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No.6790の一覧
[0] とことんリリカルを引っ掻き回してみた・リリカルオリ主多重クロス[4CZG4OGLX+BS](2009/07/18 18:33)
[1] 1.りーいんかーねいしょん[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:57)
[2] 2.海鳴の街の眠れない夜[4CZG4OGLX+BS](2009/03/13 12:54)
[3] 3.空飛ぶ魔法少女の不思議な毎日[4CZG4OGLX+BS](2009/02/25 19:15)
[4] 4.幸せは儚き少女の為に[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:22)
[5] 5.夜天の主は彼女なのか?[4CZG4OGLX+BS](2009/03/02 11:12)
[6] 6.オリエンタルスターフライト・前編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/06 17:21)
[7] 6.オリエンタルスターフライト・後編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/06 17:26)
[8] 7.スノーホワイトケージ[4CZG4OGLX+BS](2009/03/07 12:21)
[9] 8.悲しみは散り、夢は幻想に[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:58)
[10] 9.海鳴温泉館 一つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:32)
[11] 9.海鳴温泉館 二つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:35)
[12] 9.海鳴温泉館 三つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/03/13 12:56)
[13] 10.明治十七年の温泉アリス[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:36)
[14] 11.管理局が見ている[4CZG4OGLX+BS](2009/03/14 09:01)
[15] 12.星色マスターブレイカー[4CZG4OGLX+BS](2009/03/16 10:55)
[16] 13.Retrospective of Mid-childa[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:44)
[17] 14.サクリファイスドール[4CZG4OGLX+BS](2009/03/19 08:02)
[18] 15.夏色脇路[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:45)
[19] 16.ボーダーオブライフ[4CZG4OGLX+BS](2009/03/27 14:26)
[20] 17.ボーダーオブライン 前編[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:35)
[21] 17.ボーダーオブライン 中編(微グロ表現あり・選択肢あり)[4CZG4OGLX+BS](2009/03/28 22:42)
[22] ↑の選択肢解説特番。もしくは、作者のお遊び。[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 20:05)
[23] 17.ボーダーオブライン 後編 ライン……[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:18)
[24] L18.人間と機人の境界 前編[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:46)
[25] L18.人間と機人の境界 後編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/30 21:29)
[26] L19.インペリシャブルシューターガール[4CZG4OGLX+BS](2009/05/20 18:30)
[27] L20.人生遊戯 -ライフゲーム-[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:19)
[28] L21.空を飛ぶ不可思議な魔女[4CZG4OGLX+BS](2009/05/22 21:08)
[29] L22.ブレイジングシューティングスター[4CZG4OGLX+BS](2009/05/23 04:07)
[30] L23.プリズムコンチェルト ミッド編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 02:45)
[31] L23.プリズムコンチェルト 海鳴編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:19)
[32] L24.マジカルガールズウォー リリカルサイド+α[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:38)
[33] L24.マジカルガールズウォー オリジナルサイド[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 20:07)
[34] L25.新難題ロストロギア 出発編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/25 19:58)
[35] L25.新難題ロストロギア 一日目前半[4CZG4OGLX+BS](2009/05/25 20:07)
[36] L25.新難題ロストロギア 一日目中盤『アリサ』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:39)
[37] L25.新難題ロストロギア 一日目中盤『すずか』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/26 01:03)
[38] L25.新難題ロストロギア 一日目後半[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:59)
[39] L25.新難題ロストロギア 二日目朝~昼[4CZG4OGLX+BS](2009/05/26 19:43)
[40] L25.新難題ロストロギア 二日目昼~夕方『刹那』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/27 00:10)
[41] L25.新難題ロストロギア 二日目夕方~夜『はやて』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 19:34)
[42] L25.新難題ロストロギア 三日目前編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 19:44)
[43] L25.新難題ロストロギア 三日目後編『なのは』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 23:01)
[44] L25.新難題ロストロギア 四日目朝の風景[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 17:49)
[45] L25.新難題ロストロギア 四日目昼の風景『フェイト』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:40)
[46] L25.新難題ロストロギア 四日目夜の風景『最終試練・せつな』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 20:35)
[47] L25.新難題ロストロギア 五日目リザルト[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 23:24)
[48] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・表[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:01)
[49] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・裏[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:02)
[50] L25.新難題ロストロギア 五日目おまけ[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 19:35)
[51] L25.新難題ロストロギア 六日目後日談ミッド編[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:36)
[52] L25.新難題ロストロギア 六日目後日談海鳴編[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 23:44)
[53] L26.百万鬼夜行 夜の行軍[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:18)
[54] L26.百万鬼夜行 午前の任務[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 01:04)
[55] L26.百万鬼夜行 午後の策謀[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:36)
[56] 現在、更新が乱れております(謝罪と説明という名の言い訳)[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 19:14)
[57] L27.大魔導師の死 史実の死[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 01:15)
[58] L27.大魔導師の死 希望のための死[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:41)
[59] L28.トリップパラノイア アジトにて[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 22:46)
[60] L28.トリップパラノイア 外にて[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 22:47)
[61] L29.ミス・フォーチュンズホイール 曰く『地上本部の人攫い』[4CZG4OGLX+BS](2009/07/03 22:51)
[62] L29.ミス・フォーチュンズホイール 曰く『特務隊の銀狐』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/25 23:07)
[63] L29EX.シューティングスターレヴァリエ[4CZG4OGLX+BS](2009/06/25 23:05)
[64] L30.奇跡降臨の道しるべ[4CZG4OGLX+BS](2009/07/03 23:12)
[65] L31-1.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と雪の街[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:43)
[66] L31-2.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と新しい生活[4CZG4OGLX+BS](2009/07/18 18:37)
[67] L31-3.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と初登校の再会 前[4CZG4OGLX+BS](2009/07/21 12:04)
[68] L31-3.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と初登校の再会 後[4CZG4OGLX+BS](2009/07/21 12:16)
[69] L31-4.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と夜の学校[4CZG4OGLX+BS](2009/07/23 14:35)
[70] L31-5.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と迷子の子狐[4CZG4OGLX+BS](2009/07/25 10:28)
[71] L31-6.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと舞と素敵なお母さん[4CZG4OGLX+BS](2010/05/05 13:20)
[72] L31-6EX.彷徨える命題[4CZG4OGLX+BS](2010/05/12 18:04)
[73] L31-7.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなとなのはと休日のデート 前[4CZG4OGLX+BS](2010/05/12 18:13)
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[6790] L24.マジカルガールズウォー オリジナルサイド
Name: 4CZG4OGLX+BS◆7c404254 ID:9ee4ff7a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/05/24 20:07
 <せつな>

 ……さて、一年ほど早い合同任務が無事終了し、カグヤが帰って、宴もお開き。
 俺も帰ろうかと思ってたら……なのはとフェイトに拉致られた。

「……せつなちゃん。ちょっとお話に付き合ってもらうの」

「せつな、無駄な抵抗はしないでね?」

 うわはーい、二人とも物騒ですよ?
 はやて……は、もう守護騎士連れて帰還した。
 すずか……は、打ち上げの後始末。
 アリサ……は、今日はミッドのほうにお泊り。アギトのデバイス登録があるらしい。
 ……ユーノもみっしーと帰っちゃったし、母さんエリオ連れて帰った。
 兄さん……今日の報告書作成か、く、もう防衛線がねぇ。

「……はいはい。しょうがない。とりあえず、ここにいてもあれだから、場所変えようぜ?」

 流石に、アースラに居座るわけにもいくまい。
 二人を連れて、クラナガン中央の秘密の士官バーへ。
 ……まあ、よく情報とか集めたり、裏取引とかに使う店だから顔パスだ。
 マスターは……まあ、元管理局の人。
 
「……せ、せつな? 私たち未成年……」

「大丈夫。酒は出さないように頼んであるから」

 マスターは元執務官なので、そこはかなり厳しいのです。
 お酒は二十歳になってから。
 俺の指定席の奥のテーブルに陣取る。
 結界魔法の応用が仕掛けてあって、防音&隠蔽の結界が敷かれる。
 ……一応、これは認可済みだ。

「……どうぞ」

 マスターが結界を越えて、飲み物を置いてくれる。
 三つともカルーアミルク、ノンアルコール。

「さて……何から聞きたい?」

 最近二人とちゃんと話してないからな。
 聞きたいこと沢山あるだろう。
 最初に口を開いたのは、フェイト。

「……せつな。私たちに隠してること、どれくらいあるの?」

 ……あれ、とあれと……あれもか。
 真剣に聞いてくるフェイトには悪いが、

「沢山」
 
 としか言えん。
 ばらすとヤバげなことばかりあるんだもん。
 話せることも沢山あるけど。

「まあ、二人に隠してることは、二つ三つぐらいかな? ……はやては知ってたり、アリサやすずかが知ってることもあるし」

 うーん、二人には悪いけど、この二人結構おしゃべり。
 二人にばらすと、いつの間にかいろんな人に伝わってる場合がある。
 そこらへんは少し自重して欲しい。

「……私たち、せつなちゃんの重荷になってるのかな……」

「いや、それは……ないぞ? ただ、話せないだけで」

 周り……特に、リンディさんあたりにばれるとヤバげなこともあるんだ、勘弁してくれ。
 ……地上で少し動きすぎたかな? やばいネタが増えてしまった。
 しばらく自重しよう。

「じゃあ、もう少し、私たちにも頼って欲しい……私も、できる限りの力になる。……ミナセ提督に口利いてくれたのも、せつなだって聞いて、私、せつなにしてもらってばかりだから……何か、お返しがしたいよ」

「そうだよ。せつなちゃん、私たちにいろいろしてくれるけど、お返し、全然できてない……そんなの、やだよ?」

 ……まあ、昔からの付き合いだしなぁ……
 
「うーん。フェイトは結構頼ってると思うけど? こないだのエリオの件とか」

「あれは、ほとんどせつなの後詰めだよ。……私一人じゃ、あんなに早く突き止められなかったし……」

 あれま。フェイトも前から動いてたのか。
 ……うーん、なのはは武装隊だから、俺から頼むってのないし……
 結局は。

「仕事で二人に頼める接点が少ないんだよなぁ。俺の仕事。……見事に陰謀ばっかりだし」

「せつな? もしかして、犯罪犯してるんじゃ!?」

「ないない。それはない」

 すれすれだけど。

「……そだな。ネタ晴らしは必要かな?」

 もう少し粘りたかったけど、まあいいや。

「……話してくれるの?」

「話せることだけな? ……二人とも、最近はやてがいろいろ動いてたのは知ってるだろ?」

 自分の部隊設立の根回し……俺から見たら、もどきにしか見えんけど。

「うん。はやてちゃん、自分の部隊持ちたいって、いろいろ調べたり、相談したりしてたから」

「私も、相談に乗ったりしてたし……最近、のんびりしてるけど、目処立ったのかな?」

 いんや、しばらく諦めさせてるだけです。

「目処立つどころか、しばらく修行しろってこき下ろしたからな。……俺が」

「……せつなちゃん。それ酷い。はやてちゃん、せつなちゃんと一緒に仕事したいって、それで」

「ああ、分かってる。……まあ、落ち着いて聞け」

 ふふふ、防音結界張っててよかった。
 ぜってぇ叫ぶから、この二人。

「実はな? ……その部隊、もう用意してある」

「……え?」

「……用意って……」

 ? あれ? 理解できてない?

「うん、はやての理想の部隊。俺が既に準備済みだ」

「「ええええええええええええええええ!!」」

 うは。やっぱり。

「ほれ、メンバー表……て、紙持ってきてないな。パラディン。データ表示」

【はい。マスター……最近こんな役ばっかりです】

 勘弁しろ、現場出てないんだから。
 で、今日までの組織図を映す。既に了解取ったので、はやてとリインズも組み込み済み。

「……うわ~。凄いメンバー……あ、アリサちゃんにすずかちゃんも入ってる」

「これ、全部決定済みなの?」

「おう。こないだはやて勧誘して、了解も貰った。……まあ、しばらくここで修行してもらうつもり」

 まだまだ部隊の頭は張らせられね。しばらく支援隊の隊長で我慢して欲しい。

「ああ!! ぜ、ゼンガーさん入ってる! レーツェルさんまで!」

「なのは? 知り合い?」

「教導隊の人だよ! 私、近接戦闘講義でお世話になったし、レーツェルさんに頼まれて、レシピ買って来たりしたから覚えてるもん!」

「おお、そういや、そんなことも言ってたな。いや、お前にばれずにスカウトするのは骨だったぞ?」

「せつなちゃん酷い! レーツェルさんのご飯おいしかったのに!」

「いや、そっちかよ」

 せめて、親分のほうを惜しがってくれ。泣くぞ親分……想像できんけど。

「まあ、お前らに黙っててすまないな。今年はほとんど人集めや練兵。連携訓練とか、各部署からの依頼だけしかこなせない準備期間だから、正式稼動してから教えたかったんだ」

 結果が出ないと、保有枠も広がらないしね。
 今年中に二人を入れることは無理だわ。
 勘弁してくれ。

「……う、うん。それはわかったよ。……でもね、せつな?」

 あ、気づいたな? 
 ……気づくよなぁ。この人達とも付き合い長いし。

「前線部隊、ほとんど非魔導師だよ? ……どうするの?」

 ……話してもいいけど……よし、話すか。
 こいつら経由でばれたら、俺の首飛ばせばいいだけだし。
 そうなったらはやてに後任せよ。
 テッサもサポートしてくれるから、大丈夫だよな?

「……まあ、特秘事項として聞いてくれ。……あ、一応聞いておくけど、特秘研修は受けてるよな? 当然だろうけど」

 管理局に入って、すぐに教わる必須研修だ。
 どこの会社でも行われる項目だから、受けてないなんて言わないだろう。
 ……そう言えば、アニメのほうのスバル、ロストロギア知らんかったな……いやいや、こいつらに限ってそれは

「……なんだっけ?」

「な、なのは? 訓練校の初日に受けたの忘れたの?」

「……あ、うん、受けたよ?」

 信用できねぇぇぇぇぇぇ!!
 寝てたな!? 寝てたんだな!?

「……よーし、なのはは回れ右してゴーホーム」

「う、ううううう、せつなちゃん意地悪ぅ……」

「いや、今のはなのはが悪いよ……」

 まったく。

「まあ、簡単に言うとだ、絶対他の人間に喋るな。関係者以外の人間にはな? ……この関係者って言うのも、管理局の事じゃないぞ? ここの部隊の人間の事を言ってるからな? ……理解したか?」

「分かった」

「……う、うん」

 ……やっぱり、なのは信用しきれん。

「よし、テストしよう。なのはだけじゃ可哀想だから、フェイトもな?」

「うん」

「わ、わかった」

 よしよし。じゃあまず。

「恭也さん」

「「駄目」」

 まあ、これは当然。次。

「自分の部隊の隊長」

「「駄目」」

 ふむ。なら個別に。

「フェイト、リンディさん」

「……OK?」

「よろしい」

 スポンサーだからな。知らないと俺が怒られちまう。

「なのは、シャーリー」

「えっと……だ、駄目」

 よーしよし。

「じゃあ、ちょっと難しいぞ。ユーノ」

「え、ユーノ君? ……駄目」

「うん駄目だね」

「……まあ、いいだろ。分かってるようだし」

 あ、そうだ。

「じゃあ、プレシアさん」

「「駄目」」

「残念。彼女も関係者だ」

「「ええええええええええ!!」」

 あっはっは。これは知らんかったろう。

「か、母さん知ってたの!?」

「ちなみにアリシアも知ってる。……てか、管理局入局試験受かって訓練校でたら、速攻うちで引き取るし」

 でないとアリシアの入局許可しねえよあのママさん。

「母さんまで巻き込んでるなんて……」

「せ、せつなちゃん鬼なの……」

「どうとでも言え。……まあ最後のは情報与えてなかったし、不問にする。……じゃあ、種明かしとしよう」

 なのは怒るかも……まあ、いいや。

「この部隊の非魔導師、及び、低ランク魔導師に、チートデバイスを配布する。……非魔導師が、A+ランク魔導師に早変わりできるデバイスだ」

「……せ、せつなちゃん、それって!」

「アーム……スレイブ……? だって、あれ、もう、地球にはない……まさか!?」

「そ。プレシアさんとマリエルさんに頼んで、もっとグレードの高いのを作ってもらった……まあ、あの二人が勝手に作っちゃったんだが。一応、俺からの依頼ってことにしてある」

 そうしないと、あの二人が捕まっちゃうしね。ばれて、上が違法指定したらの話だけど。

「リンカーマテリアル『テスラドライブ』内臓デバイス『アームトルーパー』。通称ATデバイス。試作段階は完了して、今個別機を生産中だ」

 この間古鉄と白騎士出来上がって、今日あたりから使い始めてるしな、響介さんたち。
 交替部隊の連中にも専用デバイスを配布予定。

「……せつなちゃん……だって、アームスレイブ廃絶するって……それで、終わったって……どうして!?」

「あ、いや。これは、この部隊だけで使うんだ。……非魔導師でも、これがあれば、魔導師と同じ働きが出来るだろ? ……魔導師が、魔導師だけが危険な任務を負うんじゃ不公平だ。それに伴う技能を持っていても、魔法使いじゃないってだけで、後ろに追いやられる人もいる。その人のための盾、そして剣……アームトルーパーは、そういうコンセプトで運用する」

 同僚を、魔導師の同僚を助ける、新しい力。
 非魔導師でも戦場を、災害地を、駆け抜けられる、最上の切り札。
 それが、アームトルーパー。
 ……まあ、コンセプトは全部後付けだけど~?
 あの二人がノリで作った奴だし。これだからマッドはぁぁぁぁぁ!!
 今回だけは助けられたけど。

「……アリサちゃんがデバイス作って、どうして使えるか、わからなかったけど……そういうことだったんだ……」

「あれは本当は止めさせるつもりだったんだよ。そしたら、お前と同じ理由で噛み付かれたぞ?『あたしも、あんたの力になりたいのよ! 守られてばかりじゃいやなんだから!』……てな? 止められるか?」

「アリサらしいね。……でも、これ、違法になるんじゃ?」

「ばれたらな? 後、上……最高評議会の連中が違法認定を出せば、違法になる。……今の段階じゃ、違法じゃないんだ」

 法自体ないからね。当初のインターネットみたいなものさ。
 ネット犯罪取締法なんて、インターネットが出来てから数年後にできたんだし。
 
「せつなちゃん……私、せつなちゃんが……怖いよ……」

 ……なのは?

「せつなちゃん! やだよ、私やだよ! こんなの、間違ってるよ!」

 え、あ、あれ?
 ……な、なのは的にアウトなのか?

「間違って……いるのか?」

「だって、これじゃ……他の人にも、危ない事させるってことだよね? 下手したら、他の、魔法を使えない人を危ないところに送るって、そういうことだよね!? そんなの、そんなのやだよ!」

 ……うぁ。そういう意見か……
 うーん、なのはとは少し話さないと。

「なのは。一度落ち着け。……落ち着いて、俺の話を聞け」

「……せつなちゃん……」

 肩に手を置いて、なのはを落ち着かせる。……マスターにハーブティーを頼む。
 ……フェイトは、冷静だな。

「フェイトも反対意見か?」

「ううん。私は、悪くないと思う。けど、犯罪すれすれだから、立場的には中立をとらせてもらうよ」

 ……意外と、考えてるな。
 よし、じゃあ、なのはとの相互理解に重点を置こう。
 ……なのはが解ってもらえなければ……覚悟しろ、俺。
 仕事の面で、なのはを切り捨てる覚悟を。
 ……うう、いやだなぁ。
 それだけは本当にいやだなぁ……

「……せつな……ちゃん……? あ、あれ? せつなちゃん?」

 ……あ、やべ。
 涙出てきた。
 ええい、久々に感情が昂ぶってるな。落ち着け、俺。
 
「あ、いや、ごめん。……なのはに、解ってもらえないと、俺、なのはと一緒に働けなくなるから、……それはいやだなぁって考えたら……ごめん。ちょっと、涙ぐんだ」

「う、泣き落としは卑怯だよ……」

「そんなつもりない。なのはには、ちゃんと話し合って解ってもらいたいから」

 砲撃なしでな。
 喧嘩もなしの方向で。
 ……あ、この説得失敗したら、今度は恭也さんに切られるのか俺。
 高町家のお話し合い再びかぁ……それはなんとしてでも食い止めないと!

「……どうぞ」

 マスターがハーブティーを三人分運んできてくれた。
 それぞれに渡して、一息……よし、説得開始。

「まずは……そうだな。なのはは、魔法の力を何の為の力だって思ってる?」

「私は……人を守る、素敵な力だと、そう思ってるよ。大切な人を、泣いてる人を助ける力だと……」

 ……うん。ここは、やはりなのはだろう。
 俺がアニメで見た、高町なのはの根本だ。

「フェイトは?」

「……私は、なのはと同じ考えだけど……うん、人を守る、手段の一つだと思う。正直言うと、魔法だけで解決できることって少ないから。私の仕事だと……ね?」

 うん。執務官をしているフェイトならではの言葉だろう。
 人を本当に救うには、魔法だけじゃ駄目だ。
 それは手段の一つ。そう考えないと、本当に人は救えない。

「俺は……魔法は、大切な人を守る剣だと思っている……これは、管理局に入った今でも、変わってない。……魔法を使い出してから、一度も変えていない、俺の信念だ」

 ……あの頃の誓いは、いまだ色あせず。
 ただただひたすらに、前に剣を突き出して……
 
「それでだ。俺がこのATデバイス運用に踏み切ったわけは、その剣を、他の人にも分けるためだ。……人を、守る為の剣を。その剣を、もてない人のために」

「……でも、剣は、人を傷つけることも出来るよ?」

 刃物だからな。
 その懸念はもっともだ。

「……そうだな。なのはの言うことももっともだ。……けどさ、ミッドチルダっていう、魔法が社会の歯車として運用されている世界では、その剣がなかったら、何も出来ないことのほうが多いんだ」
 
 要は資格だ。
 たとえ、A級ライセンスレベルの腕を持つドライバーでも、運転免許証がなければ、車は動かせない。
 たとえ、英語、フランス語、ドイツ語が喋れても、パスポートがなければ、その本国にはいけない。
 ……それらと同じだ。
 災害救助、人災制圧のプロフェッショナルでも……このミッドチルダに置いて、魔法が使えなければ、前線に出してもらえない。

「俺が渡すその剣は、その資格を持つものを後押しする力だ。資格を持たないものに、剣は渡さない。……だから、俺の部隊でも、前線部隊の非魔導師は、皆戦争経験者……軍隊出だ。軍隊はさ、戦争はもちろんだけど、災害救助、人災制圧、後、警察の真似事だってする。……やっていることは、管理局と同じなんだよ」

 さらに、彼らは長い間、紛争制圧に尽力したものたちだ。
 力の使いどころを、誰よりも把握している。
 
「それ以外のものを、決して現場には出さない。……まあ、アリサやすずかは別としても、基本はそれを遵守する。そのことは、各スポンサーにも説明済みだ」

 ATは非魔導師に力を与える。だけど、その力を悪用させない為にも、使用者選別には一番力を入れた。
 ……まあ、もっとも、危険思想の持ち主を、俺の部隊にいれるつもりはないけど。

「……もし、もしだよ? それが成功して、じゃあ、他の部隊にもってなったときは……」

「そのときまでに、免許試験の法律を確定させる。AT所持免許だ。……これは、三提督と、ロウラン提督、あと、ゲイズ中将に根回しして、すぐに発動できるように準備中だ」

「ゲイズって……レジアス・ゲイズ中将!? あの人が!?」

 あ、やっぱ驚くか。
 黒い噂絶えないからな、相変わらず。

「今回の件に一番関心をもってくれたのが、ほかならぬ中将でさ。なのはが懸念した事項も、いち早く指摘して、その所持免許の発案に協力してくれたんだ」

 あの人の正義を貫く、その一番の近道を提示できたんだ。彼は、その近道の舗装を手伝ってくれた……こんなガキのために。

「……い、一番危険だと思ったんだけど……そんな人だったんだ……」

「あの人、案外いい人でさ。交代部隊、中将が貸してくれたんだ。もう少し選別を続けて、その部隊を吸収してこっちに組み込む予定。……なあ、なのは。ここまで俺考えたんだけど、これでも、まだ間違ってるって思うかな?」

 これが、俺の表の考え……裏の考えまで、できれば話したくない。
 それは、俺のエゴだから。

「……ごめん。でも、まだ、納得できない……理解は出来るよ? 宗介さんたち、悪いことするような人じゃないし、せつなちゃんが選んで、決めた人だから、信じられる……でも、もし、他の人の手に渡ったらって……」

「あ、勿論、セキュリティも万全にしてある。……そりゃあ、絶対なんてないから、不安もある。……うん、そうだな。その不安は付きまとうよ。俺だって怖い。セキュリティはずされて、これの技術が他に渡ったらって……でも、俺は、もう、嫌だから……」

 これは、俺のエゴ。

「もう、力のない人が、理不尽な力に泣くのは……嫌だから……理不尽な、暴力に、大切な、人が、奪われるのが……嫌だから……」

「せつな……まさか、まだ、あの夢……」

 夢に見るのは、最愛の人の、無残な……

「あはは。うん。まだ見てる。……あれを、他の人に味合わせたくないから。……これは、俺のエゴ……我侭だよ……」

 だから。

「なのは。納得できないなら、それでいい。その代わり、この件、誰にも喋らないでほしい……お前に、迷惑かけないようにするから」

「……フェイトちゃんは、どう、思うの?」

「……私は、賛成。……確かに、せつなの想いは、間違いじゃない。……そして、それは、きっと、誰かがやらなくちゃいけないことだと思う……それが、せつなだったってだけだよ。……せつな。私は、協力するよ」

 ……フェイトは解ってくれた。多分、最初の段階で、わかってくれると思った。
 けど、なのはは……

「……まだ、考えさせて……ほしい。ごめん、せつなちゃん……」

 ……うん、解ってた……
 なのはには、納得できないって。
 優しい……子だから。

「なのは……もし、解らなかったら、恭也さん……士郎さんに、聞くといい。多分、二人の答えが、俺の答えに似てると思うから」

 御神の剣が、なのはを、救ってくれるって、託すしかない。
 それで駄目なら……大人しく、斬られよう。

「……ごめん、せつなちゃん。帰るね?」

「ああ……気をつけてな?」

「……うん」

 席を立って、なのはが結界から出て行く……
 直後、我慢が出来なくなった。

「……せつな。……もう、いいよ。泣いても」

「すまん……泣かないつもり……だったんだけどな……」

 できれば、俺の言葉で、なのはに解ってもらいたかった……

「ごめん、ごめんな、ごめん……」

 後悔は、しない。
 振り返りもしない。
 ただ、一言、謝罪だけ。



 ごめんなさい。





 <なのは> 

 私の懸念……幼い頃から、ずっと思ってた。
 せつなちゃんは、どこか、遠くに行っちゃう人だって。
 だから、私は、せつなちゃんを守る力になろうと、そう、追いかけて行った。
 管理局にだって、せつなちゃんが入るって言ったから、私も追いかけて入った。
 ……でも、せつなちゃんに追いつけなくて……せつなちゃんの想いが、わからなく……て。


 気がついたら、知らない場所に出ていた。
 ……あう、いけないいけない。
 しっかりしろ、私。
 せめて大通りに……

「今日の獲物はっけーん!」

 !? 後ろ!?
 口を押さえられた! 声が出せない!
 物陰から二人……後ろの一人だね。バリアバーストで吹き飛ばす!
 レイジングハート!

「……!?」

 ま、魔法が発動しない!
 なんで!?

「あら、魔導師だったみたいね? でもざんねーん! AMFって知ってるかしらん?」

 嘘、どうして?
 ガジェットもいないのに、何でそんなものが!?

「んふふ~。AMF発生コートよん。数年前にこれがあったら、あのお子様にしてやられることなかったんだけど……」

 お子様?
 私の前に現われた女の人の服……あのコートが……?
 これは……まずい。

「ん! んん~~~!!」

「あ、こら、暴れんじゃねぇ。おいファティマ! 早く縛れ、おら」

「はいはい。……まったく、せっかく脱獄したのに、最初の仕事が人攫いなんてね~。ま、一人頭50万はおいしいけど」

 人攫いって……あ、クラナガンで起きてる、人攫い事件?
 まさか、この人達が犯人?

「あいおしまい。……よっく見ると美人ねこの子。この子のクローンが流れたら……売れそうねぇ」

 しかも、違法研究の!?
 く、この……駄目、縛られて……
 
「ダッドマ! 車回せ! ずらかんぞ!」

「……」

 サングラスの男の人が、その場から立ち去る……
 念話を……駄目だ、これもできない!
 なんとかして……脱出を……

「あらあら~……」

 !! う、嘘……む、胸触って……太腿も!?
 ええええええええ!?
 この女の人、せつなちゃんと同じ人種!?

「やぁん。可愛い。……売るのもったいなぁい。ちょっとだけ味見して良い?」

「……いいけど、壊すなよ? こないだの、売る前に使い物にならなかったじゃん」

「えへへ~あたしのおっきいから」

 ……な、なんでしょう? 何が大きいんですか!?
 ひぃ!? ぞ、ぞうさん!
 こ、この人オカマ!?
 
「んふふ~……いっただきま~す」

 思い浮かぶのは、せつなちゃんの悪夢。
 そこで行われた、凶行。
 ……その結末が、脳裏をよぎり、私に何が起こるのか、わかってしまった。
 それは、嫌だ。……いやだ!
 せつなちゃんが泣き叫ぶのは嫌だ……
 い、いや、こないで、助けて、助けてぇ!







 せつなちゃん!









「はぁい! そこまでぇ!」

 衝撃が私を襲った。
 ……あれ? 私、飛んでる?

「大丈夫? おねぇさんが来たから、もう安心よん♪」

 ……金髪のポニーテールの女の人。
 白い鎧状のバリアジャケット……魔導師だ。
 ……この顔どこかで……あれ? この人、魔法使えてる!?

「オカマの癖に、女の子に手を出すなんてぇ……お仕置きよん!『オクスタンバレット』!」

 右手に持った異様に長いライフルデバイスから、魔力弾が打ち出される。
 ……AMFの影響を受けてない! オカマの人の周囲を撃ち抜いた!

「と、わ、あぶないわね! て、何でAMF効かないのよ!」

「あらん? 不思議よねぇ~? 対策はもうバッチリよん! 響ちゃんお願い!」

「誰が響ちゃんか!」

 私を押さえつけていた男をふっ飛ばしながら現われたのは、黒髪の……真っ赤な鎧を付けた男の人。
 大きな肩のパーツと、右手のシリンダーが印象的。
 ……あれも、デバイスなんだろうか?

「さて、お前らが、最近の誘拐犯だな? 管理局陸上警備隊108部隊の南部響介だ。抵抗せずに、大人しくすることを推奨する」

 108って……せつなちゃんがいたところ!?

「また監獄送りは嫌なのよん! 『スティンガー・ブレイド』!」

 魔法を使った!? あのオカマの人も魔導師!?

「ふん! 狙いが甘いな!」

 魔力の剣を避け、肩のパーツを開いた。
 ……まさか、質量兵器!?

「ちょ、管理局でしょそれ質量兵器!?」

「残念ながらデバイスだ! せつな特製の貫通破砕魔法『スクエアクレイモア』、その身に受けてみろ!」

 確かに魔力弾だ。それがショットガンのように周囲にばら撒かれる。
 あんな魔力運用初めて見た! あれじゃあ、避けられない……
 あれ? 今、せつなって言った?

「あきゃぁぁぁぁぁ!!」

 あ、魔力弾ほとんど受けて倒れちゃった。
 ……あ! 後ろに車が迫って、危ない!

「ふん……エクセレン!」

「はいは~い! ここは通せんぼ! 『オクスタンビーーーーム』……何気にかっこ悪いかしらん?」

 収束砲!? それが向かってきていた車に直撃!
 ……凄い、ディバインバスターと同じ出力……

「犯人無力化せいこ~う! みなさ~ん! ふんじばってくださ~い!」

「せめて、確保と言え。……と、この子は被害者か?」

 周りから局員が押し寄せて、犯人たちは連れて行かれた。……あの人達もどこかで見たことある?
 私を抱えていた人が地上に降り、私の拘束を解いてくれた。
 ……よく見ると、男の……南部さんもどこかで見覚えがある。
 それも、つい最近……

「はい、苦しかったでしょ?」

 口を縛っていた布を解かれる。
 あ、お礼言わないと。

「あ、ありがとうございます。管理局戦技教導隊の高町なのは二等空尉です」

 敬礼と共に挨拶すると、デバイスを収納した二人が驚いた顔していた。

「え!? なのはちゃんって言うと、せつなちゃんの友達の!?」

「……そうか、よかった。せつなには世話になっている」

 あ、やっぱり。知り合いだったんだ、せつなちゃん。
 でも、何で私も見たことあるんだろう……
 南部さんの前髪のメッシュとか、忘れそうにないのに……あ、ああ!

「あ、私、管理局特務部隊【オリハルコン】の~「それはまだ先だ。いまは108」……ちょ、ちょっとした練習よん。とにかく、エクセレン・ブロウニングよん。よろしくね?」

 そうだ、この二人、せつなちゃんの部隊の前線隊『アサルト』の隊長と、隊員さん……じゃあ、今のデバイスは!?

「あ、あの! 今のデバイスはもしかして……」

「ああ、せつなから聞いたか。AT『アルトアイゼン』先日ロールアウトしたばかりの俺専用デバイスだ」

「で、私のがAT『ヴァイスリッター』。遠距離射撃の凄い奴ぅ。鎧の色はせつなちゃんとお揃いね?」

「あいつのは白銀。お前は白だろう」

「似たようなものじゃないの」

 ……これが、アームトルーパー……私たちを、助けてくれる、非魔導師に与えられた、新しい剣……
 こういう、ことだったんだ……

「まあ、今日は試運転だから、できるだけ内密に頼む。稼動前にばれて、部隊がつぶれたら、俺らの新しい職場がなくなるからな」

「あらん? せつなちゃんの親友よん? そんなことしないわよ。ねぇ、なのはちゃん?」

 ……せつなちゃん、私のこと、二人に話してたの?
 な、なんて言われてるか、凄く気になる!

「あの、せつなちゃん、私の事、なんて言ってたんですか?」

「ん? えっとね~『とっても優しい子で、俺の……恋人』?」

「親友だろ。まあ、いろいろ言っていたが、守るべき大切な人だといっていたな。だが『たぶん、俺のやってること、一番に否定するかも』とか……な?」

 ……せつなちゃん。私が納得しないこと、わかってたんだ。
 それでも、解ってもらおうと、必至で説得してたんだ。
 ……それなのに、私……

「……高町。お前が否定するのは、このATデバイスの事だろう?」

 !? ……なんで?

「何で、解るんですか?」

「ああ、アームスレイブ廃絶を推奨したせつなに理由を聞いてな。『いろいろあるけど、一番の目的はなのはの笑顔を守る為……』だと、言っていた」

 ……南部さんたちには、解らなかったそうだけど、せつなちゃんは語った。
 私が、魔法の力を戦争に使わないでと、その叫びを、世界中に轟かせる為に。
 人を守る剣を、傷つける為に使わないでと、それを教えるために。
 
「……確かに、アームスレイブは、地球では歪な力だ。使うべきではない。……俺はここに来て、ようやく解った。魔法を使ったテロ、犯罪……それが、地球にまであふれるのを、防ぐ為だと確信した。……だが、ここでは、俺たちは魔法を使えない。俺たちの技術が、役に立たない」

「で、せつなちゃんがアームトルーパーを渡してくれたわけ。渡してくれるときに、せつなちゃん言ってたの。『これは、神から盗み取った、炎。人を傷つける為でなく、人を助ける為の剣。……どうか、その意味だけは、忘れずに使って欲しい』ってね? 私、せつなちゃんみたいな子、大好き。あの子、大切な人のために体張れる子だから。……でも、それって、私たちの役目なのよね」

 ……大人が子供を守る。
 当たり前の事だけど、とても難しいことだ。

「そのための力をくれたせつなには、感謝している。この力で、お前を助けられた。……お前は、せつなの意志に助けられたわけだ」

 せつなちゃんに……そうだ、私、せつなちゃんに助けを求めて……
 お兄ちゃん、言ってたじゃないか。
 せつなちゃんが本当に笑ってくれる為に必要なこと。

『この時代で、守りたい事、守りたい者を守りきることができれば、多分』

 笑って、くれるって……

「せつな……ちゃん……」

 そうだ。せつなちゃんは、守りたかったんだ。
 理不尽な暴力で殺されたお姉さんを、妹を。
 魔法で、その力で、助けたかったんだ。
 ……だから、この世界では。
 この時代では、守りきる。そのための、せつなちゃんの力……
 私は、せつなちゃんの想いに、助けられたんだ。

「ん? どうやら、騎士の到着のようだな」

「じゃあ、後は騎士様にお任せねん?」

「ああ! 響介さん、エクセ姐さんありがとう! なのは! 無事か!?」

 せつなちゃん、せつなちゃんだ!

「せ、つな……ちゃん、わ、私……」

「無事だな!? よかった……今度は守りきった……」

 ……せつなちゃん……私、解ったよ。
 せつなちゃんの想いは、こういうことだったんだ。
 
「守ったのは、わた「黙れ」……響ちゃんのいけず~」

「いや、でも助かった。ありがとう! 本当にありがとう!」

「せつなちゃんなんか、保護者みたいよ?」

「たりめーだ、なのはは俺の恋人だぞ!? ちっくしょ~、あいつオカマだったのか。6年前に潰して置けばよかった」

「……犯人、知っているのか?」

「以前銀行強盗で、俺を人質に取った奴だよ。たく、P---潰しておけば~~~」

「せつなちゃん下品よん?」

 ……もう、せつなちゃんは、相変わらずだなぁ。

「せつなちゃん」

「む? な、なのは?」

 昔のように、せつなちゃんを抱きしめる。
 せつなちゃんは、ここにいる。
 いなくなるなんてことはない。
 私を、私たちをずっと、見てくれてる。

「ずっと、一緒にいてくれるよね?」

「……当たり前だ。たく、お前もはやても、俺を何だと……」

 うん。意地悪だけど、せつなちゃん。

 大好きだから。





*次回。オリジナルストーリー展開を予定。作者です。
あと、この事件(合同作戦のほう)が若干早くに発生したのは仕様です。
……選択肢の掲載時に言ってた問題はこの話。当時、この事件の翌年に空港火災だと信じ込んでいて、調べてみたら……え? 翌月!?
苦肉の策としてイベント発生を早めました。
……まあ、次の話の絡みもあったため、こうするしかなかったわけですが。
以上。どうでもいい作者の言い訳でした。




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