初出2009/04/18 以後修正
最初に言っておくと、これもワリと身も蓋もない話です。
外伝第1弾よりはましかもしれませんが、それでも身も蓋もないと思います。
特に最後の『StrikerS』編はさらに色々アレですが、心を広く持ってください。
無印編からはじまります。
───ユーノ───
「ジュエルシードシリアルナンバー4~」
すぽっとジュエルシードが一つ、飛び出す。
「5~」
それは、運動会の球入れで、入った球の数を数えているようだった。
目の前では、信じられない事が起きている。
女性物のバックの中から、次々と、ジュエルシードが取り出され、それを二人の魔導師が、順番に封印しているのだ。
その光景は、僕。ユーノ・スクライアには、タチの悪いジョークにしか見えなかった。
「あ、これ活性化してる。おねがーい」
ぽーんと飛び出たソレに向かって、ピンク色の光が突き刺さり、残ったもう一人が、封印。
二人の魔導師が交互に攻撃、封印を担当するため、活性化していても、触媒が見つかる前に、沈静、封印されていく。
「はいラスト~」
最後の一つが空中に放り投げられ、それを、なのはが封印した。
「これで、終わりなの!」
「終わり!!」
デバイスを掲げた、僕のパートナーなのはと、そのバックを持っていた彼が、二人でポーズを決める。
……これで、終わり?
こんなにあっさりと、終わり?
これで、いいの?
不謹慎ながら、僕はそんな事を思った。
その少年が現れたのは、突然だった。
街の中で強制発動させられたジュエルシードを封印するため、なのはとフェイトが戦っている時。
そこに、彼は現れた。彼女達と同じ年頃の彼が。
二人の攻撃を、布で上空へと弾き飛ばし、「このままでは次元震が起きる。双方杖をしまえ!」と言ってきたのだ。
暴走しそうになっているジュエルシードを魔力以外の攻撃で沈黙させ、それをなぜかフェイトに封印させた。
だが、いきなりの事態に、フェイトは逃げ去ってしまう。
その姿を見ていたなのはに、彼は。
「どうして彼女が、あんなさびしい目をしているか、知りたい?」
そう言った。
まるで、僕達がなにをしているのかを、すべて理解しているかのように。
なのははしばらくじっと彼を見ていた。
しばらく沈黙が続いた後。
「うん。知りたいの!」
彼の目を見返したまま、彼女はそう、まっすぐ返した。
彼女は、いきなり現れた彼を、信じたのだ。
「OK。それじゃ彼女のところへ行こうか」
彼はあっさりと、金髪の魔導師。フェイト・テスタロッサの隠れ家へ、僕達を導いた。
認識隠蔽の施された、彼女のマンションへと。
マンションの部屋のチャイムを鳴らすと、無防備に扉を開けたフェイトには驚かされた。
そして、マンションの外でのなのはとフェイトの戦い。
僕は、その戦いを見ているしかなかった。
その間に、彼は、フェイトの黒幕の方をどうにかしたらしい。
なんでも黒幕は、アリシアという少女の命を蘇らせるために、ジュエルシードを使い、伝説のアルハザードへ行こうとしていたらしいのだ。
でも、彼はその目標そのものを無意味とした。
なんと、アリシアをその黒幕の前で、復活させたらしいのだ。
アリシアという女の子復活の方も、またすごかったらしい。
死んでいたはずの彼女を穴にほうりこんで、とりだしたら生き返っていたというのだ。
ワケがわからない。
彼曰く。
「死んでいるアリシアを、今にも死にそうなアリシアと取り替えただけ」
らしい。
『タイムホール』というところから生きているアリシアを取り出し、死んでいるアリシア(死にたてに戻した)を過去に置いてきたのが答えだそうだ。
「これでアリシア嬢ちゃんが死んだ事実はあるが、いつ死んだのか不明というパラドックスが生まれた。あのアリシアちゃんはどこから来たのか。なんとすばらしい!」
彼の言っている意味が理解出来ると、時空震以上の衝撃を受けると感じ、僕は考えるのをやめた。
なのはとフェイトの戦いも終わり、彼女達の戦う理由も消えた時。
フェイトはとうとう、なのはの話を聞いてくれた。
そして二人は、友達になった。
その時あがってきた朝日が、二人を照す。その姿は、とても綺麗だった。
そんな事があって、今に至るというわけである。
「フェイト。よくがんばったわね」
「はい! 母さん!」
封印している二人を応援していた、フェイトの背後に居た存在。プレシア・テスタロッサがフェイトに声をかけ、彼女を褒める。
とても穏やかそうな人だ。
アルフさんが言うには、あんな凶悪そうだったのがよくあんなに変わるもんだ。らしい。
アリシアが復活して、憑き物が落ちたからさ。元々は優しい人なんだよ。と、彼は言っていた。
「お姉ちゃんすごーい」
「がんばりました。アリシア姉さん!」
さらに、その娘も。
5歳ほどの少女を姉と呼び、5歳の少女も姉と呼び合うその姿はおかしいが、どこかほほえましい。
「にゃはは」
「うんうん。コレを見れただけでも、余は満足じゃ」
こちらの二人は、嬉しそうに笑っている。
こうして、ジュエルシード事件は、大きな被害もなく、無事終わりを告げた。
その後僕は、ジュエルシードを持って、地球を後にする事となった。
レイジングハートは記念になのはへプレゼント。
彼が引き止めてくれたけど、ジュエルシードをこのまま管理外世界に長く留まらせてもいけないので、プレシアさんの手助けを借りて戻る事にした。
そういえば結局僕、ずっとフェレットのままだったなぁ。
リリカルなのは無印完!
───『A´s』編───
ここから『A´s』編はじまります。
───プレシア───
ジュエルシード事件の後、私達テスタロッサ一家はそのまま、フェイトの潜伏していたマンションにそのまま住む事となった。
次元世界にわざわざ私達が戻る理由はない。
むしろ、せっかく出来たフェイトの友達とフェイトを引き剥がすなんて、鬼の所業ではないか。そのような事、今の私に出来るはずもない。
それにしても、病んでいた頃の私はなにを考えていたのだろう。
こんなにかわいい娘がもう一人いたというのに、あんなに辛く当たってバカじゃなかろうか。過去に戻れるのなら、1日くらい説教してやりたい。
まあ、それはもういい。これからちゃんと、フェイトを幸せにしてやればよいのだから。
それはさておき。
私達を救ってくれた『彼』も、今は、ウチに厄介となっている。
彼の身元がわからなかったからだ。
彼は自称記憶喪失。というか、この世界においての戸籍はないだろうとの事。
次元世界の言い方で言えば、異世界からやってきた者。次元漂流者の可能性が高い。らしい。
ならばそのまま、ウチの家族になってしまえばいいと連れて来たのだ。
フェイトの友達。高町なのはも家に厄介になればいいと誘ったが、彼女の両親を説得するよりは、ウチの方が後々が楽という事でウチで引き取る事となった。
かくして私達は、マンションで一家団らん。食事をしながら、テレビを見ている。
食事の用意は彼がした。
家事一般もこなし、魔法以外の超技術。はっきり言って、アルハザードクラスのモノが使える。
それでいて、9歳くらいの外見に反し、精神も大人と同じように成熟し、頼りがいもあるときたものだ。
子供のクセに私と対等に話せるなんて滅多に居ない(大人でも対等に会話できる者は少ないのに)
……この子は本当に、イイ拾いものをしたと思う。
フェイトかアリシアを任せてもいいか。なんて思ってしまうのは、助けられた恩があるからだろうか。
それとも案外私も……? いやいや、それはない。絶対にない。
そんな事を思っていると、テレビのニュースで、行方不明者の捜索というのが流れはじめた。
「あ、丁度この近くだね」
彼が場所を聞いて、そんな事を言う。
そういえば、確かにこのあたりの地名だ。しかも子供。居なくなられた親の気持ちは私にもよくわかる。
行方不明になった子……
……そこにいる、彼の名前と、顔写真が、テレビに映し出された。
「ねえ、これ貴方じゃないかしら?」
「……って、俺だー!」
彼自身もたいそう驚いていたのが印象的だった。
貴方でも驚く事があるのね。
……しかし、本当に、記憶喪失だったとは。
この後、警察に出頭(?)。記憶喪失という事で、彼は検査入院となった。
保護していたという事で、彼の両親に感謝された。
まったく、こんな人のいい両親を心配させるんじゃないわよ。
しばらくして、入院している彼の見舞いへ、フェイトとアリシアと共に行く。
すると待合室で彼は車椅子の少女と仲良く話していた。
……病院でいきなり同じ年頃の少女をナンパするとは、やってくれるわね。
とりあえず、頭にチョップをしておいた。
「いたーい」
頭をおさえる彼。
「貴方にはウチのフェイトかアリシアが居るというのに、他の子をナンパするなんていい度胸してるわね」
「か、母さん……」
「いやいや。いきなりなに言ってんのよプレシアさん!」
「黙りなさい! 人の感謝をなんだと思っているの!」
「感謝の気持ちはわかりますけど、不器用すぎますよー!」
うるさいわね。そのくらい察しなさい!
「あはは。面白い人達やなー」
彼とぎゃーぎゃー口論していると、車椅子の少女に笑われてしまった。
落ち着いたところで、彼から紹介を受ける。
「この人は俺が記憶喪失になってふらついていた時にお世話になった人。んで、こっちはさっき友達になった子」
少女は、八神はやてと名乗った。
「よろしくお願いします」
「よろしく……ん?」
そして、彼女を見て、ようやく気づいた。
なぜ、彼がこの子に近づいたのかも。
「わかってくれました?」
「一応ね」
表向きは、フェイトの友達と、はやての友達を増やすため。としておいた。
この理由には、二人とも喜んでいる。
「それじゃはやてまたねー」
「ほななー」
少女。はやてと別れ、彼の病室へと向かう。
「貴方、気づいててあの子に近づいたのかしら?」
「そーゆー事でさー。あの子、アレだヨ。『闇の書』にとりつかれてるよ」
見て気づいた事がある。あの子は普通の病気ではなく、成長途中のリンカーコアがなにかに浸食され、それにより体へ影響が出ているという事に。
この世界の技術でそれは癒す事はできない。それゆえ彼が近づいたのだと思ったのだが、まさか『闇の書』なんて名前がこんな辺境の管理外世界で出るとはね。
『闇の書』の影響。そこまでは、さすがの私でも見抜けなかったというのに。
「……貴方、本当に何者なの?」
「アタシ記憶ナクテわからないヨ」
「都合のいい記憶喪失ね!」
「まー、これ以後平穏に過ごすためにも、『闇の書』もどーにかしないとならないなー。と思ったわけ」
彼の主張は、この世界で平穏に面白おかしく楽しく暮らしたいという事だった。
それゆえ、管理局がこの世界を見つけて欲しくない。と願う。
なにせこの子そのものが『ロストロギア』認定されてもおかしくない存在だから。
その願いを無に返す可能性のある『闇の書』をどうにかしたいと思うのは当然だろう。
「……つまり、どうにか出来るという事かしら?」
「やってみないとわからないけどね」
貴方はそう言ってアリシアも私の体も復活させたわよね。
なら、技術的な心配は要らないわね。
「やる事に反対はしないけど、貴方にはフェイトかアリシアをもらってもらう予定なのよ。それは忘れないでちょうだい」
「なんでそういう話になるのかわかりません。あと、娘さんの意思を無視して決めるのはどーかと思いますヨ」
聞いたところによるとあのはやてという子は今、身よりもなければ友達も居ないという。
そこへ突然現れて友達になった上、病まで治すなんて、こっちが心配する条件満載じゃない。
「おにーちゃんあそぼー?」
「はいはい。アリシアほおっておいてごめんねー」
私と真面目に話していたがタメか、退屈したアリシアが声をかけてくる。
フェイトはまだ顔見知りするのか、あまりおおっぴらに彼へ声はかけないのが現状だ。むしろフェイトの場合は……
……というかこの状況でも貴方は自分がどれだけ好かれているか気づいていないのね。
そういう意味では安心だけど、逆の意味で心配になる。
まあ、いざとなったらお母さんがどうにかしてあげるから安心しなさいフェイト、アリシア。
こうしてフェイトにまた一人、友人が増えた。
そのうち学校へも通わせる予定だけど、あの子にちゃんとした戸籍があるとなると、学校がどこなのかが問題ね。
あのなのはって子と同じ学校に通わせるつもりだったんだけど、なのはと知り合いじゃないって事は別の学校の可能性が高いかもしれない(戸籍が見つかっていなければ、彼もそこに入れていた)
困ったものねぇ。
もっとも、結局同じ学校だったというオチがついたけど(クラスは全然別のクラス)
私の心配を返しなさい。まったく。
───ぬこしまい───
そいつが現れたのは、突然だった。
「そこの猫ちゃん」
「にゃっ!?」
そろそろ『闇の書』が活動を活発化させるかと思い、見に行ったら、いきなり背後から声をかけられた。
「君等ってさ。『闇の書』を永遠にどうにかしたいんだよね? それ、もう終わったから」
彼はいきなりそう言い放った。
なにを言っているのかわからなかった。
だが、事実だった。『闇の書』は、これ以後永遠に現れる事はなくなった。
「……こうして『闇の書』は消え、代わりに『夜天の書』が復活した。と?」
「はい」
私達は、見てきた事をそのまま、主に説明した。
歴代の主によって改造され、『夜天の書』が狂い、『闇の書』となっていた事。
それらの負を排除し、正しい形に直された事。
さらに、その正しい形から、これ以後変化はしないようされた事。
それにより、今まで引き起こされていた悲劇はもう起こらない事。
「……にわかには、信じられんな」
主は、うめくように言う。
だがそれは、事実だった。
私達が時間をかけて調べた結果、『闇の書』はすでに失われ、その狂った力はすでになく、正しき姿、『夜天の書』として、あるべき姿と力となっている事が裏付けられた。
主である八神はやてへの呪いともいえる身体影響も消え、書の闇も、無限再生能力も失われている。以後、『書』を破壊すれば転生する事もないだろう。
恐れられていた暴走での破壊と無限の再生機能はもう無いのだ。
「つまり、私の計画は、無駄に終わったという事か」
主が、ため息をつく。
だが、その声は、どこか嬉しそうだった。
一人の少女を犠牲にして、『闇の書』を封印する事に、躊躇を覚えていた主は、どこか安心していた。
「『闇の書』がすでに失われたのならば、しかたがないな」
彼からの頼みがもう一つあった。
「主が居なくなるまでは、『夜天の書』を、回収しに来ないで欲しい」
と。
彼は、四人の騎士と、『書』の管制人格を、八神はやてに残してやりたかったからだ。
そして、新しくやり直す彼等に、新しい人生を歩ませてやりたかったからだ。
それゆえ、主はその事も許した。『闇の書』を破壊した彼への感謝を示すために。
主は、「その彼は、とても優しいのだな」と言っていた。
私達の本心としては、逆に、主が手を引いてくれて安堵したと言ってもいい。
彼は確かに優しいのだろう。
だが、それは味方に対してのみだ。
約束を破り、敵に回したとたん、『闇の書』を修復出来るという規格外の力が、こちらへと降りかかる事となる。
正直、管理局全体で相手にしても、彼に勝てるとは思えなかった。彼を信じず喧嘩をふっかけてしまい、ぼこぼこにされた相棒の姿が思い出される。
あんなのともう一回戦うなんてごめんこうむりたい。
彼はこの世界で平穏に暮らせればそれでいいと言っていた。
これだけは、絶対的に嘘ではないと確信出来る。
つまり、こちらから手を出さなければ安全という事。
幸い、あそこは管理外世界。我々がわざわざ手を出す必要のない世界だ。
それに彼も『夜天の書』は自分では使えない上、今代の主、八神はやてはそれを悪用するような子ではない。むしろ彼へのストッパーとなるだろう(むしろ彼が彼女のストッパーになる可能性もあるが)
ならば、今代は手を出さず、時と共に主が失われ、安全になってから回収という手段をとった方が、リスクが少なくていい。少なくとも、『彼』を刺激しなくて済む。
主の意図した思惑とは違うだろうが、彼女達を見守る事で被害が無く事が収まるのだ。これで十分ではないか。
ぬこしまいは、こうして『闇の書』の件が被害なく、無事終わる事を喜んだ。
ちなみに彼女達の主は、これから八神はやてを孫のようにあつかってもなんの問題もなくなったので、プレゼントとかどうしようかとか悩みはじめていたりした。
一方その頃、八神はやては、多くの友人と共に、5人の新しい家族を手に入れた。
「おめでとうはやてちゃんー!」
「ありがとなー!」
リリカルなのはA´s編完!
───『StrikerS』編───
※ここから世界観が壊れます。
どうしても納得出来ない方は、もしもボックスとかが使用されたとでもお思いください。
───ジェイル・スカリエッティ───
スカッちは驚いていた。
生身でレーザービームだと?
一振りで竜巻が起きるだと?
なんだこの戦闘能力は!!
「ゆくぞ」
「博士、どちらに?」
「メジャーリーグへだ!」
送られてきたビデオ。そこには、『SUMOU』のごとく修正されていない“正しい”『MAJOR LEAGUE』が映し出されていた。
そして『野球やろうぜ!』と書かれた手紙。
管理局をどうこうするより、なお難しい目標を見つけた博士は、楽しそうに歩き出した。
そこを制する事は、管理局へ反乱を引き起こす事の100万倍難しいだろう。
なにせ彼等は、あの戦闘能力でスポーツという名の死合をしているのだ!
ボールを投げれば地面がえぐれ、当たれば、戦闘機人をも砕け散るような威力のソレを生身でかつ木のバットで打ち返し、それすら平然とキャッチする。
そんな『MAJOR LEAGUE』とはまさに化け物の巣!
聞くところによればバッターとは元々ブッダがなまったものであり、ホームランとは彼がかつて鉄球をぶつけて相手を暗殺する一族に向け、その鉄球を打ち返し「もう葬れん」と言ったのがこのスポーツのはじまりだとか!!(ブッダに感銘を受けた一族の長が鉄球を場外に打ち出し「もう誰も葬らん」と誓った説もある)
アウトの事を一殺、二殺というのもその名残だという! 某民明書房刊雑誌より抜粋!
ベースボールとはすなわち相手を殺さず殺すという高度な戦いだったのだ!
なんという縛りをつけて戦っているのだ。だが、これほど面白い戦闘方法もあるまい!
そこのナンバーワン球団を作り上げる。彼等を超える! なんとやりがいのある挑戦だ!!
手紙の主よ。この挑戦、受けようではないか!!
「くくくくく、ふはははは、はーっはっはっはっは」
ジェイル・スカリエッティはその未来を想像し、その難しさ、面白さで笑った。
その笑いには、いつもより狂気に満ちていたような、むしろ正しくなったような。それは、彼の作り出した『娘』にも判別は出来なかった。
「俺、胃潰瘍ってのは民衆を騙す嘘だと思うね。実は地球の平和をかけた裏の戦い。その名も『スペースベースボールクラシック』に招集されたんだよ!」
「あの戦いに米国がメジャーリーガーを出さなかったのは、そういう理由なの!?」
「きっと肉離れで戦線離脱したあの人は先に出場してたんやろうなー」
「……地球って、すごいんだね」
ジャパンに地震が多い理由が『SUMOU』にあるように、MAJORの国で『竜巻』被害が多いのもそういう理由なのか。金髪の少女はそんな事を思ったのだった。
その後『彼』と一緒に監督として『MAJOR』を目指す博士の姿が、目撃されたとかいないとか。
「俺の『道具』だけでは、『MAJOR LEAGUER』に勝てないんですよ!」
「私の技術だけでも無理だ! よって私と!」
「俺の二人が手を組めば!」
「「勝つる!!」」
そんな事を言っている二人組が海鳴市で目撃されたそうな。
俺達は登り始めたばかりだ。この、野球坂を!
あれ? 未完にならねぇぞコレ。
「平和ね~」
「そうですね~」
「母さん、エイミィ。二人ともお茶飲んでないで仕事をしてくれ」
今日も次元世界は平和でした。
めでたしめでたし。
でもある意味未完。
─あとがき─
外伝第2弾リリカルなのはでした。
本気で介入するとあっさり終わってしまうのは仕様です。
使った道具の具体名がほとんど出てこないのも仕様です。
最後のネタは第2回WBC日本優勝記念とか思ってください。
あの決勝ラストの一打を忘れないためにも。鈴木さんマジ現人神。実は病気で、終わった後倒れるとか『HERO』すぎる。WBCは1回目の決勝進出といい展開がマンガを超えてるぜ。
ついでに言うと、秘密道具を使って野球をやる『ドラベース』ってマンガもあるから、あながち野球展開は間違ってないのです。うん。
マジにあるんだよ。
どうでもいい事ですが、この流れだとなのはもフェイトもはやても管理局所属がなさそうですね。
まぁ、彼女達が普通に少女としてすごす世界があってもいいでしょう。
元ネタ解説。
本当はしないで済むならそれでいいのですが、知らない人のタメに。
『SUMOU』の元ネタは動画投稿系サイトで『RIKISI』が地球を割ったりするアレです。
アレの『MAJOR』版だと思ってください。
わかんない人にはすんませんでした!
でも某民明書房は説明しませんのでヨロシクな!
ちなみにぬこしまいが『父様』ではなく『主』と呼んでいるのは、『母さん』ではなく『提督』と呼ぶのと同じような場の雰囲気だからです。