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No.7837の一覧
[0] セカンドライフ (現実→異世界、転生) (誤字脱字修正等のみです)[カフェイン多め](2009/07/14 09:45)
[1] 幼年期:(プロローグ、前編)[カフェイン多め](2009/07/14 09:47)
[2] 幼年期:(プロローグ、後編)[カフェイン多め](2009/07/14 09:48)
[3] 間章(1)[カフェイン多め](2009/07/14 09:48)
[4] 少年期:(第一部、前編)[カフェイン多め](2009/07/14 09:49)
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[7837] 幼年期:(プロローグ、後編)
Name: カフェイン多め◆4b159315 ID:4070b9f6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/07/14 09:48
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<エピソード7> : 「人はそれをトカゲのしっぽと呼ぶ(ぉ」
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なんとか納得して頂きましたよ、じーちゃんに。

甘えたりすねてみたり甘えたりかっこつけてみたり甘えたり、あと甘えたり…

うん、なかなかの死闘(ですまっち)でねぇ、マジで泣きそうになりました。

というか後で1人になってから目から汗がこぼれちまったわけですorz


でも立ち上がったさ涙を拭いて。

泣くな俺、これは報酬の前払い、そう、じーちゃんへの孫(じゃないけど)からの報酬!

そういう事にする。 異論は認めない。


まぁもっとも、じーちゃんにしてもこの話はちゃんと旨味がある。

これポイント。 テストにでますよぉ。

突然ね、「この方法で収穫量どどーんとアップ間違い無し!これで勝つる!」なんぞ言われても。

そうそう肯けないわけですよ。 てか肯かれても困る。


だから、うちの領地を「実験場」にしてもらうのですよ。

うちで試して、上手くいけばじーちゃんも自分の領地に導入すればいい。

失敗したら、その失敗を被るのはこの領地だけ。


これが効いたね、間違いなく。

今後三年、年間の半分近くはうちの領地で過ごしてくれる約束ゲットですよ。

これが、第一歩。 先は限りなく長いのです。

そして果てしなく続く男坂よりも険しいのですよ。




だが…全ては俺の安楽な将来の為にっ!今は…雌伏の時っ…!

ざわ……ざわ……(AA略


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いや、必要不可欠なわけですよ、改革自体は。

ただ俺が旗振り役にはなれないわけですよ。

この館の外にでれば、基本的には「領主だけどただのガキ」なわけで。

命令すれば領民は動くさぁ、従わないとどんな刑罰が下されるか分からないからね。

ただ、領民にすればたまったもんじゃないわけで。

子供のワガママ、と思われたら後々に響くのですよ。


だから、今後当分の間は全ての命令はじーちゃんの口から出してもらうわけですよ。 うん。 

政策担当は俺。 ただし、実行する為に必要な命令はすべてじーちゃん。

このやりかたにはデメリットも大きいものの、今の俺にとってはメリットのほうが大きいわけですよ。


ぶっちゃけた話、(本人には一切伝えてないが)改革が失敗した場合に落ちるのはじーちゃんの名声。

俺の名声じゃない。 ここ重要。

もしそれで反乱が起きた場合でも、責任者(と思われてる)代表者を生贄の羊に差し出せばいいだけの話。

いやもちろんリアルに差し出すわけじゃないですぜ? 

名前だけ出して、本人には無論脱出してもらうさぁ。 まだ利用価値はあるし。

ただ、じーちゃんに批判の的になってもらって、ね。

俺は「実権を奪われていた、かわいそうな本来の領主」として適当に減税を打ち出して乗り切るわけですよ。


一番かわいいのは自分です。

逃げ道の確保は重要な課題ですよ。


違法な裏金は決して自分で触らず、秘書に全部触らせるのは当然の話なのですよ。

無論、果実(おいしいところ)だけつまむ。 それが常識。 発覚して秘書が逮捕されても「私は何も知らなかった」で押し通すのさぁ。

現代なら大抵の人が白い目で見る言い訳でも、ここなら問題ナッシング。 領主が法なのですよ。

うんマジで平民や農民…つか農奴に生まれなくて良かったと心底思うわけで。

三権分立? は? 司法権も立法権も行政権も握ってるのが領主ですが何か?ww

領主様が白と言えばカラスも白。 平民がもし異議があったら、命が対価になるわけですよ。


つまり…やばくなったら切り捨てる、切り捨てれる。 あら不思議。

そんな存在ですよじーちゃん。

あらやだ、これってば使い勝手がいいじゃないのよwwww



どう見てもスケープゴートです本当にありがとうございましt(ry


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さて。 新しい政策発表を…

じーちゃんが「しばらくワシが領主を代行する」旨の宣言をうちの領地に出さんといかんので
す。

なるべく早くに。

ただ、伝令走らせるだけでも(そんなに広くない領内とはいえ)コストも日数もかかるわけで。 

そうそう何度もやるわけにゃいかない。 いぁ、やってできなくは無いが、無駄なので。 

やるなら一度に。 節約は大事ですよ? 1円の節約は1円の儲けなのです。




そして現在、公示内容ををまとめ中なのですよ。

とりあえず減税とセットで打ち出すのですよ。 農業改革。

セット販売は相手に都合の悪い物を押し付ける時の常識。 

証券化したサブプライムローンを複数組み合わせてリスクを隠すってのはなかなか上手い手ですよ。


まぁ減税と言っても色々あるわけですが。

「結果的に減税になる複雑な仕組み」を公表しても通用しないんですよ。

なぜなら「教育」を受けてる領民なんていないから。

つまり、パッと聞いて直ぐ分かるもの…単純明快で分かりやすいものが必要なのですよ。

誰かさんたちが叫んでる「消費税増税反対!」みたいな分かりやすいスローガンがさぁ。

それがもたらす結果について一般民衆が理解できる現代では普通は苦笑するしかないような物でも、時代と場所が変われば通用するというわけですよ。


全然関係ないけど、織田信長ってすごいよねww

うん。 考えてみたんですよ、「楽市・楽座」。

ただねぇ、現時点でやっても効果が薄いわけで。 つかほぼ無い。

何故なら、この領は信長の時代の岐阜と違って、交通網は無い(街道が未整備)、商業基盤が無い(そもそも『座』に該当する商業組合が存在しない、『市』はほとんどが物々交換の領内の自給自足用)、交通の要所でもない(ど田舎。 王都を含めたいわゆる『都市』が近隣に存在しない)、従って現時点で人の行き来がほとんど無い、そもそも商業に割り当てる人員が(ry

ちきしょうめwwwwwそのうち経済特区作ってやるwwwww




でだ。

肝心要の農業改革にしても、全耕地を一度に、なんてどだい無理なわけですよ。

人員的にも時間的にも。

資金的に…は今は一時的には大丈夫なわけだが、安定した財源があるわけじゃない。

振って湧いた資金なわけで、使い切ったらそれでおしまい。

つまり使い切るまでに軌道に乗せなきゃいけないわけですよ。

何が言いたいかっていうと、資金効率悪い上に労働力足らんわけですよ、全耕作地で一度にやろうとしたら。 

これにばっかり資金をつぎ込むわけにもいかないしねぇ。


選択と集中こそが中小企業の生き残る道なのですよ。

大企業と同じ土俵じゃ無理無理。


だから今回の「第一次事業計画」、ぶっちゃけ区画整理も再編成もしやすい「大規模優良農地」だけ選んでやるわけですよ、村ごとに。

無論、全村参加させますよ? 経験値積ませなきゃいけんわけですよ。

割合的には、中央部で耕地面積の6割程度、各東西南北地域の村々で耕地面積の3~5割程度、南西部は今回は見送り(ただし、一部人員を他地域に派遣)。

改革耕地は村々で共同管理させ、利益は配分させるのさぁ。

ぶら下げるニンジンは「改革耕地」に関する減税その他。

無論、各村の代表者は今後取り込んでいかないといかんわけですが。




さし当たって(俺のごり押しで)今後の方策として決まったのが、

-農業政策-(第一次)
1. 耕地改革→新農法の導入と耕地の新しい管理方式

-税制に関して-(第一次)
1. 新しく領民が生まれた時に両親にかかる税→廃止
2. 領民が死んだ時に遺族にかかる税→廃止
3.「改革耕地」での収穫に対してかかる物納税→減額

-その他の政策-(第一次)
1. 領内全域の戸籍調査
2. 肉食の抑制についての布告
3. 出産に関する補助
4.穀物の自由取引→穀物取引の規制




農業に関しては前述の通り。

一気に全耕地を改革するには足りない物が多すぎる。

いや実際この割合の改革…比較的やり易い所だけを選んだ第一次事業ですら、ね。

労働力的には限界ギリギリというか。 

ニンジンをぶら下げる事で辛うじて不満を押さえめるわけですよ。


だから、ニンジンこと税制改革は必須なわけで。

通常の耕作地にかかる税金…収穫の50%物納…を、25%に下げたわけですよ。

ちなみにこれは、農業改革が完全に成功してもトントンになるのは数年後。

…下手すりゃ10年かかるわけですが、必要経費と割り切りますよ、ええ。

その差額は領民に入るわけで、領地全体としてプラスになる事は間違いないわけですよ。


領民の不満を散らす事はかなりの急務。

被支配階級のガス抜きは、政権を維持する上でとてもとても重要なのですよ。

朝鮮半島や共産中国みたいに、「反日教育」ってな方法で、わざと『敵』を作って政権に対する不満をそっちにすり替えるのもある意味上手い手ですよ。 内容が100%模造でも相手からの文句は国民に伝えなければいいだけ(もしくは、悪意を持って改組して伝えればいいだけ)なわけで。
(情報統制は基本です。 支配階級は、自分に不利な情報を被支配階級に知られてはいかんのですよ。 インターネットみたいな個人が参加できる情報網が登場すればまた話は変わっていくわけですが)

ついでに言えば、周辺の各領での税率なんて改正前のうちと同じかそれ以上なのが普通の時代、(基本的に農民は、土地とセットで売り買いされる農奴的扱いではあるが)他領から移転(逃亡)してくる連中をうちの領の住民に組み入れる事ができれば、短期的な人口増加には一番手っ取り早いという目算はあるわけで。

まぁ色々と政治的な問題に発展しそうな気はするけどナーw




出産時にかかる税金(新頭税)…うんなんとゆーか、今の目的にそぐわないわけさぁ。

食料の生産量以上に人口が増えると、食糧不足になり、結果的に口減らしの結果的に口減らしの為の「間引き」が必要になってしまう。
江戸時代の日本なんかでもあったわけだが…

ただ、今の俺の目的からすれば人口が増えた方が有利なわけで。


だもんで、「出産祝い」として大麦を2月分(平均的な大人の消費量換算)支給する事にしたわけですよ。 

異例と言うか何というかこの時代にはまず無い制度だろうねぇ。

(ただし、「領内の結婚している夫婦で」と但し書きをつけた。 地球の例に当てはめたこの時代の農民にモラルなんて期待できるわけは無くてね。 支給目当ての親兄弟によるレイプが蔓延したら笑えないわけで)


まぁ色々と新しい取り組みだけに穴もあるわけですよ。 そりゃしかたない。

それを少しでも埋めるためにとりあえず「死亡時にかかる税金(死亡税)」を廃止。

戸籍作るのにね、邪魔になるわけですよ。


過去の記録を見たら、領民の死亡時期が不自然に偏ってるのですよ。

具体的に言うと収穫期の後に。

あれだね、収穫期の収入が入ってからでないと税金払えないとか。

収入の中には人数で頭割りの物もあったりするから、自分の家の取り分が少しでも有利になるように…とかそんな感じなんだろうけども。

収入の中には頭割りの物もあったりするから少しでも有利になるようにとか、そんな感じなんだろうけども。

やめれwwww正確な数字や日付が必要なんですよwwww


あと、家畜ってか牛や馬食うなwwww豚と鳥にしろwwww

ぶっちゃけ潰して食う余裕無いんだよwwww

唯でさえ、今の頭数じゃ改革に使うだけでも過労死しかねないのですよ。

うん、なんというか…優しさが足りないねぇ。

まぁそれでも優しくこき使うんだが(藁




んで、穀物取引。

領外の商人への直接の穀物の売却を一切禁止しますた。

そもそも穀物の値段なんてのは、実る時期には値が下がり、不足する時期には値は上がる。 

これ常識。 需要と供給ですよ。 経済の常識。 その利ざやで大儲けできるわけですよ。

逆に言うと、農民は、安い時期に売らされる(収穫後に税金を払う)ために、基本的には買い叩かれる運命なわけで。

領主によっては商人と組んでやってるという。 まぁ所詮弱い者はエサ扱いなのですよ。


で、今回の布告の中身は、「今まで領外商人に売っていた穀物は、すべてうちで買い取る。 値段は連中の提示する値段の2割り増し。 村ごとにまとめて持ってくるように」と言ったもの。

こっちが損を被るのかというと、実はそうでもないわけで。

流通も生産も輸送もさらには貯蔵すらも安定していない時代。

穀物価格なんて季節によって数倍変動するのは普通なのですよ。

つまり、まとめて抱えておいて高くなったら売る(販売先の開拓は必須だが)。 

そこで買い叩かれても、元々領民が買い叩かれていた価格よりは遥かに高いわけで、十分利益は確保できるのですよ。


つかおやっさん、なんで今までこの程度の事してなかったんだと小一時間(ry 

絵画や彫刻なんぞ食えねえよwwwwwww穀物で備蓄しとけよwwwwwwwwwww




そんな公布の準備がやっとこさひと段落ついた頃に、なんか突然来たわけですよ。

【魔法】の家庭教師さんが。




魔法? 先生?

女子中学生一クラス分と世界樹はどこですか?(何




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<エピソード8> : 「Yes We Can! そう思ってた時期が私にも(ry」
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『錬金』の魔法で、泥水が石油に、砂利が鉄鉱石に、砂が石炭粉に、木材が鉄鋼に、ワラが穀物に、雑草が野菜に、葉っぱが金銀に。

土壌をサクサク改善し、農具は全て鉄に変化させ、日照も降雨も魔法で調節し、ゴミを変化させた最先端の化学肥料を使用して、約束された大豊作を演出して。

建築材料や道具をどんどん錬金しつつ、魔法で小型の製鉄炉を建造し、コンクリートを作り、発電所を建設し、工場をどんどん作り、インフラを整備し、火薬を製造し、近代火器の廉価版を製造し、鉄鋼張りの船を量産して。

攻撃魔法を一言唱えれば、手から火の玉が出て、氷の雨を降らせて、嵐をおこして、害獣や盗賊を一網打尽に。敵軍や反乱軍の兵士の群れに向かってどでかい攻撃魔法をぶっ放して一気に壊滅させて「うはwwwww俺強すぎwwwwww修正されるねwwwww」と言ってみて。

魔法で印刷機械をポンとつくって、紙をどんどん錬金して、異世界の(未来の)知識の詰まった本を量産して、学制を定めて識字率を一気に高めて知識をぶわっと広めて、神か悪魔かとと称えられ恐れられ崇められて。

無敵で大金持ちで国一番の権力者になっった自分の周囲の美女美少女にはすべてフラグが立ち、一夫多妻のハーレムエンドで。 部下のツンデレな女騎士も、どこかあか抜けない従順なメイドも、なぜか関西弁のイキのいい商人の娘も、美人系おっとり系の隣国の貴族の娘も、癒し系のちびっこい平民の娘も、ネコミミの獣っぽい娘にドジっ娘ロリエルフに幼女吸血鬼にその他大勢の女が俺に惚れてうははははwwwwwマジ体持ちませんwwwwwwうぇっうぇwwwwwとかなんとかかんとか。







そんな夢を見ていた頃が私にもありました(ry


まぁそんなチートあったら苦労しないわな(ぉ

ぶっちゃけ無理です。 無理無理です。 不可能です。 妄想乙です。

もう一度言います。 無理です。 大事な(ry

まぁ寝言は寝てから言えという事ですよ。


魔法で上記の問題点が何とかなるなら、誰しもとっくにやってるわけで。

…いや、正確に言うと、上記の「一部」は何とかならなくはないわけだが。 

実際には産業支援の為に魔法を使ってるなんて話は聞いたことがない。

まぁ、そんな感じなのですよ。


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さて。

今、うち(の両親)を訪ねて来た、『魔法』の家庭教師殿を別室に待たせてるわけですよ。

対応に悩んどります。 『魔法』が全く役に立たないわけじゃないんだけどねぇ。

今はいらないというかなんというか。


その『魔法』だが、一言で説明するのは非常に難しい。

あえて言うなら、「まだまだ未知の領域のある新しい技術」という位置付けが一番近いんじゃないかと思うわけで。


まず、『魔法』を大雑把に分類すると、「学問系」と「実技系」に分かれる。

前者は、主に儀式・研究・開発、後者は主に実践。



前者の研究には、前述の『錬金』もあるにはある。

ただ、前述のような内容の実用化には程遠いレベルと聞いている。

そもそも、この国では、基本的に『魔法』に関しては、王家が独占している。

というか、元々「魔法技術の独占に成功した一勢力」がここら一体を統一し、現在の王家が成立したと言うべきか。

そーいった成り立ちもあって、他の貴族や地方領主が研究を行うことは許されていない。

言い換えるなら、他の貴族や地方領主が研究を行うことは許されていない。
(まぁその理由はおいおい説明するとして)

なので、基本的には漏れ聞く話…噂話程度しか耳に入ることはないわけで。


そーいった極めて限られた情報源から広がった噂によると、『魔除け』だの『結界』だの『呪い』だのといった、一般民衆には限りなく関係の無い内容が大半。

まぁ情報操作は基本ですよね。 インターネットを監視して、都合の悪い意見は即削除する国の如く。

いや、効果はそれなりにあるようだが。

それ以外では、『力或る言葉』の研究、『凶暴な獣を意のままに操る技法』の研究、etc…

色々と行われてはいるらしいが、詳しい情報はもちろん漏れてこない。



俺や他の一般貴族に関係のあるのは、後者。

とはいえ、某RPGばりの『攻撃魔法』なんて物は無い。

正確に言うと、もしあってもこっちまで情報が降りてはこない。

基本的に『魔法』に関しては、王家が独占し(ry

まぁそれはともかく、「各貴族が王家から賜った魔法」があるわけですよ。


「灯りをともす魔法」「土地の悪霊を鎮める魔法」「刃物の切れ味を増す魔法」
「獣を遠くに追いやる魔法」「体の熱を冷ます魔法」「眠りに誘う魔法」
「声を大きく響かせる魔法」「解毒の魔法」「とりついた悪魔を追い払う魔法」
Etcetc…

うん、なんぞこれ。

役に立つのかたたないのか微妙だが、治癒っぽい魔法なんていいんじゃね?

なんて、思ってた時期が私にも(ry


いや、確かに効果はあるわけですよ。

俺が1年前熱出して寝込んでた時に、おやっさんがこの魔法で治してくれたからさ、効果はわかってる。効くことは効くんだわ。

「これはすばらしい!」と言いかけたわけですよ。






子ども一人の「解熱」と「解毒」やるのに、大人2人で4時間かかってややこしい魔法陣描いた上に、使った秘薬の値段が金貨2枚分以上でなければな!!!!!!(爆)






平民相手に使えるわけねぇじゃねぇかwwwwwwwww

どんだけ高価なんだよ秘薬wwwwwwwww


ぶっちゃけ、触媒(秘薬)と儀式(魔法陣)の両方で準備しなけりゃ使えないとかね。

もうなんというか。

無論、秘薬の製造販売は王家の専売制です本当にありがとうございました。


そもそも『魔法』がいつどこで誰に発見され、どのように発展した技術なのかがいまいちはっきりしないという。

「古代国家の遺産では?」なんて噂まであるくらいの謎に満ちた…

…もとい、情報操作された、あんたっちゃぶるな技術なわけですよ。

ひょっとしたら、王家やその関係者はそこら辺について何か知ってるかもしれない。

もっとも、そこらへんを探ろうとするほど馬鹿じゃない。 俺はまだ命は惜しいです。


まぁつまり一言で言ってしまうと、だ。

(今やろうとしている政策に)使える魔法はほとんど無い(もしくは俺は知らない)。

その上で、使える可能性のあるものも費用対効果て全く釣り合わない、という致命的な欠点があるのですよ。

用途が産業支援の場合。


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別に魔法がなくたって、各村々に寺子屋作って手っ取り早く教育水準引き上げればいいじゃん!

そーすれば近代産業興せるぜ!これで勝つる!

そう思ってた時期が私にも(以下略



義務教育はまだ無理無理。 ぶっちゃけ教える側が足らなすぐるwwww

そもそも領民で文字の読み書きができるのなんて、この館に詰めてる人間のうち半分程度(把握してるのは)なわけでorz

まずは文字を教える人間の養成から始める必要があるという罠wwwwうはもkwwwwwwwww



じゃぁ紙作ろうよ紙。 魔法なんてなくたって作れるじゃん。

ライバルのいない製紙産業で独占販売で大儲けでバンザイですよ!

活版印刷技術さくっと導入して本を大量生産したらもうバカ売れ濡れ手に粟のウハウハですよ奥さん! やめらんないね!

そう思っていた時期が(以下略



いやまぁ『紙』として使われてる物自体はすでに存在するわけですよ。

具体的に言うと、いわゆるパピルス紙(のようなもの)や羊皮紙なわけですが。

「紙はとてもとても希少で貴重で、需要は高いが供給は少ない!」と思ってる方は半分正解。

需要は高い。 基本的に貴族間の手紙のやりとりも、王都への報告も、歴史や何かの記録を残すのも全て紙を使うからねぇ。


ちなみに、うちの書庫は(実はこれがあるのは貴族でも珍しい事が後に分かった)意外と大きくやたらといろんな文献が山積みになってたわけだが、その大半の内容は、この国や地方の歴史・過去の納税記録・税収と歳出の帳簿…たまに様々な農作物や狩猟や採集で採れる獲物の絵の描いてある(これを絵本がわりにして最初は読んでいた)などがあったり。

(とある中小貴族の館にある量にしては随分と多いと思っていたら、うちの家系はもともとはこの地域一帯の豪族をまとめていた勢力の分家で、現在の王国に併合される際に本家がちりじりになってしまったが、うちのひいじいさんは本家の文献や書物関連をごっそりもらいうけた(現在の王家に没収される前に隠して持ってきていた)らしい。 激しくグッジョブ!おやっさんとはえらく違うじゃねぇのwwwwww)


話を戻すと、問題は供給。

まぁ一言で言うと、『紙』は王家が専売権を持ってる。

つまり、勝手に作って売ったら、反逆とみなされるわけで。

そりゃ儲かるってわかってたらその権利独占するわなorz

勝手に作ってるのがバレただけでも、最悪攻め込んできますよ。



地方領主ってのは基本的には「独立勢力」なのですよ。
(まぁ独立を認めてもらうために王家に毎年(馬鹿高い)上納金を納めてるわけだが)。

そして、王権というのは強力な軍事力と経済力を基盤にした強制力…

つまり、王家というのは「ここら一帯の豪族の中で最大の勢力の一家」と考えれば分かりやすいねぇ。

「騎士道」なんて言葉はまだ無いし、領主に忠誠を誓う部下はいても、王家に忠誠を誓う貴族(地方領主)は少ない。

潜在的には敵勢力なのですよ。


まぁそれが前述の「魔法」関連の知識と技術を王家が独占してる理由でもあるわけですよ。

敵になった場合に使われたらたまったもんじゃない、ということ。

そんな相手に口実を与えるわけにはいかないわけで。

うちの領内での「製紙産業バンザイ計画 ~その時歴史が動(ry ~」は、計画の時点で中止となったのは言うまでも無いw








……絶対いつか潰してやる(ぉ

まぁ魔法先生にはしばらく滞在してもらうかな。

聞きたい事も無いわけじゃないし。




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<エピソード9> : 「ご主人様の…ちっちゃいって事は…」
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よくよく考えてみたら、(今は亡き)おやっさんは何を考えて「魔法」の家庭教師なんぞ呼び寄せる気になったのかと。

あれだな、やっぱり中途半端に「頭が良い」と思わせちまったのが原因かねぇ。


確かに魔法についての知識はあるに越したことはないわけだが…

基本的に、使う機会なんぞそうそうあるわけでもなくてねぇ。 特にこんなど田舎では。

せいぜい祭儀で使う儀礼の魔法に毛の生えた程度のもので十分なのですよ。

収穫を祝う祭りで魔法で火を灯し、「貴族の力」を領民にアピールできればそれで十分なわけで。


盗賊? 山賊? オオカミ?

そんなものの為に魔法を準備してたらたちまち破産ですy


領民が病気?

そんなものの為に魔法を準備してたら(以下略)


大雨? 洪水? 日照り? 干ばつ? 疫病?

そんなもの、魔法でどうこうできるわけ無いのは確定的に明らかな(ry


ぶっちゃけ盗賊とかでたら、傭兵を雇って差し向けるか自分の手勢を出しますよ。

まぁ現時点では差し向ける手勢の余裕無いけどさ。

「対費用効果」 これ大事。 とても大事。

これを無視したら、効率的な運用も政策も作戦も何もできません。

どんぶり勘定しかできない輩に会計を任せると、組織の財政は破綻するのですよ。



確かに「魔法」の効果はすごい。

例えば治癒魔法の場合、「効果」で見るならば、民間療法を含め一般に使われている薬(とはいえ薬効成分のある食材、といったレベルだが)よりも遥かに効果はある。

ただ、「コスト」を考えると、これが一般化されていない理由ははっきりする。

使えないんですよ。 採算を度外視して効果だけを求める事のできる地位にいる人間でなけりゃ。

つまり、「金持ち」専用なわけですよ。


というのが一般常識。

つまりこの世界で言う『魔法』を簡潔にまとめると、

「特権階級」のみが(財政的負担に耐えられる者のみが)使える、『とくべつなぎじゅつ』

の一言に集約されるわけですよ。


無論、領主(貴族)である以上、儀式や祭りその他で「使わなければならない」場面はあるわけだが。

ぶっちゃけできるだけ使いたくない。

つーか、特にうちのような中小貴族の場合、金銭的な負担がでかすぎるのですよ。

確かに効果はあるし、今のこの国の通常の技術じゃ不可能な事も多いので、必要な時には仕方が無いが。



前置きが長くなったが、『魔法』というのは「無から有を生み出す」神の技の類の物というわけではないらしい。

一つのアクションを起こすに際して、消費するエネルギー(媒介となる秘薬)が必要であり、それを扱う術者は「理論」を理解したうえで『精神力』とやらを消費する必要があるらしい。


…らしい、っつーのは、俺はまだ詳しくは知らないからというw

普通、10歳前後から理論について学ぶ…というかそれくらいにならないと理解できないそうだ。

件の「魔法教師」殿が言うにはw


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訝しげな表情でこちらを見る、目の前に座ってるオッサン。

正直挙動不審を通り越して、こっちを警戒してるのがはっきり分かります。

まぁ力抜けよ、センセイw



理由は俺でも分かる。

おやっさんがこの魔法先生殿に当てた連絡では、「3歳になる息子が~~」と書いてあったのだろう。

なのに今目の前に座ってる、おやっさんの息子の「この領地の領主」は…

外見年齢は少なくともその倍…6歳程度には見えるのだから、戸惑うのも無理は無いさね。

うちの屋敷の連中はとっくに慣れたもんだけどなww




さて、この「外見年齢が本当の年齢の倍に見える」カラクリは、俺の右手の指にはまっている『指輪』。

個人的には、これこそがこの世界で一番驚愕の事実だった代物。

極少数、世界に存在する珍品の一つ。




通称、『マジックアイテム』(魔法の力が秘められた道具)




見た目には、何の変哲も無い指輪(珍しい文様をあしらい、不思議な色の宝石が埋め込まれてはいるが)。

なのに、いったい何をエネルギーにしてどう作用させているのか。

「魔法」の効果が自動的に作用する。 俺には全く理解できんわけですよ。

どんな原理で『魔法』が自動的に作動してるのやら。

というか、それこそ王家直属の研究機関でもなければ解析も研究も進まないだろうと思われるわけで。

少なくともこの国では。


無論、その出自も不明なのですよ。

そもそも、王家直属の研究機関などで開発・製造できる物なのかも不明。 

この世界の歴史上にぽつぽつとその存在が見受けられるが、いつ頃から存在したのか、誰も知らない。 

誰が作ったのかも当然不明のまま。


まぁ、ぶっちゃけめっさ高価ですよ、ええ。

具体的に言うと、比較的価値の低い『マジックアイテム』ですら、売れば軽く金貨で数百枚以上にはなる位に希少なのですよ

(まぁもっとも(この国の中では)それこそ大貴族か王家か国内屈指の豪商あたりしか買う事は不可能だろうが)

これが歴史書や物語に出てくる『伝説級』のアイテムになれば(ほとんどの場合王家の宝物庫あたりで眠っている)その数十倍、いや、数百倍だしても買えないという。


…ちなみに、うちの場合、「親の遺産」には違いないのだが、代々受け継がれている由緒正しい物などではない。

おやっさんが趣味で買い集めてた、骨董品。

丁度1年ほど前ね、アレ見てて、めっさムカついた事があったのですよ。



てめぇこのクソ親父また変なモン買ってきやがって何無駄な金つかってんだ馬鹿かっそもそも他に使わなけりゃいけねぇ事はいくらでもあるだろうがっおい昼真っからガキの前で乳繰り合ってんじゃねぇこの万年色ボケ夫婦聞いてんのかよっあーくそ体が思うように動かねぇちっくしょーーーーーー!



とか思いつつ、人気の無いのを見計らって、とある彫刻の乗ってる台に蹴り入れたら、上に乗ってた陶器の像が落っこちてきちまったわけですよ。

いやー、びびったびびった。

変な顔した人物の像がぱっくり割れたのにもびびったが、その割れた像の中になんかちっさな「箱」が入ってたのですよ。

なんだこりゃ、と思っていたら音を聞いて駆けつけた使用人に見つかって大騒ぎになってねぇ。


まぁおやっさんは俺に怪我が無いのを見て安心したのか、全くお咎めは無かったが。

それでいいのか?!とこっちが思ったよ。

甘やかしてどーすんだ、いややったの俺だけどさ。

後でその像の値段が金貨10枚以上って聞いて更にびびったけどさ。

笑って済ましていいのかよ、とおやっさんにツッコミ入れたくなったのは言うまでもない(ぉ


でだ。 

見つかったこの小箱。

おやっさんも、中にこんな物が入っているとは知らずに買ったらしい。

特にカギはかかっていなかったのか、すんなりと開いた。

その中には、指輪がひとつ。

…まぁ、それがコレなわけだw



おやっさんが笑いながら俺の指にそれを付けてみて、俺を含め全員が目を見開いたね。

無論、幼児の指のサイズにぴったりとはまるわけは無いはず…なのに、淡い光を放ったと思った瞬間、ぴったりと吸い付くかのように俺の指にはまっていたわけですよ。

どう見ても一瞬前よりサイズが一回り小さい。

見繕ったかのように俺の指にジャストフィットしてるという不思議!

と思った瞬間、今度は俺の体全体が一瞬淡い光に包まれた。

思わず目を瞑ってしまったおやっさんが、再び目を開いた時、目の前にいたのは…

…一瞬前までの2歳の息子ではなく、4歳頃にまで成長した息子だったという。


いやこっちも急に視点が高くなってびびったわけですが。

周囲のあまりのパニックぶりに置いてけぼりだったさwwww

取り残されると、人間冷静になるよね、うん。



まぁそれからしばらくは混乱があったものの、周囲の混乱も徐々に落ち着きを取り戻して。

1年が経つ頃には(まぁつまり最近になってだが)「実年齢の倍の年齢の姿になるが、特に害はなさそうな『マジックアイテム』」である事が分かったわけだ。


正直かなり助かったw 幼児の体じゃ何をするにも一苦労なのですよ。


まぁ今でもやっと小学生入学くらいなわけだが、そこは時代の違いというべきか。

地球の歴史でも、昔の「元服」の年齢と、現代の成人式を比べりゃね。

どっちの方が精神的に大人(である事を社会に求められたか)かは比べるまでも無いわけで。

大変重宝しておりますとも。


まぁ、館の敷地の外に出ると、今でも「あれ?確か今3歳くらいじゃなかった?」みたいな顔をしてる領民もいるわけだが、それは仕方ないw

館の中に関しては、「これが『マジックアイテム』であるという事を決して外で触れ回らぬように」とおやっさんが申し伝えてくれていた。

最初のうちこそ皆違和感もあったようだが、今じゃ極普通に6歳前後の子供だと思って接してくれてるわけですよ。








……うん、あのね? 気がついた人もいるかもしれないわけだが……








指から抜けません大将!wwwwwwww

どーなってんのコレwwwwwwww

指から抜けなきゃ…売れじゃねぇかっwwww


まぁなんというか、おやっさんが残してくれた、ある意味やっかいな「遺産」なのですよ。

いや、今のうちは良いんだよ。 ぶっちゃけメリットの方が大きい。

ただ、将来的にはちと困る。


限りある青春を存分に謳歌できないじゃないかっ(何


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そういうわけで、外見年齢は6歳。 

指輪が外れたら、実年齢3歳に戻る(予定)わけですよ。

まぁあと4~5年はいいんだけどね。 むしろ外れない方が色々有利なわけで。

ただそれ以上になるとちょっと考えてしまうのですよ。 換金してぇぇぇぇぇぇぇと。


しかしまぁ…なんというか…w

おやっさんあんたどんだけ運良いんだよとwwww

サマージャンボ一等当てるようなもんだぞwwww




…………という内容を、誠心誠意(?)説明したわけですよww

訝しげな表情でこちらを見る、目の前に座ってるオッサンに、言葉を選びつつ内容を一部省略しつつww

そして、「家宝の『呪いの指輪』」として見せてみたわけですよ。

無論、絶対に口外しないようにと念を押した上で、ね。


理由は、いわずもがな。

無益な争いは避けたいのですよ、っていうか「献上」を要求されたら、拒めないからねぇ。

最悪俺の指切り落とさなきゃいかんわけで。

おやっさんやおふくろさんやじーさんみたいに、喜び全快で猫かわいがりされまくるのもアレだがなwwww




まぁともあれ、この魔法教師殿を当分引き止める事には成功したっぽい。

ぶっちゃけ「魔法」以外の事の方が聞きたい事は多いけどねw


知識は大事です。




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<エピソード10> : 「ひっこぬかーれてー 食べらーれてー」
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まぁあれですよ。 

俺の学生時代の専攻は、歴史は歴史でも産業史だったわけで。

農業全般についてはともかく、個別の作物について知ってる物なんぞ少ないわけですよ。

せいぜい主要な穀物と他に数種類、豆類とか芋類とか大航海時代の伝播とか。

その他歴史と産業にめっさ影響してた作物程度なのですよ。

一般庶民が食べてた野菜? んなもんシラネ。

まぁ現代の日本で使われてる食材なら少しは何とかなるかな? てな感じだったわけですよ。




だが、そんな俺でも分かる! 分かった!

これは紛れも無く大発見ですよ兄さん!

野菜の中に紛れ込んでいやがったわけですよw

さすがに地球の現代の物とは色々違うわけですが。

まぁあれだ、品種改良が加えられる前のような感じだろう。

根中糖分の比率は現代地球の品種(約20%)とは比べ物にならないだろうけどなw


でも、そんなのは些細な事。


現代世界でも、世界の製糖原料の3割以上を占める作物。

現代日本でも、製造される砂糖の1/4は、こいつが原料なのですよ。



しかしなんというか貴重な発見ですよこれは。

いやまぁ一般的な野菜(兼飼料)として普通に栽培されて消費されてるとは思いもよらなかったがwwww

畑見てびっくりしたよw まさか、コレがあるとはねぇ。












「テンサイ」が。


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かつては同じ重量の金と交換されたという記録も残っている、黒胡椒。 通称「金の粒」。

原産地がヨーロッパではなく、交易によってしか手に入れることができなかったからねぇ。

まぁそれが時代を経て西洋人が外洋へ乗り出す契機の一つになったわけだがさ。


それはそれとして、胡椒ほどではないにせよ非常に高価だった品。

通称「白銀の粉」、あるいは「白いダイヤ」。

それが「砂糖」なのですよ。



いやなんというか正直「この世界」をまだ完全に把握してるわけじゃないんだけどね。

地方の小領主とはいえ、一応(下っ端)貴族である俺も、未だ見ていないわけですよ。

「砂糖」を。


地球の歴史に当てはめて考えるなら、十字軍の遠征時代にサトウキビの製造法なんぞが持ち帰られた。

それまではというと、交易品として中東圏から馬鹿高い金額で購入してたわけで。

まぁサトウキビからの製造方法が伝わった後も、その後数百年は砂糖は超貴重品のまま。

大貴族や大富豪が自前の晩餐会に「ステータス」として砂糖を置いておくような品だったのですよ。


ちなみに、一般庶民的には「薬」ってな感覚の品物。

(室町時代後期~安土桃山時代~江戸時代初期の日本でも、重病人に対する「薬」として珍重されていた事もあった)

無論、高価すぎて想像もつかないというか、まず庶民がお目にかかれるものじゃなかったわけですが。

当時の教会からの足枷が無かったので、地中海沿岸を中心に栽培は徐々に広まっていったという。
(ちなみに、甘いヨーロッパ菓子が登場するのは、もっとずっと近代になってアジアアフリカを侵略して植民地をガンガン増やしてからの話ですy)


ともあれ、この時代の文化レベルから考えるに、どうみても初期中世レベル。

そして、(辺境とはいえ)特権階級ですら口にしたことが無い。

つまり…わかるな?




まぁ、それで、だ。

そんな砂糖を製造できるかもしれないわけですよ。 この「テンサイ」があれば。

さすがに糖分含有量や製造効率ではサトウキビなんかに比べれば勝ち目は無いが…

そもそもアレはこの気候じゃ育たないわけで。 

つか、アレはまだこの国や周辺国に伝播すらしていない可能性は非常に高いので。

まぁ考えなくても大丈夫だろ、と思ってみる。


今のこの世界の文化や技術レベルでは、テンサイからの製糖法は開発されていないはず。 

実際口にした事無いし、ね。

地球の歴史だと、ナポレオン戦争の時代だったか? 

大陸封鎖されて砂糖の自給ができなくなったフランスが懸賞金をかけて新しい砂糖の製造方法探してたら、どこぞの研究者がテンサイから砂糖を抽出しちゃったという、ねw



…あれ?












…………作り方シラネwwwwwwwwwwwwwwwww



うんむw 食品製造なんぞ、俺の専門じゃないわけですよwwww

まぁ、「できる」事が分かってるんだから、研究してみるさせてみるw


まぁあんまり大々的に売りさばく事ができるかは未知数だがなw
(そもそも量産まで行くのに何年かかるやら、だがw)

しかしまぁ成功すれば、この財源は素晴らしいわけですよ。

無論、売り方には気をつけないと危ない危ない危ない危ない、なわけですが…

所詮こっちは地方の中小貴族。 圧力がかかれば吹き飛ぶわけで。

製法の秘匿も必須だし、販売ルートの開拓も必須…直売じゃなく、うちの領地が産出地だとばれない方法で、迂回して売り出す必要がある。



まぁすべては製造のメドがついてからの話だがw


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さて。

このテンサイ、普通に野菜として一般に食べられてるわけだが…

作付面積で言うと基本的にはそんなに多くない。 まぁ当然といえば当然だ。

基本的に周囲からしてみれば「野菜」や「飼料」という認識しかないわけで。

コレばっかり作るわけにもいかない。


そもそも、「単一品目を大量生産し、その後交易によって他の品を手に入れる」、という方法…

一番生産効率を上げる方法が、成立していないわけですよ。

つまり、領内で日々消費されている食料は、基本的に自給自足。


つまりだ、ここに一つ問題がある。


もしこの研究開発用のテンサイを新たに栽培したいと思ったら、それを耕作する畑は「新規開墾する」か「既存の田畑を転作させる」しかないわけだが、ぶっちゃけ今『農地農法大改革事業(仮)』が始まったばかりなわけで。

既存の田畑は基本的にそっちに組み込まれてる。 

てか、主力の麦類豆類が一時的に生産が落ち込む以上、田畑を転作させる余裕なんぞ無いわけですよ。


つまり…開墾祭りキタコレ!

【人手】【どこですか?】orz


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そして、「製糖」という切り札はさておき。

もう一つ進めなければいけない事がある。



前述したが、領内で日々消費されている食料は基本は基本自給自足。

小麦・大麦・ライ麦・燕麦等々主食の(一般の農民にとっては主食というわけでもないが)麦類、そして副食として一般的な豆類、野菜ではキャベツやタマネギ、ホウレンソウやカブなんかが(若干日本で食べてた物と種類は違うが)主に耕作されてて、うちの食卓にも並ぶわけですよ。
(俺の場合、離乳食後まだ2年ちょっとだがw)

そして、肉だな。 (まぁこれは俺のいる領主の館はともかく、一般の領内の農村では非常に稀のようだが)

気候次第では野イチゴやサクランボも作れるらしい。 あと、あんずとかハーブ類とか。

以前おやっさんがどこぞの商人から買った物を食わせてくれたが、まぁなんというか…w

甘くないのもありますよ? ってレベルじゃねぇw 酸っぱさ全快ですたwwww

ビタミン分補給という目的には合致してるんだろうけどなwww

あれだ、品種改良を続けていけば、いつかは現代の日本のスーパーに並ぶような品になるのかねぇと考えたりw

まぁつまり言いたい事は、畑から取れる食料以外の食べ物を調達するのは、「森」なのですよ。


当然ながら、うちの領内にも「森」は多々存在する。
(むしろ、村や畑は基本的に森や草原の中に点在している。 都市と都市の境目が無くなって久しい現代日本とはかなり違うという)

各村で生産できない物は、基本的に「森」から手に入れることになる。
(一部、「海」という例外はあるが)

これがまた庶民の生活に絶対に必要であり、「森」を利用しないと農村での生活は成り立たないのだ。


だから、というべきか。 ここはきっちりと領主が所有権を持ち、税金がかけられてるわけですよ。
(*うちの領内の場合。 他領では例外もある)

ここに関しては税金(森への立ち入り&持ち出しにかかる税金)を無くす訳にはいかなかったというw 

減収も問題だが、「資源」の管理も大事なわけですよ。

まぁ、各村々で管理させてるものの、厳密に守られてるとは思わないけどなwww



で、この「森」にはそりゃ色々とあるわけで。

主に動物の肉や野生の植物なんかが課税の対象となってるわけだが…

実は、「森」にはもっと重大なモノがあるのですよ。






砂糖が一般に普及する以前の歴史に登場する、唯一の天然の甘味料。
それが「蜂蜜」。 






古代から「天のしずく」として珍重されてるのは伊達じゃありません。

甘味料としてもさることながら、その栄養価から薬としても使用されてるわけですよ。

無論、高値がつきます。 

ついでにハチの巣も食べれるし、ハチの子も食べれるしw



ぶっちゃけ、食料生産ってのは一番確実。

必ず日々消費されるからね。

人間食わなきゃ生きていけないわけですよ。

需要がある。 これ一番大事。


とはいっても、「塩」のような必需品は当然王家の承認を受けた貴族や商人が独占していて付け込む隙は無い。 

利益が大きいという事は、利権も大きいのですよ。

うちなんかじゃ、とてもじゃないがその利権を頂く為の上納金を工面できないわけでw


他に調味料、といっても、醤油や味噌なんかの発酵食品があるわけでもなく。

香辛料なんぞ論外。

食生活は豊かかというと、かなり微妙ではあるわけで。

そんな中、天然の甘味料としてあちこちの森で採取できる蜂蜜は、なかなかの優等生なのですよ。




ここまでいえばもうわかるな?

養蜂ですよ養蜂。


テンサイを原料にした製糖はおいおい研究開発していくとして、それとは別に収入源が必要なのですよ。

正直、製品化までに何年かかるかわかったもんじゃねぇわけでw


ちなみに、この世界の蜂蜜の採取を、一度見る機会があったわけだが…

ハチの巣を木から剥ぎ取って、煙で燻してハチを殺して…

…待ておいw 殺してどーすんだwwww とね、もうw

まぁ日本でも人工の「巣箱」を使って継続的に蜜を採取する仕組みが広まったのは確か江戸時代だからなぁ。

無理も無いといえば無理も無いわけだが…。


いあ、なんというかね、巣ごと採取する方が短期的な利幅は大きいわけですよ。

食用としての蜂蜜以外にも、蜂の巣から蜜蝋とれるしね(ロウソクが作れる)。

ただねぇ、蜂蜜を採取する度にハチの巣を壊してたんじゃ、効率悪いわけで。

あと採取の度にハチ殺すのも論外。

移動式の巣箱と、(取っ手をくっ付けた簡易型の木製の)遠心分離機。

これをさっさと開発製造して、効率よく黄金の蜜だけ頂いちまおうという発想なわけですよ。


え? 防護服? んなもの作る余裕は無いかと。 資材的な意味で。

ゴーグルとか論外。 ガラス玉1個の価格聞いたら目が飛び出ますた。

駄菓子屋のビー玉やおはじき大量に持ち込んだら、一日で大富豪になれる時代ですよ。



まぁ厚着させた上で作業に当たってもらうさ。

うちの使用人と、領内の平民にな!wwww




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<エピソード11> : 「ファーストKill から始まる~ 俺のヒステリ~orz」
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日本の中世の戦争の主役が「武士」であったなら、ヨーロッパの中世の戦争の主役は「騎士」である(と一般に思われている)事はご存知のとーり。

とはいえ、ゲームや漫画や映画の中に出てくるような「騎士様」像を想像していると、正直かなり戸惑う。

まぁ「時代が違う」というのも大きいわけですが。


博物館や現存する欧州の古城にあるような「全身を覆う鎧」なんて、それなりに財政に余裕のある貴族しか手の出ない代物ですよ。

それも、基本的には機能重視のやたらと重くて大きくてごつい物。 

まぁそんな物でも持ってるだけで権威の象徴という事で。


財政に余裕のある大貴族なんかは、鉄の使用量の多い武具を着けてるのですぐ分かる。 

色を見れば鉄の使用率は明らかなのですよ。

ちなみに、普及してる(と言うほど多くも無いが)ほとんどの「金属鎧」は多少の鉄と大部分の他の金属の混ぜ物で作られているという。


基本的に量産は不可能で全品オーダーメイド。

しかも材料の金属材自体が高価な上に、加工技術がまだまだ極少数の職人(とそれを保護する貴族階級)に独占されている時代なわけで。

装飾等の施された鋼(に近い材質)の鎧、なんて王家のご用達レベルですよ。


つまり材料というのも相当に大きな要素ではあるけども、それ以上に「技術」がすごく問題。

必然的に、一般の兵士は「鎧」なんて着てませんよ、ええ。

着ていないというか、着れない。

着れる奴は「一般の兵士」じゃねぇ事は確定的に明らかという。



ちなみに一般の兵士というと、「傭兵」と「臨時徴用された農民」。 これが主戦力。

傭兵というのも色々あるわけですが、一般的には「別の職業につきながら生活し、戦争があると兵士として雇われる」タイプがほとんど。


ただ、基本的に傭兵は常時雇う事はありえないわけで。

財政的な負担も大きいし、何より「一般民衆に嫌われている」というのが大きい。

なので、戦争が終わると別の地方へ行くか、もしくはそのまま盗賊・山賊に早変わりする事も珍しくない。

ちなみに、嫌われる理由として一番大きいのが、戦時の村や町からの「食料・財産・女の略奪」。

占領地の婦女子が辛酸の苦しみを味わうのは、いつの時代も変わらないのですよ。


(*国が指定した業者に兵士の売春を管理させていた旧日本軍や、占領国政府に慰安所を用意させていたアメリカは、当時ですら世界的にも珍しい例。 有史以来、軍の管理する慰安所・慰安婦の無い軍隊を探す方が難しい事は、今更言うまでもなく歴史の真実である。
古代から、占領地の女性をこれに充てる事も当然のように行われてきた。
有名な例を挙げるなら、占領地での略奪・婦女暴行を公認していた旧ソ連軍の雪崩れ込んだベルリンでは、男性の比率が前年の数割に激減し(当然殺された)翌年には親の分からない子供が数万人生まれた(ゲルマン民族の国だが、スラブ系の外見の子供達だったという)。 ちなみにベルリン市民の女性の自殺もその年だけで数万人に及んだ(旧ソ連兵に集団レイプされ、殺されたり自殺したりした市民で溢れた当時のベルリンは、「世界で最も地獄に近い場所」と呼ばれた)。 満州で民間人を虐殺・婦女暴行した旧ソ連軍、ベトナムで民間人を虐殺・婦女暴行した韓国軍等々、現代史においてもその例は数え切れない。 まして近代以前においては~((この先長くなり原稿用紙換算1000枚は軽いので省略))~といえる)


話を戻すと、「徴兵制」は現時点では仕方ない話なのですよ。

「兵農分離」なんてまだまだ先の事です。

まぁその弱点を克服した「モンゴル帝国」(「農地」に縛られない・国民皆兵・国自体が移動できる)が大躍進を遂げた理由の一つに、この「兵農分離」という概念が不要だった事があるわけだけれども。

これも、鉄砲や大砲等の「火器」が軍の装備として普及する等々、常備軍制度が整う要件が満たされる中世後期~準近代になればまた変わってくるわけですが…


ちなみに、この世界では「魔法」があるにしても、軍の主力を担えるほどの「魔法戦力」というのはかなり例外中の例外なのですよ。
(予め魔方陣等の準備がされている城砦等の防衛線ではありうるが、野戦ではこの世界の「魔法」の性質上、極めて難しい)

まぁ拠点防衛戦に限っては「魔法」はある程度有効のようですよ? 

最も、明確に「攻撃用」としての魔法なんて王家が独占してるわけで、入ってくる情報なんて微々たる物。 

王都や城の防衛体制が国家機密扱いで、余計な詮索は禁じられているのは、いつの時代も変わりません(ry 



まぁそんなわけで。 

手に武器を取って徒党を組んで敵集団にぶつかる歩兵戦力が主力なのは、この世界でも変わらないわけですよ。 時代的に。

そんでもってその歩兵戦力の中心はというと、言わずと知れたる傭兵と農民。

そして、歩兵の集団を指揮する、支配階級。

(この辺は日本の歴史でも近い物はあるわけで。 戦国時代後期に「常備軍」という発想が打ち出されるまでは、「戦争」=「領内の農民兵の徴用」だったという。 
古代ギリシャとかローマの時代は(地域は)ある意味違った体制だったわけですが、あのあたりはかなりの例外)


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さて、その支配階級のお話ですよ。 まぁ俺なんかも含まれるわけですが。

一般には、「騎士階級」≦『貴族階級」。

ごく一部個人の名声やら何やらで例外はあるがそれはさておいて、大抵の「騎士」ってのは領地を持ってる領主。 

地域の「騎士」の取りまとめ役(政治的実力者や、最大版図を有する一族)が貴族だったりする場合もあれば、うちみたいに「騎士であり貴族である」場合…まぁいわゆる中小領主ですよ、というケースもある。
(もっとも、うちの場合抱えてる領民人口は約3000という、やや中規模寄りの貴族ではある。 支配地が一つの村の1/2とか、あるいは自分の館周辺のみといった零細「騎士」も当然ながら多数存在する)


で、うちの場合の問題点は、領内に土地持ちの部下(騎士)がいないのですよ。

無論メリットも大きいわけですが。

今回の改革なんかでも、「利害の調整」っていう一番厄介な所を無視して「領主(代行)の命令」で強行できるわけで。

ただ、デメリットも大きいという。

具体的に言うと、戦争になって諸侯への動員命令が発令された場合、(現時点だと)俺自身が行かざるを得ないという罠ww

加えて、通常領内の警備云々に回す雑用係(と言うと聞こえが悪いが)を兼ねた直属の部下、あるいは戦闘部隊がいないという事は、問題が起きるとその対応は全部こっちに回ってくる事になるという…



こんな状態なのは、まぁ言ってみればうちの成り立ちが原因。

うちの家系はもともとはこの地域一帯の豪族をまとめていた勢力の分家。

現在の王国に併合される際に本家がちりじりになってしまったわけだけれど…

その際にうちの直径のひい爺さんは、立場的には非常に微妙だったそうで(分家で末っ子だし、他の兄弟親戚も多かった)。

んで、前述した大量の書物その他を(一部はひっそりと)引き取って辺境(現在のうちの領地)に引っ込む代わりにという事で、元々本家・分家に仕えてた連中はほぼ全て他の親戚筋の所に取られちゃったのね。


当時この地域は元々の一族の領土の一番端の辺境。

村の数も人口も今より少なかった上にろくな特産品の産出も無いという事で、着いて来たがる配下もほとんどいなかったって事もあるわけだが。

まぁその後、ひい爺さんは各村の代表者を通じて命令を出し、税金を徴収し、代わりにその「村の代表者」にその村中での一定の権限を与えるという体制を作って治める事にしたのですよ。

手持ちの文官クラスが無かった以上やむを得ずってのもあるわけだが…これがある意味今に尾を引く問題になっているわけで。

一定の徴税額を納めさえすれば、あとは(特に指示が無ければ)村ごとのルールやなんやらで勝手にさせるという…まぁ、当時は各村に担当者を派遣する人的余裕が無かったという事情は大いに理解できるのだけども…


ひい爺さんがまだ生きてれば、また話は違ったんだろうけども。

ちなみにひい爺さんっつっても、生きていれば60になるかどうかという年齢。

爺さんが死んでおやっさんが後を継いでいたのは、俺が生まれる数年前なのですよ。

いくら平均寿命は現代とは比べ物にならないほど短い時代とはいえ、この領地の統治が始まって40年弱で俺4代目ってねwwww

なんか祟られてるんじゃないかこの領地、って時々思うww



で、なんとゆーかね。 

これ下手すりゃ支配構造自体がゆがみかねないというかw
いくら人手不足とはいえ、今まで放置してきたのは非常にまずいわけで…w


まぁさすがに行政権裁判権その他に関して名目上は当然抑えてはあるし、仮に一言命令すれば領民全部こちらの指示通りに動かせる事は確かなんだが…。
(それが無けりゃ現在の改革すらままならない)

問題は「間接的な統治」になってしまっている事。

「二重利権構造」とはよく言ったものですy(ぇ

「各村の代表者」=「(実質的な)代理統治者」とみなされて、それぞれの家が世襲してるわけですよ。 


つまり、領主が実質的に管理してるのが「村からの税をまとめて代表者に払わせる事」だけになっていて(まぁ労働で納める税とかもあるが)、各村々で「実際に徴集されてる金額」と「領主に税金として上がってくる金額」が同じ金額なのかどうかを確認できていないのですよ。

いや、むしろ、「どれくらい差額があるかを確認できていない」と言い換えた方がいいレベルだと俺は見ている。

村ぐるみでごまかしてる場合もあるだろうし、村の代表者の所で止まっている場合もあるはず。 

ううんむしろ後者のが多いだろうさ。


更に悪い事に、いまいち政治に…というか統治に興味の無かった祖父や父の代(いやまておまいらそれでいいのかコラと小一時間説教かましたくなるが)も、基本的にそのまま来たという。

今や「村の代表」がそれぞれの村で持つ影響力は(世襲という事もあり)、無視して改革を進めるにはちょっと「危険」と思われるレベルだと俺は判断したわけですよ。


つまり、各村の「特権階級」を刺激すると「反乱」の危険性が一気に上昇し、一度「反乱」になったらやばすぎるという。

常に手足となって動ける戦力が無い以上(館の警備兵程度しかいない)、反乱が起きた村以外の村から兵を徴集して、反乱軍を押さえなきゃならんわけで…。

もうまさに「これなんて罰ゲーム?」と聞きたくなる状況に陥ってしまうわけですよ。


無論、そうやって徴集した兵の戦意なんぞ推して知るべし。

普通の軍なら「反乱を警戒しなきゃいけないレベル」なわけですよ。統制も何もあったもんじゃねぇww

今回改革させるにあたって、相当こちらの収入が落ち込むのを覚悟の上で、全体的な領民の負担を押し下げる事に奔走した理由はそこにあるわけですよ。

減税とか減税とかでとりあえず一時的にでも不満をそらしつつ、領内の改革を進めなきゃいけないという…

涙ぐましい日々orz


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まぁぶっちゃけ言うと、兵力さえあればさくっと各村に順番に派遣して、検地と財産調査を徹底的にやるけどねww

ウチに入るはずの税金をこの既得権益層(各村の代表者一族)がピンハネしてる事なんて、戸籍と合わせて俺が作成した税収に関する「統計資料」見りゃ簡単に推測できますともww

つーか、衣服や住居だけ見ても分かるわけですよ。 

他の一般の村人との間に横たわる純然たる貧富の差がww


分かりやすくたとえると、(細かい所は違うが、概ね)「地主と小作人」と言った関係に近い。

って事は…わかるな?

連中(特権階級・地主)も、下(一般の農民を含む貧農・小作人)からの突き上げを食らうわけだ。

そのままだと自分達が私腹を肥やしている事が露呈し、袋叩きにあう。

だから連中は、その疑惑を「ごまかし」、矛先を「すり替える」戦術を取るわけだ。

それが、「政権(権力者)批判」。


無論、この時代では「特定のマスコミを買収して、都合よく改組した情報を意図的に流したり自分達に不利な情報は全部カットさせたりする戦術」は使えない。

だが、普通の市民が情報を得る手段が無い時代だからこそ、有力者の「口コミ」の威力は大きい。

連中は自分達の既得権益を守る為に、地主(自分達)ではなく「お上」(領主)が悪いんだ! という風に持って行くのですよ。

そうすれば、自分達は(連中は)いつまでも安全に美味しいという事ですww


てかね、この既得権益層が「騎士階級」としての義務を持ってるなら問題ないのさぁ。

領内の治安維持その他を押し付け、かつ有事の戦力として期待できるなら、多少上前はねてる位許しちゃう(むしろ今の稼ぎ以上の給料出すw)わけだがww

現状、こいつら納税に関する取りまとめ以外何の「義務」も無く(*他の領内の平民と比較して)、甘い汁だけ吸ってるというww


かといって、この連中を「騎士階級」にしてしまえばいいじゃないか! というわけにもいかない。

色々と理由はあるが、最大の問題は「認可が下りない」事。

うんまぁあれだ、「騎士階級」を増やす事は、その領国の軍事力の増強に直接繋がるわけで。

この国では「叙任式」(新たに騎士を任命する儀式)は全て許可制とされてしまってるわけですよww 

上手い手考えやがって…(何

まぁ一族の者とかならよほどの事がない限り許可は下るわけだが。

平民からの登用なんかは、逆によっぽどの功績が無ければ許可が下りないという。



つまり、何とかして比較的速やかにこの領内の体勢自体を見直さなきゃいかんのは明らかなわけですが。

短期的に…というか今すぐに管理階級を増やそうと思っても、いかんともしがたいという。


だからといって放置しておくわけにはいかないわけで。

今後領内政をどう持って行くにしろ、この既得権益層が確実に邪魔なわけで。


でも、現状でこれに手を出したら、間違いなく…反乱が…

んでもって、それに対して動かせる…戦力…は…


つまり…やだ、なにこれ…










ぷぎょぉぉぉぉぉぉぉぉぉwwwwwwwwwwwwww

正直切りてぇぇぇwwww連中wwwwwww

代官派遣して直接統治してぇぇぇぇぇぇwwwwww

なんで連中のご機嫌取り優先に考えなきゃいけねーんだよコラwwwwww


とにかく、人! 人! 人!wwwwww

これがもう何よりも足らねぇのですよwwwwwww

駒が無い状態で何ができるのさ、って感じですよwwww


てかおやっさんwwwwあとじーさんもwwww

あんた達が受け継いだ領土だろうがwwwwなんで今まで手足作ってこなかったのさwwwwww

時間あったんだから領民から選抜して衛兵登用するなり外部から適当な人材招いて取り立てるなりして、最低でも地域ごとの行政担当官くらい準備しとけやぁぁぁぁぁぅぁぅぁぁぇぇぇぇぇぇぇぁぁぁぁぁwwwwwwww




もうねwwww

いっその事、いま滞在してもらってる親戚のじーちゃんに治安維持軍の派遣まで頼んだ上で、各村の検地と財産調査(と不正に蓄財してた連中の処罰)を強行しちまおうかと本気で考えてみたわけですが…ww 一か八かの賭けになっちまうわけで…orz

少しずつ…少しずつ行くしかないというww つーかそれ強行して失敗したら、農業改革どころじゃなくなるしなww


だいたい、改革の(表向きの)主役のじーちゃんだって、そんなに人を連れてきてるわけじゃないし。
(まぁ追加で呼んだり交代したりはしてるが)

現状では各村の代表者層を通じて農業改革(と、新産業開発計画)を進めるしかないわけですよ。


中間管理職は偉大です。

社長とヒラだけでは組織が上手く回りません!




給料上げろや(違




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