ドカッ ズサァアアアア
「ぐ…いってぇ。」
エレナさんの蹴りを受け、体が後ろに飛ばされるのを足でブレーキをかける。
今日は平原での戦闘訓練です。
元一般人なので格闘経験がいっさいなかったので戦い方も学びます。
みなさんあのかわいい見ために騙されてはいけません、戦闘なんてできそうなエレナさんですが実際は鬼強いです!いや鬼です!!悪魔なんです!!!
「さて、なんだか失礼な事を考えていたようですがもうよろしいですか?」
素敵な笑顔のエレナさん。怖いです。
けどそうも言っていられないので真面目に戦うことにします。
今度はこちらから動くことにします。
踏み込んでややななめ上にむかって蹴りを放ち、胴を狙う。
サイドステップでかわされたと思ったらエレナさんの姿がきえる。
死角に入られた。急いで頭と後ろ半身にオーラをあつめると背中に重い一撃をうけた。
バキッ
左腕に続き今回はアバラが何本か折られた。
受身をとったあと大きく一度息を吐き出す。
エレナさんからは目を離さない。痛みを我慢しもう一度こちらから仕掛ける。
左足で蹴りのフェイントをいれ右こぶしを打ち下ろす!
だが次の瞬間景色が回転し背中から地面に叩きつけられた。
ドスン!
「はい。これで頭を踏み抜かれて本日7回目の死亡です。」
肺の空気がすべて吐き出され一瞬目の前が真っ白になったかと思えば次の瞬間にはエレナさんの足が頭をかすめ死亡通告をされた。
あぁエレナさんの足は細くて白いなぁなんてことを考える。
「日も暮れてきそうですし今日はここまでにしましょう。立てますか?」
ゆっくりと起こしてもらいました。
まさにアメと鞭。修行のあとにこの優しさはけっこうくるものがあります。
あぁ大天使の息吹気持ちいいなぁ~。
体中から感じていた痛みが一瞬で引きました。
怪我を治しエレナさんとリーメイロ城にもどります。
今日の晩御飯なんだろなぁ
―――――数ヵ月後
ドゥーンに外からのお土産だと女神像らしきものを渡され部屋に飾るように言われたのであまり疑わずに部屋の窓のふちに置いてから一週間。
最初は目覚ましがならなかったり何もないところでつまずいたり楽しみにしていたおやつが食べられていたりするくらいだったが、最近では階段から落ちたりシャンデリアが落ちてきたりエレナさんとイータさんの修行が理不尽に厳しくなったりと命の危機を感じるようになるわ、おやつを一週間食べ損なうわで、おかしく思いドゥーンを問い詰めた。
「やっときづいたのか?あれは呪われた幸運の女神像っていうゲーム内のアイテムだよ。で効果はどうだった?」
とニヤニヤしながら聞き返された。
そしておやつは3馬鹿が食べていたそうで、今日のコーヒーミルクプディングはもうジンの胃の中だそうだ。
俺は即部屋に帰って女神像をドゥーンの部屋に放り込み自分の部屋でどうやって復讐するか考えた。
そういえば双子師匠から発の作成許可が出ていたのを思い出した。
「ふははははははは!みてろや3馬鹿!!積年の恨み、くらうがいいわ。」
人生初めての発をつかった。
ドゥーンの苦しんでいる顔を想像しドゥーンの元へもどるとピンピンしていらっしゃいました。
………あるぇえ?お腹が痛くなったりしていないか聞くとさっき痛くなったけどトイレにいったらすぐに消えたといわれた。
失敗かと考えているとドゥーンに、俺様に念をかけるなんて100年早いしお腹が痛くなるようになる能力ってなんだよと笑われた。
くっ悔しいです!!さっそく師匠に泣きつきました。
「「へぇジャポンの陰陽呪術ねぇ。おもしろいそうじゃない。そういえば制約と誓約はなにかつけた?」」
「あ………忘れてた。どんなのがいいと思います?」
「「それは自分自身できめなさい!私たちの事を信頼してくれることはうれしいけど、自分の制約と誓約については師匠である私達だけでなくだれにも教えてはいけません」」
「はい。それじゃぁ自分の部屋で考えてきます。」
「「一度決めれば二度と変更はできないから、あせっちゃだめよ。」」
師匠の部屋を後にして、自分の部屋にもどった。
自分ができるけど無理のない制約と誓約を考えました。
師匠たちがいうには基にしたものがあるならそれに近いものがいいらしい。
後はフィーリングが大事だそうだ!まってろよドゥーンお前は俺を怒らせた!!
しかし制約ひとつではまたもや効果がなくしばらくの間
制約をつける⇒発を使用⇒様子見⇒失敗⇒さらに制約をつける⇒発を使用⇒様子見
を繰り返した。
3馬鹿に念をかけるためには結構な数の制約と誓約が必要だったがおかげで世界トップクラス相手にも念をかけられることが可能なことに気づきそこだけは3馬鹿に感謝した。
………そしてついに能力が完成した!
3馬鹿がトイレにこもってから半日がたった。
双子師匠にその旨を報告するとほめられました。
しかしこの時の俺は調子に乗りすぎた。ルンルン気分でスキップして廊下を進み自分の部屋にもどっている途中
「「「今すぐ念を解くか俺らにボコボコにされた後念を解くか選ばしてやる…さぁ選べ」」」
3馬鹿が今まで見たことない本気のオーラと声で脅かしてきました。
言われてすぐに首を縦に何度も振り念を解除すると頭をぽんぽんとされ、そのまま3人は去っていきました。
3人がいなくなると腰がぬけその場に崩れ落ちました。
あのオーラはやばいです。
一瞬で格の違いがわかるようなオーラ量と密度、そして美しさ………あの3人が世界トップクラスの念能力者だと肌で再認識した瞬間だった。
「ふぅーーーーーー」
大きく息を吐き出した後、立てるようになったので早足でその場をさります。
………替えの下着とズボンさがして師匠たちにばれないように洗濯しなければなりません。
いやあのオーラを肌で感じてちびらない元一般人はいないと思います。と言い訳しつつ誰にも会いませんようにと願い部屋を目指した。