<なのは> えっと、その。 ほ、本当にこの子が案内をしてくれるのかな?「ん? あれ? なのははイルイ知らなかったか?」 ……だ、誰だっけ…… 名前は聞いたことあるんだけど……「えっと、せつな、紹介して欲しいんだけど」 そうそう。フルネーム聞けば思い出すかも。 ……えっと、せつなちゃんに付き合って、管理局特務部隊【オリハルコン】の隊舎に来てます。 まず案内されたのが食堂。 二百人が座れる大きな食堂で、メニューは食券で購入。 食堂主任はレーツェル・ファインシュメッカーさん。以前教導隊の食堂を切り盛りしてた人で、せつなちゃんがスカウトしたそうです。……そこだけはちょっと恨めしいかな? 副主任に、何故かいるのはザフィーラさん。 以前からはやてちゃんに師事されていたのは知ってたけど、とうとう職として就く気になったそうです。 なお、推薦人ははやてちゃん……しかも、はやてちゃんが言い出さなければ、せつなちゃんじきじきにスカウトする予定だったそうです。 ……二人とも、AAランク相当の実力者なのは秘密だそうです。 朝食が終わった後、仕事があるせつなちゃんの変わりに、部隊を案内してくれることになったのが、フェイトちゃんと同じ金髪で、ショートツインの女の子。「んじゃ、イルイ?」「あ、はい。イルイ・ガンエデン・ゾンボルト。ゼンガーおじ様の、養子になりました。よろしくお願いしますね?」「ええ!? あ、そういえば!」 そうだった。ゼンガーさんがある事件で保護した女の子だ。 人造魔導師の研究対象になってた子で、その強制捜査に、私も参加させてもらったんだった。 あの時の子か……「大きくなったねぇ。分からなかったよ」「なのはさんとは、遠目に見ただけですから。わからないのも無理ないですよ。……じゃあ、お二人は私が案内しますね?」「すまんイルイ。……イルイは去年からここで魔導師の勉強してるからな。分からないところはまずない。俺は第三小隊事務室にいるから、案内終わったら教えてくれ。じゃあ、また後でな?」「うん、ありがとうせつな」「お仕事頑張ってね?」「おう」 手を上げて去っていくせつなちゃん。 子供の頃からずっと働きづめで、査察官試験受かれば、ようやく楽になるといってました。 ……去年もそんなこと言ってなかったかな? 後、この部隊では、『フォックス』小隊の小隊長になったらしく、隊員募集中とよく言ってます。 ……隊長だけの小隊だから、仕事が凄く多いらしいです。「じゃあ、まずは、どこに行きましょうか?」「……じゃあ、はやてちゃんの所かな?」「そうだね。イルイ、お願いするよ」「分かりました」 イルイちゃん、凄く礼儀正しい。 ……ゼンガーさんの教育の賜物だなぁ…… 仕事で留守のときは、レーツェルさんが見てたらしいし。 とても可愛い女の子になるね……せつなちゃん好みの。「あの、イルイちゃんは、せつなちゃんと仲いいのかな?」「はい。せつなさんには、妹みたいに接してもらってます。それに、せつなさんは皆の人気者ですから」 ……やっぱり妹か。 せつなちゃん妹増やしすぎだよ…… 後、人気者はひょっとして仕事の……? ありえるね。 まず向かったのが前線支援隊『ロングアーチ』の事務室。 この部隊の事務も兼ねていて、事務長はロウラン提督の息子さんのグリフィス・ロウラン準陸尉。 キャリア組のエリートさんで、ロウラン提督の後押しで部隊に参加。 去年末から部隊の事務を任されているそうです。「お、なのはちゃんにフェイトちゃん。いらっしゃい。よう来たなぁ~」「はやてちゃん、お邪魔するね?」「お疲れ様、はやて」 『ロングアーチ』の隊長ははやてちゃん。リインフォースさんが隊長補佐、ツヴァイちゃんが補佐官と固めています。 二人ともデバイス扱いにもかかわらず、普通の業務もこなせるので、せつなちゃんが重宝しているみたいです。 ……頼りにされている二人が、ちょっと、羨ましい。 はやてちゃん自身も、指揮スキルを発揮し、前線支援と援護砲撃と事務管理と八面六臂の活躍。 せつなちゃん曰く、『……俺、それに加えて前線に出されたり、捜査任務もあった……』と、108部隊の修行時代を思い出していました。 ……うん、それは働きすぎだよ……「昨日はごめんな~? 手伝うてもろて。お陰で、早期鎮火できたわ。部隊長名義で感謝状でるから、後で受け取ってな~」「そんな……大げさだよはやて。感謝状なんて」「そうだよ。その場にいたから、当然の事をしただけだよ」 感謝状が欲しくてやったわけじゃないのに。「それでもや。信賞必罰は組織の原則の一つやで? それに、その当然の事ができん人もおる。……救助された人の中に、管理局魔導師が二人おったけど、休暇中やからってデバイス持ってきとらんかった。それならそれでええんやけど、いの一番に逃げ出して、救助も手伝おうとせんかったそうや。……せやから、なのはちゃんたちに感謝状を送って、その二人にはペナルティや。……これも、テッサ部隊長の方針やから、素直に受け取り」 ……そんな人もいたんだね…… せっかくの魔法なのに、自分の事しか考えない人もいる。 分かってたはずなんだけど……実際に聞くと、辛いね……「わかったよ。ありがとう、はやてちゃん」「ええんや。……友達に説教するん、なんか恥ずかしいなぁ~。せっちゃん、ようできるわ」 せつなちゃん、説教癖あるから…… と、あんまり長居しても邪魔だね。「それじゃ、はやて。仕事頑張って。次見に行くよ」「ええよ~。あ! お昼は一緒に食べよな~?」「うん! じゃあ、あとでね?」 はやてちゃんと別れて、次を見に行くことに。 ところで……「去年から使ってる割に、綺麗だね、隊舎内」「あ、月に一度部隊員全員で大掃除しますから。交代部隊の方も来て、にぎやかなんですよ?」 そうなんだ? 聞くと、大掃除中に事件発生して、部隊員全員で出張り、一時間で制圧。 戻って掃除を再会したという逸話があるらしい。 ……皆仲良し? 「まあ、部屋与えられて、一週間で資料で一杯にした人もいます。……せつなさんですけど」 あははははは…… せつなちゃんのデスクの汚さは、どこに行っても同じらしいから……「次はどこを見に行きますか?」「あ、じゃあ、アリシアのところに行ってもいいかな?」 プレシアさんの娘で弟子、アリシアちゃん。 去年に入局して、訓練校技術科を最短で卒業。その後、この部隊の施設管理を担当しているみたい。 一応、技術部の所属になってるから、アリサちゃんと一緒だね? 隊舎の端の方に技術部室。近くに訓練場があるみたいだね。「失礼します。アリサさん、アリシアさん。お客様です」「あら? 来たわね二人とも。アリシアー? フェイト来たわよー?」「今行きまーす!」 ふふ、二人とも仲よさそう。 て、あれ?「カナメさん! お久しぶりです!」「あれ? なのはちゃん! フェイトちゃんも、大きくなったねぇ。活躍は聞いてるわよ?」 最後に会ったのは小学四年生の時のクリスマス。 あの時、アメリカの大学に行くって言ってたのに…… いつの間にかこっちに来てるし。「ふふん。びっくりしたでしょ? カナメさんはマサチューセッツで修士とって、そのままうちに来てくれたのよ? 宗介さんの伝でね?」「まあ、貴女たちの事も知ってたし。せつなちゃんやテッサの手伝いもできるから、ソースケにお願いしたの。こっちの技術も面白いしね?」 と、笑顔で話してくれました。 ……す、凄い、身内ばかりですこの部隊。「おまたせー。フェイト、なのはさんお疲れ。いろいろあるところだけど、ゆっくりして行って~?」 そ、そこは何もないって言うところじゃ……まあ、いろいろあるけど。「ちなみに、ここ、機密ばかりだから、撮影禁止ね? ……私が言うのもなんだけど、せつなってばやばい橋渡りすぎ。フェイトがいるのにこんなこと言うとあれだけど、準ロストロギアまがいのものから、質量兵器ギリギリのものまであるから」 ぶぅ!? な、何をしてるのせつなちゃん、アリサちゃん! ……ぱっと見は、使い方の分からないデバイスとか、何の変哲もなさそうで凄い邪悪なオーラが見え隠れしてるアイテムとか一杯あるけど……「一応、管理局法には触れてないわよ? ……すれすれだけど」 にゃ、にゃははははは…… 駄目だ。アリサちゃんがマッドに見える。 アリシアちゃんもそれに似たオーラが……「まあ、本当にやばいもの作っちゃったら、私が止めてるから、大丈夫よ」 カナメさんがここの良心のようだ。 ……そこまで見越してスカウトしたのかな?「でも、フェイトが入隊したら、シャーリーさんも来るでしょ? ……カナメさん一人じゃ、止められないかも」 いや、怖いこと言わないでアリシアちゃん…… アリサちゃんとアリシアちゃんの仕事が終わったそうなので、みんなでお昼。 カナメさんはまだ仕事があるらしい。『ロングアーチ』の通信士も兼ねてるそうだ。 食堂には、はやてちゃんとツヴァイちゃん、後、すずかちゃんもいた。「なのはちゃん、フェイトちゃんいらっしゃい。……どうかな? この部隊」「えっと、今技術部覗いて来たんだけど……」「……知らんかったんや。アリサちゃんにマッドの気があったやなんて……」「う、うるさいわね。楽しいんだからしょうがないじゃない!」 うん、私も知らなかった。 そして、アリシアちゃんが馴染んでる事も信じられない。 その……マッドの方向に。 ……すずかちゃんはこの部隊の医務担当。 魔導師保有枠が広がれば、シャマルさんも参加予定だそうだ。 ……すずかちゃん、治療中凄く真剣な顔するんだよね。 昨日の災害で、怪我人の治療してるすずかちゃんは、凄く頑張ってた。 ……アリサちゃんもすずかちゃんも、この部隊で頑張ってるんだなぁ……「うぉ、皆もう来てるし……クラウン。俺ペペロンBセット。……皆お疲れ」 と、せつなちゃん。 ……そう言えば思ったんだけど。「せつなちゃん。その制服、男性用だよね?」「……ああ、そうだけど?」「女性用着ないの?」 ……あ、あれ? 温度が下がったような……「……代表して教えたるわ。……去年の査察日の事や」 去年のロストロギア事件から二ヵ月後。 地上本部から部隊の査察団が来訪。 レジアス中将たちの案内を買って出たせつなちゃんだったけど、査察官の一人が一言。『? 君には、女装の気があるのかね? それは、女性用制服だろう?』 と、言ってしまったらしく、傍にいたレジアス中将大爆笑。 二十分ほど笑いが止まらなかったらしく、せつなちゃんは顔真っ赤にしながら、案内を務め、次の日から男性用制服を着用することになったそうだ。 ……なお、その発言をした査察官。その一ヵ月後に横領と賄賂強請がばれて御用となった。 ……せつなちゃんの査察官就任を推薦したヴェロッサさん曰く。『あの査察官、なかなか尻尾見せなかったのに、よく捕まえられたね? ……よっぽど、頭に来たんだろうねぇ~。あの男が捕まるまで、近くにいけなかったし』 ……せつなちゃんは怒らせてはいけないと言う逸話。「……そういうわけで、なのはちゃん? スルーの方向でお願いするわ」「……りょ、了解……」 く、くわばらくわばら…… ザフィーラさんが食事を持ってきてくれて、みんなでお昼開始。 ……話を聞いてると、去年一年だけで、かなりの事件解決に貢献してるらしい。 正式稼動の設立式には、リンディさんやグレアム提督、ロウラン提督の本局スポンサー陣。 レジアス中将やその取り巻きの本部スポンサー。 カリム理事たち教会スポンサーなど、部隊設立の後ろ盾になってくれた人たちや、航空隊の隊長代表や教導隊の隊長代表も来て、ちょっとした賑わいを見せていたそうだ。 取材陣も多く来てたらしく、次の日の新聞に、『管理外世界出身の美人部隊長誕生』『管理局の未来の先駆け』『初の試み・管理局の注目部隊』などと一面に載っていた。 ……勿論、やっかみ、妬み等も多い。 一番不満を漏らしているのが、航行部隊のエリート官僚。 『地上部隊は地上の仕事をすればいい』『低ランク魔導師に何ができる』『管理外世界の野蛮人が部隊長か』などと、取材で漏らしているらしい。 続いて多いのが、意外にも一般の人たち。 『初動が早くても、低ランク魔導師じゃ不安』『管理外世界の人が部隊長で大丈夫か?』と、おもに不安を述べている。 ……地上本部は、基本的に静観を決め込んでいるが、中将が陰から多大な支援をしてくれているお陰か、陸士たちには友好的。航空隊は全面的に協力を約束しているらしい。 さらに、せつなちゃんは私やフェイトちゃんをびっくりさせる発言をしてくれた。「ここはな? 将来的に、地上の教導隊にするつもりなんだ」 ……ほ、本局の教導隊の私に対する挑戦状かな? まあ、それは冗談としても、確かに、ベテランと経験者で固めてある。 隊長陣は本当にベテラン。けど、実動隊は新人を含む経験者。 まったくの新人は、ほとんどいない。 ……アリシアちゃんはまあ例外としてもだ。「今年から、前線訓練隊を設立して、若い魔導師を随時受け入れ、みっちり訓練させて別の部署に出すって言うシステムを作るつもりだ。……で、だ。なのは?」「え? ……もしかして……」「そ。その訓練隊隊長に、お前を予定している」「え、ええええええええ!!」 さ、さらにびっくり。 私を?「まあ、補佐にもベテランをつけるし、若い奴の中で、ここで働きたいって奴はそのまま働いてもらう。……その見極めを、お前にやってもらいたいんだ。……まあ、これは、保有枠が広がったらの話し。早くて来年。遅くても、再来年にはスカウトに行くよ……どうかな?」「……い、今すぐってわけじゃないんだね?」「まあね? まだシステムの概要が決まったばかりだし、それが上手く働くかどうかも分からないから、訓練校から教官一人ひっぱって来てる。今はその人に隊長代理を勤めてもらう。……キタムラ教官だ。知ってるだろ?」「ええ!? キタムラ教官を!?」 知ってる。訓練校の集団行動指導でお世話になった人だ。 私やフェイトちゃんは既に単独行動に慣れてたから、集団演習で時々ミスしてた。 それに対するアドバイスを貰ったのがキタムラ教官。 皆鬼とか言ってるけど、本人は凄く優しい人で、丁寧に解るまで教えてくれた。 そのキタムラ教官まで巻き込むとは……「ど、どういう知り合いなの?」「……お、恩師だよ?」 あ、後ろ暗いことあるんだ。「せっちゃん? 何隠しとるん?」「……じ、実は飲み友達」 て、ちょっと! 私達まだ未成年!「しかも、現場にコラード校長来て、そのまま今回の件話したら、あっさり決まって……」 校長ーーーーーーーー!! 止めてください、本当に!「せつな? まさか、あのときのバー……キタムラ教官と?」「いや、あそこは別の人。教官とは……て、言うと思ったか!」 むーーーー! お酒は二十歳になってから!「駄目だよ、せつなちゃん! お酒なんて飲んじゃ!」「……いや、酒飲んだなんて一言も言ってないんだが?」 あれぇ? ……だって飲み友達……「勧められても基本的に飲まんし、あの教官だぞ? 勧めると思うか?」 ……そういえばそうだね。「もう、紛らわしい言い方しないでよ。……じゃあ、何? キタムラ教官のお酒に付き合ってるだけ?」「まあね~? 最近の魔導師、七光り多いから苦労するんだと。愚痴に付き合ってんだよ」 ……七光り、か。 私の所属する教導隊にも、確かにいる。 親の役職をカサに、言うこと聞かない隊員が。 ……そっか、皆、苦労してるんだね。「まあ、お前が来てくれたら、そのキタムラ教官がお前の補佐に就く。心強かろ?」 確かに。 教官がついてくれるんなら、私もやりやすい。「……ちなみに、フェイト? お前は俺の下な?」「……え?」 せつなちゃんの小隊? ……あ、そっか、せつなちゃん査察官とるんだっけ。「お前が調べて、俺が裏とって、二人で捕まえる。……どうよ? 兄さんとヴェロッサ見てて、執務官と査察官のセットって楽だな~と思ってさ? ……俺の右腕になってくれると助かるんだけど?」 ……わぁ。 せつなちゃん、本当に考えてるなぁ…… それなら、フェイトちゃんの夢だった、せつなちゃんと一緒に歩くことができるね。「……まあ、迎え入れる準備が整ったら、二人とも迎えに行くから。それまで待っててくれ」 と、にっこり笑ったせつなちゃんが、とても印象的なお昼でした。 さて。 ご飯が済んで、みんなが散らばり……またイルイちゃんの案内で、今度は訓練場を見せてもらうことに。 今日は訓練予定で、見知った顔がちらほら…… イルイちゃんの説明によると、この訓練場は陸戦シミュレーターを設置してあって、それを使って訓練に励んでいるそうです。 設置を監修したのはマリエル・アテンザ技師。通称マリーさん。 オリハルコン設立メンバーの四人のうち一人で、アームトルーパーの開発者。 地球で作られたアームスレイブの欠陥等を広げて、不要論を確立させた人でもあるんだけど、趣味が高じて、プレシアさんと共同でATを開発してしまったそうだ。 ……まあ、それがなかったら、この部隊はできていないと豪語するのはせつなちゃんだけど。 あ、マオさん達戻ってきた。休憩かな?「あれま。なのはちゃんにフェイトちゃん。お久しぶり。元気してた?」「はい。マオさんたちも元気そうで何よりです」 相変わらずのナイスボデー(せつなちゃん語)のマオさん。 前線部隊『ウルズ』の隊長をしています。「おお~!! やはり思ったとおり、二人とも美人に成長したな。お兄さんは嬉しいよ」「黙れクルツ。……久しいな、二人とも。先日は助かった、礼を言う」「いえ、ソースケさんもお変わりなく」 クルツさんの軽口や、ソースケさんの淡白なところも相変わらず。 地球でもマオさんの部下だったらしく、この部隊でもチームを組んでいるそうです。「……? あれ? 確か、もう一人いるんじゃ……」「ああ、ティーダは今空港。昨日の件で現場検証してるわ」 もう一人の隊員、ティーダ・ランスター執務官。 部隊の法務も担当してもらっているらしく、事件が起こるたびに走り回ってるそうです。 後、妹がいるとか。せつなちゃんの妹分だとか。「貴女たちお昼は? 良かったら、私たちと一緒しない?」「あ、すみません、済ましちゃったんです、せつなちゃんたちと」「そっか。……そりゃそうよねぇ? 恋人だし」 にゃぁぁ!? こ、こいび、とって、へ?「マオさん? どういうことです?」 て、なんかフェイトちゃんが怖いよ!? 嫉妬のオーラがビシバシ……「え? だって、あの子、よく言ってるわよ?『なのはは俺の恋人だ!』って」 せ、せつなちゃん……「うーん、よくって言っても、先日の誘拐未遂事件のときだけだと思うぞ? しかも、エクセ姐さんからの又聞きだし」「だな。……まあ、部隊員はあいつの精神障害の事は認知している。お前たちを変な目で見る輩はいまい」 あ、あの時の…… エクセレンさん、あの時の事話しちゃったんだ……「じゃあ、私たち、食事行ってくるわね~? 行くわよ、二人とも?」「へーい。じゃあな二人とも」「また会おう」 ……た、多大な爆弾を置いて『ウルズ』小隊退場です…… ふぇ、フェイトちゃんの目つきが怖い……「えっと、フェイトさん」「? なに? イルイ」 い、イルイちゃん? 今フェイトちゃんに近寄ったら危ないよ~?「せつなさんは、『フェイトは俺の嫁だ~』と言っていた事があります。……気落ちする必要はないですよ?」「そうなんだ? そっか~私お嫁さんか~」 あ、殺気が消えた。 イルイちゃんナイスフォロー。 助かりました。 ……でも、恋人と嫁って、恋人の方がグレード低いような……? 昔も同じ事言ってたような……