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No.7382の一覧
[0] ライ君の明るい未来(コードギアス ロスカラ仮想後日談)[パープル](2013/12/21 01:29)
[1] ライ君の明るい未来 2nd アーニャの記録[パープル](2013/12/21 01:29)
[2] ライ君の明るい未来 3rd ヴィレッタと千草 Aパート[パープル](2013/12/21 01:34)
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[7382] ライ君の明るい未来(コードギアス ロスカラ仮想後日談)
Name: パープル◆d7699edb ID:72a9f08e 次を表示する
Date: 2013/12/21 01:29
※注意
 作者の妄想でキャラが侵食されています! ご注意ください!












ライ君の明るい?未来

 1st ノネットさんのお持ち帰り


















 その日の私は、エリア11の一大イベントである行政特区日本設立の式典会場へと足を運んでいた。
 学生時代から懇意にさせていただいていたコーネリア殿下の妹君であるユーフェミア様の晴れの舞台。この目で見ておこうと思っても不思議でない。
 しかし、それがすべてかと問われれば素直に肯けない部分がある。

 最近、シュナイゼル殿下が擁する特派と呼ばれる新型KMFを開発する部隊にデヴァイサーとして入った少年。
 あのロイド伯爵の眼鏡に適った実力を持ちながら、どこか軍人らしくない優しさと脆さをも併せ持っていた。
 一度、その少年ともう一人のデヴァイサーだった少年を相手に手合わせ願ったこともあった。
 自分の機体ではなかったとはいえ、ナイトオブラウンズである私を負かしたほどの凄腕だ。
 現在のナイトオブラウンズの席にはいくつかの空きがある。彼らの実力ならそう遠くない日に私と肩を並べることになるだろう。
 今はコーネリア殿下の親衛隊で正式な騎士として経験を積んでいる。
 コーネリア殿下には専属騎士としてギルフォード卿がいる。ゆえにコーネリア殿下の専属となることはない。
 殿下は他者を認めることはできるお人だが、素直な好意を表現することは苦手としておられる。唯一の例外としてユーフェミア殿下が居られるがな。
 皇族の親衛隊として戦果をあげていけば、いずれ本国より召喚されることになるだろう。
 そして、彼がラウンズとして私の前に立つことになるはずだ。
 いや、前ではなく、隣だな。それが私としても望ましい。

 そんならしくない願望を持つようになったのはいつの頃からか?
 直接手合わせした日か? いや、それだともうひとりの少年とも被る。
 明確なきっかけはわからない。しかし、気付くといつの間にか彼の顔を思い浮かべていた。
 コーネリア殿下やベアトリスと共にマリアンヌ様に稽古を付けてもらっていた頃から今までこういったことはなかった。
 二人もそうだろうし、今もそのように振舞っている。
 コーネリア殿下は親衛隊として彼を傍に置くようになって少し変られたように見えなくもないが、あまり深く詮索するのも良くない。
 それを気付かせることで殿下が私と同じような意識を持たれると困る。彼に部下としての信頼以上の情が持たないとも限らない。
 何しろ剣一筋で生きてきた私がこのような状態なのだ。同じように剣を持ち、それを振いながら育った殿下も彼の存在に影響を受けているはずだ。
 あれだけの実力を持ち、ブリタニア軍人として親衛隊にまでなった今でも彼には、どこか知らないところに来てしまった幼子のようなところが感じられる。

「私が支えてやらねば!」

 そう思ってしまったらもうおしまいだ。
 彼の行動一つ一つが気になる。ラウンズとしての仕事で一度は本国に戻ったにも関わらず、ベアトリスのきつい小言に耐えてエリア11に舞い戻ってしまった。
 コーネリア殿下の親衛隊でなければ、私の直属部隊にスカウトして持ち帰ることも可能だったのだが……。

 エリア11に戻ってコーネリア殿下に挨拶を済ませ、こちらの式典にダールトン将軍と一緒に彼がいると聞いてすぐに来た。
 式典には大分遅れてしまったようで、会場の方からは小さなざわめきが伝わってくるのみ。
 まあ式が終わっても彼に会えればそれでいい。
 どうせ帰りは政庁まで一緒にいられる。
 二人きりにはなれないだろうが、こらから離れていなければならない時間を耐えられるぐらいスキンシップくらいはしよう。
 自分の性格からして、多少強引なスキンシップも怪しまれることはないはずだ。これが殿下ならそうもいかないだろうが。

 と知らず頬が緩んでいたのを感じていたところ、ふらついた人影がこちらに向かってきた。
 遠目にもわかる銀髪にコーネリア殿下の親衛隊の正装。

 (キターーーーーーーーーー!!)

 運命を感じてしまった。
 彼の方から私の前に現れるとは。しかも、1人で!
 これは運命が私の後押しをしているということか!?
 しかし、ここは冷静に対処しなくてはならん。
 何しろ近づいてくる彼の様子はどこか苦しそうだ。
 苦しげな表情の彼の姿はとても……

 (う、鼻の奥がやばい)

 落ち着け! 落ち着くんだ、ノネット・エニアグラム!
 ここは女気の見せどころだ! 私の包容力をアピールして彼の方から私の許へと導くのだ!

「待て」

 俯いたままの彼に声をかける。
 彼は、私に気づき顔を上げようとしたが、すぐに顔を背けてしまった。

 (ガビーン!!(←古ッ))

 どういうことだ。まさか私は嫌われていたというのか!? 依然あった時にはそんな素振りはまったくなかったぞ!?
 いや、まだそう決めつけるのは早計だ。

「おまえ、ライ? こんなところでなにしてるんだ?」

 よし。動揺は完璧に隠せた。
 そして、注意しながら彼に近づく。

「…………(さっ)」無言で立ち去ろうとするライ。

 (何故だーーーーーーーーー!!)

 あまりの素っ気なさに勢いあまって彼、ライの腕に手を伸ばしてしまった。
 反射的な行動だったが、服越しにライの体温を感じてささやかな幸福感に包まれる。
 そんな私の内心を無視して、ライは具合の悪そうな表情のまま歩き去ろうとする。

「足がふらついているぞ。大丈夫か? 腹が減っているのか? おごってやろうか?」

 違うだろ!? ここは看病で、膝枕で、いい子いい子な展開でしょ!
 はっ、いかん。平静を装っているせいでいつも通りの対応になってしまったことに内なる私が暴走してしまうところだった。
 ここは冷静に、冷静にだぞ、私!
 それに見ろ! 苦しげだったライが少し笑っているぞ!

「……フフッ、相変わらずですね。しかし、なんでこんなところに」

 (お前に会うために決まっているだろう!)

「お……コーネリア殿下の妹君の晴れ舞台だ。この目で見ようと思ってね。えらく遅刻してしまったがな!」

 セーフ。内なる叫びが建前に被るところだった。
 そんな私の気軽さにライの笑みも自然と増しているように見えた。

「フフフ……すごい人ですね、あなたは」

「褒めるな。わかりきったことだ」

 (もっと! もっと褒めてライ!)

「お前も特派から親衛隊に移ってすごい活躍だそうじゃないか。噂はいろいろ聞いている」

 本当はしっかりラウンズ権限で秘密に監視させているのだがな。
 アッシュフォードが経営する学園に住んでいるライの周囲には邪魔な虫が多い。
 アッシュフォード家の娘で学園の生徒会長。名門シュタットフェルトのお嬢様。アッシュフォード学園の同じ敷地内にある中等部に通う車いすの少女。
 報告によると車椅子の少女の兄や特派のデヴァイサーだった少年、現在はユーフェミア様の専属騎士となったスザクともただならぬ関係にあるという噂があるとかないとか。
 これからも監視は怠れないな。

「エニアグラム卿、いやノネットさん。お願いがあります」

「ん? なんだ?」

 なんでも言っていいぞ! 私の側に居たいとか、私と付き合いたいとか、私と結婚したいとか バッチコイだぞ!?
 どんな言葉が来てもいいように身構える。
 もし愛の告白をされて抱きつかれたら失血死してしまうやもしれんからな!

「僕を、殺してください」

「…………何!?」

 僕を殺してください? それはつまり、「僕の命をあなたに捧げます」的な変った告白の仕方なのか?
 いや、ライの表情はとても苦しげだ。それは体調の不良というより、精神の負担が原因のようだ。

「しかし、いきなり殺せって言われてもな」

 ここが戦場で、ライが私の敵だったのならば私は心を殺して躊躇なく討つことができるだろう。
 しかし、ここは戦場でなければ、ライも敵ではない。
 私にライを殺す理由はない。たとえ、ライがどれほどそれを望んでいてもだ。

 そんな私の了承を待ちきれなくなったのか、ライは私を正面から見据え――

「ノネット・エニアグラムに命じる。ただちに僕を……」

 その美しい瞳に悲壮な決意が見えた気がした。

「おっと!!」

「ぐっ!?」

 ライの瞳に見た決意と危険な色。
 常日頃の鍛錬から身体が反射的に動き、ライの腹部に拳を打ち込んでいた。
 肺から空気が抜け、腹部の痛みに体をくの字に折るライの体を支える。

 (フィィィィィィィッシュ!)

 倒れこんだライを鍛えぬいた胸の弾力でキャッチする。
 さらに逃げないようにライの後頭部に手を添えて体を密着させる。

 (サイッコぅ!)

「ふふっ、今なにかやろうとしたな? しかも相当やばいことを」

 表面上は平静を装うが高鳴る鼓動までは隠しきれない。

「なぜ……知っている……?」

 しかし、ライの方も心身ともにグロッキー状態でそれに気付かれることはなさそうだ。

「お前がなにをやろうとしたかはわからない。でも、やばい気配には身体が勝手に反応するんだよ。ま、わたしもナイトオブラウンズの一員だからな」

 平静を装いつつ諭すようにライの頭を撫でる。
 手袋越しに伝わるライの髪の感触をできれば素手でも味わいたい。

「とにかく……殺してほしい」

 ライは頑なに自分を殺せという。
 ここが正念場なのだぞ。ここで頑張れば、ライは私のもの! がんばれ、私!

「なぜだ。わけを言え」

 どうだ。この包容力たっぷりの女丈夫っぷりは? 頼り甲斐がありそうだろう?
 お前が望むならいつでも私の胸は空けておくぞ!?
 そんな私の内心を知らず、されどライは自分の状況を話してくれる。

「僕は……もうどこの誰とも顔を合せられない。顔を見ると、その人のなにもかもを踏みにじってしまう。……死なせてしまうことだって、ある」

 絶望の淵にあるような弱弱しく今にも泣き出しそうなライの言葉。……え、えろい!

「……よく意味がわからないな。だが、言いたいことはわかったよ」

 そう、今のライが私に求めている本当のことに気づいた! いや、私も望んでいたこと!

「なら、はやく……」

 わかってる。わかっているよ、ライ。急かさなくても私は逃げないぞ!

「ライ……お前は、本国の私の家に連れて帰る。力ずくでもな。私の領地は田舎で家も大きい。お前ひとりぐらい、誰とも会わせず住まわせることなど造作もない」

「え?」

 私の言葉に胸の谷間に顎を乗せて顔をあげて私の顔を仰ぎ見るライの瞳が見開かれている。
 ああ、ライよ。お前はどうしてそんなにも私の心を惑わすのが好きなんだ。このまま抱きつぶしてしまいそうになるじゃないか。

「それだと……あなたとは顔を合わせてしまうじゃないですか。僕はあなたを……」

 大丈夫、大丈夫だよ、ライ。そう言い聞かせるように再びライの頭を抱きしめ、空いた手で背中をさすってやる。

「わかってるさ。なにかおかしなことになっているのだろう。お前の身体が。さっきの“やばいなにか”で他人を傷つけるのが怖いんだろ?」

 その通りだったのだろう。ライが私の腕の中で体を震わせた。
 そんなライを抱く腕にまた力をこめて優しく温かく抱きしめる。

「安心しろよ、ライ。私はナイトオブラウンズなんだから、おまえの“やばいなにか”が私を傷つけることは、ない。さっきもそうだっただろ?」

「ノネットさん……」

 決まった! そう確信した瞬間だった。
 震えた声と潤んだ瞳のライが私の名を呼んでいる!!!!!!!!!

「な、そうしよう! そうしてるうちに、おまえの身体も治るかもしれないし!」

 そう言った私の胸に抱かれているライは、ようやく和らいだ笑みで小さく頷いた。





 こうして私はそのままライを本国までお持ち帰りした。
 あまりの幸福感に我を忘れ、コーネリア殿下への説明もなしに行ってしまったので、殿下へは事後承諾ということになった。
 さて、これからライが落ち着くまでの何年でも養っていくつもりだ。
 その間、私とライは二人っきりの時間を過ごす。
 もちろん、ライ自身の問題が解決してもずっとずっとず~~~~っと一緒だ!
 私の秘かな家族計画の邪魔は誰にもさせない!





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