<せつな> 二人を起こさないように、ベッドから這い出す。 物音立てずに着替え、携帯と財布とツヴァイを所持。 ……部屋から出て、台所へ。 あ、さすが母さん、もう起きてるし。「あらせつな? 夕べはさぞかしお楽しみ?」「だからなんでそんなネタ知ってんのさ異世界人……おはよう、母さん」「はいおはよう」「おはよう……フェイトに手はつけてないのね?」 ……うぁっとぅ!! いたのかプレシアママ!?「つけてません。……つか、持って帰ってくれ。流石にあんなんに絡まれたら、俺本気でどうにかなるぞ?」「……相変わらず淡白と言うか、つれないというか、ツンデレというか」「誰がツンデレか」「「あなた」」 な!? リンディさんまで! 「リンディさんから聞いたわよ? 貴方、記憶が曖昧らしいわね?」「まあ、ちょっとボケてますね……いや、かなりか?」 何をどうやったらあんなにフラグ立てられるのか、本気で分かりません。 何やったんだ俺。いや、本当に。「……貴方、フェイトのために、私を殴り飛ばしたのよ?」 ……いや、何やってんの俺?「子供の癖にね?『フェイトもあんたの娘だろ! 母親なら、娘を泣かせるなぁ!』ってね? ……そこにフェイトが飛び出してきて、お母さんを殴らないでって……うう、私のフェイト……」 ……おいおい。 泣き癖はあんたの遺伝かよ。 ……つうかな~~? アニメの知識じゃ、この人こんなに娘想いじゃなかったような……むしろ鬼婆? !? また殺気!?「……せつな? 話し合いが必要?」「……いや、何も考えてないですYO?」 考えることもできんのか!? まあ、今の彼女はかなり綺麗だけど…… いや、余計なこと考えるな。 リリカルの主要女性キャラは、年取っても綺麗なんだ。 恐るべしは都築の遺伝子!「……じゃあ、母さん。ちょっと出てくる」「あら? もう?」「ちょっと、ツヴァイを返しにいかないとな?」 ちなみに、まだ寝ておりますこのちびっ子。 胸ポケットで幸せそうに。「せつなさ~~~ん。もう食べられないです~~。むにゃむにゃ」 ……ベタ寝言はいいんだけど、何で俺に言うんだよ? <はやて>「ご馳走様……やぁ~~~~~」「……はやて、その、ツヴァイは……」「結局帰ってこんかったなぁ~~~~」 ううううう、あたしなにやっとんやろ。 あの後、家まで帰って、不貞寝して、気が付いたらツヴァイ落としたことに気づいて。 いつまでたっても帰ってこん…… まさか!? 大きいお友達に拾われて、あんなことやこんなことの十八禁!? そ、そんなんは駄目や! ツヴァイの大きなトラウマになってまう!「ツヴァイ~~~~~!! あたしが悪かった~~~~~~! 帰ってきて~~~~「ただいまーーーです!」きたーーー!!」 玄関先から聞こえる声に、あたしは全力で駆ける! そこには、元気に手を振るツヴァイと……「ああ、悪いな、はやて。ツヴァイこっちで泊まらせた」 せつなさんやぁぁぁぁ!!「ああええでええで? ツヴァイ、お帰り。でかしたで? ……後でちょっとお話しよな?」「な、何かはやてちゃんが怖いです!?」「はぁ、こらはやて?」 え? せ、せつなさんがなんか怒ってはる? あた! あ、でこピンされた。「お前、あの時ツヴァイ置いて行ったんだぞ? 呼び止めてるのに、振り向きもしないで……それでツヴァイにお話とは何事だ?」 そ、そんな! あたしの聞き間違いやったんか!?「あ、あの時のって……そうやったんか……ごめんな? ツヴァイ、馬鹿な主を許してな……」「はやてちゃん……許しますです。ツヴァイは、はやてちゃんを許しますですよ」「ツヴァイ~~~~!!」 なんてええ子なんや、ツヴァイ! ああ、こんな子と家族のあたしは、誇らしさで一杯や! 今日はツヴァイの好きな、オムライスで決定やね!「それに、せつなさんとお食事できたですし」 ……へ?「一緒にお風呂も入ったですし」 ……は、はい!?「せつなさんの胸で眠れたですし、いいことばっかりでしたです~~~」 ……ほう? そうなんか……「……はやて、その……うん、俺、縁側にいるから。終わったら声かけてな?」「気遣い感謝や。……じゃあツヴァイ?」「……は、はい?」「ちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉと、頭、冷やそか?」「で、ですぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」「はあ、ツヴァイは地雷踏みか……南無南無」 さて、縁側にいこか~。「……よ、汚されちゃったですぅ……」 あんたみたいな子、あたし知らん。 さって、せつなさ~ん……あう。「ふぅ!」「ぜ!」 ……庭先で、シグナムと模擬戦しよる…… ほんま、仲ええんやな~~~……あれ? なんかせつなさん……いつもより……動き鈍い?「はぁ!」「でぇぇぇ!?」 あ、綺麗に一本入った。 ……せつなさんの負けや。「……ふむ、本当に記憶が曖昧なのだな」「そうだって言ってるだろ、ニート侍……本気で殴りやがって……」 ああ、痛そうや。ほんま脳天に一撃したからな~。「せつなさん、お疲れ様や」「ああ、ありがとな……本当にシグナムだよなぁ……」 ? 何言うとるの?「せつなさんには、シグナムがヴィータに見えるん?」「それは無理があるだろ、驚異(胸囲)的に」「うまい!」 せつなさん絶好調や。 ……せやけど、な?「やっぱり、いつものせつなさんちゃうな~」「記憶ないから、当然だろ? ……あ、そうだ」 ん? なんや?「しばらく、ツヴァイ貸してくれないか?」 !? え、な、なんで!? ま、まさか! せつなさんが人形フェチに!「せ、せつなさん!? あかんよ!? 2.5次元は真っ当な恋愛できんのよ!?」「誰がフィギュアマニアか! ……犬避け猫避け、後、いざって時の自爆装置だ」 いぬ? ねこ? 自爆装置?「どういうことや?」「……実はな?」 少女(に)説明中「……と、言うわけ。さすがに、俺犯罪者になりたくないし、ツヴァイいると、俺がいろいろと癒され……あ、あの? はやてさん?」 ……あ、あたしのせつなさんに、恋人争奪御奉仕合戦~~~~~~!? ありえんで! せつなさんは、せつなさんは……「せつなさんはあたしの嫁やで! そんな犬猫に奪わせへん!」「いや、嫁って……シグナム? あれ、どうにかできんか?」「……記憶がないと言うのも、困り者だな。……私が言えることは一つだ。諦めろ」 ふふふふふ~~~~。そうやな、家に帰ったらそういう状況なら……「せつなさん? 今日はうちにおり。いつまでも泊めたるから」「……はやて? その、もう少し、欲望は隠そう。涎でてるから」 おおう。この後の素敵展開を考えたら……あかん、ここで押し倒してもてええやろ?「……シグナム、お前にしばかれて意識刈り取られるほうが、俺にとっては幸せなのかな? ……もう逃げられんような気がしてきた」「……まあ、逃げられんだろうが……お前の好きなようにしてみろ。私はもう知らん」 ふふふ。せつなさんと、食べさしあい、一緒にお風呂、そのまま同衾や~♪ 「ええい、しっかりしろ部隊長。ほれ、お前の好物を揉んで落ち着け!」「な! お、おい!」 おお!? これはシグナムの胸やな? 相変わらずええ揉み心地や~~~「せつな貴様!」「許可したのはお前だからな? まあ、見ててやるから。……しっかり自爆しろ」「ふふふ~。シグナム覚悟~!!」「いぃぃ!」 世にも珍しいシグナムの嬌声が流れております。 しばらくお待ちください。「……我に揉めぬ物なし」「とりあえず親分に全力で謝罪しろ。後、シグナム。乙」「……ふふ、もう嫁にいけん……」 大丈夫や、せつなさんを貰ったら、少しは分けたるからな? 一蓮托生やで?「……使いどころ違う思うな~?」 せつなさん結構きっついな。 地の文に突っ込まんといて。 <せつな> さて、はやてに俺の状況説明。後、アリサたちから仕入れた情報も公開。 ……はやての反応は?「……せやな。せつなさんのお得意の嘘やな?」 ……まあ、信用しないよな。「まあ、信じられんって言うなら、それでいいさ。……じゃあ、ツヴァイ借りてくからな?」 アリサたちと合流して、もう少し話の整理をしないと。「ちょい待ち。……せつなさんは今日はここおって」「……な、なぜに?」 また目が危ないぞ?「シャマル~? 久々の出番やで~~?」「は~~~い。……後一言余計です」「なんやて?」「いえ、なんでもありませんよ?」 ……と、奥から出てきたのは、金髪若奥様、泉の騎士シャマル。 おお~本物だ~。「じゃあ、今から、催眠術で」「いや、本気かよ!? クラールヴィント! そんな使われ方でいいのか!?」 五円玉代わりにされるクラールヴィント。 彼の心中は?『……主のためならば。致し方ない』 ……耐えて忍はまさに侍……! いや待て、騎士だろあんた!?「じゃあ、心を落ち着けて……貴方はだんだん眠くなる……」 ふふ。まあいいや。一寸だけつきあお…… あ、ホントに眠く……「……おお、ほんまにきいとるな……」「シャマル特製睡眠導入剤ですから……」 なんか不穏な発言聞こえたぞー?「じゃあ、聞きます。貴方のお名前は」 ん~~~? 永森刹那~~~「……ご職業は?」 フリーター?「……リリカルなのははご存知ですか?」 大好きです~~~「……はやてちゃんは好きですか?「ちょ、何聞いとるんや!?」 はやては俺の妻~~~~「……せ、せつなさん! いますぐけっこ「まあまあ。えっと、それで」 ―――――――――――検閲、削除「……? せつなさん? えっと、貴方の最後は、どんなかんじでしたか?」 最後? ……俺の、最後は……―――――――検閲、削除 ……最後は……――――――――リミットオーバー。 ブレイク。「……あ、れ?」 ……な、あんだ?「……せ、せつな……さん?」 何で、俺、はやてを、押し倒してんだ?「くぅ……あ、主……」 ? シグナム? 何でそんなボロボロ?「……き、気がつきやがったか……」 うゎ。ヴィータまで。ええ?「……わ、私、なんてことを……」 でぇ!? シャマルさん、服着て服! 半裸ですよ!?「はぁはぁ……はやて……無事だな……」 リインフォースまで……何がって……おいおい。 居間、かなり散乱して……嵐でもあったのか?「せ、せつなさぁん……」 ツヴァイ……俺、なにしたんだ?「お前は、いきなり凶暴化して、主に襲い掛かったんだ」 ザフィーラか……えっと、守護騎士全員、俺を止めようとして、それで……今の状況?「……す、すみません、せつなさん……どうも、意識の奥に、かなりのプロテクトが掛かってまして……」 そこを刺激されて……暴走? はは、マジか? どこの防衛ユニットだよ。俺自身が闇の書か?「せ、せつなさぁん……こ、こわかってぇん……」「はやて……すまん……あ、今どく」「せつなさん!」 いや、襲われてたのに抱きつくとか。「よかった……元に戻って、よかったぁ……」 ……はぁ。 おいおい、俺よ。 どうしてこんな子置いて、いきなりいなくなるかね。 俺に押し付けていくなよな…… で、プロテクト……か。 さて、台風一過の部屋を片付け(ほとんど俺がやらされた)再度、皆でお話。 結局のところ、俺の記憶は戻らず、その、永森刹那……まあ、前世の俺だな。それの情報もぜんぜん得られないと。「……すみません。お役に立つどころか、皆に迷惑を」「や、迷惑かけたの俺だから、シャマルさんは気にしなくていいと思うよ?」「……しかし、暴走時のお前は……強いな」「強すぎだ! 何だあのチート!? デバイスなしで魔法使うなよな!」「しかも、我々と同じベルカ式……いくら聖王の血筋でも、お前の術式は……」「あ、ひょっとして、ツヴァイがユニゾンしたからですか?」「「「「「はぁぁ!?」」」」」 ああ、確かに、そのとき、ベルカ式使えたけど……「今の状態じゃ、使えないんだけどな~」「いや、リンカーコアのほうに使い方が記憶されたんだろう。……ツヴァイとユニゾンしたことによってな?」「うううう~~~~あたしでさえまだユニゾンしたことないのに~~~~~」 あやや。そりゃすまんかった。 と、なるとだ?「リインともユニゾンできるのかな?」「……そうだな、そちらから調べてみよう」 リインとユニゾンして、意識下からではなく、精神内部から調べてもらう。 ……勿論、守護騎士には、はやての守護についてもらう。「……よし、行くぞ? ユニゾン・イン」 リインと重なる……ふむ。意識が拡張された感覚。 何でもできそうな万能感。 ツヴァイとユニゾンするより、やはり力の流れ具合が違う。 ……何しろ、―――――のオリジナル。俺との親和性も、バッチリだ。 ……まて? 一寸待て? 今、何を思い出した?『……ふむ。大体分かった』「そうか?」『ああ、ユニゾン・アウト』 ふっと、意識が元に戻る……今のは? ……駄目だ、もう、思い出せない。「……結論的に言うと、お前が記憶をなくしているのは、他者からの魔法の効果だな……その、すずか嬢の話は、間違いじゃないわけだ」 まあ、そうだろうな。「解除方法は?」「……まず、お前にかけられた鍵をはずすのが先決だ。五つあるうちの、二つがはずされていた」 すずかと、アリサの分だな。 じゃあ、後三つ。「その上で、お前の『大切なこと』を思い出せば……」 ……この世界から抜け出せるってわけか…… やれやれ、面倒な。 <なのは> ……せつなさんが戻ってこなぁい…… 起きたらもういませんでした……探しに行きたいけど……「……」 すれ違いになって、フェイトちゃんに先を越されるのを考えると、下手に動けません。 さっきから、せつなさんの部屋で、にらみ合いが続いてます。「……はぁ」 さっき、フェイトちゃんのお母さんが来て、お話してました。 ……せつなさんとの仲を、正式に認めるとか何とか…… そっちが勝手に認めても、私が許さないなの。「……そう言えば……」 せつなさんの部屋のパソコン。 ……ちょっとだけなら、いいかな?「? なのは?」「えへへ……ちょっとだけ……」 いつもせつなさん、どんなことしてるのかな~? 電源を入れて、立ち上げる…… ……あれ?「……この壁紙……」 よくよく見たら、私がアニメ絵で描かれている。 私と、その隣にフェイトちゃんっぽいのと、後知らない女の子。 ……えっと。「これ、私? せつな、こんな趣味が……」 いや、せつなさんに限ってそんな…… ……えっと、Dドライブの中身は…… ? ……『魔法少女・リリカルなのは・海の上の決闘(東方不敗)』? な、なに? もしかして、せつなさんの言ってた事は……本当? その動画ファイルを再生してみる。「……あ、私小さい」 小学生の頃かな? アニメ絵の私と、フェイトちゃんが、海の上で睨みあってる。 ……普通の人じゃ、このアニメは作れないよね……じゃあ、やっぱり、せつなさん、本当に…… あ! 戦いだした! 私たちが魔法を使って戦ってる。 ……ああ! 私捕まっちゃった! 魔法のリングで、動けない!【フォトンランサー・ファランクスシフト!】 ふぇ、フェイトちゃん酷い! 捕まった上に、あんな一杯攻撃を…… 思わず本人を睨んでしまいます。 ……フェイトちゃん自身は、唖然として見てますが……あ、攻撃終わって……私、無傷? あ、私の攻撃……て、あれぇ? 今度はフェイトちゃんが身動き取れなくなっちゃった……私の反撃だ。【これが私の、全力全開! スターライト! ブレイカーーーーーーー!!】 ……こ、これは酷い。 私のほうが、かなり酷い。……あう、後ろから刺すような視線がちくちくと…… ああ、フェイトちゃん墜ちて行っちゃった……「……なのは、酷いね」「にゃ、にゃぁぁぁ……」 反論の余地ないけど……でも、これでわかった。 「え、えっと、せつなさんの言ってた事は……」「本当だったってこと……だね……なのは、他のはあるの?」 えっと……あ、あった。 ……『リリカルなのは・H』……画像ファイル? えっと……にゃにゃにゃ!!「……わぁ……」「……」 フェイトちゃんが大変です。 え、えっと……こ、今度は私!? せ、せつなさん以外の人に……え、えと…… あうぅ。「……べ、別の、探そうか……」「……せつな、酷い……」 ……後ろで泣かないで欲しいなぁ~~~。 私も泣きたい。 えっとぉ……「あ、これかな……『リリカルなのはストライカーズ・第一話』?」 連作かな? とにかく、これを見てみることに。 ……あれ?「……ファイル、壊れてる……」 何度やっても、再生できません。 ……他のファイルも、『ストライカーズ』のタイトルの物は、全部壊れてました。 ……むぅ。「……人の居ぬ間に、パソコン弄るとは……いい度胸じゃないか? なのは、フェイト?」 !? せ、せつなさん!? ……声に振り向くと、何か疲れた顔をした、せつなさんがいました。 にゃ、にゃぁぁあ……ば、ばれちゃった……「……せつな……酷い……私、あんなこと……」「あ~……まさかと思うが、俺の……ああ、いや、あれはただの妄想だ。……いや、えっと……」 ……むぅ。せつなさん、男らしくないです。 フェイトちゃんの言うことはもっともです。「せつなさん。酷いです」「うぐ!? ……ま、まあ、その……ごめんなさい」 あ、土下座。 ……そ、そこまでされると、逆に罪悪感が……「……せつな? その、こんな絵なんかじゃなくて……」 ? フェイトちゃん?「わ、私で……私自身を、見て欲しい……」「ふぇ、フェイト?」 フェイトちゃん!? 脱ぎ始めた!? ……あ、ずっこい! そのまま誘惑する気だ!「せつなさん! 私も見て!」 負けないなの!「て、お前も脱ぎだすな!」「だって、私たちで、あんな……え、エッチなこと……したいんでしょ? なら、その、が、画像じゃなくて……」 とっても、恥ずかしいけど……「私達、本人で……して?」 大好きだから。「……気持ちは、ありがたいんだが」 ……「俺は、お前らの知ってる俺じゃない。……それなのに、俺がお前らに……そういうことするのは、なんか、違う」 ……せつなさんは、本当に、優しいなぁ…… せつなさん自身も顔を赤らめて、そっぽ向いてる。「……だ、だから、今は……」 ? あ、フェイトちゃんのあごに手を当てて……あ!? ……き、きききききき! キス!?「あ、え、あ……」「……ひひひど……え?」 こ、今度は私に、近寄って……あ、「せめて、目、瞑れ」 は、はい……!? ふ、はぁぁぁぁぁぁぁ!? キスってこんな……幸せなんだぁ……「……せつなさぁん……」 ……凄く、幸せ…… フェイトちゃんも、真っ赤になって……「今は、これで勘弁。……ふ、服、着なおしてくれると、嬉しい」 ……にゃぁぁっぁ! せつなさぁん! せつなさんに飛びついて、抱きつく。 フェイトちゃんも、考えることは同じみたい。 二人して、せつなさんに抱きつく。「……はぁ。本気で、猫と犬だな、お前ら……」 文句言いながら、頭撫でてくれる。 せつなさんは本当に、優しい…… ずっと、このままで居られたらなぁ…… 悲しいことなんて、いらないよ……「……はぁ。どうやって、こいつらの記憶、戻せばいいんだ……?」