――第109管理外世界。
時空管理局がその世界を確認したのは約二十年前。緑豊かな世界であり、人類の生存は充分に可能であったが、初期の調査によって知的生命体の存在は否定された。過去に人類が存在していた形跡もなく、完全な無人世界として管理局のデータベースに登録された辺境の世界である。
その管理外世界に場違いな一人の魔導師がいた。膝下丈の黒いトレンチコート型の外装防護服で全身を覆い隠し、ウエスト部のベルトが鈍い銀を放っている以外は闇を纏っているかのように黒一色に染め上げられている。時折吹く風がコートと共に男のくすんだ金髪を揺らす。
男の名はエリク・ベーレント。時空管理局に所属し、本局執務官という肩書きを持つ。二十五という年齢ではあるが、魔導師としてのキャリアは長く、豊富な実戦経験を持つ歴戦の魔導師でもある。
端整な顔立ちの美丈夫だが、三白眼気味の視線の鋭さと強靭な意志を封じ込めたように引き締められた口元が脆弱な優男では無いと思わせる。実戦と修練を繰り返した結果に得た屈強な肉体は防護服によって隠れているが、全身からは戦士としての風格が滲んでいた。
そして、今。エリクは不快感を纏わせた険しい表情を浮かべていた。
「戦闘兵器群か」
青と白のカラーリングが施されたカプセル型の戦闘兵器が十機。ほぼ同じカラーリングの航空機型の戦闘兵器が十三機。計二十三機が目の前にある。これらにエリクは見覚えがあった。
「名称は確か、ガジェットだったな」
エリクには別の目的があり、ガジェットの殲滅は主任務ではない。ここでガジェットなどという戦闘兵器に遭遇したのは全くの偶然である。しかし、これを捨て置くわけにもいかない。
ガジェットもまた、エリクを捉えたようだ。一斉に機首をこちらに向けた瞬間、蒼白い光が吐き出された。幾多もの光条がエリクを襲う。
「しかし、ガジェットが存在するとなると……」
襲い来る光条を躱しつつ、エリクは右手に魔力を集束させつつ呟いた。術者の魔力に右手首の黒い腕飾りが敏感に反応し、起動プログラムを稼働させる。そして発動。僅かな輝きを見せた後、本来の姿へと変貌した。
無骨で飾り気など欠片も無い、黒いストレージデバイス、グリームニル。インテリジェントデバイスのような人工知能もアームドデバイスのような殺傷力も無いシンプルなデバイスだが、その処理速度と信頼性は他の追随を許さない。杖化したグリームニルを握り締めたエリクは流れるような動作でガジェットに先端を差し向けた。
「墜ちろ。フォトンブラスター」
『Photon Blaster』
グリームニルの無機質な合成音声が流れた直後、灰色の魔力弾が五発吐き出された。三発がカプセル型に、二発が航空機型に直撃。装甲を貫き、内部へと入り込んだ魔力弾は僅かな間を置いて破裂。ガジェットを無様なスクラップに変えた。
「次、ファイア!」
エリクの攻撃がこれだけで終わるはずがない。更なる魔力集束の後、第二射を撃ち放つ。再び放たれた五発の弾丸は正確にガジェットを穿ち、撃墜していく。
一瞬で十機もの友軍機を失ったガジェットは、闇雲な反撃を繰り返す機体と稚拙な回避行動に移る機体とに分かれ始めた。しかし、どちらの行動もエリクにとっては愚鈍過ぎる。二射目が着弾する前に、エリクはグリームニルに魔力を集束させ次射の準備を終えていた。
「ガジェットと呼ばれる機動兵器は厄介なものだと聞いていたが、これは……?」
フォトンブラスターの第三射を撃ちながら、エリクは訝しげに眉を寄せた。過去に交戦したという部隊からの情報によれば、ガジェットはAMFという特殊な魔法阻害フィールドを形成可能というデータがあったのだが、眼前敵はそれを使用する素振りすらない。
第三射で五機を、続く四射によって五機を撃墜。残るは航空機型が三機。ガジェットがAMFを使わないというのならば好都合でもある。わざわざ自分の状況を不利にさせるのも馬鹿な話だ。このまま押し切り、さっさと終わりにさせてもらう。
「これで、最――なにっ?」
残存敵機に照準を合わせ、魔力弾を吐き出す直前にそれは起こった。突如として上空より魔力刃が飛来したのだ。ガジェットを貫いた魔力刃は金色の軌跡を残して地表に突き刺さった。両断されたガジェットが破片を撒き散らしながら爆砕する。
エリクは緩んだ意識を引き締め、空を仰いだ。澄み渡る蒼い空に白い外套が翻っている。太陽の光によって眩いばかりに輝いているのは白い外套だけではなかった。美しい金髪が風に舞い、ふわりと流れている。その人物がゆっくりと降下してきた。
白い外套を纏った魔導師は女性だった。背に流した長い金髪は二つに束ねられ、風に揺れるたびに太陽光を反射し煌めいている。凛とした表情を見せる女性は美しかったが、同時に少女と呼べる幼さが僅かに残っていた。周囲に対する警戒を解いていないのだろう。エリクへと鋭い視線を送っている。黒いデバイスからは圧縮魔力刃が伸び、死神を思わせる戦鎌と可憐な外見との落差がどことなく可笑しかった。
「時空管理局執務官、フェイト・T・ハラオウンです。貴方にお伺いしたいことがあります」
視線は真っ直ぐエリクへと向けられているが、エリクだけに集中しているわけではない。不測の事態に備えて体中に魔力を纏わせているのが分かる。仮にエリクが攻撃を仕掛けたとしても臨機応変な対応を見せるだろう。
こうしてフェイト・T・ハラオウン執務官と対面するのは初めてだった。だが、彼女は管理局では有名な存在でもある。以前にフェイトが表紙を飾った雑誌を見かけたこともあるほどだ。管理局では彼女に憧れる者も多いと聞く。それは決して外見の美しさだけでは無いだろう。こうして対峙しているだけでもフェイトが卓越した技量の持ち主だと分かる。
「……了解した。それと、私も君と同じく管理局の執務官だ。名前と局員IDを提示する為のデータ転送を行いたい。許可を願う」
とはいえ、今ここでフェイトと事を構えるつもりは無かった。そもそもエリクは管理局の執務官である。いわばフェイトと同業というわけだ。幾つかの真実は隠さねばならないが、一戦交えることもない。
ここで問題になるのはエリクの身分の証明である。いくら口で自分は執務官だと名乗ったところでフェイトは信じないだろうし、もしも信じようものならば彼女の執務官資格は取り消されるだろう。確実な方法として自身の局員IDをフェイトに送り、彼女が本局に問い合わせる、というものがある。口で説明するより手早く確実だ。
「執務官? 分かりました。通信を許可します」
グリームニルとの回線が開かれ、フェイトのデバイスとの通信が確立した。エリクは自身の局員IDを転送した後、素早く回線を遮断。同時にグリームニルを待機モードへと移行させ、こちらに敵対する意思は無いと改めて示す。
「……確認できました。失礼しました、ベーレント執務官。この世界に管理局の魔導師が居るというデータは無かったものですから」
本局からの回答が来たのだろう。フェイトはデバイスの圧縮魔力刃を消し、幾分か警戒を解いた。それでも気の緩みや油断を見せないのは流石というべきか。
「気にしないでくれ、ハラオウン執務官。単独任務の為、この付近で私が活動している事は限られた人間しか知らないことだ」
執務官には様々な任務があるが、全てが堂々と動き回れるものではない。中には裏で動き回り、人知れず任務を遂行する者もいる。エリクが就く任務は、そうした公にはされないものが多い。
また、エリクは単独で動く執務官だ。協力者はいるが極少数であり、共に現場を駆け回る仲間はいない。フェイトがエリクの情報を持ち合わせていないのも仕方が無い。
「ハラオウン執務官は何故この世界へ? こんな辺境の世界に私以外の魔導師が派遣されるとは思えないが」
今回の任務もエリクが単独で動くものであったはずだ。また、この無人世界は当然だが、周辺で展開している管理局の部隊も捜査官もいないはず。応援を送るという情報は届いてない。フェイトの存在は有り得ないはずだった。
「ある情報を掴み、この世界を調査中でした。その際、魔導師の反応を捉えたので急行したところ――」
「私がガジェットと交戦中だったということか」
さらに詳しい話を聞けば、そもそもフェイトは世界を渡る予定は無かったという。
幾つかの情報は得ていたが、本格的な調査命令はまだ降りていない。フェイトは少数でチームを組み、事前調査を行っていた。そんな中、突如として魔力反応を観測。詳しく調べてみれば、所属不明の魔導師がガジェット編隊と交戦中だった。その魔導師が何か知っているものだと判断し、フェイトは出撃。接触した魔導師というのがエリクだったというわけだ。
フェイトがこの世界を調べているという事は聞いたことがなかったが、彼女の説明に不審な点はない。何より気になったのは、フェイトが得た情報だ。それはエリクが調査していることに関係があるかもしれなかった。
「ハラオウン執務官、無礼を承知でお願いする。ハラオウン執務官が得たという情報を教えて頂けないだろうか」
これがいかに厚かましい行為か、問われるまでもなく分かっている。管理局に所属する執務官同士とはいえ、情報というものは簡単に明かしたりはしない。フェイトもエリクと同じく前線で動く執務官と聞く。重要な情報であればあるほど、それが己の生死を左右するという事は理解しているだろう。
互いに信頼し合い、協力体制が確立しているというのならば話は別だが、エリクはフェイトと初対面である。出会って早々に信頼してもらえるなど虫のいい話だ。だからこそ、エリクは恥を忍んで頭を下げた。
「……構いません、ベーレント執務官。私の情報といっても重要度はさほど高くありませんし」
「感謝する。見返りになるか分からないが、私が持つ情報も幾つか提供しよう」
エリクとて手の内を全て明かすつもりはない。だが、無償で何かを得ようと考えるほど器の小さな男でもなかった。
「私が得たという情報は、次元犯罪者がこの無人世界に違法な研究所を作っているというものです」
「……次元犯罪者? まさか、ジェイル・スカリエッティか?」
「はい、その通りです。その名前が出てくるということは、ベーレント執務官の調査対象も?」
「ああ。私も同様の情報を受けて調査をしていた」
驚いた様子を見せるフェイトに対し、エリクは淡々としながら答えた。しかし、表情こそ動かさなかったが、内心では感嘆していた。エリクが掴んだ情報とフェイトの情報が同じだったのだ。エリクも次元犯罪者――ジェイル・スカリエッティの違法建築物を探していた。
また、エリクはフェイトの情報網を評価していた。エリクは特殊な情報源を持っている為、他の執務官より多くの情報やデータ、資料が提供されている。その中でも、この世界にスカリエッティが研究施設を作っているという情報は最新のものであった。多少の遅れはあるものの、それをフェイトも掴んでいるということは驚きであった。エリクと同等の情報源をフェイトも持っているということだ。
「ただ、その情報には信憑性が欠ける部分があり、裏付けを取る意味でも調査が必要でした」
「なるほどな。私が得た情報というのも、違法研究施設が存在しているというものだった」
エリクはフェイトの情報源を推測しながらも、それを問うことだけはしなかった。執務官が各人で持っている情報源には、決して公に出来ないものも含まれている。フェイトがどのように情報を得たのか気にならないと言えば嘘になる。しかし、それを追求するつもりはない。
「だが、この世界に何かがあるのは確定したな。こいつらが良い証拠だ」
辺りに散らばるガジェットの残骸を見渡しながら言えば、フェイトも頷いた。
「ええ。このような言い方は失礼ですが、ベーレント執務官がガジェットと交戦していただいて助かりました」
「手間が省けて良かった、ということにしておこう」
冗談交じりの言葉にフェイトが小さく笑った。
「そうですね。本格的な調査を行える口実もできましたし」
「まったくだ。では、ハラオウン執務官。申し訳ないが、応援部隊の派遣を頼めるだろうか」
単独で動いているエリクより、チームで動いているフェイトの方が増援を働きかけやすい。フェイトの話を聞く限りでは、遅かれ早かれ本格的な調査は行う予定はあった。エリクが報告書を提出し、それを確認してから応援を送る、などという遠回りをせずに済む。
「構いません。ガジェットの残骸も回収させておきます」
フェイトもそれを理解しているのだろう。自身が行うべき事は把握している、と言わんばかりに頷いた。
「シャーリー、聞こえているよね? 至急、増援部隊を派遣するように伝えて」
通信用の空間モニターが展開し、女性が映し出された。念話だけで済むところを空間モニターまで使用しているのはエリクにも情報共有させる為なのだろう。その配慮に感謝しながら聞かせてもらうことにした。
『はい、既に連絡済みです。調査隊の到着予定は一時間後。1042航空隊が護衛についていただけるそうです』
フェイトのチームの一員であろう女性の言葉にエリクは僅かに眉を顰めた。この世界の付近に展開している部隊は存在していないということは調査済みだ。その状況で到着予定が一時間後とは速すぎる。最低でも三時間は掛かると思っていた。
「……随分速いね。もっと時間がかかると思っていたけど」
エリクと同様にフェイトも訝しげな表情を浮かべていた。
『フェイトさ――ハラオウン執務官が出撃した直後に、正式な調査命令が降りていたようです』
「……そう。私はこのまま待機しているから。調査隊にそう伝えて」
『了解しました』
通信が終わり、空間モニターが消失した。溜息一つ吐いた後、フェイトはエリクと向き合った。
「聞こえていたと思いますが、調査隊の到着は一時間後だそうです」
「迅速な行動は素晴らしいが、些か速すぎるな」
「ええ。私もそう思います」
部隊の展開が素早いことは歓迎すべき事だが、こうも都合良くいくと何か裏があるのではと勘繰ってしまう。とはいえ、これといった問題がない以上、杞憂で終わる可能性が高い。色々と探りを入れてみたくなるというのも執務官の悪い癖なのかもしれない。
「私達が考えるべきことでは無い、ということか」
「……そうかもしれません。それより、ベーレント執務官はどうされますか? 可能であるのなら、部隊到着まで周辺の警戒をお願いしたいのですが」
管理局の執務官が二人も存在し、これから調査部隊が訪れるというのに反応は無い。となれば、この世界に存在しているだろう研究施設はスカリエッティにとってさほど重要ではないのかもしれない。大戦力を率いての反撃が行われるとは思えないが、しかし、絶対は無い。
「……了解した。出来る限りの支援を行う。ただ、調査隊が到着する直前まででいいだろうか?」
エリクは任務の都合上、表に出ることを嫌っている。自身の存在が秘匿されているわけではないが、必要の無い接触は極力避けておきたい。この任務とて当初は単独で動いていた。フェイトと共通の目的が無ければ、あるいはフェイトが別の目的を求めていたならば、二言三言の会話をした後に別れている。
フェイトもそれを察し、エリクにどうするかと問いかけたのだろう。このままフェイトに後を任せ、別れを告げるのは簡単だ。しかし、万が一この後に反撃が行われフェイトが撃墜されでもしたら後味はすこぶる悪くなる。エリクは決して外道でもなければ非道でもない。
その結果、出した答えが調査部隊の到着する直前まで周辺警戒を行うことだった。調査隊には護衛の航空隊もついている。襲撃があったとしても対処できるだろう。もっとも、フェイトは無力な小娘では無い。彼女の魔導師ランクはエリクよりも高いオーバーSだと伝え聞いた。このような事を考えている時点でフェイトに対して礼を失しているのかもしれない。
「感謝いたします、ベーレント執務官」
エリクの思惑を知ってか知らずか。フェイトの表情は変わらない。短い感謝の言葉を述べた後、背を向けた。互いの背中を預けるように屹立する。エリクはグリームニルを起動させ、不測の事態に備える。フェイトもまた、デバイスから魔力刃を展開させて警戒態勢へと移行していた。
それから四十分。ガジェットの襲来はおろか魔力反応すら確認できない。その間、二人の間に会話が発生することはなかった。出会って早々に馴れ馴れしく話しかけるつもりは無く、フェイトもまた口を開くことは無かった。
文明社会が一切存在しない無人世界で沈黙が降りると、自然の音が耳朶に触れる。穏やかな風が吹けば、心地好さに体が包まれる。周囲への警戒を怠ること無く、エリクはそれを楽しんでいた。中途半端な話題で会話を交わすよりも余程有意義だ。
その十五分後。フェイトに調査隊が間もなく到着するという連絡が入り、緊張状態が解かれた。結果的にエリクとフェイトの警戒は無駄なものとなったが、エリクとしてはそれで良かったと内心で思っていた。ふと見上げた空は雲一つ無く、抜けるような蒼が広がっていた。緊張を解いたからだろうか、エリクは悪くない世界だと小さく笑った。
「では、私はそろそろ失礼しよう。調査隊より先に航空隊が転移してくるかもしれない」
無意味な滞在が許されない立場だと自覚はしている。もう少しだけという未練が無いわけではないが、優先すべき事項を疎かにするほど呆けてもいない。
「了解しました。支援に感謝いたします」
「礼を良いたいのは私の方だ、ハラオウン執務官。調査隊への引継ぎ、よろしく頼む」
面倒事を押し付けてしまった事を詫びながら、エリクは転移用の魔法を構築する。足元に灰色の魔法陣が描かれ、光を放ち始めた。後は発動させるだけだったが、エリクは思い出したように一時的に魔法陣を解除した。
「どうされました?」
さっさと転移すると思われたエリクが魔法を中断させた事に首を傾げながらフェイトが言った。ほんの僅かに警戒の色が見られるが、エリクは構わず右手を差し出した。転移魔法を発動寸前で留めている待機モードのグリームニルから、魔力の欠片が燐光のように舞う。
「……ハラオウン執務官とは次元犯罪者の捕縛へ向けて協力関係を築きたいと思う。迷惑でなければ、の話ではあるが。どうだろうか」
情けない話ではあるが、スカリエッティの捜査は難航している。フェイトの実力と、エリクと同等の情報源は大きな武器になるはずだ。
無論、手前勝手な考えであることは承知している。だからこそ、無理強いしようなどとは思っていない。フェイトが拒否するのならば何も言わずに大人しく引き下がるつもりだ。
「迷惑だなんて。私もベーレント執務官のような方と協力できるのは心強いです。若輩者ですが、よろしくお願いします」
一瞬の戸惑いを見せたものの、フェイトは快諾してエリクの手を握った。出会いこそ偶然であったが、優秀な執務官と知り合えたことはエリクにとって歓迎すべきことであった。彼女に頼り切ろうなどと考えているわけではないが、協力していけるのならば捜査も進展するだろう。
「感謝する、ハラオウン執務官。では、今度こそ本当に失礼する」
再び足元に魔法陣が展開した。転移魔法の構築式を記録していたグリームニルから灰色の光が零れた瞬間、魔法が発動。自身の魔力に包まれながら、エリクは第109管理外世界を後にした。