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No.6790の一覧
[0] とことんリリカルを引っ掻き回してみた・リリカルオリ主多重クロス[4CZG4OGLX+BS](2009/07/18 18:33)
[1] 1.りーいんかーねいしょん[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:57)
[2] 2.海鳴の街の眠れない夜[4CZG4OGLX+BS](2009/03/13 12:54)
[3] 3.空飛ぶ魔法少女の不思議な毎日[4CZG4OGLX+BS](2009/02/25 19:15)
[4] 4.幸せは儚き少女の為に[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:22)
[5] 5.夜天の主は彼女なのか?[4CZG4OGLX+BS](2009/03/02 11:12)
[6] 6.オリエンタルスターフライト・前編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/06 17:21)
[7] 6.オリエンタルスターフライト・後編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/06 17:26)
[8] 7.スノーホワイトケージ[4CZG4OGLX+BS](2009/03/07 12:21)
[9] 8.悲しみは散り、夢は幻想に[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:58)
[10] 9.海鳴温泉館 一つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:32)
[11] 9.海鳴温泉館 二つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:35)
[12] 9.海鳴温泉館 三つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/03/13 12:56)
[13] 10.明治十七年の温泉アリス[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:36)
[14] 11.管理局が見ている[4CZG4OGLX+BS](2009/03/14 09:01)
[15] 12.星色マスターブレイカー[4CZG4OGLX+BS](2009/03/16 10:55)
[16] 13.Retrospective of Mid-childa[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:44)
[17] 14.サクリファイスドール[4CZG4OGLX+BS](2009/03/19 08:02)
[18] 15.夏色脇路[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:45)
[19] 16.ボーダーオブライフ[4CZG4OGLX+BS](2009/03/27 14:26)
[20] 17.ボーダーオブライン 前編[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:35)
[21] 17.ボーダーオブライン 中編(微グロ表現あり・選択肢あり)[4CZG4OGLX+BS](2009/03/28 22:42)
[22] ↑の選択肢解説特番。もしくは、作者のお遊び。[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 20:05)
[23] 17.ボーダーオブライン 後編 ライン……[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:18)
[24] L18.人間と機人の境界 前編[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:46)
[25] L18.人間と機人の境界 後編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/30 21:29)
[26] L19.インペリシャブルシューターガール[4CZG4OGLX+BS](2009/05/20 18:30)
[27] L20.人生遊戯 -ライフゲーム-[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:19)
[28] L21.空を飛ぶ不可思議な魔女[4CZG4OGLX+BS](2009/05/22 21:08)
[29] L22.ブレイジングシューティングスター[4CZG4OGLX+BS](2009/05/23 04:07)
[30] L23.プリズムコンチェルト ミッド編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 02:45)
[31] L23.プリズムコンチェルト 海鳴編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:19)
[32] L24.マジカルガールズウォー リリカルサイド+α[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:38)
[33] L24.マジカルガールズウォー オリジナルサイド[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 20:07)
[34] L25.新難題ロストロギア 出発編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/25 19:58)
[35] L25.新難題ロストロギア 一日目前半[4CZG4OGLX+BS](2009/05/25 20:07)
[36] L25.新難題ロストロギア 一日目中盤『アリサ』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:39)
[37] L25.新難題ロストロギア 一日目中盤『すずか』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/26 01:03)
[38] L25.新難題ロストロギア 一日目後半[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:59)
[39] L25.新難題ロストロギア 二日目朝~昼[4CZG4OGLX+BS](2009/05/26 19:43)
[40] L25.新難題ロストロギア 二日目昼~夕方『刹那』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/27 00:10)
[41] L25.新難題ロストロギア 二日目夕方~夜『はやて』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 19:34)
[42] L25.新難題ロストロギア 三日目前編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 19:44)
[43] L25.新難題ロストロギア 三日目後編『なのは』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 23:01)
[44] L25.新難題ロストロギア 四日目朝の風景[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 17:49)
[45] L25.新難題ロストロギア 四日目昼の風景『フェイト』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:40)
[46] L25.新難題ロストロギア 四日目夜の風景『最終試練・せつな』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 20:35)
[47] L25.新難題ロストロギア 五日目リザルト[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 23:24)
[48] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・表[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:01)
[49] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・裏[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:02)
[50] L25.新難題ロストロギア 五日目おまけ[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 19:35)
[51] L25.新難題ロストロギア 六日目後日談ミッド編[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:36)
[52] L25.新難題ロストロギア 六日目後日談海鳴編[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 23:44)
[53] L26.百万鬼夜行 夜の行軍[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:18)
[54] L26.百万鬼夜行 午前の任務[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 01:04)
[55] L26.百万鬼夜行 午後の策謀[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:36)
[56] 現在、更新が乱れております(謝罪と説明という名の言い訳)[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 19:14)
[57] L27.大魔導師の死 史実の死[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 01:15)
[58] L27.大魔導師の死 希望のための死[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:41)
[59] L28.トリップパラノイア アジトにて[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 22:46)
[60] L28.トリップパラノイア 外にて[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 22:47)
[61] L29.ミス・フォーチュンズホイール 曰く『地上本部の人攫い』[4CZG4OGLX+BS](2009/07/03 22:51)
[62] L29.ミス・フォーチュンズホイール 曰く『特務隊の銀狐』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/25 23:07)
[63] L29EX.シューティングスターレヴァリエ[4CZG4OGLX+BS](2009/06/25 23:05)
[64] L30.奇跡降臨の道しるべ[4CZG4OGLX+BS](2009/07/03 23:12)
[65] L31-1.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と雪の街[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:43)
[66] L31-2.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と新しい生活[4CZG4OGLX+BS](2009/07/18 18:37)
[67] L31-3.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と初登校の再会 前[4CZG4OGLX+BS](2009/07/21 12:04)
[68] L31-3.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と初登校の再会 後[4CZG4OGLX+BS](2009/07/21 12:16)
[69] L31-4.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と夜の学校[4CZG4OGLX+BS](2009/07/23 14:35)
[70] L31-5.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と迷子の子狐[4CZG4OGLX+BS](2009/07/25 10:28)
[71] L31-6.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと舞と素敵なお母さん[4CZG4OGLX+BS](2010/05/05 13:20)
[72] L31-6EX.彷徨える命題[4CZG4OGLX+BS](2010/05/12 18:04)
[73] L31-7.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなとなのはと休日のデート 前[4CZG4OGLX+BS](2010/05/12 18:13)
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[6790] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・裏
Name: 4CZG4OGLX+BS◆2f25cb4b ID:9ee4ff7a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/06/06 13:02
「さて、聞きたい事はもうないな?」

 今日はこれでおしまいに。

「ちょーーーーーーと、待ったなの」

 ……なんですかなのはさん。

「……実は、あの箱庭の刹那さんのパソコンの中身……全部レイジングハートに移してきたんだ」

 ……はぃぃぃ!?
 ええ!? んなことできたのか!?

「ちゃんと、確認もできたよ? ……お話、しようか?」

 ……そうですね。
 だがその前に。

「お前ら各自の家に連絡……今日遅くなること伝えとけ。もしくは泊まるとか……でないと、話しないからな」

「「「「「はーい!」」」」」

 く、どこの小学校か……揃って出て行くなのは達。
 そして、やっぱりネタばれせなならんか……
 はぁ。

「……それで? 何の話をするの?」

「……実はですね? あの海で、話せない……絶対に話せないことが、一つだけあったんですよ」

 ドクターの件と、聖王の件は話した。
 要塞攻略の件と、管理局入局の件も話した。
 最後の五番目だけ。
 絶対に話せないこと。

「……それを、話してくれるの? ……あなたが、私たちを巻き込んで、いろんな準備をしていることに、関係があるのね?」

「あい。……あいつらにぶっちゃけちゃったから、母さんにも話とかないとって……せめて、全部終わるまでは言わないつもりだったんですがねぇ」

 記憶なくなってたのが痛い。
 
「……わかったわ。聞かせてもらうわね?」

「まあ、あいつら揃うまで待ちましょ……」

 さて。ここからは、ちょっと長めのお話……
 そして、ここまでのダイジェストってところか。
 どうでもいいけど、これって話数稼ぎとか、行数稼ぎって分類に当てはまるんだよね~。

【そういうことは考えないほうがいいかと】

「まあ、整理も必要だよ。うん」




 一応夕食も済まし、全員揃ったところで、まずは最初から。

「さて、まずはじめに言っておくが……俺は前世を持ってるって散々言ってるよな?」

「せっちゃんの前身……永森刹那さんやね?」

「そう、都内に住む、二十歳男性だ……けど、その都内って言うのは、この世界の都内じゃない。こことは似て異なる世界の東京都内だ」

 幾つもの世界にも、もしもの世界がある。
 ちょっとした変化で、万華鏡のように変わる世界。
 誰かがいて、誰かがいない世界。
 平行世界。とても遠い隣、とても近い異世界。

「……やはりそうだったのね? ……おかしいと思ったの。あなたに起こった事件を、せつなさんが生まれる前から探してみたんだけど……どこにも、そんな事件はなかった。そして、永森刹那という男性の存在も」

 ちゃっかり調べてるところがリンディさんらしい。

「でも、調べたなら、どうして聞かなかったんですか?」

「……娘の言ってることですもの。どんな結果であれ、信用しないと」

 うむぅ。正しい母の姿だな。
 ご面倒おかけしてます。

「で、その世界では、こちらの世界……なのは達の世界が、二次元メディア……アニメーションとして放映されてたんだ」

「……アニメ? それって、あれ? ガン○ムとか……それと同じような?」

「ええ。タイトルは『魔法少女リリカルなのは』……なのはが主役の、魔法少女ものです……前半は」

 後半や第二期からは、もう完全にバトルアニメだよね、あれ。
 CCさくらや歴代魔女っ子プリンセス達を見習いやがれ! 首尾一貫して魔法少女ものだぞあれ!

「なのはちゃんが主役なんだね……えっと、もう一回、詳しく聞かせて欲しいな」

「母さんがいるから、ちゃんと詳しく話すよ」

 じゃあ、最初に物語の導入部。

「まあ、きっかけは、願いを叶える石、ジュエルシードが、海鳴の町に散らばるところから始まります。それを回収しに来たユーノが、自分の力じゃ回収しきれないのを感じて、助けを求めます。その助けを求める声に反応したのが」

「私……だね?」

「そう、魔法少女、始めました。ばりに活躍が始まるんだ」

「いや、そんな冷やし中華みたいな言い方しなくても……」

 前半部分は、俺が介入してないから物語どおり進んだと思う。
 ユーノの声を聞き、魔導師の杖、レイジングハートを起動させ、ジュエルシードを封印する。
 魔法の力を使い、ジュエルシードを集める生活を、なのははそれが、自分の使命かのようにすごしていく。
 だが。

「……多分、ここが、俺の世界のアニメのストーリーと、この世界の実際の出来事との分かれ目だと思う。……なのは、あの時のお茶会覚えてるか? 四月の後半に、すずかの家でやったあれ」

「あ、うん。覚えてるよ。フェイトちゃんとはやてちゃんがせつなちゃんに連れられてきて……お友達になったんだよね?」

「よくよく考えれば、あたしたちその頃からの付き合いなのね……それが、どうしたの?」

 それは、俺がいたからこそ。
 俺が最初に介入した、ストーリー崩壊の第一手。

「アニメでは……まあ、実際に見たわけじゃないが、そのお茶会に、俺とはやては来なかった。……俺がいないんだ、はやてがこれるはずがない」

「え!? ちょっと待って! ……せつながいないって……」

「母さん。俺は、この世界で存在してるけど、本来のアニメストーリーの中に『永遠せつな』というキャラクターは、一切存在しないんだ」

 つまり、この世界のイレギュラー。
 本来いない存在。
 それが、永遠せつな。

「……あなたは、この世界だけの存在……そういうことなのね?」

「ええ。話を続けます。俺とはやては来なかったけど、月村邸にはジュエルシードがあった……あの巨大ぬこのあれだ」

「……うん、大きかったあれだね? 私となのはとせつなで封印した」

「けど、俺がいないから、なのは単独だ……でだ、確か、そのときに、フェイトもその現場に現われる……フェイト自身も、独自でジュエルシードを集めてたからな」

 プレシアさんの命令に従って。
 それだけが生きがいの、可哀想な人形。

「で、なのはとぶつかり合い……まあ、多分、なのはの負けだろう。そのときの錬度から考えてもな?」

「うん……フェイトちゃん、魔法使うの上手だったし……」

「元々、なのはちゃんとフェイトちゃんは、敵同士になる予定だったんだね?」

「まあね。敵っつうか、目的が同じだから、ぶつかり合うしかない……争奪戦だな」

 なのは&ユーノ対フェイト&アルフの、ジュエルシード争奪戦。
 
「で、それを続けていくうちに、ジュエルシードの暴発が起こる……ほら、フェイトが両手に怪我した事あったろ?」

「うん……せつなが、治してくれたんだよね」

「あれで起こった次元震で、管理局を呼び込んでしまう。つまり……」

「私たちアースラスタッフね? ……じゃあ、あのタイミングで私たちの介入は決まってたのね?」

「まあ、タイミング的にはほぼ同じ期間だと思いますよ? ……アースラがここを通るのは、ストーリーどおりでしたし」

 実際にクロノが介入してきたときは、もう最後だったけど、アニメではまだ少し残ってたはずだしね。
 管理局がジュエルシード回収に介入してきたとき、なのはは管理局に協力する。
 一方、フェイトは管理局に隠れながらジュエルシードを探し、ついに、強硬手段にでる。
 それが、海の中にある、六個のジュエルシード。
 あの竜巻連鎖のイベントである。

「ストーリーだと、フェイトとアルフだけであの竜巻に挑むところだったんだ。で、それを」

「クロノとなのはが助けに行くのね?」

 たしか、アリサの言うことは起こらず。

「いや、アースラは、これを静観。フェイトの魔力切れを狙ったんだと思う」

「「「えええええ!!」」」

「……そうね。それが一番効率的だわ」

「リンディさん酷いです!」

「あ、あう……私そんなに追い込まれるんだ……」

「まあ結局、なのはとユーノが命令無視で助けに行ったと思うけどね?」

「当たり前だよ! フェイトちゃんを放っておけないもん!」

「なのは……ありがとう」

 で、見事封印されるジュエルシード。
 けど、それはちゃんと回収されず、プレシアさんの広域雷撃魔法で、管理局側の不意をつかれる。

「て、ちょちょちょちょ!」

 いや、何だアリサ。
 可愛い鳴き声だな。

「え? なんで? 何でプレシアさんが!?」

「ああ、フェイトにジュエルシード探索を命じているのが、プレシアさんだからな。もはや、なりふり構ってられなくなったんだろう」

「……母さん……」

 フェイトには可哀想だけど、ストーリー上では、この流れだったと思う。
 で、その後に起こるのが。

「なのは、『海の上の決戦』のファイル」

「あ、うん。レイジングハート?」『fail load』

 手持ちのジュエルシード全てをかけた、なのはとフェイトの一騎打ち。

「あらあら……二人とも、凄いわね……本当に八歳の戦い?」

「まあ、アニメでの脚色も含まれますが、順当に行けばこれくらいはできますよ」

「ああ! なのは捕まった!」

「……フェイトちゃん容赦ないなぁ……で? せっちゃんはなにニヤニヤしとるん?」

「ん? もう直ぐ魔王降臨シーンだからな。な~? なのは~?」

「にゃ、にゃぁぁぁ……」

 映像は進む。フェイトの攻撃を防ぎきり、反撃に移るなのは。バインドに捕まるフェイト。MADなので、BGMは明鏡止水のあのテーマ。

【受けてみて! ディバインバスターのバリエーション! これが私の、全力全開!! スターライト・ブレイカァァァァァァァァ!!】

「「「「ま、魔王……」」」」

「みんな酷いよ!」

「ほ、本来なら、私があれ受けるんだよね……」

 フラグ潰したから、イベント来なかったけどね~。
 で、堕ちるフェイト。そして、映像終了。

「まあ、これでフェイトは保護され、今度は時空庭園の攻防に移るわけだけど、その前にネタ晴らし」

 フェイトは、アリシアのクローンであり、今回の事件の首謀者が、プレシア・テスタロッサだと知らされることになる。

「てぇ! 待ちなさいよ! じゃあ、何? それがアニメで……ここにいるフェイトは!」

「……うん、間違いないよ。私は、アリシアのクローン……母さんが手がけた、プロジェクトF……人造魔導師計画の最初の作品。……最初の、人造魔導師だよ」

「そ、そんな……フェイトちゃん……」

 まあ、普通に違法研究で犯罪なんだが。
 注がれる視線は、母さんに向けられる。

「……? えっと、何かしら?」

「ああ、母さん知ってるから」

「「「「ええええええええええええええ!!」」」」

「そ、そうなの?」

「おう。みんなの説明の後、裏事情は全部ぶっちゃけた。……まあ、その上で、母さんスルーしてくれてるから」

「本当は、駄目なんだけど……せつなの初めてのお願いだからね?」

「……あ、ありがとう……ございます……」

「ほら泣くなー? 泣いて欲しくて、俺頑張ったんじゃないんだぞー?」

「うん……でも、嬉しくて……」

 まあ、これは、少し置いとくとしよう。
 話は本編に戻る。
 ジュエルシードを使って次元の壁を越えようとするプレシアさんと、止めようとする管理局で攻防が起こる。

「まあ、そのシーンぜんぜん見てないんだが」

「ちゃんとチェックしなさいよ!」

「仕方ないだろ。俺は放映終了後から入った人間だぞ?」

 バイトで時間合わなかったんだよ。
 もっと言えば、三期のほうが好きだったし。

「で、最終的に、プレシアさんは虚数空間の穴に落ちて、アルハザードに向かうことになる……辿り着くかもわからない、無間の闇の中に、アリシアの遺体を連れて……ね?」

「無茶するわね~。行ける筈ないじゃん。行けたとしても、アルハザードに死者蘇生技術なんてないのにねぇ?」

 やっぱりお前も知ってるのかクラウン。
 後、その情報はパラディンに聞いてるから知ってる。

「残されたフェイトは、首謀者に利用されていたってことで、アースラで保護され、軽い刑になるように裁判に向かう。で、なのは。『二人の約束』ってファイル開けてみ?」

「あ、うん」

 映されるのは、幼いなのはとフェイト。
 一時のお別れのシーン。

【分かったことがある……友達が悲しいと、自分も悲しいんだ……】

【フェイトちゃん……また、会おうね……】

「……うう、二人とも、よかったねぇ……」

「でも、こんなシーンだけ流されても、前後がないと分かり辛いわよ」

「悪かったな。でも、綺麗なシーンだろ?」

「……それは認めるけど」

 で、何故か恥ずかしがってるぬことワンコ。

「あ、あう……じ、自分じゃないのに、凄く恥ずかしいよ……」

「あ、あれだね? 学芸会の演劇、自分の出番をビデオで見せられてるみたい……」
 
 むう、的確だな。

「これが、ジュエルシード事件における話の顛末……本来の、ストーリーだ。結構いろいろはしょったけどね?」

「ちょいまち! あたし出てないやん!」

 当たり前だたわけ。

「お前の出番は第二期。『リリカルなのはA's』からだ。第一期に、お前の出番はない!」

「がーーーーん!?」

 そんな、オーバーリアクションとらんでも。
 ……まあ、とりあえずは一期の解説終了。
 
「じゃあ、まず、ここまでで質問は?」

「はい! あたしとすずかの出番は!?」

 残念!

「日常シーンしかありません。……本当は、第一期中に、なのはが魔法少女だってばれるイベントは起こらないんだ。だから、アリサとすずかは、思い悩むなのはの後押しをするって役柄で、ストーリーラインにはほとんど絡まない」

「ほんとにサブキャラだったんだね……」

 さーせん。

「ちなみに、この後の二期でも同じ扱いだぞ? 最後のほうにちょっと出るだけで」

「むきぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 いやぁ、マジすいません。
 文句はアニメスタッフに言ってくれ。

「他に質問がないようなら、二期の解説に行くぞ?」

「あたしの出番やね?」

「でも、どちらかといえば、出演回数ははやてより守護騎士のほうが多い」

「がぁぁぁぁぁぁぁん! うちの子らに出番とられるなんてぇぇ!」

 さて、第二期『A's』の解説に行こう。

「まあ、確か時節は十二月前後だな。ほとんど公式ホームページのストーリーダイジェストからの知識だが」

 まず、なのはがヴィータに襲われる。
 闇の書に魔力を蓄える為、守護騎士が魔導師を襲っているからだ。

「てぇ! ちょいまち! 何でうちの子らがいきなりそんなことしよるん!」

「ああ、お前の為だよ。闇の書の概要は、最初に話しただろ?」

 ……闇の書。S級ロストロギアで、破滅と転生を繰り返す、古代ベルカの遺産。
 主になったものには、その手足として働く守護騎士が与えられ、闇の書の完成のため、魔力を蒐集する。

「……そ、そうやったな……ほとんど忘れかけよった……魔力蒐集せずに放っておくと、主の魔力を吸い上げて、死に至らせるんやったな?」

「忘れんなよ……まあ、それを防ぐ為に、主に内緒で、魔力蒐集を始めた結果、なのはが狙われたってわけだ。海鳴市内で、一番の魔力持ちって言ったら、なのはしかいないしな?」

「か、必ず襲われるんだね、私」

 勿論、闇の書は管理局が追っているロストロギアのひとつ。
 丁度、裁判もほぼ終わり、なのはに会いに来ていたフェイトが戦闘に参加、闇の書探索の任に、アースラスタッフが就くことになる。

「確か、最初の接触で、レイハ姐さんとバルディッシュが破損して、そのときにカートリッジシステムを組み込むことになるんだ。……こっちの世界では、結構遅めに組み込んだけどね?」

「その事件がなかったから、組み込む必要がなかったもんね?」

「まあ? 俺の知らないうちに組み込んじまったみたいだけど?」

「「あはははは」」

 本当にいつの間に組み込んだんだか……まあともかく。
 臨時司令部を海鳴のマンションに移し、そこに住む事になったハラオウン家とフェイト。
 ついでに、フェイトは聖祥小学校に転校を果たす。

「……えっと、じゃあ、私、リンディさんの……養子になってたんだ?」

「二期が終わった後にね? それまでは、正式には養子になってなかったよ。まあ、保護観察の担当官が、リンディさんだったって訳」

 俺がその位置に今いるのが、いろいろ動き回った結果なんだろうけどね~。

「で、闇の書の守護騎士と管理局の攻防は続くんだけど、その中で、別の要素が入り込む。守護騎士に味方する勢力が現われるんだ」

 ここからは、グレアムさんの話を聞いたことによる、脳内保管。もしくは、考察。
 多分、この時期あたりに、グレアムさんの手勢が介入するはず。

「……その勢力は、何の目的で? 闇の書が完成されても、破壊を撒き散らすしかできないのに」

「そのまんまです。闇の書の完成を目標に動くんですよ。……管理局の邪魔をしながらね?」

 そして、とうとう、闇の書の主がばれる。
 主の名は、八神はやて。足に障害を持つ、なのは達と同年代の少女。

「ばれるきっかけって言うか、元々、はやてが一番最初に友達になるのが、すずかなんだ」

「私?」

「すずかは図書館よく使うだろ? はやても、暇があったら図書館通って、本読んでるよな? ……俺がいなかったら、その図書館で、二人が友達になるわけだ。で、それをアリサに聞かせ、そして、なのは、フェイトにも教えて……」

 はやてが入院したと聞いて、見舞いに行く。
 最初は予告済みだから、ニアミスせずにすんだけど。

「丁度クリスマスのときに、予告なしで見舞いに行ってしまうんだわ。……で、その病室に、いるわけだ。守護騎士たちが」

 主を守る為、なのはとフェイトに襲い掛かる守護騎士。

「なのはー? 『あくまちなのは』ってファイル開けてみー?」

「す、すっごく嫌な予感がするの……」

 なのに開けてしまう君が好きだよ。
 場所はビルの屋上。守護騎士を説得しようとするなのは達。
 それを、強襲するヴィータ。

【もうすぐ……もうちょっとで、終わるんだ! だから、だから……てめぇら! 邪魔すんなぁぁぁぁぁぁぁ!!】

「……ヴィータ……」

 燃える屋上……しかし、なのはは無傷。後ろに流れるは、東方不敗のテーマ曲。

【あ、悪魔め……】

【悪魔でもいいよ。悪魔らしく、話を聞いてもらうんだから!】

「「「「……やっぱり魔王」」」」

「せつなちゃぁぁぁぁぁん! みんながひどいよぉぉ!」

「よしよし……みんな酷いねぇ。こんなに可愛らしい魔王なのに」

「うわぁぁぁぁぁぁぁん! せつなちゃんの意地悪ぅぅぅぅぅ!」

 ぬこをなだめながら、話を続ける。
 守護騎士たちとの決戦最中に、突如割り込む第三勢力。守護騎士を闇の書に吸収させ、はやてをその現場に召喚する。
 主に、家族たる守護騎士が消えるところを見せ付け、闇の書を意図的に暴走させる。

「そんなことを……何の為に!?」

「首謀者は、闇の書の完全封印を目的にしてたみたいですね。自壊が始まる一歩手前まで暴走させて、強力な氷結魔法で永久凍結。そのまま、誰の目も届かないところに、封印しようと企んでたそうです」

「……せ、せっちゃん? そんなこと企んどった人に、あったことあるんか?」

「お前も何度もあってる。……母さんは、分かります?」

「……!? まさか! グレアム提督!?」

「ビンゴ」

 本人から確認は取った。
 そのために、はやての生活支援を名乗り出て、闇の書が発動するまで、その生活を支えていた。
 ……そのときに、はやてを生贄にするために……せめてもの、罪滅ぼしをするかのように。

「……そんな……嘘や! そんなん嘘や!」

「本人から、計画の概要は全部聞いた。……完全に、管理局法違反だけど、そうしてまで、闇の書を憎んでいたんだ……」

 聞くと、母さんの夫である、クライド・ハラオウンの乗った船を、闇の書ごとアルカンシェルで消滅するように指示したのが、グレアム提督だったらしい。
 その時から、この計画を立てていたそうだ。

「ああ、グレアムさんには、もう制裁済みだから、許してやってくれ」

「せ、制裁済みって……あんた何やったの?」

 決まってる。

「全力でぶん殴った」

「「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」」

「魔力ブーストありで全力の右フック。……しばらく顔が腫れて、外に出れなかったといっていたな」

「せ、せつな……本当に無茶するね……」

「たりめーだ。あんな穴だらけの計画聞かされて、はやてを生贄? ざっけんな。俺の妻になにしてくれとんねんって話だ」

「せっちゃん……」

「おまけに、保険としてロストロギアを用意したはいいが、使い方も分からないただの伝承だけのもので。ふたを開けてみたらまったく違うものだったしな。……まあ、パラディンの事だが?」

【彼は、私を闇の書を封殺する手段として使おうとしていました。さらに、その手段で、使用者を死に至らしめることを知っておきながらです……まあ、そのレポート、思いっきりでたらめだったんですけどね?】

「せつなちゃんまで生贄にしようとしてたんだね、グレアム提督……」

「優しそうな人なのに……」

 まあ、優しいからこそ、闇の書の被害が広がるのを防ぎたかったってことだろうけどな?

「まあ、そういうわけだから。できれば、グレアムさんを恨むな。……ぶん殴った後、説教かまして、罪滅ぼしのために夜天の書の所持に協力してもらったから」

「せっちゃんなにしとん!? そこまで手ぇ出しとったんか!?」

「ど、通りで対応が早いと……しかも、グレアム提督に説教……無茶するわ……」

 あっはっは。さらに大嘘こいて、脅しもかけたしね?
 ……まあ、部隊設立の協力仰いでそれの言質とったあと、嘘だって教えたけど。

 ……うっかり教えちゃったんだよね。
 次元航行技術の件は、どうなったかね? とか聞かれて、普通に「ああ、あれ? 嘘ですよ?」とか言っちゃったし。
 言った後、「あ、やべ」とか思ったのは内緒。
 あの時の間抜け顔は、本当に忘れられない。
 俺の言葉の理解に数分掛かり、理解したと同時に大笑い。
 殴られるか、協力拒否されるかと思ったが、その大胆さと豪胆さを評価され、全面的に協力してもらうことを約束した。

「と、じゃあ、話を戻して。それで、暴走した闇の書を止める為、なのはとフェイトが挑みかかります。その間、グレアム提督の企みは、クロノ兄さんが暴いて、計画を中止させるんですけどね?」

 一番気づく可能性の高いのが兄さん。
 だからこそ、兄さんにデュランダルが手渡されるんだろう。

「ああ、ここでようやくすずかとアリサがストーリーラインに乗る。……つっても、結界内に取り残されて、救助しに来たのがなのはとフェイトってだけだが」

「よ、要救助者のチョイ役!?」

「それで、二人が魔導師だって分かるんだね?」

 そして、結界外に出されて出番終了。

「なによそれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 だから俺に文句を言うなと。

「それで、あたしはどうなるん!?」

「ああ、そこで、あの閉じ込める闇の中のシーンだ。……お前は、自力で抜け出せるんだよ。夢の中にいても、幸せにはなれないと、知ってるからな。お前は」

「……ああ、そうなんか……『せやけど、それは、ただの夢や』……せっちゃんは、それを、知っとったんやな……」

 闇の書からリインフォースと共に抜け出すはやて。
 再召喚される守護騎士。
 自壊を始める、闇の書の、闇。

「で、その闇の書の闇を消滅させる為、今まで戦ってきたものが力を合わせ、それに全力攻撃を仕掛けるわけだ……なのはー? 『闇の書の闇戦(ブレイブ)』流してー?」

 ……? なのはー?

「ま、また、私魔王って言われない?」

「ああ、だいじょぶだいじょぶ。……むしろ、闇の書の闇が可哀想になってくるから」

 警戒するとか……怯えた顔も可愛いぞなのは。
 再生すると、まずは姿を現す闇の書の闇。

「まあ、これに掛かっている四重のバリアを破壊し、動かないように縛り付け、本体コアがでてくるまで全力攻撃。宇宙空間に本体コアを強制転送して、アルカンシェルで止めって作戦だ」

 まずはヴィータとなのは。

【轟天爆砕! ギガント! シュラァァァァァァァク!】

【エクセリオンバスターー! ブ・レ・イ・ク・シューーーーーーート!】

「ヴィ、ヴィータ凄いわね……てか、質量保存はどうなってるのよ!」

「そこは突っ込んじゃいけないところだと思うよ……」

 続いて、シグナム、フェイト。

【駆けよ! 隼!】

【轟け! 雷神!】

「二人とも、かっこええなぁ~」

「うんうん! ……でも、この曲どこかで……?」

 さらに、ザフィーラが援護。
 そして、はやて。

【石化の槍! ミストルティン!】

「こんな術式もあるんだね……知らなかった」

「広域石化なんて、普通に使わんからな」

 再生を繰り返す闇の書の闇。
 詠唱を終了させ、構えるはクロノ。

【凍てつけぇ!】【Eternal Coffin】

「「「「「おお! クロノ君が活躍してる!!」」」」」

「兄さんの活躍フラグ、全部潰したからなぁ……」

「クロノ、不憫な子……」

 そしてとどめはやはりこの三人。

【全力全開! スターライトぉーーーー!】

【雷光一閃! プラズマザンバぁーーーー!】

【ごめんな……おやすみな……響け! 終焉の笛! ラグナロク!】

【【【ブレイカーーーーーーーーーー!!】】】

「……こ、これは酷い……」

「ああ! わかった! この曲、あの竜巻のときに流れてた曲だよ!」

「そうやね。まあ、流したんは……」

「せつなだね……?」

「うるせーな、楽曲データあったんだよ。闇の書戦をつぶしちまったから、代わりだ代わり」

 さーせん。
 で、本体コアが露出し、ユーノ、アルフ、シャマルさんが宇宙空間に転送。
 アルカンシェルを準備するアースラスタッフ。
 発射キーをまわす、リンディさん。

「あら、私ね? ……えっと、なんか三割増し可愛いような……」

「自分で言うんすか……まあ、アニメ効果で一つ。……実物もえらい可愛いけどな~?」

「何か言ったかしら?」

「いーえ、別に?」

 膨大なエネルギーを受けて、消滅する本体コア。
 作戦終了を告げるエイミィさん。
 そして、三人のハイタッチで、映像終了。

「……まあ、こんな戦闘があってね? 闇の書の闇は消滅。はやての体の問題は、解決したって訳だ……けど」

「けど……なによ? このままハッピーエンドでいいじゃない!」

「そうも行かないんだ。……今の、防衛プログラムでね? 闇の書が存在する以上、また、修復する可能性がある」

 十年以上先か。それとも、すぐにでもか。
 その危険があるため、闇の書は、消滅させなくてはならない。
 ……そのために、

「リインフォースが闇の書の全システムを背負って、消滅するんだ。守護騎士プログラムを切り離し、はやてに、レアスキル『蒐集』を授けてね?」

「……そんな……」

「これはね? 仕方のない別れなんだよ……このストーリー上では。仕方のない、悲しい別れ」

 雪の町に、リインが光に解け、残ったのは、シュベルトクロイツのストレージだけ……

「で、時間は飛んで六年後……まあ、今時分……来年当たりだな? なのは、フェイト、はやては、管理局に入局。今も、魔法少女、続けてます……ってことで、第二期は終了となるわけだ」

 第二期解説終了。
 つかれた~。

「……何か、両方とも悲しい別れがあるね? ……どうしてだろう」

「ああ、そんなの決まってる。『世の中は、こんなはずじゃなかったことだらけだ』」

「……せっちゃんが、刹那さんが死ぬ間際に言った台詞やね……」

「本来は、クロノ兄さんの台詞なんだ。こんな筈じゃなかったのに、どうしてこうなったんだと……そんなことが、俺らの人生のすぐ隣に転がってる。それに躓くか、上手く避けられるかは、そのときになって見ないと分からない」

 悲しい別れは、それに躓いた結果だ。
 こんな、はずじゃなかったと。

「でも人は、それに押しつぶされずに、前に歩いていかなきゃいけない。そこで転んだままだと、何もできない……それを教えるための、アニメーションを作ったんだろうよ。スタッフさんはね?」

 まさか平行世界に、その世界があるとは思いませんでしたけどね!
 ホントにこんなはずじゃなかったよ、まったく!

「せやったら、せっちゃんは躓いた先のこの世界で、前に歩いた結果……あたしらを救ってくれたんやね?」

「……ま、ね? 正直、ノーロープバンジーもいいとこな賭けだらけだったけど」

 アリシアを救う方法があるとは、思いもよらなかった。
 闇の書を、完璧に直せる保証なんてなかった。
 時間逆行を試す、勇気なんて、本当はなかった。
 取り残されたときは、本気で絶望した。
 ジュエルシードを全て集め終え、リンディさんたちに、分かってもらうときには、凄く緊張した……

「まあ、この二つの話分、なんとか、悲しい別れを体験させずに、終わらせて、よかったと思うよ」

「せつな……」

「せっちゃん……」

 俺が頑張ったお陰で、恩恵を受けたのは、フェイトとはやてだろう。
 恩を売るつもりはなかった。泣いてほしくないだけだった。
 ……でだ。

「一番割りを食わせてしまったのが、なのはだな。……すまん」

「ええ!? な、何で謝るの?」

「ああ、俺が走り回ったせいで、お前の成長を妨げる結果になってしまった……本来のルートなら、この二つの事件を通して、今頃は『エースオブエース』と呼ばれるほどの、魔導師になってたはずなんだ。……けど、その成長を、俺が阻害した。……さらに、お前だから大丈夫と、そのフォローを怠った。これは、俺のわがままの弊害だ……すまん」

 後悔はしていない。
 振り返りもしない。
 ただ、謝罪だけ。

 そして。

「その分、お前を守るから。なのはが成長する、糧になるから。これからも、俺を頼って欲しい。……なのはを、お前達を守らせて欲しい」

 さらに重ねる、俺のわがまま。

「……うん! お願いね? 私も、もっと頑張る! 一緒に、歩いていこう?」

「その隣には、勿論私も一緒に居るから……そうだよね? せつな」

「あたしらもおること、忘れたらあかんで~?」

「本来のルートがなによ! 今は私たちも居るんだから。頼りにしなさいよ?」

「そうだよ、せつなちゃん。みんな、一緒だよ?」

「……ああ、そうだな。皆で、歩いていこう……」

 長い人生を。
 笑いながらね?





 ……ところで。

「何をジト目で見てやがりますか、母さん?」

「ん~? まあ、その、第二期までの本来の事情と、あなたがやってきたことはわかったんだけど……」

 はい?

「……ねえ? テッサさんたちは、出てこないの?」

 ……おお。忘れてた。

「じゃあ、つづいて、この世界と俺の世界で放映されていた、リリカルシリーズの相違点だ。……まあ、言ってしまえば」

 びっくりな話だけど。

「『リリカルなのは』に、ミスリルなんて組織、出てきません」

「「「「「「はぁ!?」」」」」」

「おそらく、テッサたちもイレギュラーだと思う。何しろ、アームスレイブの存在すら、アニメや設定資料にも載ってなかったからな。……ちなみに、響介さんやゼンガーさんたちもな? リリカル世界に、そういった人材や、名前は出てこなかった……ひょっとしたら、ストーリーラインに乗らなかっただけかもしれないけど。俺は知らないなぁ」

 つーか、ゼンガーさんたちは別の世界のパイロットで、魔導師じゃありませんでした。
 
「じゃ、じゃあ、この世界は、あなたの世界のアニメストーリーと、大きくかけ離れてる……?」

「俺が介入して離した事もあれば、いつの間にか離れてたこともあります。さらに言えば、追加ファクターもありますね……」

 言えば、もう、大きくかけ離れてる。
 でもま、ドクターは予定通り動くんだろうなぁ……

「そして、あんたは、未来に繋ぐさまざまな仕掛けを施してる……違う?」

 む、アリサが気付いたか。

「こないだからずっと思ってたんだけど、あんたは私たちの一歩先……いや、二歩、三歩、下手したら、十歩ほど先まで見て行動してる。そして、それらは確実にあんたの追い風になってる。……そんな芸当、未来を知らないと無理。つまり」

 コホンと、一息つけてから、にっと笑って問い詰める。

「『リリカルなのはストライカーズ』……第三期。これは、今より先の話ね?」

 ……おや。ばれましたか。
 てか、Dドライブ見たならばればれだよね~?

「オーケーアリサ、大正解だ。……それは、今から五年後に起きる事件を題材にした第三期。コンセプトは『魔法少女、育てます』。舞台は海鳴から離れ……ミッドチルダだ」

「じゃあ、ミッドで大きな事件が起きる……? せつな。話してくれる?」

 期待の目を向ける母さん。でも。

「残念だけど、ノーです。……なのは。そのファイル、開けるか?」

「……無理だよ。全部、壊れて見れなくなってる」

 だろうな。これは、パラドックスだから。

「未来を知るってのは、メリットとデメリットが激しいんだ。それに対する対策が取れることがメリット。それが、対策によって変化し、通常の未来を大きく変えてしまうのがデメリット。……さっき言った、なのはの件なんかがそのデメリットに当たるよな?」

 ふふふ、早めに気付けてよかった。
 なんかあってから気付いたら、俺自身を許せないからな。

「じゃあ、あなたの口から話すのも、駄目?」

「駄目ですね。……人の口を通すと、細部が歪んで伝わる。一つの言葉で、六人分個人個人の捉え方がある……」

「あたしらの行動を制限してまう可能性もあるわけやね?」

「そうだ。……それに、俺が結構動いたせいもあって、もう、俺の知ってるような話になる自信がない」

 事件自体は起こるけどな、確実に。

「……分かった、それじゃあ、あなたが変えたこと……そして、追加ファクターというのも、教えてくれる?」

 まあ、それくらいなら。

「今日までの分なら、教えてもいいです。……明日の事からは、ちょっと言えませんが」

 さあて、時系列順にいくか。
 まずは。

「俺の存在は当然として、最初はゼスト隊全滅の件ですね」

「……せつなちゃん、クイントさんも死んでた可能性も?」

 そこは可能性じゃなく。

「んにゃ? ストライカーズ第一話の時点で、クイントさんはもう死んでた……可能性じゃなく、本筋では確定なんだ」

「嘘……じゃ、じゃあ、それを助けたカグヤも!?」

「つうか、俺がいなかったらカグヤもいないだろ? ……まあ、カグヤの件はびっくりしたな。本当なら、俺が直接行くつもりだったのに」

 もう、あれは奇跡だね。
 あんな状況で、かなり離れているのに記憶の共有とか……ありえねー。

「まあ、カグヤとリンクできたお陰で、クイントさんだけでも助けられた。……本当に、儲け物だったよ……」

 代わりに、隊長とメガーヌさん、部隊の皆は助けられなかった……
 ええい、終わったことにいちいち悲観するな!
 次だ次!

「せつなちゃん」

「大丈夫だよ、なのは。……間に合わないことだってあるんだから」

 それに、隊長とメガーヌさんに関しては、まだチャンスはある。

「その後干渉したのは……ああ、丁度なのはだな」

「ええ? 私?」

 そう、お前。
 
「お前がカグヤと会ったとき、かなりのガジェット投入されてただろ?」

「あ、うん。仕事内容に反して、多かったね」

 まあ、新型実験もあったしな。

「で、本来なら……お前、そこで墜ちてたんだ……光学迷彩ステルス機能付きのガジェットに腹貫かれてな?」

 背中からざっくり。
 青くなるなのは。他の子も、息を呑む。

「本当は、俺が行きたかったんだけど、仕事に追われてな……ちょうど、カグヤが向かってくれるってことになったから、あいつに任せた。……なんか、お前のピンチにぜんぜん駆けつけてやれてないな」

 それで守るとか、何様だ俺。

「……ううん。私、せつなちゃんに守られてるよ? カグヤちゃんが来てくれたのも、先日の響介さんも、せつなちゃんの想いを背負ってる。……私は二回も、せつなちゃんの意志に守られてる。……せつなちゃんは、やっぱり私の王子様だよ」

 が、ぐ、い、今言うべきことじゃないだろう……
 ほ、ほれ、みんなニヤニヤするな!

「へーほーふーん? そうか~なのはちゃんはロマンチストやなぁ~。……どう思いますか、すずかちゃん?」

「え? うん、いいよね、王子様。せつなちゃんが王子様……なのはちゃんいいな~?」

「く……な、何よ、なのは、結構恵まれてるじゃないのよ……」

「そうだね……なんか、なのはだけずるいよね……」

 なんか黒いオーラが漂ってきております。
 はっはっは……母さん引いてる引いてる。

「あーげふんげふん。……まあ、こっちじゃ助けられたけど、本編では見事に大怪我おってな? 下手したら、二度と空飛べない……魔導師生命が終わりそうな大怪我だったんだ。……まあ、結局は半年のリハビリで、無事現場に復帰したけど」

 こういうと、ホントなのはって凄いよな~。
 不屈のエースは伊達じゃない。

「……あ、それで、さっきのなのはの弱体化の話に戻るんだ」

 お、今度はフェイトか。
 鋭いぞ?

「そう、本編は結構強めの設定のなのはだけど、こっちのなのはは全体的に弱めだ。まあ、アニメみたく無理ばかりして疲労溜めてるってことはなかったけど、その状態で、同じ大怪我を負ったら……」

 たぶん、おそらく。
 きっと、なのはの翼は、もぎ取られ、空は飛べないだろう。

「そう思うと、俺、自分がしたこと、間違えたんじゃないかって、いつも考えるよ……もっと、やり方があったんじゃないかってな? ……まあ、後悔はしないつもりだけど、こればっかりはな……」

 これも、先を知ってるものの苦悩だ。
 知らなくても、後悔はするだろう。
 何であのときに、上手くできなかったんだろうと。
 ……考えても仕方ないけど。

「……せつな、本当にみんなの事を見てるのね……なのはさんの事も、はやてさんの事も。フェイトさんや、すずかさん、アリサさんの事も、しっかり見てる。……本当に、『友達』思いなのね?」

 何故友達に力を入れる?

「当然ですよ。俺の『嫁』達ですから」

 彼女たちからすれば、旦那様でも可。
 後、いちいち睨まんでください。女の子の方が好きなんじゃー。

「えっと次は……部隊立ち上げの件か。まあ、俺がいないからこれはなかったはずだよな~」

 当然、ミスリルがないから、テッサたちも参加できません。

「え!? てことは、オリハルコンは追加ファクターって訳?」

「むしろ、これは六……いや、はやてが立ち上げる予定だった部隊の代わり」

「はえ!? ……あ、せやな。せっちゃんおらんのやったら、部隊立ち上げるんあたししかおらんな」

 あぶね、六課言いかけた。
 
「しかも、立ち上げ時期かなり早めだしな。二年前から準備し始めてんだから」

 本編では、準備は来年からである。
 しかも、カリムの予言あってこその機動六課だから、予言なしではやてのコンセプトで作ろうと思えば、これくらいから準備しないと本編第一話に間に合わねえ。
 結構無茶しました。やばい橋も渡っております。
 ……裏事情全部ばらすと、なのは達に泣かれること請け合い。

「なお、はやてが部隊立ち上げとなったら、はやてが考えたメンバーどおりの部隊になってたけどな……流石に、平均年齢三〇歳以下の部隊なんて俺が認めねー」

「……確かに、若すぎるわね、それ……」

「え、えっと……ほ、ほら! ヴィータたちおるやん! 結構長生きやねんで?」

「アホかい! プログラムに年齢が適用されるか! ……現場たたき上げの、実力者がいない、新人だらけの部隊、よっぽどの事がないと立ち上げなんか無理だっつーの……」

「……じゃあ、ひょっとしてその部隊、試験運用が目的……?」

「え!? リンディさん、それって……試験運用だけしかしないってことですか!?」

 うぉう。ばれた。
 
「そうでないと、せつなの言ったとおり、上に通すことは難しいわ。……長期継続運用を見越さずに、試験運用のみに重点を置いた、育成オンリー……その、第三期コンセプト『魔法少女、育てます』にふさわしい部隊ってことね?」

「ビンゴ! 実質、その部隊は一年で解散します。……もったいない」

 そのために使われる運用資金の事も考えてやってください。
 予言対策のみに立ち上げられる部隊って、すげぇ金の無駄遣い~~。
 さらに、襲撃で部隊舎大破するわ、スタッフも怪我するは……うう、機動六課の台所事情見るのが怖い。
 アニメ本編事務員さん、乙です。

「まあ、そんな部隊をはやてが無理して立ち上げなくとも、早めの段階で核となるものを立ち上げて、それに随時好きな人材を組み込んでいくほうが、やりやすいって思いましたしね? ……まあ、ATなかったら、もっと遅くなりましたけど」

 ATデバイスも追加ファクターの一つ。
 あれなかったら、中将の協力もぎ取るのは難しかった。
 プレシアさんがいなかったらできなかったアイテムでもあるから、俺のやってきたことは、間違いではなかっただろう。
 うむうむ……まあ、ちょっと殺しかけたなんて、言えんよなぁ……接触当時。

「……せっちゃん、ほんまありがとな? あたし、まだまだ修行不足なんやなぁ……」

「かといって、俺もまだまだだしな? 高々十三、四年しか生きてないんだから、修行不足は当たり前……ベテラン様には勝てませんってね? ね? 母さん?」

「……そ、そうね……みんな、まだまだなんだから、これからも頑張りなさいね?」

「「「「「はい!」」」」」

「ち、うまくスルーしたか……」

 最初、予定していたメンバー表ははやてとほぼ同じだったリンディ母さんの激励でした。マル。

「後は、ちょっとしたフラグ回収か。未来に会う人で、トラウマ持ちや、過去に家族死んでるって人を助ける為にちょっと動いたくらいっスね」

「たとえば?」

 聞くなよすずか……まあいいけど。

「まずヴァイス兄貴。立て篭もり事件で妹人質とられて」

「あ、シグナム言いよったで? せっちゃんが犯人気絶させて無事救出された……ほんまは、無事やなかったんやな?」

「そう。ヴァイスさんが誤射して、妹さんの目を失明させてしまうんだ。それで、ヴァイスさんは武装隊から身を引くってイベントだったんだけど」

「あんたそんな細かいことまで手を出してるのね……」

 いや、

「兄貴には悪いけど、あれホントは棚ぼたなんだよな」

「ええ!? じゃ、じゃあ! 助ける気なかったの!?」

「いや、忘れてた。……そんな目で見んじゃない! 膨大なストーリー量とバックボーン全部覚えてられるか!」

 証拠に、ルールー取りこぼした。
 クイントさん生存に気をとられて、気がついたときにはルールーいないんでやんの。
 やっちまったー!

「次はティーダさんだな。……ティーダさんも本編開始時には、既に故人だった」

「確か、妹さんがいるのよね? じゃあ、その子のトラウマに?」

「そ。ティアナって言うんだけど、死んだ兄の意志を継ぐ為、管理局に入局……んで、はやての部隊に入隊って流れになる」

 これ以上は蛇足になるが、そのトラウマが、兄の魔法は役立たずじゃないってことを証明する事。
 ティーダさんも幻術使いだし、確かにうまく使えば一級の魔法だけど……幻術って、あくまでサポート魔法なんだよね。
 自分が決定的な一撃を生み出せるのならともかく、そうでないなら、仲間を連れて行くのが普通。
 だのに、一人で犯人追って、返り討ち喰らうのは当然っちゃ当然の結果なんだよなぁ。
 まあ、死んだ人間に悪く言う馬鹿も馬鹿だけど。

「……じゃあ、せつなちゃんは、その子とも合ったんだね? ……可愛いの?」

 何で黒オーラ発してますかすずかさん?
 触発して他の子も!?

「あ、ああ、まあ、可愛いぞ? ……そっだな。未来のツンデレ要員」

「「「「なるほど」」」」

「なんで納得すんのよ! そしてあたしを見るな!」

 おお、初代がお怒りじゃ。
 
「まあまあ、妹みたいなものだから、そんなに怒るな……実質、俺にはツン入らないし」

「あたしの頭を撫でながら言うな!」

「うーんナイスツンデレ。やっぱりアリサは可愛いなぁ」

「が! ぐ、ぐぅぅ……ふ、ふんだ!」

 ふふふふ。そっぽ向くその仕草がよいのだよ。
 やはりアリサはよいツンデレ。
 うちのアリサは世界一ぃぃぃぃぃぃ!!

「ふふ、アリサちゃん嬉しそう」

「さて、じゃあ次だ。ラストになるかな。エリオの件も変えた事になるな」

「エリオも……?」

 こっちではカグヤが救出して、母さんの息子になったエリオだが。

「本来なら、最初から最後までフェイトが全部やって、フェイトが保護監督者になるんだ。……だから、あの時お前と母さんでエリオに選択させたろ? ……まあ振られたけど」

「うう、私の弟になる予定だったんだね……せつなの意地悪」

「むしろ息子だ」

「未婚の母!? さらに未成年なのに!?」

「いやぁ~本編のあれは、さすがリンディさんの教育受けたほどはあるってくらいの溺愛っぷりだったが」

「あ、せつながいなかったら、フェイトさんが私の娘になるのよね……フェイトさんの方がよかったかも」

「泣くぞ! 泣いて押し倒すぞ!」

「押し倒さない! ほんとに鬼畜になって……まったく……」

 諦めろ、中身は男じゃ。
 話を元に戻して。

「まあ、俺のフォローもないから、実験は結構なところまで進んじゃって、エリオ一時期人間不信になるんだわ。それをなんとかするのがアニメのフェイトの役目。……そこを取っ払ってスムーズにフェイトに懐いてもらおうと動いたんだが……まさか、カグヤが動くとは思わんかった」

 しかも、ドクターの差し金。
 利権料の取り立てとはよく言う。
 要するに、嫌がらせじゃねぇか。
 『何、人の研究をつかっとんじゃゴラァ!』ばりに。
 
「で、エリオは無事に母さんの息子、俺の弟になりました、と。すまんフェイト。お前の母親フラグ一つ潰した」

「……い、いいよ。エリオが無事に助けられて、今、幸せに暮らせてるんだから……せつなのお陰だよ」

「や、しかし、こんなインチキ知識使って、フェイトの裏をかくような真似を……」

「気にしちゃ駄目。……エリオの事を思って、してくれたことだよね? なら、せつなは間違ってないよ」

 ……そ、か。間違ってないか……
 力強く、微笑みながらそう言ってくれたフェイトに、本当に感謝。
 くぅ。キャロちゃんはお前に預けるからなぁ……プレシアさんに影響されて、マッドになったらどうしよう。
 いやいや、キャロに限ってそんなことは……でもアリシア、プチマッドなんだよなぁ……

「……しかし、ホントあんた色んなことしてるわね。今後の予定で話せる事あるの?」

「ん~? ……まあ、大雑把な忠告だけ。来年前半は注意しといて。特にオリハルコン関係者。……ちょっとした災害一件起こるから、それを早期制圧したい。なのはとフェイトも、できればその時期は気をつけといて? もしかしたら頼むかもしれない」

「わかった。頑張るよ!」

「まかせて。……でも、その時期は、もう少し限定できないの?」

「すまん、前半だってことは分かるんだけど、詳しい日時まではちょっと……」

 本当はできる。
 おそらく、五月の連休時期。
 はやてのところに遊びに来るときだから……て、そのときはもうオリハルコンの部隊にいるのか、はやて。
 ……まあ、確実にその日ってわけじゃないから、出せる情報はここまでだな。

「……後はないかしら?」

「ないですね。俺が話せることは以上。……すまんな、みんな。俺のわがままで、お前らの運命、大分捻じ曲げた」

「いいよ。それで、せつなちゃんの力になれるんだから。ね? アリサちゃん」

「そうよ。本来なら、あたしたちはただの大学生でしょ? ……こっちの生活のほうが、よっぽど面白いわ」

「せっちゃんのおらん人生なんて、今のあたしには考えられんわ。……今更、謝らんといてぇな」

「私やはやてはせつなのお陰で、大切な人を失わずにすんだ……もう一度言うよ。せつなは間違ってない」

「うん。せつなちゃん。もう、せつなちゃんはこの世界に大切な一人だよ。……そして、私たちにも」

 ……はは。有り難いことで……
 この世界で頑張ってきて、本当によかった……
 ……まあ、感傷するには、まだ早いけどな。

「ありがとな、みんな」

 みんなに会えて、本当に、よかった。


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