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No.6377の一覧
[0] Flag of the Dead(Fate×学園黙示録 Highschool of the Dead)[ふぉるく](2010/08/17 18:40)
[5] 1-1[ふぉるく](2010/07/11 17:03)
[6] 1-2A[ふぉるく](2010/07/16 00:27)
[7] 1-2B[ふぉるく](2010/07/16 00:27)
[8] 1-3C[ふぉるく](2010/07/16 00:27)
[9] 1-4A[ふぉるく](2010/07/16 00:28)
[10] 1-4B[ふぉるく](2010/07/16 00:28)
[11] 1-5[ふぉるく](2010/07/16 00:28)
[12] 1-6A[ふぉるく](2010/07/21 09:26)
[13] フローチャート:学校脱出まで[ふぉるく](2010/07/16 00:30)
[14] 2-1[ふぉるく](2010/07/21 09:25)
[15] 2-2A[ふぉるく](2010/07/26 06:56)
[16] 2-2B[ふぉるく](2010/07/26 06:55)
[17] 2-3B[ふぉるく](2010/07/31 17:54)
[18] 2-4A(前編)[ふぉるく](2010/08/06 19:54)
[19] 2-4A(後編)[ふぉるく](2010/08/11 22:21)
[20] Extra 1[ふぉるく](2010/08/17 18:41)
[21] フローチャート:南リカの部屋まで[ふぉるく](2010/08/17 18:39)
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[6377] 1-4A
Name: ふぉるく◆f250e2d7 ID:b82d47da 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/16 00:28


「……ああ、やれる。やってやるさ」

 沙耶を、有瀬を守るために……そして俺たちが生き残るために、出来ないなんていってる場合じゃない。
 あいつらを殺さなければ──死人を殺せるのかはなはだ疑問だが──俺たちは生き残ることも、彼女たちを守ることも出来ない。

 沙耶の言うとおり……やらなければ、やられるんだ。

「そう、ならいいわ。確認しておくけど、狙うならまず頭ね。腹に穴開いてても気にしない相手よ、胴体じゃ効果は薄いと思うわ」

 皆で頷く。
 俺はパイプレンチ、平野は釘打ち機、沙耶と有瀬に工具類を詰め込んだ袋を任せ、工作室を出る準備を整える。

 そのとき部屋中、いや学校中にけたたましいベルの音が鳴り響いた。
 火災報知機の音だ。
 窓を見れば、まるで雨が降ってきたかのように水が滴っている。どうやら上のほうで誰かが消火ホースを使っているらしい。

 だがそれより。

 まるでその音にあわせたかのように、扉に殺到していた亡者たちが部屋になだれ込んできた────ッ!
 平野が釘打ち機で飛び込んできた奴らをつぶし、残ったものを俺がレンチで殴り飛ばす。

「よし、行くぞ!!」

 入り口にもう人影が残っていないことを確認し、俺たちは工作室を後にした。



 廊下に出た俺たちは平野の提案で職員室を目指すことにした。
 職員室にあるであろう鍵を拝借して、車で学校を出ようという結論に達したからだ。
 脱出してどこへ行くのか、そもそも学校を出たところで街中も危険なことには変わりないなど不安は大きいが、かといってここにとどまる気にもなれなかった。

 廊下にぼうとした風情で立っている死人がこちらに反応するより先に、レンチの重量を利用して連中の体を吹き飛ばす。

 最初は平野に釘打ち機で露払いをしてもらうつもりだったのだが、沙耶の"検証"により彼らが音に反応していると分かってからは戦法を変えることにした。
 釘打ち機は意外に大きな音を立てる。なので俺が先頭に立つことにしたのだ。

 出来るだけ音を立てないように進みながら、1人1人処理して安全を確保していく。
 頭を狙えるときは頭を。
 むずかしい時は壁にたたきつけてやりすぐに離れれば、相手は支えを失ってそのまま倒れこんだ。
 しかし、思ったよりも重労働だ。レンチの重みもあるが、いちいち殴りつけていくたびに精神の方が参りそうになる。

 また1人、レンチを叩き込み、ぼぐりと肉体を殴りつける嫌な感触に眉をしかめた。

「衛宮君、大丈夫ですか……?」

「ちょっと士郎、あんまり無理するんじゃないわよ」

 沙耶たちが声をかけてくるが、弱音を吐くことはできない。

「これくらい平気だ、結構鍛えてるんだ。それに、もう階段を上がればすぐ……」

 目の前の階段を上がれば、職員室はすぐその隣だ。
 歩く死人たちも、もういかほども残っていないだろう。上手くすれば職員室で休憩も取れる。

 そう思いながら職員室の前に出て、俺たちは盛大に顔を引きつらせた。



 職員室前の廊下には、これでもかというほどの亡者の群れが蠢いていたのだ。



 距離は近いが……あまり喜ばしい状況ではない。
 俺たちは顔を見合わせ、頷きあった。

 平野が手近な相手に向けて釘打ち機を打ち込む。
 パスッとガスの抜ける音ともに太い釘が連中の頭に吸い込まれていく。流石に上手い。
 続いて俺が飛び出し、釘打ち機では届かない相手にレンチをたたきつけた。

 これで職員室の前は確保……ッ!

「いまだ、行け!!」

 声を上げて合図を送る。連中がこちらに寄ってくるが、どうせもうさっきので気づかれてしまっていたのだ。
 俺は思い切りレンチを振り回しながら殿をつとめる。

 だが、

 沙耶たちが入り口から動こうとしない……何してるんだ!?
 だが沙耶の悲鳴のような声を聞き、俺は本気で頭を抱えたくなった。

「鍵、鍵がかかってる!! 開かないのよ!!」

 ちくしょう、なんでその可能性を考えなかったんだ……ッ!!

 そうこうしているうちにも連中は続々とにじり寄ってくる。
 いくらかは平野の釘打ち機が倒してくれるが、それにも限度がある。何より……、

「もうマガジンが空になる!」

「何してるのよ、入れ替えなさいよ!!」

「いや、でもっ……」

「高城さん、危ない!!」

 有瀬の声に体が動いたのは、ほとんど条件反射のようなものだ。
 階段を上がってきたのか、連中の1人が沙耶の後ろにいる────ッ。

 耳を劈く悲鳴。

 沙耶がしりもちをついて、スーツ姿の男から後ずさって逃げている。

 ────っのやろう……ッ!

 俺は迷わずそちらに走る。
 全力で振りぬいたレンチは、どぐっ、と男の胸に吸い込まれる。間違いなく肋骨を何本かへし折ったはずだ。
 その勢いのまま後ろに吹き飛ばされた男はしかし、まだのろのろと起き上がろうとしている……!

 だから俺は、もう一度そいつに向かって……今度は間違いなく頭めがけて、レンチを振り下ろした。

 ぐしゃ。

 スイカを潰したような生ぬるい感触が腕を伝う。
 そうしてやっと動かなくなった男に安堵の息をつき……、




「士郎……ッ!!!」




 もう1人、横から来ていた女生徒の姿に気づくのが決定的に遅れた……。


 腕が上がらない。
 闇雲にレンチを振り回しすぎたせいか、それとも今ので緊張の糸が切れたのか。
 ただ、少女が俺に向かって大口を開けているのを見ていることしかできなかった……。


「が、あぁぁぁぁあぁ……ッ!?」


 肩口にギチギチと歯が食い込んでいく。
 肉の中を異物が掻き分けるおぞましい痛みが脳を焼ききろうとする。

「は、なせ……この……っ!!」

 ブチン、と音がするのが確かに聞こえた。
 どこか大きな血管がやられたのだろう、一気に体中の血が足りなくなっていくのが分かる。
 それでもまだ足りないとばかりに、少女は俺の肉を食いちぎろうとしている。

 くそ、くそくそ、食い込んだ歯が熱い。
 指先が冷たい。

 こんな、気が狂っちまいそうに痛い……ッ。

「この、このこのォッ……!! 士郎を放しなさい、放せ、放せぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」

 沙耶が工作室から持ってきたドリルを少女の頭につきたてる。
 甲高い音を立てて回る鋼の螺旋が少女の脳髄をぐちゃぐちゃにかき回し、飛び散った血と脳漿が俺と沙耶を赤く染め上げる。
 それで少女は、やっと俺の体から剥がれ落ちた。
 同時にどくどくと熱いものが流れ出ていく。

 あーぁ、こんなに汚しちまって、またお袋さんに怒られる。
 あの人普段は優しいが、怒るときはとんでもなく怖いというのは身をもって知っているのだ。

「君たち、大丈夫か!」

 バタバタと何人もの……生きた人間の足音が聞こえる。
 俺たちの傍にしゃがみこんでこちらをのぞきこんでいるのは、確か3年の毒島先輩といったか。それに校医の鞠川先生も一緒だ。
 上の階から孝と宮本もやってきた。

 はは、なんだ、みんな考えることは一緒だったわけだ。

「士郎、士郎……大丈夫よ、すぐ血も止まる。お姉ちゃんに任せておけば平気なんだから……ッ」

 沙耶がタオルで俺の首筋を押さえているが、それより沙耶の顔をぬぐってやりたいが……どうも手が上手く動かない。
 彼女の顔は汚れと涙でぐちゃぐちゃだ。
 女の子は綺麗にしてないとだめじゃないか。これは俺の矜持のようなものだけど。

「ごほ……それ、より……早くなか、へ……」

 ここにいたらまたいつ連中がやってくるか分かったもんじゃない。
 口に血がたまって上手く喋れないが、毒島先輩はそれを汲み取ってくれたようで、俺にひとつ頷いて鞠川先生に目配せをした。
 なるほど、鞠川先生なら職員室の鍵も持ってるか。




 1人で立つこともままならなかった俺は、孝と平野の肩を借りて職員室のソファに寝かされた。
 手早く上半身を剥かれ、鞠川先生の治療を受ける。

 うーん、情けなくない程度には鍛えてあるとはいえ、上半身だけとはいえ女性に裸を晒すのはちょっと気恥ずかしい。
 まあそんなこと言ってる場合じゃないのは分かってるが。
 胸に触れる鞠川先生の手がひどく熱い。俺の体温がちょっとやばいくらいに下がっているのだろう。

「大丈夫……大丈夫よ、もう平気だから」

 枕元でしきりに大丈夫と繰り返す沙耶に、ちょっと無理して笑いうなずき返す。
 正直に言えばかなり痛い。傷口は焼けるように痛むのに、体は寒くて、そのくせ汗が止まらない。

 けど、何故だろうか。
 俺を治療する鞠川先生、それを見守る毒島先輩や孝、宮本の顔が酷く暗い。
 いや、俺がこんな様子じゃ明るくなんてなれないのはわかるが、沙耶や有瀬の顔に浮かんでいる心配の色とは、どこか違うような。

 不思議に思っていると、止血を終えた鞠川先生に代わって毒島先輩が俺の傍に屈みこんだ。
 不意に近づいた顔にどぎまぎするが、幸い血の気が引きすぎて顔が赤くなったのはばれていないはずだ。いや、そもそも赤くならなかったかな。

「衛宮君、だったな。君にひとつ伝えなければならない」

 その真剣な表情に、おそらくあまりいい話では無いだろうことは容易に想像できた。

「彼らに……あの亡者たちに噛まれた人間は、程なく死ぬ。そしてまた死霊の1人として立ち上がることになる」

 それは、あまりに突拍子もなさそうでいて……この上なく真実味を持った言葉だった。

「……どういう、意味よ」

「こういいなおそう。噛まれたものはもう助からない。そして彼らの仲間になりたくないのであれば、私はそれを手伝おう」

 ────……これは、思ってたより、きついな。

「そんなわけ……そんなわけないッ!! 士郎は、士郎は助かる……いいえ、アタシが助ける!」

「高城……けど、ホントのことなんだ」

「小室は黙って!! 私は天才なんだから、何だってできる……アタシは、」



 ああ、でも……。



「アタシはお姉ちゃんだから……士郎を守らないといけないのよ……ッ!!」



 そうやって沙耶が思ってくれるだけで、死への恐怖は和らいでいく気がするんだ。



 立ち上がって震えている沙耶の手をつかむ。
 動くかどうか不安だったが、俺の手はどうにかいうことを聞いてくれた。

「し、ろう……?」

 ああ、またそんなに泣いて。
 けど泣かしてるのは俺か、そう思うとひどく申し訳なくなるな。

「大丈、夫だ。沙耶は、いつも正しいほうを選んできた……だから今も、そうできるだろ」

「な……んで……なん、で、アンタは、アタシの弟の癖に…………そんなにバカなのよ……ッ」

 そういわれてもしょうがない、もう生まれ持ってのものとしかいえないだろう。

 視線をずらして、孝と平野に目を向けた。
 そろそろ口を開く元気もないが、2人は俺の目を見てうなずいてくれた。

「……じゃ、あ、頼みます」

「あぁ」

 これであとの決着は毒島先輩がつけてくれるだろう。

 目を閉じる前に視線をめぐらすと、鞠川先生にすがり付いて泣きじゃくる有瀬が見えた。
 それに、沙耶は……。


 沙耶は、歯を食いしばって涙をこらえていた。
 決して目をそらさず、俺を見つめている。


 ああ…………それでこそ沙耶だ。


 そして俺は目を閉じた。
 誰かを守って死ぬというのは、なぜかとても衛宮士郎らしくて……俺は少しだけ満足だった。


 Dead End 4:自己犠牲








 (トラの鳴き声的なもの)

ブルマ:第2回!!!

タイガ:たいがぁぁぁぁぁぁぁどぉぉぉおぉぉおじょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

ブルマ:またまたやってきました、タイガー道場のお時間!

タイガ:今回の原因は見栄の張りすぎ! こんな世界では特に、自分にできないことは出来ないって言わないとすぐにお陀仏よー!

ブルマ:ま、女の子の前でかっこつけたくなっちゃう気持ちはわかるけどねー。

タイガ:加えて言うなら、ここの士郎のメンタルはFate原作開始時よりも少し一般人に近いわ。そのことも加味しなくちゃいけなかったわね。

ブルマ:具体的に言うとシロウは記憶を失ってるから、魔術師という単語を無意識に使っていても、その心構え……死んだり殺されたりする覚悟は出来ていなかったってことね。

タイガ:こら弟子一号、そこは殺したり殺されたりする覚悟じゃないかしら。

ブルマ:あ、そっかー♪ ……でも間違ってないわよね。

タイガ:……間違ってないわね。そ、それはともかく!

ブルマ:ともかく?

タイガ:今回「2のほうが士郎っぽいけどここは1で」とか「1の方が死亡率上がるはず……」とか言ってる君たち! 後でちょっとお話があります。

ブルマ:でも私たちの出番増えたからぐっじょぶッスよ!

タイガ:そうだけど! そうだけどそういうことは声を大にして言っちゃいけないのよ!

ブルマ:前回思いっきり言ってたような……あいたー!

タイガ:過去は振り返らないんだっぜ。


ブルマ:ところで、今回のバッドエンド、お兄ちゃんにしては綺麗過ぎない?

タイガ:あー、私も思った。みんなに看取られて死ぬって士郎のキャラじゃないわよね。

ブルマ:まあFateではこういう遅効性の死っていうのがあんまりなかったからかしらね。シロウ、死ぬ時はいつもぽっくりだし。

タイガ:いつもぽっくり死ぬ主人公……うーん、なんともいえない響きだわ。そしてお・ま・え・が・い・う・な!

ブルマ:あたーっ!?




/*/

 ところでいくつか有名ゾンビ映画、ゲームのシーンをパロってたりしてます。
 気づいたら探してみてください。

 それから2つほどお聞きしたいのですが、どのくらいになったらその他板とかに移したもんでしょうか。
 あと「5票先取で決定」のバランスはどうでしょうか。
 「このままでいい」「上限を上げて欲しい」「投票期間を設けたほうがいい」などご意見ありましたらお願いします。


■感想レス

>平野の一人称って僕じゃね?

・最初書いたときそんな気がしたんですが、バスの中での発言とか思い出して調べてみたら最初から「俺」でした。


>選ばなかった選択肢はどうなったのか知りたい。

・学校出るあたりまで進めたら一度フローチャート公開しようかと思います。






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