<せつな>『じゃあ、大丈夫なのね?』「はい。……すみません。迷惑かけました」 病院の廊下。公衆電話でリンディさんに連絡。 ……それで、聞いた。「……全滅……ですか……」『……それでね? クイントさんの遺体だけ、まだ見つかってないの。……他の隊員のは、見つかったんだけど……』 ? あれ? 確か、クイントさんは……ちゃんと遺体を返されたはず…… でも、間に合わなかったのは、事実。「……分かりました……」『後、ナカジマ三佐には貴方の配属は待って貰ったわ。伝言があるけど、聞く?』「おねがいします」『えっと、『体治してから出て来い。待ってるから』……て。貴方の事、期待してるみたいね』「……ありがたいことです……」 こんな情けない俺を、待ってるって……畜生……「じゃあ、二日ほど、休暇に入ります。……ありがとう、母さん」『……ええ。しっかり休みなさい。じゃあね?』 ……電話を切る…… 最悪だ…… 皆を……死なせてしまった……「こんなはずじゃ……なかったのにな……」 本当に、クロノはいいこと言ったよ…… ……まあ、果たせなかったことは仕方がない。 ゲンヤさんに殴られて、ギンガ達に嫌われて、クイントさんの冥福を……? ……いかんな。もう、俺を呪いに来たか?「……せつなちゃん。こんな所に」 足あるなんて、よっぽど恨めしかったのか……じゃなくて、「……ゑ!?」 本物……生きてる!? 「え!? クイントさん!?」「そ、そうよ? クイントお姉さんよ?」 はぁ!? なんでどうしてどうなった!? 夢でも見てんのか俺!?「……えい」 夢なら、ここで目が覚めるはず! ……抱きついても、目は覚めない。 ちゃんと、体温がある。 幽霊でもない……生きてる!?「……せつなちゃん……」「……心配した……ゼスト隊が、全滅したって聞いて……」「……うん。ごめんね……」 抱きしめ返してくれる。 うん、この人は、本物のクイントさんだ。 良かった……「でも、何でクイントさんだけ……」「……あの子が、助けてくれたの」 あの子? ……はい? なんだあれ?「……」 無言で近寄ってくる。 ……鏡? いやいや。 ……俺?「……君は……」 俺が、全身タイツを着て、立ってた。 全身タイツ? て、これってチンクさんが着てた奴と同じ? そうだよ。ナンバーズのボディースーツじゃん。 え? てことは……「……はじめまして、オリジナル。私は、貴方の遺伝子で作られた戦闘機人。名前はカグヤ」 カグヤ…… 蓬莱ニート? 永遠だから? ……つまり。「俺か!?」「私です」 ……この子は、俺の知識を持った私? ……そう言えば、さっきから……いや、目覚めたときから、女性意識が出にくくなってる。 魂の分離? 記憶の共有? ……それの構築で、一日寝てたのか!? ありえる。 ……た、確かめる!「イイカヨクキケ蓬莱ニート!」「私は蓬莱人形ではない!」 ……いきなりのやり取りで唖然とするクイントさん。 ごめんもうちょっと付き合って。「コイン一個じゃ命一つも買えないぜ?」「あんたがコンテニューできないのさ!」 ……東方系はばっちり。 なら!「全力全開!」「疾風迅雷!」「「『ブラストカラミティ』!!」」 漫画版もいける! これはどうだ!「私は、もう誰も、傷ついてほしくないから!」「少し、頭冷やそうか?」 ……できる! レスポンス早い!「……俺、なんだな?」「……私、だよ?」 ……なら、ここは……「妹よ!」 さあ、返してみろ!「母さん!」「ちっくしょー! そう来たか! でも許すぞ娘よ!」「でも母子ってシチュエーションは禁断だよね。てことで姉さん!」 ひし!「……えっと、一応感動の再会……なの?」 会ったことは一度もないけどな?「うう、やっぱり胸ない~。そこくらいは弄っとけドクタ~」「そこを改造してから来るべきだったかも~。ごめんね姉さん~」「クイントさん助けてくれたんなら許すぞ。……ゼスト隊長や、メガーヌさんは……」「ごめん。間に合わなかった……ごめんね」「いや、俺は寝こけてたから、文句は言えない……ありがとう」 ……ちなみに、はたから見たら双子の抱擁にしか見えない。 それに。「ふ、二人とも……手つき怪しいわよ……特にせつなちゃん」 俺かよ。「姉さん、エッチ」「お前もな……さて。ちょっと情報整理する。病室来い。今、俺疲労で入院中だ」 二人を連れて病室へ……そこには。「……いたな、カグヤ。……せつなも」 五番さん降臨。 行動早いな。「う、チンク姉さん……」「……チンクさん。……目は、ゼスト隊長に?」 アイパッチ装備済み。 ……そして、クイントさんは、「……貴方が……隊長を!」 デバイス準備……できない。「……周囲に、AMFを張ってある。……魔法は使えないぞ」 ……デバイス展開できないほどの濃度ってわけね。 流石に準備は万端か。「……チンクさん。カグヤから話は聞いた。……それで、そっちはカグヤをどうしたいんだ?」「私が聞きたい。カグヤ。何故私の言いつけを守らなかった?」 ……記憶の共有が起こったなら、簡単な話。「クイントさんを殺せば、彼女の娘たちが悲しむからです。ゲンヤさんも、悲しむし、何より……せつな姉さんが一番悲しむ。……それが、一番嫌だった。それだけです」 ……だよなぁ。 人の悲しむ顔を嫌う俺らだから、その答えは当然だ。「……せつな。カグヤはどういうことになっているか、お前はわかるのか?」「俺の記憶が流れたんだろ? 記憶の共有さ。……どんな奇跡か知らないけどな。……文句はドクターに言え。俺の遺伝子なんか使うからだ」 まあ、使わなかったら、カグヤの代わりに俺が助けにいけたはず。 文句はあるけど、感謝もしとこう。 とりあえずは。「ドクターの自業自得だ。……後、カグヤを連れて行くのか?」「……なら、この先、カグヤは私の話を聞かず、そんな理由で動く可能性はあるのか?」 ……あるかな。「対象が、俺の知り合いで、大切な人なら、確実にな。……もちろん、それはお前らにも適応されるし」「……私、せつなもだけど、姉さんたち、大切だから……」 ……うう、俺のクローンだけど、可愛いぞカグヤ。「……せつな。しばらく、カグヤを預けておく。……ドクターに、指示を仰ぐが……もしかしたら、お前にも来てもらうかも知れんから、その時は」「同行しよう。……カグヤの身体データとか、体じっくり見たこととか、余罪はたっぷりあるしな」 ふふふふふ。 ぼっこぼこにしてやる。「……待ちなさい」 ……クイントさん。「……なんだ?」「ゼスト隊長は……」「あの御仁は、私が倒した……それが、私に託された命令だ」 ……その言葉は、辛い。「その件もあったか。チンクさん?」「なんだ?」「今日は見逃す。……次あったら、覚悟しとけ。お仕置きしてやる」 大切だけど、大切だけど、ゼスト隊長を殺した罪は、購ってもらう。 ……視線が交わる。 「……ふん。返り討ちにしてやる」 そう言って、彼女は病室を出て行った。 ……同時に、病室内を重い空気が流れる。「……姉さん」「すまん。……でも、ゼスト隊長は、俺の、尊敬する人だったんだ」「……知ってます……知ってます……」 俺の感覚と、私の感覚にはずれがある。 カグヤと記憶共有したことで、せつな側に俺が強く出て、カグヤ側に私が強く出ている。 完全とは言い難いが、住み分けが行われた。 ……さて、これがどう影響するか……「クイントさん」「……うん。ごめん。そう言えば、あなたは彼女の事、知ってたのよね」 ……クイントさんには、二年前の夏に話した。「はい。……まさか、カグヤなんてのができてるとは知りませんでしたが」「そう……私達が、あそこで全滅する可能性も知ってたの?」「……させるつもりは、ありませんでした。……参戦するつもりでしたし」「……命令違反をしてでも?」 その通り。 大体。いつもの事だ。「それで始末書も覚悟の上でしたよ。……まさか、一日寝こけるなんて、思っても見ませんでしたが」「そっか……せつなちゃんはいつもどおり、無理しようとしてたわけだ」 ……いや、面目ない。「……すみません」「もう、いいわよ。……それで、これからどうしようかしら?」 ……よし、過ぎたことは過ぎたことだ。 まず、クイントさんだ。「クイントさんとカグヤは、しばらくこっちで暮らしてもらいます。カグヤ。クイントさんの護衛を。……前の俺の部屋。いつでも使えるようにしてあるから、そこ使え」「うん。わかった。……あ、姉さん。お願いがあるんだけど」「どした?」「私のデバイス、ストレージでいいからもらえないかな? ISじゃ、広域戦闘しかできないから」 ……広域?「……どんなISだよ」「え? ……だ、弾幕」「喰らいボム?」「かすり」「かすり点?」「グレイズ」「グレイズ!?」 おいおい。 スペカかよ。「うん。IS『スペルワード』。スペルカードシステムそのまんま。喰らいボムもできる」「できるのか……」 ドクター……あんたホントいい仕事しすぎだよ……「わかった。マリエルさんに頼んで、ストレージ貰ってこよう。……今日明日はここにいるから、それ以降になるけど、それは勘弁な?」「うん。姉さん、ありがとう」「可愛い妹の為だ。……もう一回抱いていい?」「うん、いいよ?」「こらこらこら! 姉妹でそういうのは……ちょ、駄目よ?」 やっぱ駄目か。「仕方ない。また今度に」「今度でも、普通に駄目でしょ! ……せつなちゃん? 女の子同士でそういうことは、いけないことなのよ?」 いや、そんな力説されても。「俺、女の子大好きだし」「私も、男の人嫌いだし」 ……あれ?「……嫌いまでいくのか? カグヤは」「えっと、触られると……嫌。怖くて……」「ドクターは?」「ドクターは平気。エッチじゃないから」 ……分からない。「えっと、じゃあ俺は? 男性意識強いけど」「せつな姉さんは好き。私だし。優しいし……」 ……分からん。「……えっと、何? 貴方たちの中で、男に興味はないの?」「……憧れとかはありますけど、仕草とか、立ち振る舞いとか。けど、恋愛感情はないですね」「私はまったく。だって、男って女を犯すことしか考えてないし」 いや、それは極端だぞ……て、そうか。 俺の記憶に引っ張られてるのか。 あれがトラウマになってるんだな……「……せつなちゃん。カグヤちゃんなんかあったの?」 「俺の前世は知ってますよね? それの記憶を知ってるから、トラウマに……」「なるほど。……せつなちゃんは、直したほうがいいと思う?」「思いません。てか、大事な妹を男なんかにわたさねー」 ふふふふ。 カグヤは俺のだ。「……せつなちゃんも大概歪んでるわね……」 何を今更ってやつです。 とにかく、カグヤとクイントさんは前に住んでいたアパートにうつって貰った。 翌日、無事退院した俺は、直にミッドに飛んで、先ずは……髭達磨のところへ。「達磨ぁ!」「……来たか。遅かったな」 来る事は分かってたようだ。「ゼスト達の事は……残念だったな」「まったくだ! ……弁明はあるのかよ?」「あいつが、もうあそこを掴んでいるとは……知らなかった。わしの落ち度だ……すまん」 ……達磨自身もショックだったようだ。 まあ、親友だと言っていたしな……くそ。「ゼスト隊。生き残りは?」「……本部では、生き残りはなしと発表した。……お前の懇意にしていたものも、いたようだが……死亡として処理した」 ……ち、クイントさんをこっちに連れて来れないな。 なら、仕方ない。「……じゃあ、あんたは、それでも戦闘機人の計画に手を貸し続けるのか?」「……ふん。知っていたか。……ああ、そうだ。違法研究だが……これからの世代には、必要なことだ」 ……ああ、そうかい。 じゃあ、それはもう放置だ。 達磨にも達磨の正義があるし、このおっさんを更迭したところで、別の奴が傀儡にされるだけ。 なら、まだ達磨のほうが、正義を掲げてるだけマシだ。 そこは融通するしかない。 ……こっちも切り札切るか。「じゃあよ。こっち……俺は俺で勝手にやらせてもらうぜ。その違法研究がかすむぐらいの、手札があるからな」「……ほう? いいだろう。やってみせろ。……嘱託魔導師にどれだけできるか。見せてもらおうか」 当然。度肝抜いてやる。 辺境世界舐めんなよ? オーリス女史が戻ってきたので、そのまま退散した。 あの人、俺を子ども扱いするから苦手。 平気で頭撫でるし。 さて、次はゲンヤのとっつあんのところへ。 正式な配属は明日からだが、一応報告もあるし。「お、体は治ったのか?」「ああ。心配かけました。……で、今ちょっとはずせます?」「……ああ、ちょっと待て。カルタス! 休憩行ってくらぁ!」 連れ立って休憩室へ。 とっつあんタバコ吸うんだ。「あ? わりいな。……流石にお前は吸わんよな?」「こっちの身体になってからは一本も。……まあ、高校出るまでは、吸わないことにしてます」「へ、まあいいけどよ……」 煙を吐いて……ああ、ちょっとやつれてるな。 とっとと安心させてやるか。「ギンガ達、元気にしてます?」「盛大に泣いてるよ……遺体すら出てこないのに、死亡扱いだ……やるせねえよ……」「クイントさん、生きてますよ」「……せつなよぉ。笑えねえ冗談は……」 見つめる。 その視線だけでわかってくれた。「……マジか?」「マジです。今、俺の世界に」「……そうか。良かった……」 肩を落とし、どっと息を吐くゲンヤさん。 ……辛かったんだな。 「けど、達磨が死亡認定しやがったから、しばらくこっちに連れて来れません」「あ、ああ、そうだよな。……なあ、頼みがあるんだが」「わかってます。ギンガ達を連れて行けばいいんですね?」「話が早くて助かる。今日あたり、連れて行ってくれ。……けど、定期検査とかあるから、そっちに移住はできねえ」 ……そうだよな。 管理局側の戦闘機人のサンプルだ。 そんなに簡単に、手放せるわけがない。 ……データ取りが終わるまでは、ミッドから動かせない。 仕方ない。「落ち着くまでは、こっちで預かって、決心つけさせて、そっちに返しますよ。……それでいいっすか?」「おう、頼む……て、お前さん。この間会ったときより、男っぽくなってないか?」「……ちょっと、いろいろありましてね……」 女性意識をカグヤに預けたせいか、女性っぽく動けなくなってきた。 ……後で、いろいろ調整しないと、自分の意識とか。「じゃあ、今日はこの後ギンガ達のところに行きます。そのまま連れて行きますが、いいですね?」「ああ、二人を頼む……それと、明日はちゃんと出て来いよ?」 仕事がたまってるんだと、愚痴を吐くゲンヤさん。 心なしか嬉しそうなのは、クイントさんが生きてたからか、俺をこき使えるからか…… 前者だな、絶対そうだ。そうだったらそうだ! 今日はばたばたするが。 あいつらの笑顔の為なら、身を削る勢いで! ナカジマ邸の玄関を開ける。 鍵掛けとけよ無用心な。「ギンガーーーーー! スバルーーーーーー!」「「せ、せつなおねぇえぇちゃあああああ」」 飛びついてきた。 はやいはやい。「おかあさんが、おかあさんがぁ!」「せ、せつなさあん……」 うぅわ。スバル泣きすぎ。 目が真っ赤になって兎さん状態。 ギンガも俺が顔見せたら泣き始めた。 我慢してたのか。「……おら、お前ら泣きやめぇ!」「「ひぃぐ!」」 と、いけね。 怒鳴っちまった。「お母さんに会いたいか!」「……え?」「会いたい! 会いたいよぉ!」 スバルは食いつき良すぎ。 ギンガ、目を白黒させてかわいー。「会いたかったら、今すぐに着替え持って再集合! 制限時間十分! 行けぇ!」「「は、はいい!!」」 ふふふふ。 この二年間の信頼は伊達ではない。 大切に育てた甲斐あって、今じゃほんとにお姉ちゃんとして慕ってくれている。 ……十分経たずに準備してきた。「よし! ギンガ、スバル。お母さんに会いたいか!?」「は、はい!」「会いたいです!」「声が小さい! お母さんに会いたいか!!」「「はい!!」」 よし、いい声。「じゃあ、しゅっぱ~つ! お母さんに会いに行くぞ~!」「「おーーーーー」……せ、せつなさん、あの」 あはは。 流石にノリだけでついていけないか、ギンガ。「大丈夫。クイントさん、生きてるから」「……え!? ホントですか!?」「お姉ちゃんは嘘つきだけど、嘘なら嘘ってちゃんと教えるだろ?」「……はい!」 満面の笑顔。うんうん。 その顔が見たかった。 ……と、その前に。「スバル、顔を拭こう。ほら、ちーんして」「ちーん」 鼻水でべたべた。 手持ちのハンカチで顔を拭いてやる。 ……うーん。ちっこくて可愛い。 とりあえず、堂々と空港ステーションへ。 手続きして、本局転送ポートへ。もうとんぼ返りもいいところだな。 で、今度は中継ポートに跳んだ所で。「せつなちゃん!」 なのはに遭遇。 ……なんでそんな悲しそうな顔してるの?「あ、ギンガちゃんたちも一緒なの?」「おう。どうした?」「どうしたって……聞いてるよね? クイントさんが……」 ……あ、リンディさんたちに情報回してないや。「なのは。耳貸して」「え?」 念話使えって言うのなし。 こういうのは、様式美だから。「ごにょごにょごにょ……(クイントさん、実は生きてるから)」 結局使ったり。「へ? ええええええええむぐ!」「声が大きい」 口を塞ぐ。振り向いてくる局員に笑いかけ、その手を離す。「関係者各位に、情報、回しといて。それ以外には内緒でな?」「わ、分かった……じゃあ、ギンガちゃんたちは、これから?」「そういうこと。……後、もっと驚くこともあるから。それは後でね?」「え? うん、わかったよ。……せつなちゃん。体大丈夫?」 ……まあ、一日寝たしね。「平気平気。俺って頑丈なの知ってるだろ?」「知ってるけど、せつなちゃん、無理してでも平気そうにするから、心配だよ」 ……なんかアニメ二話の会話してるみたい。 しかも、なのはに言われてるのが納得いかん。「今日は絶好調だよ。大丈夫。……じゃ、先戻ってるから」「うん。気をつけてね?」「わかってる。ありがとな」 なのはと別れ、地球は海鳴市へ。 一度自宅へ。……また誰もいないし。 まあ、リンディさんたち大変そうだしなぁ…… 執務官ならなくて本当によかった。 家から出て、前の自宅へ。 ……玄関まで来て、深呼吸。 ……ただいま。「……おーい、クイントさ~ん?」 玄関開けて、呼ぶと、顔を出した、青色ポニーのおねーさん。「あら、せつなちゃん? どうしたの?」「お届けものでオウチぁ!!」「「おかーーーさーーーん!!」」 お姉ちゃん押しのけるとか!? そんな子に育てた覚えないよ!?「あなたたち……よく来たわね?」「お母さん、お母さん、おかあさーん……」「お母さん、無事でよかった……」 ……まあいいか。 「姉さんナイス。感動をありがとう」「とっつあんに頼まれたからな。……これで、しばらくは頑張れる」 妹分の笑顔の為なら、頑張れるよ、うん。「あ、それで、チンク姉さんから通信。近日中に連絡入れてほしいって。私経由で」「うーん。しばらくは無理って返しといて。都合が付き次第連絡すると」「わかった。……ちゃんと姉妹できてるね、私たち」「俺たちだからな。……てか、その服似合うな。クイントさんが選んだのか?」 こっちの活動資金は渡したが、フリフリのアリス服って……「……あんまり見ないで」「いや、ナイスクイントさん。妹が可愛いぞ」 うん、本当に頑張れる。 後、落ち着いたギンガ達がカグヤ見て驚いていたのはお約束。 傍目からして、ほんとに双子だからなぁ……