翌日である。 創立記念日である。 そして私は、【マスター。八時です起きてください】「む? おはよう。パラディン」【おはようございます。マスター……? マスター。女の子だったんですね……】 てめえ、俺を何だと……あ、この口調か。「えっと、身体の中に二十歳の男性意識ももぐりこんでるから、多分戦闘時はそっちがメインになると思うよ? ……混乱させるけど、許してね、パラディン」【お気になさらず。私も失礼なことを言いました】 いや、分かってくれたなら結構だよ。 さて、支度をしよう。 九時にはフェイトたちも来る。 朝食を簡単に済ませ、シャワーを浴び、余所行きの服を選んで…… [キンコーン] と、もう来たし。「はいはい……」 玄関ドアを開けると、車椅子のはやてとそれを押しているフェイト。 二人とも可愛い衣装を着ている。 はやては緑色のミニワンピ、ジャケットを羽織って、防寒対策。まだちょっと寒いしね。 フェイトはやはり黒。セミフォーマルドレス。どこのアインツベルンかと。 対する私は白色と黒のモノクロで着こなしてみた。シャツが黒。プリーツスカートは白。 「おまたせや~」「ごめん、アルフは用事があって、これなくなっちゃった」 ありゃ。 ……ふむ?「(フェイト? もしかして、こないだの探し物?)」「(……うん。私の代わりに、探してもらってる)」 あ、やっぱり…… えっと、まだお迎えは来てないから……「パラディン?」【……? マスター? どうしました?】「!? せつな、それ……デバイス?」「あ、せっちゃんええな~。……あれ? それ、家で見たような……」 うん、それは多分色違いだ。 じゃなく、昨日のあれ、出して。【わかりました。収納領域解放】 パラディンがページを開き、青い宝石が姿を現す。 それを見てフェイトが目を剥く。「ジュエルシード!?」「あ、そんな名前なんだ? フェイトが探してたの、これでしょ? 封印処理はしてあるから」 それをフェイトに渡す。 フェイトは渡した俺の手を握って、「ありがとう、せつな……嬉しいよ……」 おうおう、涙ぐまなくても。「フェイトちゃん、よかったなぁ~。……ゆうか、せっちゃんも魔法少女になったんやね?」「まあ、成り行きで……あ、私の場合は、魔導師じゃなくて騎士って言うらしいよ?」「騎士? ……確かに、最近のせっちゃんのイメージにぴったりや」 そうか? と、廊下を歩いてくる音。 ……あ、青髪のメイドさん?「永遠せつな様? 月村のメイドのノエルと申します。お迎えに上がりました」 それはいいんだけど、その格好で来たの? メイド服で? ……恥ずかしくないんだろうか。「あ、えっと、一人これなくなったんで、この三人で。あと、一人車椅子なんですけど、大丈夫ですか?」「かしこまりました。車椅子は車に積みましょう」「す、すみません、おおきに。……ちょ、せっちゃん? 何や、そのお友達ってお金持ちなんか?」「ん? 確か、地主の娘さん?」 だったよねたしか。 豪邸の持ち主だってのは間違いない。 と、言うかはやてちゃん。「お茶会なんて響き、セレブ以外の誰が使うの?」「……それもそうやな」「……そういうものなんだ……」 そういうものなんですよ。 で、偉い高そうな黒塗りのハイヤーに乗せられ、やってきました月村邸。 ノエルさんに案内され、一室に通される。 そこには。「あ、来たわねせつな」「せつなちゃん、いらっしゃい」「せつなちゃん。そっちの二人がお友達?」 と、三人娘が揃ってお出迎え。 じゃあ、こちらの御呼ばれ三人娘もご挨拶。「お招きに預かり、光栄です。すずか嬢。今日もまた一段と可愛らしい」 うん。青色のセミフォーマルも似合うんだなこれが。「え、えっと、お招きされました? とにかく、はじめまして、八神はやてです~」 途中ではしょるなよはやてちゃん。「……招待ありがとう。フェイト・テスタロッサです」 ? なんかフェイトが緊張……いや、もしかして警戒?「(フェイト、どうしたの?)」「(……あの子、魔導師だ。デバイス持ってる。……そこのフェレットも、たぶん)」 思いっきりなのはを警戒してる。 後、淫獣も。 ……ところで、何で淫獣? 形が卑猥なのか?「来てくれてありがとう、皆さん。主催の月村すずかです」 ……せめてツッコムとか反応とかしてくれよすずかさん……「だめよ、せつな。すずかはそういう言葉、聞きなれてるんだから。……あ、私はせつなの保護者のアリサ・バニングスよ。よろしく」 いつの間に保護者になったんだ。 後、黄色のドレス可愛いなこのやろう。「えっと、せつなちゃんの友達の、高町なのはです。……よ、よろしく」 で、フェイトに威圧され、だんだんしぼんでいくなのは。 白を基準にした余所行き洋服が可愛いぞ?「でや、なのはちゃん? フェイトちゃんになんかしたん? すっごい睨まれてるで?」「あ、あう。初対面だよね? 何でそんなに睨むの?」「うーん。やっぱりお話し合いが必要かな? なのは的意味合いで」「なるほど。じゃあ、表出る? 庭なら暴れていいわよ?」「あの、できれば仲良くして欲しいな?」 てか、なのは的お話し合いで解るアリサさんは素敵だ。 「ん~。じゃあ、主催者の意見を汲もう。なのはとフェイトを借りていくね? 後……そこのフェレット。来い」 とりあえず、話の中心人物同士で話し合ってもらう。 後、淫獣に対して男言葉なのは勢い。「せ、せつな?」「せつなちゃん?」「きゅう?」 二人の手をとって庭に出る。 はやてちゃんに念話を送って、残る二人の相手をしてもらう。 で、パラディンに防音結界を張らせて、準備完了。「さて、フェレット。なのはに何した?」「……ぼ、僕は何もしてないよ!? と、言うか、何でそんな凄むのさ!?」「なぜかお前は敵って気がする。……で、なのは? なのはも魔法使いなの?」「ええ!? 何でせつなちゃんがそれを!?」 あ、やっぱ気付かない? どんだけ初心者なんだ……「えっと、フェイトも魔導師なんだ。それで、なのはも魔導師だって気付いたのもフェイト」「フェイトちゃんも?」「気付かなかったの?」 そりゃ、そうだろう。「私、まだ魔法使い始めて、二週間しか経ってないし……」「……そうなんだ。ごめん、睨んだりして」「ううん。私も、気付かなくてごめんなさい」 二人して謝りあう。 うんうん。やっぱ二人ともいい子だよ。 で。「なのはにデバイス渡したのはお前かフェレット」「あ……う、うん。ジュエルシードの暴走を抑えるのに……協力してもらって……」「ジュエルシード?」 あ、フェイトが反応した。「あなたは、ジュエルシードを集めてるの?」「え? うん。ユーノ君が事故で町にジュエルシードをばら撒いちゃって、その回収のお手伝いをしてるの」「……お前、なのはに手伝ってもらってんのかよ。自分でやれよ男の子!」「う、で、でも、なのはは魔法の素質が……」 あ、頭来たこいつ。「どやかましい! 女の子に前線張らして、それを素質だどうだと言い訳すんじゃねぇ! 女の子は、おれたち男が守るべき者だろう! それをお前は~!」「ま、まってせつなちゃん! ユーノ君、私に魔法教えてくれて、サポートもしてくれて……私の大切なお友達なんだよ? ……悪く言っちゃ、やだよ……」 ……むぅ。 泣き顔見せられてもな……「……まあ、なのはがそこまで言うなら……!」 あ、この反応。 ジュエルシード?「なのは!」「うん! レイジングハート!」「バルディッシュ!」「パラディン!」『all right』『yes sir』【get set】「「「セッート、アーップ!!」」」 三者三様にバリアジャケットを身に纏う。 ……あ、よくよく考えたら。「しまった。封時結界張るの忘れてた」「え?」「ほれ、後ろ」 なのはが後ろを向くと、窓にかぶりつきの三人の姿。「……ば、ばれちゃった」「こ、これ、封時結界じゃないの!?」「ただの防音結界。まあ、彼女たちへの説明は後でしよう。それより、フェイト?」「うん、みつけた。こっち!」 フェイトが飛行魔法を展開。 俺も飛行魔法を起動し、後を追う。「あ、まってよー」 なのはもその後を追う。 ……しばらく飛んで、見つけたのは。 馬鹿でかいネコさんでした。「てぇ!? でか!!」 暴走というより巨大化? ……あ、目が合った。『にゃ』「どわぁ!!」 思いっきり猫パンチ。 風圧で飛ばされそうになるとか。「ちぃ、フェイト! 共同戦線やれるな!」「いいよ。……あの子は?」「手伝うよ! どうすればいい!?」 うし。じゃあ……「フェイトは足止め、撹乱。なのは、捕縛。俺がとどめ。ついでに封印もやるから。じゃあ、よろしく」 三人散開して、戦闘開始。「『フォトンランサー』!!」『Photon Lancer』 まずはフェイト。 非殺傷で雷の槍。猫の鼻先にヒット。これにはびびるネコ。「レイジングハート!」『Restrict lock』 続いてなのは。 魔力がひも状に伸び、ネコを縛り上げる。「じゃあ、行くぜ!【グラディウス】スタンバイ!」【stand by gladius set up】 両手にフルプレートのガントレットが、両足にレッグガードが装着され、手の甲の宝玉が光る。 「カートリッジロード! 喰らいやがれ!【竜吼一撃】!!」【dragon fang】 右腕のカートリッジが吼え、魔力を纏った一撃がネコの腹部に突き刺さる。 それで、ネコの身体が縮んでいき……気絶した猫の傍らに、輝きを放つジュエルシード。 武具をしまい、杖を準備する。「せつなちゃん。私がやろうか?」 そう言ってなのはが降りてくる。 もちろんフェイトも。「いや、俺にやらせてくれ。……俺、昨日から使い始めたばかりだから、魔法に慣れておきたいんだ」 ブレイブハートを掲げ、封印術式を起動。……封印成功。「ご苦労様。せつなちゃん」「ありがとう、ナイスアシスト、なのは」「えっと、な、ないすあたっく、フェイトちゃん?」「え? あ、その……ナイスフィニッシュ、せつな」 互いが互いをたたえて、三人でハイタッチ。ちょっとおどおどしてるフェイトが可愛い。 で、だな。「じゃあ、こいつは……ほら、フェイト」「あ、うん。……いいのかな?」「え!? フェイトちゃんもジュエルシード集めてるの!?」 と、予想外の声を上げるなのは。 「うん。……その、どうしても、必要だから……」「だ、駄目だ! それは危険なもので、制御ができるような物じゃぁ」 飛び込んできた淫獣をインターセプト。 すまんブレイブハート。変なもんを叩いちまった。「そういうことは、手伝ってから言え。役立たず」「や、役た……」「いいかフェレット。フェイトはなぁ、今は遠くに住んでるお母さんのためにジュエルシードを集めてるんだ。笑ってくれなくなったお母さんにまた、微笑んでもらいたいと思う娘の心……どおしてお前にはそれがわからない!? この鬼畜! 悪魔! 淫獣!」 俺の作り話に悲しそうな顔になるなのは。 ショックを受ける淫獣。 固まるフェイト。 ? なぜ固まる?「フェイトちゃん、可哀想なの……あ、あの、これ、私が集めたジュエルシード、五つしかないんだけど、足りるかなぁ?」「そ、そんなことが……うう、でもロストロギアをそんなぽんぽんって、なのは!? 何もう渡してるの!?」「私、フェイトちゃんのために、ジュエルシード探すの! フェイトちゃんには幸せになってもらいたいから!」「僕は!? 僕の幸せも少しは考えてよぉ!?」 はっはっは。素敵カオスだな。「ちなみに嘘だが」「「嘘なの!?」」「え? 大体合ってるよ?」「「「え? 合ってるの?」」」 ありゃ? 嘘から出た真? じゃあ、詳しく……?「(お~いせっちゃ~ん!! そろそろ戻ってきてぇな~? すずかちゃんとアリサちゃんめっちゃ怖いんやけど~~~?)」「(あ、ごめん、今戻る)えっと、はやてからのSOSだ。至急戻ろう。女帝と女王がご立腹だと」 どっちがどっちだかは想像にお任せします。「よし、全員戻ってきたところで……きりきり吐きなさい。特になのは!」「にゃあああ!?」 うん、素で怖いよ女王様。 とにかく、俺、なのは、フェイトはそれぞれの理由で説明。 俺はまあ、成り行きで。 なのはは、ユーノの手伝いの為。 で、フェイトは……「母さん、ジュエルシードがどうしても必要だって言ってた。それで、私がこっちに探しに……」 という話なのだが。「フェイト? そのお母さんは、ホントにフェイトのお母さんなの?」「……え?」 どうも疑問点を拭い切れない。「フェイトは私たちと違って、最初から魔法使いでしょう? なのに、フェイトのお母さんは、ジュエルシードの危険性を考えてなかった。……いや、危険な物だってのは解ってたはず。なのに、自分の娘をそんな危険な場所に送り出す……私の感性が間違ってるのかもしれないけど、普通の母親は、そんな危ないことさせないよ」 親のぬくもりを知らない私がそれを言うのは、いろいろ違う気がするが。「ん~。まあ、そうやな。たしかに、それはおかしいな」「フェイトちゃんのお母さんは、フェイトちゃんより強いんだから、自分で取りに来てもいいはず……」「なのにこないってことは……もしかして、病気で動けないとか?」 あ、それ当たってそう。「……母さん、もしかして、その病気を治す為に、ジュエルシードを?」「じゃあ、なおさら、フェイトちゃんのために集めないと。……ユーノ君? ごめん。私、フェイトちゃんの力になりたいんだ」「なのは……」 なのはの言葉で涙ぐむフェイト。 やはり、高町なのははいい子だ。「……で? お前はどうする? まだ、安っぽい正義感振り回す気か?」「……僕一人じゃ、ジュエルシードの一つも封印できない。なのはの意見に従うよ」「上出来だ。何、悪いようにはしないよ」 深く肩をおろすユーノ。 そのリアクションはどういう意味か小一時間問い詰めたい。「……ところで気になってたんだけど、何でせつな、男口調なの?」「あ、私も気になる」「ねえ、よかったら話して欲しいな? ……せつなちゃん。お願い」 げ、また、あの話しなくちゃならんのか?「せつな、諦めよう。アリサの追及は怖い」「すずかちゃんも怖いで? 笑ってるようで額に青筋見えよるねん」 うん、それはわかった。 後、お前ら二人回れ右。「「ひぃ!」」「「だれが、こわいって?」」 すげえ、怖いから。二人とも。 で、おとついもフェイトとはやてに話した前世の話。 話し終えたら……まあ、フェイトがまた涙ぐんでたり、はやてもうつむいてたりするのはまあ、わかる。 なのは。 ボロボロ涙こぼして抱きついてきた。 すずか。 悲しげな顔で、俯いて……あ、泣き出した。 アリサ。 ……あの~、アリサさん? 怒りながら涙流すのは、どういうわけなんでしょ?「し、知らないわよ! ……なんで、どうして、男って、そんな、そんなんばっかり……酷いよぉ!」 ああ、ああ、ほれ、俺も心は男だが、勘弁してくれ。 ぐずぐずになってるアリサも抱き寄せ、背中をさすってあやす。 ……後、は……「……ちょ、どうしたのこれ?」「わからん……」 そこの大人二人、呆然としてないで少しはあやすの手伝ってくれい。 お茶会はそのまま終わりになり、解散と相成った。 はやて、なのはは送っていってもらうことになり、アリサは迎えの人が来た。 何気にアリサもお嬢様だったか? ……俺と、フェイトは、一緒に歩いて帰ることにした。「これで何個になったの? ジュエルシード」「全部で7つ。……なのはが全部渡してくれたから」 ……う~ん。このまま、フェイトのお母さんに渡していいものか? なんか嫌な予感するんだよな…… だって、ストライカーズでは、フェイトのファミリーネームにハラオウンとかついてるし。 ……多分、一期でフェイトのお母さんはいなくなる。 そうすれば、この子は、きっと、泣くだろう。 ……それは、嫌だ。「ねえ、フェイト? ……お願いが、あるんだ」 きっと、俺は間違ったことをいろいろしようとしてる。 でも、アニメの流れとかしらないし、本筋なんかもわからない。 できるかどうかもわからないけど、でも。 もう、何もできずに、大切な者がなくなるのは嫌だから。「フェイトの、お母さんに会わせてくれないかな?」 これは、そのための、第一歩。 <なのは> 今日は、いろんなことがあった。 せつなちゃんが連れてきた、フェイトちゃんとはやてちゃんとお友達になった。 フェイトちゃんとせつなちゃんが私と同じ魔法使いで、ジュエルシードを集めてることを知った。 フェイトちゃんとせつなちゃんと一緒に、ジュエルシードを封印した。 フェイトちゃんのお母さんのために、ジュエルシードをフェイトちゃんに渡した。 みんなに魔法のことがばれちゃった。 せつなちゃんの前世の話を聞いた……。 せつなちゃんが、儚げに、微笑んでくれた……。「……お兄ちゃん」「どうした? なのは?」 お兄ちゃんなら、せつなちゃんの悲しみは、わかるんだろうか?「もし、もしね? 私が強盗さんに、殺されちゃったら、お兄ちゃんはどうする?」「……突然だな。何かの小説か?」「……ううん。違うけど……」 お兄ちゃんはちょっとうなった挙句。「多分、その強盗を捕まえて、警察に突き出して、刑を受けてもらう。……模範的な回答かもしれんが、そう答えるしかないな」 それが、普通なのかな?「その強盗さんを……殺して、仇討とうとしないの?」「……どうしたんだ? 本当に、何かあったのか?」 ……信じてもらえないかもしれないけど。 そう前置きして、せつなちゃんの話をしてみた。「……それは……そうだな。それも、一つの答えかもしれん。だけどな、なのは。それはそのときにならないと、わからないんだ。……それにな?」 お兄ちゃんは笑って。「そうならないようにするのが、御神の剣だ。……大丈夫だ。お前は、なのはは、俺が守るよ」 そう言って頭を撫でてくれました。「でも、どうしたら、せつなちゃんに、ホントに笑ってもらえるんだろう」「……そうだな……それは、彼女がこの時代で、守りたい事、守りたい者を守りきることができれば、多分」 ……じゃあ、私は。「私は、せつなちゃんが悲しい思いをしないように、せつなちゃんを守る」 多分、それが、正解に近いと、思うから。『(なのは? ちょっといい?)』「(ユーノ君?)」 ユーノ君に呼ばれて、部屋に戻った。「どうしたの、ユーノ君?」「ちょっと、せつなさんの事で」 帰ってきてから、ユーノ君はせつなちゃんの魔法に不審なところを見ていた。 何か、私たちと違うみたいだった。「まだよくわからないけど、せつなさん、ひょっとしたら、ロストロギアを持ってるのかもしれない」 ロストロギアって、ジュエルシードみたいな?「それとはまた違う系統だと思う。……けど、嫌な予感がするんだ。彼女は……危険だ」 ……危険? せつなちゃんが?「ユーノ君……」「せつなさんに近づくなとは言わないけど、気をつけて。彼女には、何かある」 わかってる。 わかってるけど……「でも、ほっとけないよ……」 いつか、私たちの側から消えちゃうような。 そんな女の子だから。