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No.6790の一覧
[0] とことんリリカルを引っ掻き回してみた・リリカルオリ主多重クロス[4CZG4OGLX+BS](2009/07/18 18:33)
[1] 1.りーいんかーねいしょん[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:57)
[2] 2.海鳴の街の眠れない夜[4CZG4OGLX+BS](2009/03/13 12:54)
[3] 3.空飛ぶ魔法少女の不思議な毎日[4CZG4OGLX+BS](2009/02/25 19:15)
[4] 4.幸せは儚き少女の為に[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:22)
[5] 5.夜天の主は彼女なのか?[4CZG4OGLX+BS](2009/03/02 11:12)
[6] 6.オリエンタルスターフライト・前編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/06 17:21)
[7] 6.オリエンタルスターフライト・後編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/06 17:26)
[8] 7.スノーホワイトケージ[4CZG4OGLX+BS](2009/03/07 12:21)
[9] 8.悲しみは散り、夢は幻想に[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:58)
[10] 9.海鳴温泉館 一つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:32)
[11] 9.海鳴温泉館 二つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:35)
[12] 9.海鳴温泉館 三つ目[4CZG4OGLX+BS](2009/03/13 12:56)
[13] 10.明治十七年の温泉アリス[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:36)
[14] 11.管理局が見ている[4CZG4OGLX+BS](2009/03/14 09:01)
[15] 12.星色マスターブレイカー[4CZG4OGLX+BS](2009/03/16 10:55)
[16] 13.Retrospective of Mid-childa[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:44)
[17] 14.サクリファイスドール[4CZG4OGLX+BS](2009/03/19 08:02)
[18] 15.夏色脇路[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:45)
[19] 16.ボーダーオブライフ[4CZG4OGLX+BS](2009/03/27 14:26)
[20] 17.ボーダーオブライン 前編[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:35)
[21] 17.ボーダーオブライン 中編(微グロ表現あり・選択肢あり)[4CZG4OGLX+BS](2009/03/28 22:42)
[22] ↑の選択肢解説特番。もしくは、作者のお遊び。[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 20:05)
[23] 17.ボーダーオブライン 後編 ライン……[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:18)
[24] L18.人間と機人の境界 前編[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:46)
[25] L18.人間と機人の境界 後編[4CZG4OGLX+BS](2009/03/30 21:29)
[26] L19.インペリシャブルシューターガール[4CZG4OGLX+BS](2009/05/20 18:30)
[27] L20.人生遊戯 -ライフゲーム-[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:19)
[28] L21.空を飛ぶ不可思議な魔女[4CZG4OGLX+BS](2009/05/22 21:08)
[29] L22.ブレイジングシューティングスター[4CZG4OGLX+BS](2009/05/23 04:07)
[30] L23.プリズムコンチェルト ミッド編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 02:45)
[31] L23.プリズムコンチェルト 海鳴編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 19:19)
[32] L24.マジカルガールズウォー リリカルサイド+α[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:38)
[33] L24.マジカルガールズウォー オリジナルサイド[4CZG4OGLX+BS](2009/05/24 20:07)
[34] L25.新難題ロストロギア 出発編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/25 19:58)
[35] L25.新難題ロストロギア 一日目前半[4CZG4OGLX+BS](2009/05/25 20:07)
[36] L25.新難題ロストロギア 一日目中盤『アリサ』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:39)
[37] L25.新難題ロストロギア 一日目中盤『すずか』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/26 01:03)
[38] L25.新難題ロストロギア 一日目後半[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 12:59)
[39] L25.新難題ロストロギア 二日目朝~昼[4CZG4OGLX+BS](2009/05/26 19:43)
[40] L25.新難題ロストロギア 二日目昼~夕方『刹那』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/27 00:10)
[41] L25.新難題ロストロギア 二日目夕方~夜『はやて』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 19:34)
[42] L25.新難題ロストロギア 三日目前編[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 19:44)
[43] L25.新難題ロストロギア 三日目後編『なのは』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/29 23:01)
[44] L25.新難題ロストロギア 四日目朝の風景[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 17:49)
[45] L25.新難題ロストロギア 四日目昼の風景『フェイト』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 18:40)
[46] L25.新難題ロストロギア 四日目夜の風景『最終試練・せつな』[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 20:35)
[47] L25.新難題ロストロギア 五日目リザルト[4CZG4OGLX+BS](2009/05/30 23:24)
[48] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・表[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:01)
[49] L25.新難題ロストロギア 五日目説明・裏[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:02)
[50] L25.新難題ロストロギア 五日目おまけ[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 19:35)
[51] L25.新難題ロストロギア 六日目後日談ミッド編[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:36)
[52] L25.新難題ロストロギア 六日目後日談海鳴編[4CZG4OGLX+BS](2009/06/05 23:44)
[53] L26.百万鬼夜行 夜の行軍[4CZG4OGLX+BS](2009/06/06 13:18)
[54] L26.百万鬼夜行 午前の任務[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 01:04)
[55] L26.百万鬼夜行 午後の策謀[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:36)
[56] 現在、更新が乱れております(謝罪と説明という名の言い訳)[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 19:14)
[57] L27.大魔導師の死 史実の死[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 01:15)
[58] L27.大魔導師の死 希望のための死[4CZG4OGLX+BS](2009/06/13 04:41)
[59] L28.トリップパラノイア アジトにて[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 22:46)
[60] L28.トリップパラノイア 外にて[4CZG4OGLX+BS](2009/06/20 22:47)
[61] L29.ミス・フォーチュンズホイール 曰く『地上本部の人攫い』[4CZG4OGLX+BS](2009/07/03 22:51)
[62] L29.ミス・フォーチュンズホイール 曰く『特務隊の銀狐』[4CZG4OGLX+BS](2009/06/25 23:07)
[63] L29EX.シューティングスターレヴァリエ[4CZG4OGLX+BS](2009/06/25 23:05)
[64] L30.奇跡降臨の道しるべ[4CZG4OGLX+BS](2009/07/03 23:12)
[65] L31-1.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と雪の街[4CZG4OGLX+BS](2009/07/10 19:43)
[66] L31-2.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と新しい生活[4CZG4OGLX+BS](2009/07/18 18:37)
[67] L31-3.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と初登校の再会 前[4CZG4OGLX+BS](2009/07/21 12:04)
[68] L31-3.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と初登校の再会 後[4CZG4OGLX+BS](2009/07/21 12:16)
[69] L31-4.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と夜の学校[4CZG4OGLX+BS](2009/07/23 14:35)
[70] L31-5.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと祐一と迷子の子狐[4CZG4OGLX+BS](2009/07/25 10:28)
[71] L31-6.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなと舞と素敵なお母さん[4CZG4OGLX+BS](2010/05/05 13:20)
[72] L31-6EX.彷徨える命題[4CZG4OGLX+BS](2010/05/12 18:04)
[73] L31-7.風を喚ぶ奇跡の儀式 せつなとなのはと休日のデート 前[4CZG4OGLX+BS](2010/05/12 18:13)
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[6790] 2.海鳴の街の眠れない夜
Name: 4CZG4OGLX+BS◆7c404254 ID:d17439a7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/03/13 12:54
 さて、明けて翌日。
 フェイトは数時間で帰ってきたようで、朝にはちゃんと起きだしてきた。
 俺とはやてで朝食の準備。
 トーストとベーコンエッグ、フレンチサラダと簡単に。
 
「じゃあ、はやてちゃんは学校行く前に家に送るね?」

「あ、それなら私が送るよ。せつなは学校行ってきて?」

 フェイトの提案。
 ……ここは甘えることにした。
 
「ごめんなフェイトちゃん。せっちゃん。学校の話、また聞かせてな?」

 はやてちゃんに微笑まれ、こくんとうなずく俺。
 ……多分、あまり面白くもない話だろうけど。

「……それじゃ、いってきます」

「行ってらっしゃい、せつな。気をつけて」

「行ってらっしゃ~い。気ぃつけてな、せっちゃん」

 二人に見送られ、憂鬱な時間の始まりだ。

 
 自分の部屋で学校へ行く用意をして、さあ、行こう……

【Please call me. call my name】

 ? 何かに呼ばれた。

【Please call me. call my name】

 ……なんだろ?
 呼び声に耳を傾ける。
 ……あ、昨日の本。
 よく考えたら、これ、闇の書の色違い。
 剣十字なんかそのまんまじゃないか。
 ……仕方ない。連れて行くか。

 本をかばんに入れ、記憶をたどってバス停へ。
 ……数分後、バスが来た。
 定期券を見せ、バスに乗り込む。

「あ! 来たわね!」

 ? 誰かに呼ばれた。
 今日はよく呼ばれる日だ。

「昨日はどうしたの!? 学校にも連絡いれず、心配したんだからね!」

 ……えっと、この金髪ロングは……
 えっと……ありさ?
 ……ああ、アリサ・バニングス。確か、魔王の友達だったか。
 三期じゃ名前ぐらいしか出てこなかったから、よく覚えてないが、確か初代ツンデレだと記憶している。
 で、私には、よく話しかけてくるうるさい人。
 そこは気にかけてくれてると訂正しとこう。

「……」

「……うう、まあいいわよ。今日はちゃんと出てきたんだし」

 どうも、何も話さなかったり、表情を出さなかったりする私にめげないで話しかけてくれているようだ。
 なんだ、誰からも無視されているのかと思った。
 ……後、クラスメイトのようだ。
 なら、魔王と同じクラスってのも確定か。

「とにかく、休むなら、学校にも連絡入れてよね? 何かあったのか、心配するから」

「……うん。ごめん、ありがとう、アリサ」

「ええ、解れば……せつな!? あんた言葉!?」

 ……どうも、私は喋れないと思われていたらしい。
 障害持ちとでも紹介したのか? 俺の親。

「喋らなかっただけだから。……ごめん。今まで、無視して」

「む、無視って……あ、いやその、あ、あれ? 今日に限ってどうして?」

「落ち着いて、アリサ。みんな見てる」

 アリサの慌て様に、乗客がみんなこっち見てる。
 赤くなるアリサを、可愛いと思った。

「……喋れたのに、喋らなかったの?」

「心が閉じてたから、話したくなかっただけ。……もう、大丈夫」

 そういうことにした。
 あながち、間違いではないだろう。
 ……担任の先生でも、自分がどうなってたのか、聞く必要がある。

「……じゃあ、ちゃんと、あんたの言葉で、自己紹介して。……あたしからしか、自己紹介してないのよ?」

『あたし、アリサ・バニングスよ。あんたの名前は?』

『……』

 ……ああ、そうだったね。

『だあぁぁっぁぁ! いい加減何とか言いなさいよ! 済ました顔しかしないんだから!』

『あ、アリサちゃん落ち着いて……あ、私、月村すずか。よろしくね? え~と……えいえんせつなって呼ぶの?』

『とわだよ、永遠せつな。で、私、高町なのはだよ? よろしくね、せつなちゃん』

『……』

『て、こら、無視するなぁ!』

『あ、アリサちゃん……』

 そうだそうだ。
 おもいだした。
 何だ、もう知り合ってたのか。
 このお節介焼きなツンデレが、私みたいな特異な子、ほっとくわけないか。

「じゃあ、そうだね。みんなが揃ってからにするよ。一人一人来てからだと、二度手間だし」

「う、そ、そうね。私だけじゃ不公平か……」

 ほら、次のバス停で……
 黒髪のストレートを揺らしたお嬢様が、バスに乗ってきた。
 あれがすずかだろう。

「アリサちゃんおはよう。……せつなちゃんもおはよう。昨日はどうしたの?」

「少し体調が悪くて……後、小食な子と馬鹿食いする犬に餌付けしてた」

 間違いではあるまい。
 後、アリサ、その呆れた顔はやめよう。

「あんた、そんなことしてたの……」

「……あ、あれ? せつなちゃん? 喋れるようになったの!?」

「そうみたい。……ごめんね、すずか。私、今まで、みんなを無視してたから」

「……ううん。今話してくれてるから、嬉しいよ、せつなちゃん」

 うう、女神様が目の前にいるよ。
 笑顔が凄くまぶしい。

「アリサちゃん、すずかちゃん、せつなちゃんおはよう! ……? みんなどうしたの?」

 いつの間に乗ってきたのか。
 亜麻色のツインテールの魔王様降臨。

「おはよう、なのは」

「なのはちゃん、おはよう」

 二人が挨拶して、俺に目線を送る。
 ……なるほど、これは、俺にネタをしろとの合図だな?
 
「お……」

「「お?」」

「おはようございます、魔王様」

「にゃ!? わ、私魔王じゃないよ!? て、せつなちゃん、そんなキャラじゃないよね!?」

「あれ? 私駄目だった?」

「駄目じゃないけど、いまいちね。なのはのリアクションは面白かったけど」

「……そういう問題かな?」

 むぅ、じゃあ、こっちで。

「じゃあ、改めて……おはよう、なのは。今日もとてもキュートだね」

「にゃあああ!? あ、ありがとう……じゃなくて! せつなちゃんが変だよぉ!」

「む、俺のどこが変だって? 俺はいつもどおりだが?」

「いや、男言葉はやめなさい。イメージと合わないわよ?」

「でも、結構似合ってるけど」

 すずか、その感想はいろいろやばめだ。
 そろそろカオスを収めるか。
 十分楽しんだし。

「……おはよう、なのは。少しなのはで遊んでみたかったんだ」

「……せつなちゃん、そんなキャラだったんだ……」

「驚くところが違うわよなのは」

「なのはちゃん、せつなちゃん普通にしゃべってるのはスルーなの?」

 そう、そこはスルーしちゃいけないと思うよ?

「? あ! ホントだ! せつなちゃん、喋れたんだ!?」

「……あんたって子は……」

「うん。なのはは可愛いねぇ」

「せつなちゃん、実は意地悪?」

 それはどうかな?
 まあ、それはともかく。

「じゃあ、改めて。私は永遠せつな。これからよろしく」

 ここに、シュール系美少女が誕生したわけだ。
 あ、電波系とか言うのは勘弁。



 学校に着くなり、みんなと別れてまず職員室へ。
 昨日無断欠席したから、謝らないと。
 担任は……いたいた。

「あ、永遠さん。昨日はどうしたの? ……具合でも悪かったの?」

 女性の先生で、俺に心配そうな目を向けてくる。
 ……えっと、どう言ったものかな……

「すみません。体調不良でした」

「そう、なら、仕方……永遠さん!? あなた言葉……」

 ああ、なるほど。
 教師公認の病状だったか、俺の無口っぷりは。

「あの、私、今まで外がよく見えていなかったんですけど、私は何か病気だったんですか?」

「……あなたは、心因性の失語症と、感情欠落を伴うPTSDってお医者様に言われていたの。覚えてないかしら?」

 ……精神病、心的外傷後ストレス障害か。なら、この反応は当然だな。

「覚えてないというより、聞いていなかったと思います。……おとついまでの記憶が、かなり曖昧ですから……」

「そう……とにかく、一度お医者様に見てもらいましょう。今日は、どうする?」

「せっかくなので、授業に出ます。病院は昼からで大丈夫ですか?」

「ええ、主治医の方に、来てもらうよう、連絡しておくわ」

 主治医いるのか。
 ……診察券は財布の中だな。
 何だ、通院はちゃんとしてたようだ。

「じゃあ、教室に行きます。失礼しました」

「はい、またあとでね?」

 職員室から出ると、アリサが迎えに来ていた。
 腕組んで仁王立ちは無駄に似合うからやめてください。

「先生、驚いてた?」

「アリサたちと同じ反応でつまらなかった」

「……まあ、そうよね」

 せめて、なのはレベルのリアクションはとって欲しい。

「それより、せつなは学校終わったら暇? よかったら、遊びに行かない?」

 それは魅力的だが。

「ごめん。お昼から、病院にいくことになっちゃったから、今日はお昼に早退」

「……そっか。残念」

 すまないアリサ。
 精神病だったということで、病院には報告しなければならないんだよ。
 でないと後々面倒だし。


 教室に入ると、みんながこっちを向いた。
 ? 期待されている?

「……えっと、リフォームしてやってきた白鳥麗華でございます?」

「古いし。混ざってるし。解る人少ないわよ、それ?」

 うん、やってみたかっただけ。

 俺が声を出したのを皮切りに、寄ってくるクラスメイト一同。気分は転校生。
 まあ、ノリ的には同じようなものだし。ちょうどいいから記憶と顔と名前を一致させていく。
 幸い、いじめられたようなことはないらしい。
 むしろ腫れ物扱い?
 後、シュール系より、謎キャラ的存在として認知された。
 ミステリーいいよね?

「ああ、疲れた……」

「お疲れ様。今までの分、全部吐き出したんじゃない?」

 いやいや、それでもまだ十分の一ぐらいですよ?

「せつなちゃん、今日はお昼で早退するの?」

「うん。病院行くから」

「そっか……残念」

 落ち込むななのは。俺だって残念だわい。
 小学校って、結構楽しいし。
 ……社会にでると、学校の楽しさがようやくわかってくるんだよなぁ……

「あ、じゃあ、今のうちに」

「どしたのすずか?」

「うん。明日、お休みだよね? よかったら、みんなでお茶会しようと思って。いいかな?」

「あ、いいわね」

「私も、いいよ!」

「……じゃあ、私も参加するよ」

 お茶会か。楽しみだな。
 ……あ、そうだ。

「あの、三人ほど連れて行きたい子がいるんだけど、いいかな?」

 どうせだから、フェイトたちやはやてちゃんも呼んであげよう。
 みんなに紹介するのも悪くない。

「なに? ひょっとして、あなたが餌付けしたって子?」

「うん。笑顔の儚い可愛い子と、その保護者っぽい犬娘と、私の幼馴染」

 はやてちゃんの説明だけ普通だ。

「せつなちゃん、私たち以外に友達いたんだ?」

 なのは、それはきついぞ。
 否定はできんが。

「うん。昨日義姉妹の契りを交わしてきた」

「どこの三国武将か!」

 を、俺と同じツッコミを。

「いいよ? じゃあ、迎えに行くね?」

「うん。ありがとう」

 ……あれ? 話的になんかまずいような……
 まあいいか。
 無印見てないから、話の流れなんか知らないし。




 と、言うわけで、お昼になったので、病院の主治医と共に中央病院へ。
 なのはたちとお別れして、向かうことになった。

「……じゃあ、昨日、夢を見た後、話せる様になったんだね?」

「はい。……何か、おかしいですか?」

 自分で言っててあれだが、やっぱりおかしいだろう。
 
「……正直、もう少し様子を見たほうがいいと先生は思ってる。もうしばらく、通院してもらえないかな?」

「わかりました。ご面倒をおかけします」

 やれやれ、面倒なことだ。
 まあ、自分のことだから、仕方ないだろう。

 簡単な問診を終え、部屋から出ると、待合室に見覚えのある二人組。
 金髪のツインテールと車椅子のショート。

「フェイト、はやてちゃん?」

「え? せつな?」

「せっちゃん!? どうして病院に?」

「あはは。どうも、私も病気持ってたみたい」

 精神病だけどな。
 病名を言うと、やはりはやてちゃんの顔が曇った。

「……あたしの、せいやんな? それ……」

「はやてちゃんは悪くないよ。むしろ悪いといえば……俺のほうだしな」

 この、無駄な、記憶さえなければ。
 ……たぶん、たぶんだけど。
 嘘つきといわれ、嘘じゃない事を証明しようと、記憶を掘り返し……
 あの、現場を思い出したんだろう。
 幼い少女に、あの光景は、きつすぎる。
 耐えられなかったんだ。心が。
 だから、全てを拒絶した。
 そして、しばらくして、ようやく人格を再構成し終えた俺が、目を覚ました。
 ……結果的に、この少女の身体を乗っ取った事になる。
 前世からの魂の持ち越し。
 難儀な話だ。

「だから、気にするな。俺のせいだから。はやては、気にする必要はないよ」

「……うう。なんかせっちゃんがカッコええし……」

「せつな、俺って言い出すと、声低くなるんだね。聞いてて落ち着くよ」

 む? そうなのか?
 自分じゃよく解らんが……
 あ、丁度いいや。

「ところで二人とも、明日暇?」

「あたしは基本的にいつも暇やで?」

「私も……用事はないよ?」

 よしよし。

「今日学校で、お友達からお茶会の誘いを受けたから、二人も一緒にどう? 話はつけてあるから。あ、フェイト、アルフも連れてきていいよ?」

「え!? い、いいの?」

「せっちゃんの友達かぁ……あれ? せっちゃん、友達おったん?」

 はやてが酷いんだよもん。

「いたみたいだね。ぜんぜん話してなかったけど、今日話したら、みんなに驚かれた」

 病気のこともあったし。

「ん~。ほんなら、あたしも出席しよかなぁ。友達できるんはたのしみや!」

 あい、はやてちゃんは決定。

「フェイトは?」

「……私は……」

 う、ちょっと引き気味?
 ならここは、押して押して押し捲る!

「行こう、フェイト。みんないい子ばかりだし。フェイトだっていい子だから、きっと仲良くなれる」

「そやそや。フェイトちゃんかて、あたしやせっちゃん以外の友達作ったほうがええで? 学校行けん分、友達は大事や」

 おお、はやてちゃんがいいこと言った。

「……あ、あの、二人とはもう友達なの?」

 ……あれ?

「フェイト、私と友達でしょ?」

「そして姉妹やで?」

「……そ、そうだったんだ……」

 ええい、この天然さんめ。
 唖然とする顔が可愛いぞ。

「せなら、今日もお泊り会やな?」

「あ、ごめん。今日は用事があるから……」

 フェイトは用事があるらしい。
 ……多分、ロストロギアだろう。

「何や、残念。……じゃあ、明日何時に集まればええ?」

「私の家に迎えに来てくれるから、午前九時に私の家に」

「……うん。わかった。ごめん。はやて」

「ええよ、しゃぁないわ。あたしも、今日は家のお掃除せんと」

 あ、なら。

「手伝おうか? この後は暇だし」

「ええの? じゃあ、手伝ってもらうな?」

 素直に甘えてくるはやては好きだよ。

「……じゃあ、私も、まだ時間あるし」

 と、我慢できなくなったのか、フェイト参戦。

「よっしゃ! じゃあ、みんなでお掃除や!」

「「おー!」」






 みんなではやての家に向かい、夕方までお掃除に熱中しました。
 夕食をみんなで食べて、その後、解散。

「……流石に、日が落ちると暗いね」

 一人で帰り道を歩く。
 星がキラキラ輝いてキレイだ。
 ……こんな日は、上を向いて歩きたくなる。

「……? なんか、飛んだような……」

 フェイトかな?
 ……と、思った矢先。

「わ!?」

 何かに突き飛ばされました。
 なに? 何事!?

「……あれ?」

 目の前に、おっきな犬さん。
 ただ……酷く、邪悪なオーラを感じるよ?
 まさか……

「GOOOOOOOOOOSSSAAAAAAAA!!」

 ロストロギアの暴走体!?
 何でこんなところに!?

「に、逃げないと……」

 今の私じゃ、こんなの相手できない!
 襲い掛かってくる犬をかわし、一気にダッシュ!
 もちろん、追いかけてくる犬。
 ただ、凄く怖い。
 迫力が尋常じゃない。
 後、スピードも。

「うわぁ!」

 タックルされて、倒れこんだ。
 カバンから、本や筆箱が放り出される。
 じわじわ近づいて来る犬。
 目に付く白い闇の書。
 ぎらつく犬の瞳。
 ふと思い出す、強盗たちのイカレタ瞳。
 後ろに横たわる……最愛の姉と妹の……

「あ、ああ、あああああああ」








 屍。








「うわぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!」

【Please call me. call my name】

 頭に響く声。
 名前? 呼べって?
 なら、俺に力を貸せ! 
 この犬を、殺せる力を!

「来い! 【パラディン】!!」

【yes master】

 白い本の鎖がはじけとび、俺の目の前に飛んでくる。
 本が開き、光があふれ……俺の身体に、白銀の鎧が装着された。
 その姿は、まるで、ゲームの中の騎士の様だ。
 ……て、鎧だけかよ!?

【Please call master's arm】

 俺の武器? 呼べばいいのか?
 なら、

「【アロンダイト】スタンバイ!」

【stand by alondite set up】

 右手に重量を感じる。
 俺の身長ほどの両手剣。
 カートリッジシステムは着いてるから、ベルカ式のアームドデバイスのようだ。
 て、俺ベルカ式なのか!? ドイツ語しらねぇ!?

「GAOOOOOOOOOO!!」

 でも、向こうは容赦なく襲い掛かってくる。
 大きく口を開けて飛び掛ってきたそれに。

「ええい、くたばれぇ!」

 剣を叩きつけた。
 魔法も何もあったもんじゃないただの物理打撃。
 が、【アロンダイト】はちゃんと魔力刃を構成。
 魔力ダメージを犬に与えられたようだ。

「GU,A,GAAAAAAOOOOO!!」

 けど、あまり効いてない様子。
 ちゃんとした魔法で攻撃しないと駄目か?
 ええい、どうしたものか。

【master.】

「ええい、英語も実は苦手だ! 日本語でおk!!」

【……これでいいですか? マスター?】

「上出来だ! 魔法の使い方を強制インプット、できるか!?」

【できます。一分ください】

「頼む。……せいぃあ!」

 再び襲い掛かる犬を蹴り飛ばす。
 これ、絶対女の子の戦い方じゃないよね?
 
【インストール終了。マスター!】

「よし!【アロンダイト】カートリッジロード!」

 剣の柄に設置されたシリンダーが回り、[ガション]と、カートリッジが起動した音が鳴り響く。
 腕から、身体に、魔力が迸るのがわかる。
 後は、体制を整え、こちらを睨みつけている犬に、最大戦速で接近!

「くたばれ! 【餓狼一閃】!」【howling bride】

 真正面から叩き切った。
 ……閃光の後、気絶したドーベルマンと……

「……これが……ロストロギア……?」

 青い宝石が、ふわふわ漂っていた。

「えっと、【パラディン】? 封印はできるか?」

【マスターの杖を。同時に、剣は格納されます】

 ? ……もしかして、一つのデバイスに、複数のアームドデバイスが格納されている?
 ……主が前に出るタイプの守護騎士システムか?
 むしろ、守護騎士に、俺がなるのか?

「まあ、ともかく、封印が先だな。……【ブレイブハート】スタンバイ」

【stand by brave-heats set up】

 剣が消え、代わりに、同じ長さの杖が姿を現した。
 杖の先に、剣十字とUの字型の装飾が施されている。
 これにもカートリッジシステムは搭載されていて、装飾のすぐ下に、シリンダーが設置されている。

「えーと……【封印術式】ロード」【sealing】

 ロストロギアを魔方陣が包む。
 ……? なんかこのベルカ式、変?
 確か、ベルカ式は三角の魔方陣だったはず。
 けど、俺の使う魔方陣はその三角をミッド式のような円が包んでる。
 ……融合型?

 まあ、とにかく。
 ロストロギアは封印終了。
 ……後は。

「……【パラディン】。事情を聞かせてもらえるか?」

【……分かりました】

 やれやれ。
 今日は長くなりそうだ。





 家に戻って、早速【パラディン】の情報を聞き出すことに。

【まず、私は総合兵装型インテリジェントデバイス・騎士王の書。夜天の書の拡張デバイスとして生み出されました】

 て、いきなり重要単語来たよ。
 夜天の? マジでか。

【夜天の書の持ち主は、基本的に魔法砲撃一辺倒になりがちですので、それを補う形として、私が追加装甲、追加武装として働くように、設計されています。本来なら、夜天の書と平行運用が理想的です】

 ……それ、本人の処理リソース足りなくないか?

【……当時の開発者もそれを失念していたらしく、私との同時運用は無理と判断され、結局、ワンオフのデバイスとして、夜天の書の主のパートナーに託されていました】

 なるほど。
 ……それが、何故俺のところに?

【わかりません。何しろ、私が最後に起動したのはかれこれ……千年以上も前かと】

 かなり古いのな。
 じゃあ、今夜天がどうなってるか知らないんじゃないか?

【? 私が目覚めたということは、どこかに夜天の書があるんじゃないですか?】

 いやぁ、それがね?

「今、夜天の書、改変に改変を重ねられて、闇の書って言うロストロギアになってる」

【なんですって!?】

 やはり知らなかったか。
 今現在、夜天の書は闇の書と呼ばれ、人の魔力を蒐集し、完了したら大破壊を撒き散らす災害の一種みたいになってる。
 守護騎士システムとか知ってる?

【……記憶にありません。私に替わる守護システムですか?】

 えっと、闇の書に格納されている騎士プログラムで、全部で四人。
 烈火の将とか紅の鉄騎、泉の騎士とか盾の守護獣とか……聞き覚えはないかな?

【……覚えています。私の生きた時代の、歴戦の勇者ヴォルケンリッター……それが、プログラムになっているなんて……】

 ……まあ、その四人が闇の書の主を守るプログラムなわけだ。
 何か、解決方法ある?

【……一つだけ。私には、夜天の書のバックアップデータがあります】

 おお!? ナイスご都合主義!

【ですが、それが今の改変された夜天に効くかどうか……】

 ……とにかく、できることはやろう。
 あと、お前の機能の説明を頼む。

【……分かりました。まず、私自身は騎士甲冑のデバイスです。私には補助魔法が組み込まれており、私だけでは盾にしかなりません。代わりに、私が管理する五つの兵装、アームドデバイスがマスターの武器になります】

 五つもあるのか。
 ……詳しい説明を頼む。

【はい、マスター。まずは近距離戦対応の騎士剣【アロンダイト】。先ほど使った剣で、斬撃、刺突、打撃魔法に優れています。カートリッジはシリンダータイプ。装填弾数六発です】

 まあ、普通のアームドデバイスだな。対レヴァンティン用か。

【続いて中距離戦対応の騎士槍【ブリューナク】。刺突や突撃が得意で、斬撃もいけます。カートリッジはシリンダー。装填弾数八発。多少重量があるので、気をつけて使ってください】

 ふむふむ。
 これはグラーフアイゼン用かな?

【白兵戦対応の騎士武具【グラディウス】。両手両足に追加装甲がつき、体術メインになります。打撃魔法特化型で、防御魔法の精度、防御力も上がります。カートリッジはマガジンタイプ。装填弾数五発。右腕に五発、右足に五発の合計十発です】

 確実にザッフィー用だな。……シューティングアーツみたいなものか?

【長距離戦対応の騎士弓【フェイルノート】。遠距離射撃、精密射撃を得意としています。砲撃もできますが、収束砲になるので、チャージに時間がかかります。カートリッジはマガジンタイプ。装填弾数二十発。一番多いです】

 これに対応するのは……クラールヴィントあたりか。
 四次元殺法はできないだろうけど。

【最後に、魔法戦対応の騎士杖【ブレイブハート】。砲撃、射撃、広域なんでもござれの魔導師仕様です。代わりに、直接打撃に弱くなります。カートリッジはシリンダータイプ。装填弾数八発。以上が、私の兵装になります】

 ……これが夜天対応と。
 なんだか、対守護騎士をイメージしたような装備だな……
 あれ? そういえば。

「形状変換はないの?」

【……一応、あるにはありますが、私の方にはそのグレードアップパッチが組み込まれていないので、使用できません】

 あれま。
 じゃあ、本当にこの五つで全ての状況に対応しなくちゃならんと。
 使いこなさないとな……

【大丈夫です。マスターなら、使いこなせます】

 ……ありがとよ。
 後、質問。
 お前の術式テンプレート。ベルカなのかミッドなのかどっちよ?

【ミッドというのは、私が生み出されたときにあったミッドチルダ郡のことですよね?】

 いや、よくは知らんが。
 ミッドチルダって正式名称だから、それであってると思うぞ?

【私の開発者が、そこの出身で、その部落で開発された新しいテンプレートらしいので、試験的にベルカテンプレートをそのテンプレートでエミュレートした結果、私の魔方陣が生み出されたそうです】

 なるほど。
 古代のエミュレート魔方陣なわけだ。
 ……うっわ、下手したら、お前もロストロギアになるんじゃ?

【……もしかしたら、そうかもしれません。古代遺失物なら、私も含まれますから】

 なんてロストロギア発生率だ海鳴市。
 絶対呪われてるぞこの土地。



 とにかく、そのエミュレート魔法を頭に叩き込み、いつでも使えるようにした。
 なお、スタンバイフォルムが本の形なのは、デフォルトなので変えようがないとのこと。
 サイズが変更できるので、手の平サイズになってもらい、持ち歩けるようにした。
 気がついたら二時回ってた。
 明日起きれるかなぁ……



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