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No.7837の一覧
[0] セカンドライフ (現実→異世界、転生) (誤字脱字修正等のみです)[カフェイン多め](2009/07/14 09:45)
[1] 幼年期:(プロローグ、前編)[カフェイン多め](2009/07/14 09:47)
[2] 幼年期:(プロローグ、後編)[カフェイン多め](2009/07/14 09:48)
[3] 間章(1)[カフェイン多め](2009/07/14 09:48)
[4] 少年期:(第一部、前編)[カフェイン多め](2009/07/14 09:49)
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[7837] 間章(1)
Name: カフェイン多め◆4b159315 ID:4070b9f6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/07/14 09:48

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<間章> : 幼年期の終わり
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コンビニなど無いこの世界。

いやまぁコンビニどころか、街灯の一つも無い世界。

さらにド田舎。

夕闇が辺りを覆うと、辺りに残るは月明かりばかりなり、なのです。


まぁ、月、青いけどね(何

餅つきしてるウサギの姿も見えないのです。


…地球、というわけではないのか、と。

いやまぁ予想は付いていたわけですが、ね。


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昔…というほど前でもない。 体感時間にしてほんの3年前まで、全く別の人生を歩んでいた。

あの頃の俺は、僅か数年でここまで人生大きく変わるとは予想だにしなかった。

まぁ予想できる奴がいたらエスパー間違い無しではある。 

むしろ黄色い救急車が飛んでくるかもしれない。


「住めば都」とはよく言ったもので。

なんだかんだ言って、こっちの文化というか、生活様式…むしろ「生活レベル」と言ったほうが適切な気もするが…に慣れはした。 ある程度は。


とはいえ、「勝手が違う」というレベルどころじゃないお話も多いわけで…

まぁ色々と問題はあるのですよ。

ある意味死活問題と言い切っても過言ではない物が大量に…

根本的な所で、現代人との意識の「ズレ」があるわけです。


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さて、俺の最終目的は「楽しく暮らす」だが、その為に必要不可欠なことが3つある。

風呂とトイレと食事だ。

これらも上記の例に漏れない…というかむしろ、これらこそがその代表例なのですよ。




例えば、風呂。


え? 欧米だからシャワー?

何言ってるのやら。 

そんな物どこにあると。 いや、そもそもお風呂なんて無いしね。

金持ち貴族なら、香水を大量に使って体臭とか色々ごまかせってお話なのですよ。


いやなんというか、体を洗う場合、時間は当然朝一番なわけですが。

体を洗う場所は近くの川や湖ですよ。

農村だけだろうって? いえいえ、んなこたぁない。

都市でも同じようなものですよ。


あ、ちなみに、川の水は飲料水でもあるというのが恐ろしい所ですよ。

もちろん、好んで飲まれるわけではなくて、ね。

硬水で飲みにくいという事もあるし…。 

で、何が問題かというと、衛生面。 例えば『病原菌』とかのリスクなわけですよ。

(例:パリ市のセーヌ川等。 パリ市区の飲料水はの供給源は、幾つかの井戸(十五世紀で6箇所、十六世紀でも20箇所以下)とセーヌ川からの汲み水だった)


ちょっと何かあると集団病気感染が一気に広がるわけで。 まぁ当然ではあるんだけどね。

もぅ新型インフルエンザなんぞ目じゃありません。 

伝染病で町一つ壊滅とか珍しくも無いという。

「都市だから・農村だから」って言うよりは、「上流だから・下流だから」って分けた方がいい感じなレベルですよ。

無論、汚水はそのまま川に流すので…


飲料用の水のは、井戸で掘られた水や雨水をろ過した物だってありますよ?

ただまぁ井戸水はともかく、雨水をろ過した水(衛生面では比較的マシ)を飲めるのは貴族に限られたりとかそういった事も何ら珍しくも無くて。

更に、その井戸水も限られていたり、地区によっては有ったり無かったり。  まぁ地層の問題なのですが。

比較的裕福な層やいい場所に住んでる人以外は、その恩恵にあずかれるわけではないというのがミソなのですよ。


ちなみに、地球の中世ヨーロッパの歴史において、あらかじめ(消毒を兼ねて)アルコール飲料にして水分を補給するのが代表的な水分補給の方法になったわけですが…

最大の理由は、この衛生問題なのですよ。 生水飲んで死ぬ事なんてザラなわけで。 

ちなみにこれ、農村より都市の方が深刻というかなんというか。


現代人の感覚だと、気が狂う事間違い無しなのですよ。 

胃腸の弱い人は確実に死にますよ、ええもぉそりゃぁ。

それでまぁ結果として、一般人は安い酸っぱいワインやビールに蜂蜜やらいろいろ入れて子供でも平気に飲んだわけです。 昼間から。

ただ、そんな物すら飲めない人口も相当数存在したわけで。 貧民層/貧民街の衛生状態はお世辞にも良好とはいえなかったわけですよ。

(その辺り、「水はタダで当然!」という発想の日本(時代と地方によって例外はあるが、概ね)からはなかなか想像できないが、実は歴史上「水」を巡る争い…場合によっては国家間の戦争などは珍しくもなんとも無いし、現代でもその事例は枚挙に暇が無い)


いわゆる中世の(時代によって大きく異なるが)平均的な都市の例で、5歳以下の子供の死亡率は25~40%といえば、都市の衛生状態がわかろうというもんですよ。

農村だと都市と条件は色々変わりますが、トータルだと同じく5歳以下の子供の死亡率25~40%あたりに落ち着くわけで。

内容的にはどっちがえげつないかは一言では語れませんが…詳しい解説は食が進まなくなるので割愛。 うんそれがいい。



ついでに言うと、食事は手掴みなのです。 これはこの世界も同じ。

…いや、ほんと、ジョークでもなくて。

フォーク? ナイフ? スプーン?

そんな物この世界(時代)にはまだ存在しませんy(ry


地球の16世紀頃相当になれば貴族階級で使用され始めるかもしれないけどね。

それでも一般の市民(平民)がそんな物使えるようになるのは「準近代」になってからのお話。

地球のヨーロッパ史で言うところの18世紀とか19世紀ですよ。


それまでは、手で掴んで召し上がります。

肉料理も野菜料理もスープの中の具も。

だから、汚れた手を洗う水を入れたボールが、テーブルの上にあったというお話(おぉ

フィンガーボール、ですっけ? あの後付けマナーというやつですよ。

お箸文化の日本に伝わった時、当時の人々が理解不可能だったのは当然のお話です。

まぁ文化の違いといえばそれまでですが。

存外に浅い物ですよ、西洋のテーブルマナーの歴史なんて。



でもって、最悪なのがトイレですよ。

最悪というか何というか…

そもそも、城館なんかのごく一部の例を除いて、『トイレなんて存在しない』というわけでorz

この辺は地球の歴史に近い物があるという…

「魔法」なんて物が存在するファンタジーな世界といえど、こればっかりはどこも同じなのですよ。 

文明レベル的に。


いや例えばね? 

さっき例に挙げた、地球のフランスのパリ市なんかの場合なんか、いい例なんですが。

1861年(ナポレオン時代)にセースの水を飲むことが禁止されるまでの間、水洗トイレなんて無かったわけですよ。 

トイレの歴史ってのは貴重な水を如何に確保するかとの戦いでもあったわけで…

近代になってやっと、ルールク運河を筆頭とする幾つもの水源開発でパリの飲料水が確保され、同時に下水道の整備が進み、次第に水洗トイレが普及し始めたわけですよ。


ちなみに、それまではというと…


都市の場合、一般市民の家に「トイレ」なんて物は無いわけで。 

ぶっちゃけると「おまる」なのですよ。

でもって、家々のおまるが一杯になると、中身を捨てに行くわけです。

ただ有料だったり場所の指定があったり等々の理由から、ゴミなんかと一緒に家の窓から下の道路に捨ててたわけですよ。 汚水や汚物を。

ちなみに、男性が女性をエスコートする時には男性が建物側を歩くのが常識だったという、あまりにも笑えないお話もあるのですよ。

(エドワード3世の時代(1371年)のロンドン市区で、「汚物を窓から捨てるところを官吏に見つかると罰金」という法律が成立したという)


近代になるまでの都市の道路はというと、これがまた…

どの町も道路の真ん中に大きな溝があって、そこにゴミや汚物を集めていたわけですが。 

まぁなんというか、道路全体が恐ろしく不潔だったわけで。 匂いも景観も。

ちなみに、「ハイヒール」が登場した理由は汚物のぬかるみでドレスの裾を汚さない為だし、「マント」が登場した理由は上から降ってくる汚物をよける為という、なんとも中世のイメージぶち壊しなお話なのですよ。

意外と知られていないが、女性のドレスの裾が広がっているのも元々は立ったまま小用を足す為で。

ちょっとセレブな家の場合、付き人が桶を持っていてそれを両足で挟んで立ったまま用を足し、事が終われば窓からポイ捨てという。


当然、庭や道路などは市民全員が撒き散らす糞尿だらけだったわけで。

人の糞尿を放し飼いにしているブタに食べさせて処理し、そのブタを人が食うというすごいリサイクルが成立していたりするわけですよ。

17世紀のルイ14世も、パリのルーヴル宮殿が汚物まみれになり、また市街からの匂いに耐えかねてヴェルサイユ宮殿に引っ越してきたという説もあるという…もうね、なんとも…。


まぁこういった衛生環境だった都市部…しかも城砦に囲まれていたから、更に状況は酷かったわけですよ。

1348年~1353年に黒死病(ペスト)がヨーロッパで爆発的に流行した理由の一つに、各都市の衛生状況があるわけですよ。 その結果パリ市だけで8万人以上が死亡とかね。

(都市の人口増加に設備が追いつかなくなると、都市の廃棄物を増加、飲み水の汚染、悪臭、ハエやノミやネズミの大発生等々の問題が生じるわけで。 古代ローマの地下水路システムや水道が、歴史学者から絶賛される理由もよく分かるというものです。 いやほんとに)

現代の日本の感覚なんてこれっぽちも通用しない、すごい世界だったわけですよorz



でだ。 地球の歴史はさておき、今の俺がいるこの世界のお話に戻るわけだが。

幸いにして、というべきか。 ここは人口密度の低い農村で。

人糞なんかは肥料として土に還せばいいという、そっち方面では心配のあまり無い場所だったな、と思っていたのですよ。


川に普通に汚物流してる住民見て思いっきり引いたけどさ!wwww

即刻禁止にしましたよwwww んでもって、屋根付き壁付きの公衆トイレを各村に作らせましたよwwww 

こえだめってやつとセットねwwww 畑にまけ畑にww 伝染病なんかで死にたくねぇwwwwww

あと井戸に触る前に手洗えwwww 近くに水を酌み貯めておいてさwwww



頼むよ君ら、いやほんとに…orz

寄生虫や病原菌に負けるってそれなんてバッドエンドなのさww






なんて言ってる間に、月日は流れていったわけですよ。


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<おまけ>

*「騎士」の成り立ちと発展(民明書房『西洋のサムライ』より)

「封建社会」という名称の『封』とはすなわち「土地」である。
AD1000年以降には知行(ちこう)として土地財産を譲渡するローマ的習慣(恩貸地制度、おんたいちせいど)が一般化し、さらに義務を果たす限りという条件付きで、土地財産の世襲化が広まっていく事に(以下略)

領主同士の関係としては、「名目的服従や同意を結んでは、何か起こると実力行使(フェーデ)」という解決が一般的であった。
領主がもう一方の領主に服従する場合でも、フェーデの克服策として名目的に結ばれる場合もあった。 例えば、イギリス国王は百年戦争までフランス国王の封建家臣でもあるという立場が続いたが、フランス国王の家来として振る舞ったわけではなく(以下略)

家臣との主従関係も一種の契約関係であり、複数の主君に使える事も可能だった。
その後時が経つに連れ、最終的には一人前の領主として砦を築いて村落を押さえられた者が封建領主に到達し、逆にそのような領主層に服従する騎士達と明確な違いとなり、封建領主制が確立され(以下略)

ローマ帝国の片割れを衰退させ滅亡させたかの「ゲルマン人」が欧州各地に彼らの国を作ったが、彼らに端を発する「領主と配下の騎士達との関係」は、一般に「臣従礼」というもので結びついていた。
『手を包んで(手礼)身を託す儀礼「託身(托身儀礼ホマージュ)」』、『福音書や聖遺物に手を置いて誓いを立てるキリスト教的な「誠実宣誓(せいじつせんせい)」の儀礼』、の2つが主に見られた。 これに後年『キリスト教的意識から倫理的精神(騎士道)』も加わって、一種の社会通念を(以下略)

元々は国王など中央組織と関係のあった公・候・伯などによる在地大領主が支配を握っていた。 11世紀になると農民の集住に合わせて公権力がさらに直接支配する城主層ごとに分割され「バン領主(罰令権を持つ領主)」の時代となるのだが、この領主の分化は地域によって差が(以下略)

例えば、イングランドでは王室支配の傾向が続き、王権支配の基盤としての封建制が機能していた。 ドイツでは諸侯勢力ごとにまとまって一定地域が支配される傾向が続いた。 典型的な封建制が展開した北フランスに対して、性質の大きく異なる南では始め領主の封土とならない自立した自有地が広く残った。 イタリアでは漲(みなぎ)る都市勢力によって封建制は抑止されていた。 典型的な北フランスでは、1160年代まで公的権威のほとんどない独立城主時代が続き、その後1240年頃までの間に城主から公国、そしてその後、百年戦争を得て君主制へ足を進め(以下略)




* 参考までに

このお話の舞台設定としては、地球の中世ヨーロッパを主に参考にしていますが、「魔法」という『宗教・儀礼・戦争・価値観・考え方』に影響を与えるファクターが存在し、またそれが公式に認められている事により、地球の歴史とはかなり昔に分岐していると考えています。 ただし「魔法」は、『簡単に万能の効果をもたらす手段』では無いという設定になっています。 その為(以下長くなるので省略)

ここまで、あえて地名・人名を出さないようにしてきましたが、時話以降色々と出てきます。主に地球の歴史に実在した家名・町名・地域名・国名を参考にしています。 ただし、あくまでこのお話はフィクションであり、実在する人物・家その他を評価する物ではありません。

 主人公の生家のある地方は、北フランスのブルターニュ地方、半島南西部(西端ではない)をイメージしております。 現在のブレストとナントの中間あたりの、特に目立った産業の無い田舎地帯、というイメージです。

ちなみに、このお話に出てくる「王家」の勢力は、北フランスを中心に現在のフランス共和国の4割程度の国土を実効支配(臣従させている)しています。 王都は現在のパリ地区をイメージしております。 この地域を含めた周辺全域をかつて統一していた巨大帝国(古ローマ帝国のようなイメージ)崩壊後、各小地域を実効支配する諸勢力の乱立していたこの地域において、周辺各勢力を服従させ自らを王家とし、王家を中心とする諸侯の連合体としての国家を成立させたのが、本作に主人公が転生する約60年前。 

この連合国家の周辺には他の勢力が色々と存在し、その規模も大小さまざまです。 無論、友好的な勢力ばかりではなく、また連合国家としても自らの勢力を拡大する為に周辺諸国と対立する事も珍しくありません。 その中で、主人公の生まれた地域は、敵対勢力と隣接している事も無く、また、周辺に存在する諸侯は親類や一族に連なる者も多く(かつてこの地方に存在した勢力の一門)、大きな脅威が存在し無い事等様々な理由から、物語開始時点で「軍備」はほぼゼロです。 それにも色々な理由があるのですが、本編でなるべく上手く解説を折り込んでいきたいと考えています。


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