありがとうございます。感謝です。改訂版に反映させていただきます。
それと、あえて回収していない伏線は続編分です。(忘れてる分もたぶんあります)
なろうさんで書いているものが一息ついたら、成長したヒロインと相変わらずの殿下の様子を書きたいと思っています。
長々とありがとうございました。
2013.10.26 ひな
御礼小ネタ
ある日のフィル=リンと殿下
エピローグの少し前
「あー、何読んでるんですか、殿下」
時刻は既に零時を回っている。
日中があまりにも暑い為、夜のほうが作業効率が良いといって残業続きのナディルだったがいい加減に休んでもらわないと部下が大迷惑である。
本人は超人かもしれないが、俺たちはタダの人間なのだとフィル=リンは声を大にして言いたい。
もちろん、一言だって本人に言うことなどできないのだが。
「ルティアの気に入っている読本だよ。これが、なかなか侮れない」
ペラリと見せた薄い本は、普段、ナディルが好んでいる書籍類とはまったく趣を異にしている。
「何読んでるんです?」
「空の瞳という……何だろうな、恋愛冒険政治謀略後宮小説とでも言うような……」
ナディルは少し首を傾げる。
「あー、いいです。わかりました。何となく。……んなもん、読む暇あったら、ちっとは睡眠とれや」
このまま寝台に叩き込みたい、とフィル=リンは思う。
どう考えても働きすぎなのだ。
かといって部下に任せていないというわけではない。
ナディルは何もかも自分で抱え込むタイプの上司ではない。
むしろ、できる人間には仕事をどんどん放り投げる。
(一国の君主、というのはそれだけ激務だということだ)
特に、今の情勢は一触即発とまでは言わないが、かなり厳しい状況だ。
エサルカルのクーデターは結局失敗に終わったものの、その傷跡は深い。そして、一時は敵対したその国に対し、無条件で援助をするわけにはいかない。
「何をいう。私とルティアは15歳も年齢差があるのだぞ。親子でもおかしくないのだ。愛することは簡単だが、愛されることには努力がいる。私は努力を惜しむつもりはない」
「……そんな女向けのベタ甘な、いつか王子様が的恋愛小説読みながらそんなこと言っても、まったくサマにならねーから!」
本人大真面目な顔で、心底そういっているのはわかっているが、微妙に滑稽である。
「何を言う。これは私の大事な教科書なのだ」
「は?教科書?これで何が学べるって?」
「12歳の女の子の夢見る求婚の作法」
「はいぃ?」
求婚って誰にだよ、とか突っ込む気はなかった。この目の前の男が望むのはただ一人しかいないのである。それはもう充分すぎるほどわかっている。
(姫さんはとっくにあんたの嫁なんですけど)
「私はあまり情趣を解す男ではない。人よりちょっと優れているといえるのは頭脳くらいなものだ。だとすれば、ちゃんと情報を収集し、こうして分析をして、あれの好みをできるだけ理解し、それに近づくようにすればいいのだ」
ふと見れば、机の上には小山のようにその同じ装丁の薄い本が積まれている。
しかも、何やらラインをひいたり栞をはさんだりしてある。
何やら表をつくって真剣に分析なんかしているようだ。この男が、部下にも任せずに自分自身でここまで真剣に分析する事柄など、そう多くはないだろう。
「なあ、あんた何をはじめんの?戦争でもすんの?」
そこで初めてナディルは笑って言った。
「妻を攻略するのだよ。私ばかりが征服されているのは不公平だからね」
END