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No.6790の一覧
[0] とことんリリカルを引っ掻き回してみた・リリカルオリ主多重クロス[4CZG4OGLX+BS](2009/07/18 18:33)
[1] 1.りーいんかーねいしょん[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:57)
[2] 2.海鳴の街の眠れない夜[4CZG4OGLX+BS](2009/03/13 12:54)
[3] 3.空飛ぶ魔法少女の不思議な毎日[4CZG4OGLX+BS](2009/02/25 19:15)
[4] 4.幸せは儚き少女の為に[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:22)
[5] 5.夜天の主は彼女なのか?[4CZG4OGLX+BS](2009/03/02 11:12)
[6] 6.オリエンタルスターフライト・前編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/06 17:21)
[7] 6.オリエンタルスターフライト・後編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/06 17:26)
[8] 7.スノーホワイトケージ[4CZG4OGLX+BS](2009/03/07 12:21)
[9] 8.悲しみは散り、夢は幻想に[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:58)
[10] 9.海鳴温泉館 一つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:32)
[11] 9.海鳴温泉館 二つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:35)
[12] 9.海鳴温泉館 三つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/03/13 12:56)
[13] 10.明治十七年の温泉アリス[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:36)
[14] 11.管理局が見ている[4CZG4OGLX+BS](2009/03/14 09:01)
[15] 12.星色マスターブレイカー[4CZG4OGLX+BS](2009/03/16 10:55)
[16] 13.Retrospective of Mid-childa[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:44)
[17] 14.サクリファイスドール[4CZG4OGLX+BS](2009/03/19 08:02)
[18] 15.夏色脇路[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:45)
[19] 16.ボーダーオブライフ[4CZG4OGLX+BS](2009/03/27 14:26)
[20] 17.ボーダーオブライン 前編[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:35)
[21] 17.ボーダーオブライン 中編(微グロ表現あり・選択肢あり)[4CZG4OGLX+BS](2009/03/28 22:42)
[22] ↑の選択肢解説特番。もしくは、作者のお遊び。[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 20:05)
[23] 17.ボーダーオブライン 後編 ライン……[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:18)
[24] L18.人間と機人の境界 前編[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:46)
[25] L18.人間と機人の境界 後編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/30 21:29)
[26] L19.インペリシャブルシューターガール[4CZG4OGLX+BS](2009/05/20 18:30)
[27] L20.人生遊戯 -ライフゲーム-[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:19)
[28] L21.空を飛ぶ不可思議な魔女[4CZG4OGLX+BS](2009/05/22 21:08)
[29] L22.ブレイジングシューティングスター[4CZG4OGLX+BS](2009/05/23 04:07)
[30] L23.プリズムコンチェルト ミッド編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 02:45)
[31] L23.プリズムコンチェルト 海鳴編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:19)
[32] L24.マジカルガールズウォー リリカルサイド+α[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:38)
[33] L24.マジカルガールズウォー オリジナルサイド[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 20:07)
[34] L25.新難題ロストロギア 出発編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/25 19:58)
[35] L25.新難題ロストロギア 一日目前半[4CZG4OGLX+BS](2009/05/25 20:07)
[36] L25.新難題ロストロギア 一日目中盤『アリサ』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:39)
[37] L25.新難題ロストロギア 一日目中盤『すずか』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/26 01:03)
[38] L25.新難題ロストロギア 一日目後半[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:59)
[39] L25.新難題ロストロギア 二日目朝~昼[4CZG4OGLX+BS](2009/05/26 19:43)
[40] L25.新難題ロストロギア 二日目昼~夕方『刹那』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/27 00:10)
[41] L25.新難題ロストロギア 二日目夕方~夜『はやて』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 19:34)
[42] L25.新難題ロストロギア 三日目前編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 19:44)
[43] L25.新難題ロストロギア 三日目後編『なのは』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 23:01)
[44] L25.新難題ロストロギア 四日目朝の風景[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 17:49)
[45] L25.新難題ロストロギア 四日目昼の風景『フェイト』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:40)
[46] L25.新難題ロストロギア 四日目夜の風景『最終試練・せつな』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 20:35)
[47] L25.新難題ロストロギア 五日目リザルト[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 23:24)
[48] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・表[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:01)
[49] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・裏[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:02)
[50] L25.新難題ロストロギア 五日目おまけ[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 19:35)
[51] L25.新難題ロストロギア 六日目後日談ミッド編[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:36)
[52] L25.新難題ロストロギア 六日目後日談海鳴編[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 23:44)
[53] L26.百万鬼夜行 夜の行軍[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:18)
[54] L26.百万鬼夜行 午前の任務[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 01:04)
[55] L26.百万鬼夜行 午後の策謀[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:36)
[56] 現在、更新が乱れております(謝罪と説明という名の言い訳)[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 19:14)
[57] L27.大魔導師の死 史実の死[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 01:15)
[58] L27.大魔導師の死 希望のための死[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:41)
[59] L28.トリップパラノイア アジトにて[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 22:46)
[60] L28.トリップパラノイア 外にて[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 22:47)
[61] L29.ミス・フォーチュンズホイール 曰く『地上本部の人攫い』[4CZG4OGLX+BS](2009/07/03 22:51)
[62] L29.ミス・フォーチュンズホイール 曰く『特務隊の銀狐』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/25 23:07)
[63] L29EX.シューティングスターレヴァリエ[4CZG4OGLX+BS](2009/06/25 23:05)
[64] L30.奇跡降臨の道しるべ[4CZG4OGLX+BS](2009/07/03 23:12)
[65] L31-1.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と雪の街[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:43)
[66] L31-2.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と新しい生活[4CZG4OGLX+BS](2009/07/18 18:37)
[67] L31-3.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と初登校の再会 前[4CZG4OGLX+BS](2009/07/21 12:04)
[68] L31-3.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と初登校の再会 後[4CZG4OGLX+BS](2009/07/21 12:16)
[69] L31-4.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と夜の学校[4CZG4OGLX+BS](2009/07/23 14:35)
[70] L31-5.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と迷子の子狐[4CZG4OGLX+BS](2009/07/25 10:28)
[71] L31-6.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと舞と素敵なお母さん[4CZG4OGLX+BS](2010/05/05 13:20)
[72] L31-6EX.彷徨える命題[4CZG4OGLX+BS](2010/05/12 18:04)
[73] L31-7.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなとなのはと休日のデート 前[4CZG4OGLX+BS](2010/05/12 18:13)
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[6790] L25.新難題ロストロギア 二日目朝~昼
Name: 4CZG4OGLX+BS◆2f25cb4b ID:9ee4ff7a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/05/26 19:43

 <せつな>

 二人を起こさないように、ベッドから這い出す。
 物音立てずに着替え、携帯と財布とツヴァイを所持。
 ……部屋から出て、台所へ。
 あ、さすが母さん、もう起きてるし。

「あらせつな? 夕べはさぞかしお楽しみ?」

「だからなんでそんなネタ知ってんのさ異世界人……おはよう、母さん」

「はいおはよう」

「おはよう……フェイトに手はつけてないのね?」

 ……うぁっとぅ!!
 いたのかプレシアママ!?

「つけてません。……つか、持って帰ってくれ。流石にあんなんに絡まれたら、俺本気でどうにかなるぞ?」

「……相変わらず淡白と言うか、つれないというか、ツンデレというか」

「誰がツンデレか」

「「あなた」」

 な!? リンディさんまで!
 
「リンディさんから聞いたわよ? 貴方、記憶が曖昧らしいわね?」

「まあ、ちょっとボケてますね……いや、かなりか?」

 何をどうやったらあんなにフラグ立てられるのか、本気で分かりません。
 何やったんだ俺。いや、本当に。

「……貴方、フェイトのために、私を殴り飛ばしたのよ?」

 ……いや、何やってんの俺?

「子供の癖にね?『フェイトもあんたの娘だろ! 母親なら、娘を泣かせるなぁ!』ってね? ……そこにフェイトが飛び出してきて、お母さんを殴らないでって……うう、私のフェイト……」

 ……おいおい。
 泣き癖はあんたの遺伝かよ。
 ……つうかな~~? アニメの知識じゃ、この人こんなに娘想いじゃなかったような……むしろ鬼婆?
 !? また殺気!?

「……せつな? 話し合いが必要?」

「……いや、何も考えてないですYO?」

 考えることもできんのか!?
 まあ、今の彼女はかなり綺麗だけど……
 いや、余計なこと考えるな。
 リリカルの主要女性キャラは、年取っても綺麗なんだ。
 恐るべしは都築の遺伝子!

「……じゃあ、母さん。ちょっと出てくる」

「あら? もう?」

「ちょっと、ツヴァイを返しにいかないとな?」

 ちなみに、まだ寝ておりますこのちびっ子。
 胸ポケットで幸せそうに。

「せつなさ~~~ん。もう食べられないです~~。むにゃむにゃ」

 ……ベタ寝言はいいんだけど、何で俺に言うんだよ?



 <はやて>

「ご馳走様……やぁ~~~~~」

「……はやて、その、ツヴァイは……」

「結局帰ってこんかったなぁ~~~~」

 ううううう、あたしなにやっとんやろ。
 あの後、家まで帰って、不貞寝して、気が付いたらツヴァイ落としたことに気づいて。
 いつまでたっても帰ってこん……
 まさか!? 大きいお友達に拾われて、あんなことやこんなことの十八禁!?
 そ、そんなんは駄目や!
 ツヴァイの大きなトラウマになってまう!

「ツヴァイ~~~~~!! あたしが悪かった~~~~~~! 帰ってきて~~~~「ただいまーーーです!」きたーーー!!」

 玄関先から聞こえる声に、あたしは全力で駆ける!
 そこには、元気に手を振るツヴァイと……

「ああ、悪いな、はやて。ツヴァイこっちで泊まらせた」

 せつなさんやぁぁぁぁ!!

「ああええでええで? ツヴァイ、お帰り。でかしたで? ……後でちょっとお話しよな?」

「な、何かはやてちゃんが怖いです!?」

「はぁ、こらはやて?」

 え? せ、せつなさんがなんか怒ってはる?
 あた! あ、でこピンされた。

「お前、あの時ツヴァイ置いて行ったんだぞ? 呼び止めてるのに、振り向きもしないで……それでツヴァイにお話とは何事だ?」

 そ、そんな! あたしの聞き間違いやったんか!?

「あ、あの時のって……そうやったんか……ごめんな? ツヴァイ、馬鹿な主を許してな……」

「はやてちゃん……許しますです。ツヴァイは、はやてちゃんを許しますですよ」

「ツヴァイ~~~~!!」

 なんてええ子なんや、ツヴァイ!
 ああ、こんな子と家族のあたしは、誇らしさで一杯や!
 今日はツヴァイの好きな、オムライスで決定やね!

「それに、せつなさんとお食事できたですし」

 ……へ?

「一緒にお風呂も入ったですし」

 ……は、はい!?

「せつなさんの胸で眠れたですし、いいことばっかりでしたです~~~」

 ……ほう? そうなんか……

「……はやて、その……うん、俺、縁側にいるから。終わったら声かけてな?」

「気遣い感謝や。……じゃあツヴァイ?」

「……は、はい?」

「ちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉと、頭、冷やそか?」

「で、ですぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」







「はあ、ツヴァイは地雷踏みか……南無南無」






 さて、縁側にいこか~。

「……よ、汚されちゃったですぅ……」

 あんたみたいな子、あたし知らん。
 さって、せつなさ~ん……あう。

「ふぅ!」

「ぜ!」

 ……庭先で、シグナムと模擬戦しよる……
 ほんま、仲ええんやな~~~……あれ? なんかせつなさん……いつもより……動き鈍い?

「はぁ!」

「でぇぇぇ!?」

 あ、綺麗に一本入った。
 ……せつなさんの負けや。

「……ふむ、本当に記憶が曖昧なのだな」

「そうだって言ってるだろ、ニート侍……本気で殴りやがって……」

 ああ、痛そうや。ほんま脳天に一撃したからな~。

「せつなさん、お疲れ様や」

「ああ、ありがとな……本当にシグナムだよなぁ……」

 ? 何言うとるの?

「せつなさんには、シグナムがヴィータに見えるん?」

「それは無理があるだろ、驚異(胸囲)的に」

「うまい!」

 せつなさん絶好調や。
 ……せやけど、な?

「やっぱり、いつものせつなさんちゃうな~」

「記憶ないから、当然だろ? ……あ、そうだ」

 ん? なんや?

「しばらく、ツヴァイ貸してくれないか?」

 !? え、な、なんで!?
 ま、まさか! せつなさんが人形フェチに!

「せ、せつなさん!? あかんよ!? 2.5次元は真っ当な恋愛できんのよ!?」

「誰がフィギュアマニアか! ……犬避け猫避け、後、いざって時の自爆装置だ」

 いぬ? ねこ?
 自爆装置?

「どういうことや?」

「……実はな?」




 少女(に)説明中



「……と、言うわけ。さすがに、俺犯罪者になりたくないし、ツヴァイいると、俺がいろいろと癒され……あ、あの? はやてさん?」

 ……あ、あたしのせつなさんに、恋人争奪御奉仕合戦~~~~~~!?
 ありえんで!
 せつなさんは、せつなさんは……

「せつなさんはあたしの嫁やで! そんな犬猫に奪わせへん!」

「いや、嫁って……シグナム? あれ、どうにかできんか?」

「……記憶がないと言うのも、困り者だな。……私が言えることは一つだ。諦めろ」

 ふふふふふ~~~~。そうやな、家に帰ったらそういう状況なら……

「せつなさん? 今日はうちにおり。いつまでも泊めたるから」

「……はやて? その、もう少し、欲望は隠そう。涎でてるから」

 おおう。この後の素敵展開を考えたら……あかん、ここで押し倒してもてええやろ?

「……シグナム、お前にしばかれて意識刈り取られるほうが、俺にとっては幸せなのかな? ……もう逃げられんような気がしてきた」

「……まあ、逃げられんだろうが……お前の好きなようにしてみろ。私はもう知らん」

 ふふふ。せつなさんと、食べさしあい、一緒にお風呂、そのまま同衾や~♪
 
「ええい、しっかりしろ部隊長。ほれ、お前の好物を揉んで落ち着け!」

「な! お、おい!」

 おお!? これはシグナムの胸やな?
 相変わらずええ揉み心地や~~~

「せつな貴様!」

「許可したのはお前だからな? まあ、見ててやるから。……しっかり自爆しろ」

「ふふふ~。シグナム覚悟~!!」

「いぃぃ!」




 世にも珍しいシグナムの嬌声が流れております。
 しばらくお待ちください。




「……我に揉めぬ物なし」

「とりあえず親分に全力で謝罪しろ。後、シグナム。乙」

「……ふふ、もう嫁にいけん……」

 大丈夫や、せつなさんを貰ったら、少しは分けたるからな?
 一蓮托生やで?

「……使いどころ違う思うな~?」

 せつなさん結構きっついな。
 地の文に突っ込まんといて。


 




 <せつな>

 さて、はやてに俺の状況説明。後、アリサたちから仕入れた情報も公開。
 ……はやての反応は?

「……せやな。せつなさんのお得意の嘘やな?」

 ……まあ、信用しないよな。

「まあ、信じられんって言うなら、それでいいさ。……じゃあ、ツヴァイ借りてくからな?」

 アリサたちと合流して、もう少し話の整理をしないと。

「ちょい待ち。……せつなさんは今日はここおって」

「……な、なぜに?」

 また目が危ないぞ?

「シャマル~? 久々の出番やで~~?」

「は~~~い。……後一言余計です」

「なんやて?」

「いえ、なんでもありませんよ?」

 ……と、奥から出てきたのは、金髪若奥様、泉の騎士シャマル。
 おお~本物だ~。

「じゃあ、今から、催眠術で」

「いや、本気かよ!? クラールヴィント! そんな使われ方でいいのか!?」

 五円玉代わりにされるクラールヴィント。
 彼の心中は?

『……主のためならば。致し方ない』

 ……耐えて忍はまさに侍……!
 いや待て、騎士だろあんた!?

「じゃあ、心を落ち着けて……貴方はだんだん眠くなる……」

 ふふ。まあいいや。一寸だけつきあお……

 あ、ホントに眠く……


「……おお、ほんまにきいとるな……」


「シャマル特製睡眠導入剤ですから……」

 なんか不穏な発言聞こえたぞー?


「じゃあ、聞きます。貴方のお名前は」




 ん~~~? 永森刹那~~~



「……ご職業は?」



 フリーター?




「……リリカルなのははご存知ですか?」




 大好きです~~~




「……はやてちゃんは好きですか?「ちょ、何聞いとるんや!?」




 はやては俺の妻~~~~



「……せ、せつなさん! いますぐけっこ「まあまあ。えっと、それで」







 ―――――――――――検閲、削除





「……? せつなさん? えっと、貴方の最後は、どんなかんじでしたか?」







 最後? ……俺の、最後は……―――――――検閲、削除





 ……最後は……――――――――リミットオーバー。










 ブレイク。












「……あ、れ?」


 ……な、あんだ?


「……せ、せつな……さん?」

 何で、俺、はやてを、押し倒してんだ?

「くぅ……あ、主……」

 ? シグナム? 何でそんなボロボロ?

「……き、気がつきやがったか……」

 うゎ。ヴィータまで。ええ?

「……わ、私、なんてことを……」

 でぇ!? シャマルさん、服着て服!
 半裸ですよ!?

「はぁはぁ……はやて……無事だな……」

 リインフォースまで……何がって……おいおい。
 居間、かなり散乱して……嵐でもあったのか?

「せ、せつなさぁん……」

 ツヴァイ……俺、なにしたんだ?

「お前は、いきなり凶暴化して、主に襲い掛かったんだ」

 ザフィーラか……えっと、守護騎士全員、俺を止めようとして、それで……今の状況?

「……す、すみません、せつなさん……どうも、意識の奥に、かなりのプロテクトが掛かってまして……」

 そこを刺激されて……暴走? はは、マジか?
 どこの防衛ユニットだよ。俺自身が闇の書か?

「せ、せつなさぁん……こ、こわかってぇん……」

「はやて……すまん……あ、今どく」

「せつなさん!」

 いや、襲われてたのに抱きつくとか。

「よかった……元に戻って、よかったぁ……」

 ……はぁ。
 おいおい、俺よ。
 どうしてこんな子置いて、いきなりいなくなるかね。
 俺に押し付けていくなよな……
 で、プロテクト……か。




 さて、台風一過の部屋を片付け(ほとんど俺がやらされた)再度、皆でお話。
 結局のところ、俺の記憶は戻らず、その、永森刹那……まあ、前世の俺だな。それの情報もぜんぜん得られないと。

「……すみません。お役に立つどころか、皆に迷惑を」

「や、迷惑かけたの俺だから、シャマルさんは気にしなくていいと思うよ?」

「……しかし、暴走時のお前は……強いな」

「強すぎだ! 何だあのチート!? デバイスなしで魔法使うなよな!」

「しかも、我々と同じベルカ式……いくら聖王の血筋でも、お前の術式は……」

「あ、ひょっとして、ツヴァイがユニゾンしたからですか?」

「「「「「はぁぁ!?」」」」」

 ああ、確かに、そのとき、ベルカ式使えたけど……

「今の状態じゃ、使えないんだけどな~」

「いや、リンカーコアのほうに使い方が記憶されたんだろう。……ツヴァイとユニゾンしたことによってな?」

「うううう~~~~あたしでさえまだユニゾンしたことないのに~~~~~」

 あやや。そりゃすまんかった。
 と、なるとだ?

「リインともユニゾンできるのかな?」

「……そうだな、そちらから調べてみよう」

 リインとユニゾンして、意識下からではなく、精神内部から調べてもらう。
 ……勿論、守護騎士には、はやての守護についてもらう。

「……よし、行くぞ? ユニゾン・イン」

 リインと重なる……ふむ。意識が拡張された感覚。
 何でもできそうな万能感。
 ツヴァイとユニゾンするより、やはり力の流れ具合が違う。

 ……何しろ、―――――のオリジナル。俺との親和性も、バッチリだ。

 ……まて? 一寸待て?
 今、何を思い出した?

『……ふむ。大体分かった』

「そうか?」

『ああ、ユニゾン・アウト』

 ふっと、意識が元に戻る……今のは?
 ……駄目だ、もう、思い出せない。

「……結論的に言うと、お前が記憶をなくしているのは、他者からの魔法の効果だな……その、すずか嬢の話は、間違いじゃないわけだ」

 まあ、そうだろうな。

「解除方法は?」

「……まず、お前にかけられた鍵をはずすのが先決だ。五つあるうちの、二つがはずされていた」

 すずかと、アリサの分だな。
 じゃあ、後三つ。

「その上で、お前の『大切なこと』を思い出せば……」

 ……この世界から抜け出せるってわけか……
 やれやれ、面倒な。
 


 




 <なのは>

 ……せつなさんが戻ってこなぁい……
 起きたらもういませんでした……探しに行きたいけど……

「……」

 すれ違いになって、フェイトちゃんに先を越されるのを考えると、下手に動けません。
 さっきから、せつなさんの部屋で、にらみ合いが続いてます。

「……はぁ」

 さっき、フェイトちゃんのお母さんが来て、お話してました。
 ……せつなさんとの仲を、正式に認めるとか何とか……
 そっちが勝手に認めても、私が許さないなの。

「……そう言えば……」

 せつなさんの部屋のパソコン。
 ……ちょっとだけなら、いいかな?

「? なのは?」

「えへへ……ちょっとだけ……」

 いつもせつなさん、どんなことしてるのかな~?
 電源を入れて、立ち上げる……
 ……あれ?

「……この壁紙……」

 よくよく見たら、私がアニメ絵で描かれている。
 私と、その隣にフェイトちゃんっぽいのと、後知らない女の子。
 ……えっと。

「これ、私? せつな、こんな趣味が……」

 いや、せつなさんに限ってそんな……
 ……えっと、Dドライブの中身は……
 ? ……『魔法少女・リリカルなのは・海の上の決闘(東方不敗)』?
 な、なに? もしかして、せつなさんの言ってた事は……本当?
 その動画ファイルを再生してみる。

「……あ、私小さい」

 小学生の頃かな? アニメ絵の私と、フェイトちゃんが、海の上で睨みあってる。
 ……普通の人じゃ、このアニメは作れないよね……じゃあ、やっぱり、せつなさん、本当に……
 あ! 戦いだした!
 私たちが魔法を使って戦ってる。
 ……ああ! 私捕まっちゃった! 魔法のリングで、動けない!

【フォトンランサー・ファランクスシフト!】

 ふぇ、フェイトちゃん酷い! 捕まった上に、あんな一杯攻撃を……
 思わず本人を睨んでしまいます。
 ……フェイトちゃん自身は、唖然として見てますが……あ、攻撃終わって……私、無傷?
 あ、私の攻撃……て、あれぇ?
 今度はフェイトちゃんが身動き取れなくなっちゃった……私の反撃だ。

【これが私の、全力全開! スターライト! ブレイカーーーーーーー!!】

 ……こ、これは酷い。
 私のほうが、かなり酷い。……あう、後ろから刺すような視線がちくちくと……
 ああ、フェイトちゃん墜ちて行っちゃった……

「……なのは、酷いね」

「にゃ、にゃぁぁぁ……」

 反論の余地ないけど……でも、これでわかった。
 
「え、えっと、せつなさんの言ってた事は……」

「本当だったってこと……だね……なのは、他のはあるの?」

 えっと……あ、あった。
 ……『リリカルなのは・H』……画像ファイル?
 えっと……にゃにゃにゃ!!

「……わぁ……」

「……」

 フェイトちゃんが大変です。
 え、えっと……こ、今度は私!?
 せ、せつなさん以外の人に……え、えと……
 あうぅ。

「……べ、別の、探そうか……」

「……せつな、酷い……」

 ……後ろで泣かないで欲しいなぁ~~~。
 私も泣きたい。
 えっとぉ……

「あ、これかな……『リリカルなのはストライカーズ・第一話』?」

 連作かな? とにかく、これを見てみることに。
 ……あれ?

「……ファイル、壊れてる……」

 何度やっても、再生できません。
 ……他のファイルも、『ストライカーズ』のタイトルの物は、全部壊れてました。
 ……むぅ。

「……人の居ぬ間に、パソコン弄るとは……いい度胸じゃないか? なのは、フェイト?」

 !? せ、せつなさん!?
 ……声に振り向くと、何か疲れた顔をした、せつなさんがいました。
 にゃ、にゃぁぁあ……ば、ばれちゃった……

「……せつな……酷い……私、あんなこと……」

「あ~……まさかと思うが、俺の……ああ、いや、あれはただの妄想だ。……いや、えっと……」

 ……むぅ。せつなさん、男らしくないです。
 フェイトちゃんの言うことはもっともです。

「せつなさん。酷いです」

「うぐ!? ……ま、まあ、その……ごめんなさい」

 あ、土下座。
 ……そ、そこまでされると、逆に罪悪感が……

「……せつな? その、こんな絵なんかじゃなくて……」

 ? フェイトちゃん?

「わ、私で……私自身を、見て欲しい……」

「ふぇ、フェイト?」

 フェイトちゃん!? 脱ぎ始めた!?
 ……あ、ずっこい! そのまま誘惑する気だ!

「せつなさん! 私も見て!」

 負けないなの!

「て、お前も脱ぎだすな!」

「だって、私たちで、あんな……え、エッチなこと……したいんでしょ? なら、その、が、画像じゃなくて……」

 とっても、恥ずかしいけど……

「私達、本人で……して?」

 大好きだから。

「……気持ちは、ありがたいんだが」

 ……

「俺は、お前らの知ってる俺じゃない。……それなのに、俺がお前らに……そういうことするのは、なんか、違う」

 ……せつなさんは、本当に、優しいなぁ……
 せつなさん自身も顔を赤らめて、そっぽ向いてる。

「……だ、だから、今は……」

 ? あ、フェイトちゃんのあごに手を当てて……あ!?
 ……き、きききききき! キス!?

「あ、え、あ……」

「……ひひひど……え?」

 こ、今度は私に、近寄って……あ、

「せめて、目、瞑れ」

 は、はい……!?
 ふ、はぁぁぁぁぁぁぁ!?
 キスってこんな……幸せなんだぁ……

「……せつなさぁん……」

 ……凄く、幸せ……
 フェイトちゃんも、真っ赤になって……

「今は、これで勘弁。……ふ、服、着なおしてくれると、嬉しい」

 ……にゃぁぁっぁ!
 せつなさぁん!
 せつなさんに飛びついて、抱きつく。
 フェイトちゃんも、考えることは同じみたい。
 二人して、せつなさんに抱きつく。

「……はぁ。本気で、猫と犬だな、お前ら……」

 文句言いながら、頭撫でてくれる。
 せつなさんは本当に、優しい……
 ずっと、このままで居られたらなぁ……
 
 悲しいことなんて、いらないよ……



「……はぁ。どうやって、こいつらの記憶、戻せばいいんだ……?」



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