檻の中には檻の中の自由がある。
制限された中でも楽しみを見つける人間は人生を謳歌できる。
by田中雄一
第07話 「色々あり過ぎ、そんなにイベントはいらない」
あれから、半年の月日が経ちましたよ。
毎回毎回、月日が飛び過ぎだって?
仕方がないだろ?
面白い話なんてないんだから、あったことといえば、無印で登場してた温泉に行ったり、小学校に侵入して警察に追われたりしたぐらいですよ。
別に聞きたいとは思わないでしょ?
あと、あるとすれば組織に捕まっちゃった位かな♪
どうやら、体内に発信機が仕掛けられていたらしく、1月と経たないうちに捕まりました。おかげでまた実験三昧な日々ですよ。
えっ?
カルタスはどうしたかって?
別の研究所に連れて行かれて、エリオきゅん並みの実験が行われています。ようするにカルタスの管理権とられました。こっちは脱走をした身なので拒否権なしです。
同郷のよしみで助けたいっていうのはあるんだけど、こっちも監視されている身。おまけに一回脱走したせいか警備がさらに厳重になっちゃいました。
ここから脱走した後に、どこに捕まっているのかわからないカルタスを助けるというのは短期間じゃ無理。
まぁ、脱走準備は始めていますから、気長に待ってもらうしかないんですよね~。
とりあえず俺の目標は
カルタスの救助、平穏な暮らし、可愛い奥さん
俺的重要度:平穏な暮らし≧可愛い奥さん>>>超えられない壁>>>カルタスの救助
まぁ、仕方ないよね。
でも平穏な暮らしの準備より脱走の準備の方が先に整うと思うから、勘弁して欲しい。
そう思っていた時期が俺にもありました。
また脱走の準備が整う前にトラブル発生です。今度は異動命令です。俺が脱走しようとするとなんで毎回トラブルがおきるんだ?
命令なんで、どうしようもないんですけどねぇ。さてさて次はどこに飛ばされることやら。
あれ? スカさんの研究所?
もう修正不可能なぐらい原作介入?
「よくきてくれた。歓迎するよ」
目の前には、笑顔を浮かべたスカさんがいます。この人の笑顔は友好的に見えないから不思議ですよね~。
ちなみに場所は応接間みたいな部屋。ただし殺風景。
「よろしくお願いします」
「はっはっはっ、こちらこそよろしく頼むよ」
傍から見たら、同じ顔をした二人が丁寧に挨拶しあっているというシュールな映像なんじゃないんだろうか。
しかも格好までまったく同じ。いや、これは俺がいたずら心で合わせたせいなんですけどね(笑)
っていうか、スカさん本当に若く見えるよな。俺と見た目がまったく変わらん。
「ところで、なんで俺をここに呼んだんですか?」
今回の異動命令、実はスカさんの要請でした。でも理由がわからない。
自分で言うのもなんだけど、確かに俺は優秀ですよ。だけどスカさんほどじゃない。俺をわざわざ呼んでも大してメリットが無い。
それより、停滞している他のプロジェクトに派遣した方がずっと効率が良い。
「あぁ、実は人手不足でね。人造魔導師、戦闘機人、レリック探索用機械の開発・改造と同時並行で行ってるんだよ」
OK。解った。こいつ俺にレリック探索用機械の開発・改造をさせる気だ。ようするに、やってて楽しくない仕事を俺に丸投げするきだ。間違いない。
「そういうわけで、君にはレリック探索用機械の開発・改造を任せたい」
やっぱり予想通りかよ!!
別にいいけどさぁ。俺には選択肢ないし。
まぁ、スカさんの下で働く方が自由度が高そうなぶんマシか。
「はい。わかりました」
俺が返事をするのと同時にデータを渡すスカさん。返事がどうであれ渡すき満々だったな……。
完成しているのはⅠ型だけで、Ⅱ、Ⅲは設計段階かぁ。
まぁ、それなりにやっていればいいか。
別にガジェットが弱くても俺は困らないし。
「あと、私の作品たちを紹介しておこう」
作品?
あぁ、戦闘機人のことか。
「うむ。悪いが、少し部屋にきてくれ。例の彼が来てくれたのでね。顔合わせをしておこうと思ったんだよ」
スカさんが通信を開いて、ナンバーズらしき人たちに連絡をとっている。
数の子部隊とのご対面ですか、今の時期だと稼動しているのはクアットロまでだっけ?
『pipipipipipipipi』
ん?
何の音だ?
「おっと済まない。クライアントから連絡が入ったようだ。悪いが、少し席をはずすよ」
そう言いながらスカさんが出て行った。
えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!顔合わせなのに、スカさん行っちゃうんですか!!気まずいんですけどぉぉぉぉぉっ。
そして待つこと約1分。
「失礼します」
ナンバーズが入ってきた。ん?
ドゥーエはいないのか。あと、予想通り稼動しているのはセインまでか。
「ドクター、例の彼は?」
ウーノが、俺に聞いてきた。ようするに彼女達は俺とスカさんを間違っています。
クローンの俺が来るのは聞いてるんだから、産みの親との区別は頑張ってつけようぜ。
「あぁ、通信が急に入ってね。さっき話をしに出て行った所だよ。すぐ戻ると思うから待っていてくれ」
「はい」
あれ?口が勝手に動いたよ。
別に、ナンバーズで遊びたいわけじゃないよ。あくまで口が勝手に動いてしまっただけだよ。
「あと、彼には製造番号しかなくてね。名前がないんだよ。それで、自分を呼ぶときはご主人様もしくは旦那様と呼んで欲しいそうだよ」
「「「「「は?」」」」」
見事にはもった。気持ちはよくわかる。でも俺は自重しない。
「入ってきた時に『初めましてご主人様』と言ってあげてくれ。一度呼んであげれば、彼も満足するだろう。」
「ドクターがそうおっしゃるのなら……」
しぶしぶといった感じだが、ウーノが了承してくれた。他のメンバーもしぶしぶ了承。スカさんって偉大なんだね。
あと、こんなことを言っても疑問に思われないスカさんって凄い。
おっ! 足音が聞こえてきた♪
「おっと、戻ってきたみたいだね。それでは頼んだよ」
「はい……」
本当にみなさんいやいやですね。あとで俺殺されるんじゃない?
でも、ご主人様って言っている所を見たいじゃない!! そして映像に残して弄り続けたい!!
「すまなか…「「「「「初めましてご主人様」」」」」は?」
スカさんが、戸惑っている顔しているこれもレアな映像なんではないんだろうか。
「何をやっているんだね??」
「え?もしかしてドクター?」
ナンバーズが振り向いた先には、大量のサーチャーで映像を撮っている俺の姿が。
「「き、貴様ーーー!!!」」
チンクとトーレ怒号が部屋に響いたとさ。
「という訳で、みなさんよろしく」
「「「「「…………」」」」」
みんな愛想が悪いなぁ。もっとフレンドリーにいこうぜ!
「今ここにはいないが、もう一人ドゥーエという者がいるので覚えておいてくれ」
「はい。わかりました」
フレンドリーなのはスカさんだけです。ちなみに、俺がクローンだということを皆に言ってなかったようです。驚かせようとしていたんですかね?
「それではみなさん、私のことはご主「「呼ばん!!」」ですよねー」
こうして前途多難な職場ライフがスタートした。前途多難にしたのは俺だけど。テヘ♪
あとがき
寮生活のおかげで健康的な生活を送っているジャミーです。
健康的な生活のおかげで作品を書ける時間が有りません。ただし、他の人の作品を読む時間は作る。
だんだんと、作品の方向性がわからなくなってきました。
田中君はいったい何をしたいんでしょうか?
そしてオリキャラがこれ以上でるのかでないのか?
誰か教えてください。