モルゲンレーテの本社に着いたよ。
受付のお姉さんにオーダーしたいんですけどって言ったら、びっくりされたよ。そうだよね、幼女がそんなこと言い出したらびっくりするよね。
このままじゃ取り合ってもらえそうになかったから身分証明IDを見せたよ。それで何とか納得してもらえたんだ。
ついてきていたカガリも俺がクラインだって知ったらびっくりしてたよ。怒るかと思ったけどさ。
「実は言うと私の名前はカガリ・ユラ・アスハ。この国の代表の娘だ。だから隠してたのは私もだからお互い様だ」
って言ってくれたよ。カガリがすごく素直だよ。なんでだろう、照れながら言うから可愛いね。きっとデレ期に入ったんだね。
デコの出番はないね。デコはキラと薔薇な関係にでもなってればいいんだよ。
婚約なんかしたくない。
ガンダムSEED 超宇宙シンデレラ ラクスちゃん! 第七話
モルゲンレーテの社員のエリカ・シモンズさんが来たよ。この人この若さで主任らしい。すごいね。
とりあえず挨拶はしっかりしておくよ。社会人の基本だよね。アポ取ってないけどね。
「はじめまして。ラクス・クラインです。今は変装してますので髪は気にしないでください」
そう言ってお辞儀したよ。ちなみにオーブに来てからオーブの人には日本語で話してるんだ。日本語で話すのって久しぶりだからうれしいね。
「これはご丁寧に。エリカ・シモンズです。ラクス様は何でもご注文したいものがあるとか」
「ラクスでいいです。年下ですから気にしないでください」
「いえ、お客様ですから。それに私ラクス様のファンなんです」
「あーそれはどうも、ありがとうございます」
まさかモルゲンレーテ社員までファンがいたとは。うれしいけどね。先生が同志を見つけたって顔してるよ。
ちなみにちゃんと敬語で話してるよ。親しい人以外の前じゃ一人称だってワタクシって言ってるんだ。
一応プラントのお姫様だからね。礼儀は大切だよ。先生からいわせればまだまだ言葉遣いが荒いらしいけどね。
「今日は戦闘機の注文をしたいんですけど」
「・・・・・・すいません。最近ニコニコ見てばっかりなんで耳鳴りがひどくて」
「別に聞き間違いじゃありませんよ?戦闘機作ってください。戦闘に使用するわけじゃないんで大丈夫です」
「ラクスさん、大丈夫じゃないと思いますよ?」
先生はどっちの味方なんだろうね。まぁ先生にも本当の目的は話してないけどね。いざという時の逃走用って話してあるんだ。
確かにそう言う使い道もあるんだけどね。できれば皆が戦いをやめてくれた方がうれしいよ。
エリカさんにも初めはそう説明しておこうかな。
「なるほど、確かにラクス様には逃走用の機体は必要かもしれません。政治的にもテロに遭うかもしれませんし、危険なファンからも逃げる必要があるとおもいます」
「ですよね。それなのにラクスさんはそう言う事を気にしてくれないんです」
先生は少し困ったように私をなでながら言ったよ。大丈夫だよ。歌で止めるよ。ファンなら今でも歌で止められる。
問題は俺の歌を聞いたことがない人も俺の歌で止めなきゃいけないことだ。
もっとハートに訴えないとね。歌は熱いハートのぶつかりあいだよね。
「戦闘機にスピーカーつけてもらえませんか?」
「すいません。昨日らくらくにしてあげる♪を聞いていたもので、耳の調子が・・・・・・」
「だから気のせいじゃありませんて」
何回も同じことを繰り替えさなくてもいいよね。でも二度ネタとはやるな、エリカ・シモンズ。モルゲンレーテ主任は伊達じゃない!
機体にスピーカーは重要だよね。大気圏内では主にそのスピーカーで歌うよ。宇宙ではスピーカーポッドを乱射するんだ。
いいね。ロマンが止まらないよ。
「何に使うんだ。スピーカーなんて。逃走用なんだろ?」
「む、逃走用だけじゃなくてライブにも使いたいんだ」
「ライブ?お前、歌手だったのか?そう言えばエリカはラクスのファンだって言っていたけど・・・・・・」
「うん。一応プラントで歌手やってるよ。これでも社会人なんだよ」
「へぇ、すごいな。今度歌を聞かせてくれないか?」
「うん。約束するよ」
「ああ、約束だ」
いいね、幼なじみと約束だよ。これはきっと何か事件が起きて約束を果たせないまま離れ離れになり、数年後再会して約束を果たすっていうパターンだね。
ん?なにかフラグ立った?
気にしちゃだめ。カガリルートに入れたことを喜ばないと駄目だね。
「そうですね。どこでもライブができるようになりますから、いいですねそのアイデア」
「経費の削減にもなりますね」
先生とエリカさんにも好評だよ。まぁこの人たちニコ厨だからね。
きっとライブに使うってところで反応したんだね。
「スペック的にはマッハ25くらい出して欲しいんですけど」
「無理です」
「変形できるようにしてほしいんですけど」
「無理です」
この時代じゃどれも無理があったよ。とりあえず試作品という形で作ってもらう事にしたんだ。
今のメビウスでは使う目的が全然違うから使えないし、フレームから設計するよ。材質も全然違う物にするから、機体の重さのバランスが変わって重心がずれちゃうからね。
とりあえず変形は検討してもらうよ。未来には完成してくれればいいからね。試作品を重ねていかないとね。
開発費と材料費、経費で今までの純利益がなくなりかけたよ。運営の代金は別に残してあるから心配ないけど、お金が足りないね。
しかもこれは一年分だからね。せめて四年は研究にかけないと。
先は長いね。
エリカさんに起用を伝えて後は任せることにしたよ。専門家に頼んだ以上口を出しても邪魔になるだけだしね。
連絡先を交換してちょくちょく進行状況を教えてもらう事にしたんだ。
プライベート用の連絡先だって言ったらめちゃくちゃ喜んでくれたよ。悪用しないだろうなこの人。
カガリにもその時に教えたよ。それでカガリの連絡先も教えてもらったんだ。うれしいね。
モルゲンレーテとの契約を書類にまとめて後にすることにした。
ちなみに書類は先生がチェックしてくれたよ。先生ってかなりスペック高いよね。音楽家なんだよね?元々。事務もこなせるって凄いよね。家事もできるらしいし、お嫁さんに欲しいね。
ユーリさんがうらや(ry
モルゲンレーテから出た後もカガリに案内してもらったよ。キャンプ場に行ってバーベキューをしたんだ。
ちなみにカキ貝があったよ。ハマグリもね。
カガリは日本人の味覚に近いみたいで、話しが合ったんだ。貝は最高だよね。
醤油をたらしてしばらく網で焼くと、ジュワジュワ言いながら貝殻が開くんだ。そうなると食べごろ。
「はふはふ、うん。やっぱりカキはうまいな!」
「最高だよね。このあふれ出した汁が何とも言えないね」
「焼きおにぎりも美味しいですね。味噌味も醤油味も美味しいです。はふはふ」
焼きおにぎりも標準装備だよ。焼く前に醤油をハケでぬるのがポイントなんだ。そうすると網に焦げ付かないんだよ。
表面はこんがりオコゲでしょうゆ味、中身はホクホク。いいね。お酒が欲しくなってきたけど今は幼女だからね。
さすがに飲めないね。
「ん?ラクス、このネギも焼いてしまえばいいだろ?」
そういってカガリは荷物の上に置いてあったネギを網の上に乗せた。
ってそれは―――!?
「ちょ、カガリィィィ!?それは違う!」
それはネギ型マイクだよ!
この日はオノゴロ島のホテルに泊まったよ。キャンプの準備はしてこなかったからね。
カガリはいったん本島に帰るみたい。何も言わずに出てきたらしいよ。心配掛けちゃいけないよね。
先生はベッドで横になるとすぐ寝ちゃったよ。いろいろ振り回しちゃったからね。ごめんね。
「・・・・・・ラクスさん。う・・ん・・それは私のプリンです・・・・・・」
先生の中で俺はどれだけ食いしん坊なんだろうね。否定はできないけど。育ち盛りだししょうがないよ。
なんだか眠くなってきたし、もう寝ることにするよ。
明日はカガリと何しようかな。
To be Continued・・・