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No.6859の一覧
[0] Reines Silber 【ストライクウィッチーズ・オリキャラ憑依】[kd](2012/04/29 13:31)
[1] 01 Prologue[kd](2009/03/27 22:24)
[2] 02[kd](2009/03/27 22:24)
[3] 03[kd](2009/03/27 07:47)
[4] 04[kd](2009/03/27 07:47)
[5] 05[kd](2009/02/27 11:34)
[6] 06 Raising Heart[kd](2009/02/27 11:32)
[7] 07[kd](2009/03/02 15:09)
[8] 08[kd](2009/03/14 17:11)
[9] 09[kd](2009/07/24 16:06)
[10] 10[kd](2009/03/12 02:58)
[11] 11 Reason Seeker[kd](2009/03/27 07:50)
[12] 12[kd](2009/03/29 15:59)
[13] 13[kd](2009/04/14 10:07)
[14] 14[kd](2009/05/26 11:46)
[15] 15[kd](2009/05/13 14:44)
[16] 16 Scarcaress[kd](2009/06/10 09:49)
[17] 17[kd](2009/06/10 09:50)
[18] 18[kd](2009/06/10 09:50)
[19] 19[kd](2009/06/10 09:53)
[20] 20[kd](2009/06/10 09:53)
[21] 21 Beyond the Bounds[kd](2009/07/29 14:53)
[22] 22[kd](2009/07/29 14:54)
[23] 23[kd](2009/07/29 14:55)
[24] 24[kd](2009/12/06 17:52)
[25] 25[kd](2009/12/06 17:54)
[26] Interlude: Buying Time[kd](2009/12/06 17:55)
[27] 26 Over the Rainbow[kd](2009/12/06 17:55)
[28] 27[kd](2012/04/29 13:27)
[29] 【WARNING】[kd](2010/11/20 09:27)
[30] Plot:Episode 5 "Over the Rainbow"[kd](2010/11/20 09:24)
[31] Plot:Episode 6 "Noisy Day"[kd](2010/11/20 09:25)
[32] Plot:Episode7 "Past Rising Again"[kd](2010/11/20 09:26)
[33] Plot: Episode 8, Final Episode, and Epilogue[kd](2010/11/20 09:26)
[34] Extra1-1:「Bitter, Bitter, Bitter」[kd](2009/06/03 08:47)
[35] Extra1-2:「Chain, Smoking」[kd](2009/06/03 08:47)
[36] Extra1-3;「Lily」[kd](2009/06/03 08:55)
[37] Appendix 01: Settings[kd](2009/07/27 06:35)
[38] Appendix 02:Nakagaki[kd](2009/07/29 14:53)
[39] Appendix 03:Ex Settings[kd](2010/11/20 09:52)
[40] Appendix??? *Reines Silber: The MOVIE*[kd](2009/10/07 17:08)
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[6859] 01 Prologue
Name: kd◆18be6bde ID:ff0326f5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/03/27 22:24
Episode 0 :Prologue

01 「説明的展開と画一的導入」


******

 1944年、7月初旬。
 第501統合戦闘航空団司令、“女公爵”ミーナ=ディートリンデ・ヴィルケは執務室で数日前に送付されてきた書類を眺めていた。
 端的に言ってしまえば、それは本国から補給の――それも、新型機の配備がなされる連絡だった。

 Me262“シュヴァルベ”。

 去年の五月末に試験飛行に成功し、カールスラント皇帝の裁可の元、生産がようやく開始されたばかりの最新鋭ストライカーユニット。
 通称、ジェットストライカーである。
 大気中のエーテルを吸入・増幅利用して使用する噴流式を採用しており、その速度は従来機を遙かにしのぐという。
 術式を回転させて機動力を得る従来のタイプとは全く違った概念であり。
 添付資料に書かれていた性能諸元はにわかには信じがたい物であったが、本国がわざわざこんな物を冗談で送ってくるはずもない。

 ミーナはそれを信じるしかなかったし。
 それが事実ならばこの部隊が、いやカールスラントが誇るスーパーエース達に優先的に配備されるのも納得がいく。
 現時点でゲルトルート・バルクホルンは250機以上、それに続くエーリカ・ハルトマンは200機ものネウロイ撃墜を達成しており、ミーナ自身も100機以上の撃墜を誇っている。
 これは全戦線を見ても驚異的なスコアであり、彼女らの技量と、そのスーパーエース達が三人集まる501部隊にかける本国の期待が解ろうという物だった。


・ 正式生産型Me262A-1a 6機
・ 複座型練習機Me262B-1a 1機
・ 30mmMk108/F 2丁
・ MG131 4丁
 上記に加え、各種弾薬、従来装備の補充リストが長々と続き。
 最後に、教導要員として一名のウィッチが随行する旨が記載されていた。


 何にしろ補給はありがたいし、六機もの新鋭機……教導ウィッチが一機を使用するとすれば、ミーナ、トゥルーデ、エーリカ全員が機種転換したとしても二機も予備機があることになる。
 その上に新機軸の機体故か、複座練習機まで付いて来るという、何とも至れり尽くせりな内容であった。

 空戦ウィッチの数も、空戦用ストライカーユニットの数も、その戦果の大きさにもかかわらず軍という巨大な組織の中では少数と言わざるを得ない規模だ。
 空戦適正のある者は少なく、ストライカーユニットの製造には高度な工作力が必要となる。
 貴重な戦力であるウィッチを一人教導要員に、同じく貴重な機材であるストライカーユニットをこれだけの量だ。
 本国にこれだけ期待されているとなれば、軍人冥利に尽きるという物でもあった。

 尤も、最新鋭の軍事機密を守る、と言う意味では司令官としてミーナはこれまで以上の努力が必要になるのだが。
 

 木の板を叩く堅い音――ノックの音が部屋に響く。
 ミーナは書類に目を向けたまま入室を促した。

「ミーナ、私だ……と、すまない。 執務中だったか?」 

 灰色の服に身を包み、焦げ茶色の長髪を後ろでまとめた少女――ゲルトルート・バルクホルンは、ミーナが机で書類に向かっているのを見て、間が悪かったかと問うた。

「いいえ、大丈夫よトゥルーデ。 どうかしたの?」
「いや、そろそろお茶の時間だそうだ」
「あら、もうそんな時間?」
「ああ……まったく暢気なものだな。
何時ネウロイが海を越えてやってくるかも知れないというのに」
「いいじゃない……休める時に休んでおくのも軍人の仕事の内でしょ?」

 それに、とミーナは書類を置きながら続ける。

「解析部の報告では次にネウロイが来るのは明日の午後。
 今の内から張りつめていては気が持たないわ」
「それもそうだが……ん? それは次の補給の?」
「ええ、そうよ。 スオムスに間借りしている工廠からの特別便。
 今日の日没前には船団が到着予定ね……物資が届くのは明日かしら。 見る?」
「良いのか?」
「ええ、もちろん」

 どれどれ、とトゥルーデは書類を受け取る。
 トゥルーデが書類を見ている間に、ミーナは机の片づけを始めた。

「む……30mm機関砲? 本体重量56kg? 私でも重いな。 誰が使うんだ?」
「その新型機の魔力補正次第だけれど……
どう? トゥルーデ、MG151の代わりに使ってみる?」
「装弾数が24では心許ないな。 今回の補充で151の弾丸も来る……暫くは保つさ。
それと、新型機だって?」
「ええ。 噂のガランド少将の、ね」
「従来機より巡航速度が100以上も勝っているなど……
 将軍の言を疑うわけではないが、士気高揚のプロパガンダに聞こえてしまうな」
「人数分来るわよ……どう、乗り換えてみる?」

 トゥルーデは、んむ、と一瞬考え込んでから

「どうだろうな……フラウやおまえ次第だな。
 それほどに足が速いストライカーなら、私一人乗り換えたところで隊の足並みを乱すことになるだろう?
 ロッテ(二機編隊)を組むにしても、ケッテ(三機編隊)を組むにしても、私の一存では決めかねるな」
「高い魔力適正が必要だそうだから……
 貴女やエーリカは大丈夫でしょうけど、私に扱えるかどうかは少し不安ね」
「本国としては、私たち全員に扱えると判断したから送ってくるのだろうが……
 それに三人揃って機種転換……それで戦果を上げれば良い広告塔、ということか。
 余り目立ちたくはないが……」
 
 例えそうなるとしても手を抜く気は全くないが、とトゥルーデは続け、ミーナは当然ね、と返した。


 壇上。
 新型機を装備したまま、多くのカメラに囲まれて敬礼と笑みを振りまいている自分たちを想像して、トゥルーデは苦笑を漏らす。
 似たような事を想像したのだろう、ミーナも困ったような笑みを浮かべていた。


「まぁ、案ずるより産むが易し、と言ったところだろうな、坂本少佐の言葉を借りるなら。
 後は……MG42、131、151の弾薬補充、私たちのストライカーの補修部品に……
 魔力加工済み戦鎚4振? ザウアクラウト? 誰だこんな物頼んだヤツは……」
「教導要員のウィッチじゃないかしら?」
「ほう、どんなヤツが来るんだ?」
「たしか、貴女の原隊であるJG52の……名前は何だったかしら」

 JG52――第52戦闘航空団。
 トゥルーデやエーリカにとっては古巣であり、欧州戦線の地獄を共に駆け抜けた戦友達。
 ダンケルク撤退戦で散り散りになり、ミーナの指揮下に入っていた二人はそのまま501統合航空団に組み込まれてしまったため、残りの団員がどうなっているかは解らなかった、のだが。

 古い知り合いかもしれんな、と呟くトゥルーデの表情は少し嬉しそうで。
 書類をめくる速度を上げた友人を、ミーナは微笑みながら見つめた。
 
「最後の方に資料があったはずよ」
「そうか」

 ――ありがとう。
 そう続くはずだったトゥルーデの言葉は、唐突に鳴り響いた電話のベルと、警報の音にかき消された。
 ミーナは受話器をひったくり、警報の音を遮るように反対の耳を手で塞ぐ。

「な――敵襲!?」
「報告! …………っ! 了解、ウィッチーズ全員に出撃準備を指示して。 それと、該
 当海域を担当するブリタニア海軍に連絡を」
「どうした、ミーナ!」
「事は一刻を争うわ。 格納庫に急ぎましょう」
「っ、了解」

 廊下を、格納庫へと走る。
 普段廊下を駆け回っているルッキーニを注意したりしているトゥルーデだが、今はそんなことも言っていられない。
 ウィッチがネウロイと戦う為にはストライカーユニットが必要であり、警報の音はストライカーユニットを装着したウィッチが早急に必要であることを声高に主張しているからだ。

 敵襲。
 すなわち、ネウロイの襲撃である。

「スオムスからの補給船団が大型ネウロイに奇襲を受け、現在当基地方面に逃走しながら応戦中。
 救援要請を受けたわ。どうやらネウロイは北方から迂回してくる途中に補給艦隊と遭遇したようね」

 走り出す直前、疑問の視線を投げかけてきていたトゥルーデにミーナはそう伝える。
 比較的安全な航路故に最小限の護衛で、隠匿性を優先したのが徒になったらしい。
 大型のネウロイともなれば通常兵器では対抗がほぼ不可能だ。
 防備の薄い補給船団の全滅は時間の問題だろう。

 どうも最近観測部の予報が外れる事が多くなってきた気がする。

「……これが何かの前触れでなければいいのだけれど」

 ミーナの呟やきは、警報の音と廊下を駆け抜ける音にかき消されていった。
 


***Side ????***

 「が」

 果たしてオレは、そんな単音節すら上手く喘げていただろうか。
 全身を衝撃が襲う。
 何だ、これ、一体、何が。
 状況が把握できない。
 視界は明滅し、耳鳴りがする。
 衝撃のためか触覚は混乱しており、三半規管が悲鳴を上げる。
 外界の認識が出来ないまま、それでも体が宙に浮いている事は理解できた。
 思考が加速する。

 ああ、どうしたんだっけ、オレ。
 遅い昼飯を買いに、近所のコンビニまで出かけようと思って。
 愛用のMTBを走らせて、近所の交差点まで何事もなく走っていったんだよ。
 今日はなんだか調子が良かったから、気が緩んでたから、左右確認しなかったんだ。
 そしたら、右からトラックが来たんだ
 そうそう、そうだったそうだった
 
 そういえばさ、昨日の晩飯は良く出来てたっけな。
 煮込み料理は楽で美味しくて量があっていい。

 去年、お袋と親父、死んじまったんだっけな。
 こっちもトラックとの衝突事故だったよな。
 親子揃って運がわりぃのか仲が良いのか。

 おお……この風景は成人式だな。
 高校の頃ちょっと憧れてた同級生がボテ腹で現れてちょっと引いたっけなぁ。

 ああ、で、高校か。
 あんまり良い思いでも悪い思い出もない詰まらん三年間だったなぁ。
 がっついてない方が格好いいとか思ってたけど、もっと積極的に行動してたらとっくの
 昔に童貞卒業できてたかなぁ。

 脳裏に去来する余り輝いてない過去の思い出。
 ……あれ、ちょ、これやばくね?
 俗に言う走馬燈ってヤツだろ?
 一説では、迫り来る死という究極のストレスを回避するために脳みそが過去の経験を全力で検索・分析するっていう。
 今こうやって、冷静っぽく思考が出来ているのも、脳が全力稼働中なお陰なのだろう。

 さあ、冷静に現実を見つめよう。
 オレはきっと、死ぬのだ。

 そう思った直後、どぼん、と液体にたたき込まれる感覚。そして

「ぐ……がッ」

 全身に焼けるような痛み。
 いや、痛みなんて物じゃない。
 全身を紙ヤスリで削られた後、塩を揉み込まれるとか、そんな類の感覚だ。
 最早痛いとかじゃなくて熱い、だからな。
 あと、痛みが一定以上になるとかえって脳内麻薬がドバドバ出て平気になるとか事実だったのね。
 痛みは感じるし苦しいとも思うけれど、ほら、割とまともに頭働いてるじゃない。
 はは
        は

                    結構面白

   い経験だなぁ。
 
 ん?
 あ、れ。 今意識飛んでたか?
 いかんな、まだオレは生きてるよ?
 生きてますよ? 生きてるよね? ははは、さっさと殺してくれ畜生痛いよ。
 
「……ッ、ヴィルヘルミナ!? 大丈夫か!」

 どこか遠くから女声が聞こえる。
 どうやらオレ以外にもトラックに吹っ飛ばされた人が居るらしい。
 オレはヴィルヘルミナなんて外国人な名前じゃないしね。
 外人の女の子さんを吹っ飛ばすとはふてぇトラック野郎だ。
 交差点の一時停止標識無視しやがって……慰謝料百億円くらいふんだくられて路頭に迷いやがれ。
 あと、オレの葬式費とかな!

「た……すけ」
 
 ――え、あれ、おかしいな。
 此処にもいるよー、という意味を込めて言った、つもりだった。
 ついさっきまでもう死にたいと思っていたのに。
 殺してくれと思っていたのに。

 助けて欲しい。

 そう意識した瞬間、狂おしいほどの衝動がこみ上がってくる。

 脳が冷える。
 心が萎える。
 体が震える。
 全身の痛みを強く感じる。

 冷静に思考できていたなんて、とんだ思い上がり。
 そんなのは現実逃避も良いところだった。
 殺してくれとか思ったけど嘘です。
 ああ、ごめんなさい。
 いざ助かるかも知れないと思えばこんなに簡単に涙がこぼれてくる。

 ああ、浅ましいと思う。
 
 助かりたい。
 もっと生きたい。
 オレは。

「しに……たくな……」
「私だ、ゲルトルートだ! もう大丈夫だ、安心しろ。 今病院につれていってやるからな」

 オレは先ほどの声の主らしき人に見つけて貰ったのだろう。
 緊張してはいるが、優しい声音の良い娘さんだ。
 ふ、と体が浮き上がる感覚。
 抱き上げられる。
 全身は未だ焼けるように痛いが、残った感覚がオレが誰かに触れられている事を教えてくれる。

 誰かが助けてくれようとしている。
 誰かがそばにいてくれる。

 それだけで、不思議なほど安心できた。
 張りつめていた心が解けていくのを感じる。
 ……意識が遠のいてく。 今度ははっきりと自覚できた。
「ぁ……」

 あ、これはヤバいかもしらんね。

「おい、しっかりするんだ! ……こちらバルクホルン、ウィッチ一名、要救助者を確保! 
 火傷が酷い、医療施設への早急な移送が必要だ」
「了解。 ……イェーガー中尉、戦線を離れて彼女を病院まで移送して頂戴。 ルッキーニ少尉は私の指揮下に。
 ビショップ軍曹はバルクホルン大尉が要救助者を引き渡した後、復帰するまでハルトマン中尉達とケッテを組んで」
「「了解!」」「りょ、了解!」
「イェーガー中尉の離脱を援護、中尉の離脱を確認後フォーメーションBで仕留めます。
他の生存者捜索のためにも、各員の奮戦を期待します!」

 ……そんな、軍隊じみたやりとりを聞きながら、オレの意識は闇の中へと沈んでいった。



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