『デビルアナライズは信用できない?』
モー・ショボー。
愛を知らずに死んだ少女の魂がモー・ショボーになる。
長い髪と赤い唇の美少女の姿で現れて、旅人を誘惑する。
そして旅人は、脳味噌を吸い尽くすといわれる。
「……でも唇って灰色だし」
クダは、目の前にいる実物と、早乙女の携帯型COMPのデビルアナライズを見比べる。
「むー」
鏡の前で、石動を魅了する為に様々なポージングをしている。
15,6歳の美少女に変わり、さらに研究を続ける。
「……恋する乙女ね。
誘惑するどころか誘惑されているけど……あんな無愛想な男のどこがいいのやら」
モー・ショボーの意中の人は、リリスの誘惑すら撃墜するほどの鉄壁ぶりで、一部の女性悪魔が誘惑して仲間内で自慢の種にしようとしている。
だが、未だに成功者はいない。
……ちなみ、T・U嬢の仲魔であるネコマタがノコノコとやって来たところに鳥型の反谷……じゃなかった般若に襲われてトラウマになったとかならなかったとか。
『ベストカップル?いいえ、戦友です』
探偵見習いでいつのまにかデビルサマナー見習いになっている早乙女。
彼女の不幸ぶりは伝説になっている。
・悪魔の遭遇率は、3回中5回遭遇は当たり前、3回中8回遭遇も
・一日の最初の戦闘で魔人エンカウントを頻発
・休日で家に篭っていても2回悪魔と遭遇
・ため息をついただけで退魔の水の効果が消える
・集魔の水を使ったら月齢6週するまで効果が持続
・行く先々で悪魔と遭遇するため、囮捜査の達人としてヤタガラスも一目置いている。
・無限奈落アパドンでは、魔人と戦闘する前に早乙女の許可が必要
・ドラクエ3をしていた時にアリアハンでドラゴンと遭遇することがあった。
・200×年の10大事件 第一位「早乙女の平穏な一日」
・エルニーニョの原因は、早乙女がくしゃみをしたせい
・早乙女の涙が国際条約で『封印指定錬金素材』に指定されているのはあまりにも有名
・K県受胎が成就しなかったのは、成功していた方がマシなくらいな困難が待っているから
・ 街で早乙女が歩くだけでMAGの価格が上がるらしいよ
これほどの伝説を後に残したとか残さなかったとか。
無数の死亡フラグを力技で突破していく為に超一流のサマナーへの道へ落下していく……(歩むのは引き返す事ができる事なので)。
彼女の心の友がいる。
傭兵のテュルゴー氏であった。
幸が薄い男だが、神がかり的な危機察知能力で死亡フラグをすり抜けていく。 それでも、不幸は降りかかるのだが。
早乙女とテュルゴー……とても仲が良かったが、恋愛関係になることはなかった。
「「(不幸が移りそうだから)」」
もう遅いともいえるし、この二人から生まれた子供がいたとしたら生まれる前から戒名を考えた方がいいかもしれないのでそれでいいのだろう、うん。
ムシャクシャしてやった、いまでは反省している。