長居するつもりはないとはいえ、だいぶ世話になることは事実だ。
それに……この状況の中、少しでも生きている人の顔を見ておきたいという気持ちもあったかもしれない。
「じゃあ、挨拶だけでも」
「衛宮君」
「え?」
また不意に毒島先輩が顔を寄せてくる。
だだだだだから耳に吐息が……!
「君は少し軽率だ、といったはずだ。もう少し警戒するべきじゃないか?」
「警戒って、」
誰に、と聞く必要はない。この店長らのことを指しているのだろう。
だがその意味するところが一瞬つながらなかった。
彼女は俺に、"生きている人間に警戒しろ"と言っているということに。
「この人が何か企んでる……てことか?」
「そこまでは言っていない。だがこの状況で理由もなく無償の善意を施せる人間ほど信用ならないと言っているんだ」
人の善意を信用できない。
それは酷く悲しい言葉だった。
だが同時に、どうしてか胸の奥にトゲのように突き刺さる。
「よう、どうするんだ?」
店長の言葉にはっとする。
まずい、目の前で内緒話なんてされて気を悪くしない人なんていないだろう。
「あ、いやすみません。じゃあちょっと顔を出すだけでも」
「OK、ついてきてくれ。君はどうする?」
「…………私も行こう」
水を向けられ、結局毒島先輩も同行することになった。
多分俺を心配してのことだろう。そう思うと申し訳ない。
ふう、と息をついて先輩は首を振る。
「構わないよ。君だけ行かせて身包みはがされました、では私も収まりが悪いからな」
「悪い、何かあったら先輩だけ逃げてくれていい」
「……全く、君はどうしてそう……」
空調の音にかき消されて先輩の声はよく聞こえなかった。
冷房の効いた店内を店長の後に続いて横切り、バックヤードへ続く扉に向かう。
先ほどから思っていたことだが、<奴ら>が現れてから初めて荒らされていない場所にたどり着いた気がする。
店の中は異変が起こる前とさして変わった様子もなく整然とした様子を保っている。
ほっと気持ちが緩むのを自覚する。
ここは学園を出て唯一、俺たちが知っているままの姿をとどめていたのだ。
無性に店内においてあるもののひとつひとつが懐かしく感じられる。
彩りに溢れたお菓子、ガラス戸の向こうのドリンク、ラックに差された雑誌や新聞。レジカウンターの上にはホットプレートがウィンナーに焼き目をつけている。
俺自身はそれほどコンビニを利用するほうではなかったにもかかわらず、どうしてかそれらが心を落ち着けてくれる。
まだまともな場所がある。
ここは単に空白地帯になっているに過ぎないだろうが、そう思うだけで張り詰めていたものが和らいでいく。
「他にもこういう場所があればいいんだけどな……」
「………………」
「……? 毒島先輩?」
「ん、いや、なんでもないよ」
店長が足を止め、奥へ続く扉を開ける。
「この奥にいる。どうせゲームでもしてるはずだ……っと」
ふと何かを思い出したように振り返る店長。
「2秒くれ。酒とつまみを頼まれてたんだった、先に中に入っててくれ」
そういうと彼はフロアに取って返して、あれこれとつまみ類の吟味を始めている。
ジャーキーにナッツにプレッツェルにポークビッツに……ずいぶん種類が豊富なのは彼の趣味だろうか。
なんにしてもこうなると酒飲みは時間がかかる、というのは経験則だ。
「仕方ない、行くか」
毒島先輩もそれを感じたのか、やれやれといった風で扉を開けた。
扉の奥には狭く短い通路があり、その向こうに事務所兼倉庫と思われる空間が広がっている。
窓がついていないのか部屋の中は薄暗く、奥から激しい銃声や爆音のようなものが聞こえてくる。多分ゲームの音だろう。
ぱたりと扉が閉まる。
俺も毒島先輩も、一歩踏み込んだ瞬間に動きを止めていた。
臭う。
酷い臭いだ。
腐臭とも汚物のものともつかない鼻を突き刺すような臭いがぷんぷんと漂っている。
生ごみに芳香剤をぶちまけて炎天下に放置したらこんな臭いになるかもしれない。思わずせり上がってきた胃液を吐き出しそうになるのをどうにかこらえる。
一体この奥で何をしているのか、正直考えたくない。
なおもやかましい電子音は鳴り響いている。
「………………」
「………………」
2人で目を合わせ、意を決して1歩踏み出した。
通路は狭い上に清掃中の看板やら工具箱やら台車やらとものが散乱していて歩きにくいことこの上ない。
それらに足をとられないようにしながら慎重に──奥から漂う嫌な気配に足が鈍っていただけかもしれない──進む。
1歩進むにつれ悪臭とゲームの効果音が大きくなっていく。
もしこれが常時ならば即刻営業停止ものだろう。
それほどの惨状がこの奥に広がっているように思えてならない。
やがて……いや、距離にしてみればほんの5,6歩だったのだろう、だがやけに長く感じた通路の陰から部屋を覗き込む。
やはり暗い部屋の中には小さなテレビが唯一の光源として狭い範囲を照らし、その画面にはシューティングゲームらしき戦場の光景が映し出されている。
その戦場を駆け巡っているはずの主人公の動きはやたらとぎこちない。まるで酷く緩慢に、適当にボタンを押しているだけのように。
モニターの前には太った男がこちらに背を向けて座っている。逆光でその姿はよく見えないが、彼が件のニックだろう。
彼の周りには店の在庫と思しきスナック類が食い散らかされて、
「…………違う」
毒島先輩のつぶやきが耳に届き、それがどういう意味かと考え……気づいた。
スナックは食い散らかされてなんかいない。ただ辺りにぶちまけられているだけだ。
本当に食い散らかされているのは。
そのもっと奥の。
かすかな光にちらちらと赤く照らされる。
肉の、塊。
ようやく俺たちの存在に気づいたのか、ニックと呼ばれていたはずの男がのろのろと緩慢な動きで振り返る。
ごとん、とその手からゲームのコントローラが落ちる音が妙に大きく響いた。
「…………話に聞いたお得意の物真似、ではなさそうだな」
振り返った男の目は白濁し、そこに知性の光は一片も見られない。
口周りも身にまとう薄汚れたシャツも赤く染まり、太い腕にも首筋にも……深い噛み傷がついている。
────悪いヤツじゃないんだ。
彼は、何を言っていたんだ。
何度言っても働かず家でごろごろして、しょぼいドラッグで小遣いかを稼ぎ、サルの真似がうまい?
もうそんな人間はどこにもいない。
あれは、あれはもう、
「逃げろ、<奴ら>だ!!」
毒島先輩の声に反応し、ニックが大口を開けて襲い掛かってくる。
とっさに後ろに下がろうとして、
────しま……ッ!?
「ぐっ……!」
転がっていた工具箱に足をとられ転倒してしまう。
思い切り尻餅をついてしまったその間にもニックはこちらに狙いを定めてやってくる。
「この!!」
中身が散らばって軽くなった工具箱をぶつけるが、そんな物では<奴ら>と化したニックはびくともしなかった。
先輩が立てかけてあった看板をとっさに構えニックに体をぶつけていく。
だが体格があまりに違いすぎる。
じりじりとニックは彼女の体を押し始める。
「衛宮君、逃げろ!!」
「な、できるかそんな、」
「私は平気だ、それに君がそこにいては逃げられない!!」
切羽詰った先輩の声にやっと自分の失態を自覚し、慌てて立ち上がった。
弾かれたようにきびすを返し足をもつれさせそうになりながら来た道を駆け戻る。
ほんの数歩で通り過ぎるはずの短い通路は、行きよりも更に長く感じられる。
────なんで、なんでだ?!
人間ではなかった。
ニックと呼ばれていた男は既に<奴ら>の仲間入りを果たしていた。
店長は……才門は気づいていなかったのだろうか。
噛まれながらもここにやってきた親友をそれと知らずに匿っていたのだろうか。
いや……それとも……。
やっとの思いで扉に飛びつき取っ手を捻る。
そして勢いよく戸を押し開け………………られない!?
「なんで……ッ!?」
悲鳴のような声が口から漏れるがそれをこらえる余裕さえなかった。
鍵がかかっているのか向こうから押さえつけられているのか、押しても引いても戸が口を開ける気配がない。
閉じ込められたのか。
誰に。何故。
わかっているはずの答えを探す自分は、もし傍から見ているものがあればそれは滑稽だったことだろう。
「くそ、どうして、」
「ぁぁぁああぁぁあああぁぁああぁ!!!」
「!?」
振り返って、愕然とした。
なんで。
なんで俺は、
毒島先輩を1人になんかしちまったんだ………………ッ!!
いくら彼女が剣の達人といえど、この狭い空間で、しかも丸腰では普通の女の子となんら変わりないというのに。
あの大柄な男を相手にして、押し勝てるわけがないことなんて分かりきっていたのに……!!
またも通路を駆け、目に飛び込んだのはまるで。
「毒島先輩……ッ!!」
まるで噴水のように吹き上がる彼女の鮮血。
がくりと毒島先輩が膝をつきその場に崩れ落ちる。その首筋からはおびただしい量の血があふれ出ている。
なおもその体に喰らいつこうとする男の姿に────頭が沸騰した。
「やめろおおおぉぉぉおぉぉぉ!!!」
全力で男に体当たりをかまし、そのでかい図体を先輩の上から弾き飛ばす。
同時に俺の体も跳ね返されてしまうがすぐさま起き上がり、手がついた重たい箱のようなものを両手で振りかぶった。
ぶちぶちと何かが抜けるような音。
そして振り下ろす。
何度も。
何度も。
赤いしぶきが飛ぶ。
堅いものを打ち砕く感触が腕を伝う。
ぐしゃぐしゃと音がして、飛び出てはいけないものが顔に降りかかる。
男の顔の形がもはや見る影もなくなった頃、俺はようやく手にしていた箱を床に落とした。
重い音を立てて転がったそれは、テレビの脇にあった据え置き型のゲーム機だったらしい。もはや元の色が分からないほどに血に染まっている。
途中で砕けたのはニックの頭だけではなかったようで、ゲーム機のほうも見る影もなく壊れてしまっている。
それを放り出し、血溜りの中に横たわる毒島先輩の下へ向かう。
「先輩……しっかりしてくれ、毒島先輩……!」
もう無駄なのはわかりきっていた。
<奴ら>に噛まれたこともそうだが、とにかく出血が多すぎた。
上体を抱え起こしても彼女はごぼごぼと血の泡を吐き出すばかりでこちらに目を向けることもない。
傷口が深すぎた。いくら手で押さえても一向に血の止まる気配がしない。
だんだんと、致命的な速度で体から熱が失われていく。陶磁器のように滑らかだった肌は生者の色をなくし、死の色に染まりつつある。
ビクビクと痙攣を繰り返す肉体から力が抜け落ちる。
「頼む、死なないでくれ先輩……ッ!」
やがて、彼女は動かなくなった。
死んだ。
たった今まで一緒にいた彼女が、死んだ。
ほんの短い時間だったにせよ、俺は何度も彼女に助けられてここまで来た。
その彼女が……毒島先輩が死んだ。
────いや、違う。
「……俺の、せいか。俺が殺したんだ」
彼女は警告していた。俺の行動は軽率すぎると。
にもかかわらずそれにきちんと耳を貸さなかった。ギリギリまで警戒をしていた彼女に対し、俺はあっさりと緊張を解いてしまっていた。
その結果が、これだ。
こんなどうしようもないところで命を落として良いような人ではなかった。
もっと生き延びるべき人だった。
文武を両立し、女性であることを誇り、自らの矜持を貫く、そんな人だった。
もっともっと先へと進んで、何かを成すべき……そんな、人だったのに。
「ちくしょう……ッ」
ふらふらと立ち上がり、店内へと続く扉に向かう。
体中を濡らす毒島先輩の血が、べっとりと重く冷たい。
今の俺を他人が見れば<奴ら>と勘違いするかもしれない。おそらく酷い有様だろう。
だが毒島先輩は、もう幾ばくもせずに真実<奴ら>の1人として起き上がってくる。
きっと彼女はそれを望まない。ならばせめてもう決して動かないようにしてやるのが、彼女を死なせてしまった俺の責任だったのかもしれない。
しかし手元にそれが可能な道具はない。
あるいは先ほど散らばった工具箱の中身からドライバーの一本と金槌でも見繕えば可能だったかもしれないが、いずれにせよ俺にそんな気力は残っていなかった。
おぼつかない足取りで扉にたどり着く。
ドアノブをまわすが、やはり開く気配はない。
「………………ッ」
怒りが湧き上がってきた。
開かない扉へか、先輩を食い殺した男へか、ここに閉じ込めた男へか、それともどこまでも情けない自分へか。
その衝動のままに扉に体当たりする。安普請の扉はただの一撃で大きく軋んだ。
もう一度、二度と体をぶつけるとウソのようにあっさりと扉は壊れ、俺は勢い余って床に倒れこんだ。
こんなにもろい扉だったのに。
とっととぶち破って先輩を呼べば、あるいは助かっていたかもしれないのに。
そう思いながら立ち上がりかけ、俺はとっさに前へと転がった。
ガンッと堅いものが床をたたく音が響く。
────才門が、クリケットバットを手に俺を見下ろしていた。
「アンタ……ッ!!」
才門は無言のままバットを振り下ろしてくる……!
紙一重でそれをかわし、店内を転がるように逃げを打つ。
丸腰じゃ勝てない。
だが外に出ようとした俺の目論見はあっさりと崩されることになった。
────店の入り口は、取っ手にビニールテープがぐるぐるに巻きつけられ、とてもじゃないがこのまま開けるのは不可能な状態だった。
すぐ後ろに才門が迫る。
大きく振りかぶって叩きつけられたバットは寸でのところで俺を捕らえそこね、ガラス張りの出入り口につき刺さった。
盛大な音を立ててガラスが飛び散る。
避けそこね体勢を崩し倒れこんだ俺に、才門がぐるりと首を向ける。
その目を見て、息を呑んだ。
一見してその目には表情というものが浮かんでいない。
だがそうではない。
死んでいるのだ。
間違いなく彼は生きた人間であるはずなのに、その目が、<奴ら>と同じ死者のそれだった。
「狂ってるのか、アンタ……ッ!」
確信した。
ニックは人知れず<奴ら>になっていたんじゃない。
才門は"そう"と知っていて、彼をあそこに閉じ込めていたのだ。ゲームの音で興味をそちらにひきつけておきながら。
バックヤードの隅に転がっていた肉の塊は、才門が彼に与えた"食事"だったのだ。
「あいつはいつも食ってばかりなんだ、俺が面倒見てやらなけりゃどうしようもないやつなんだ……」
俺たちは……。
毒島先輩は、この男によって"食事"として差し出されたんだ……ッ!!
もうどこからも湧き上がらないと思っていた力が、一気に全身を駆け巡る。両腕を振り上げた才門に飛び掛りその手からバットを奪い取ろうと格闘する。
だが相手もそれまで見せていた様子とは打って変わって、バットを取られまいと必死で抵抗してくる。
腹部に膝を食らい戻しそうになるが、それを飲み込んで才門の腕を押さえこんだ。
「この!!」
バットを持つ手をレジカウンターに叩きつけると、才門はついにそれを手離した。バットはそのままカウンターの向こうに転がり落ちる。
しかし才門はそれでもあきらめる気配を見せず体重に任せて俺の体をカウンターに押し付ける。
「ぐ、ぇ…………ッ」
首を、絞められる。
狂気を湛えた才門が俺に圧し掛かるようにしてのどを握りつぶそうとしてくる……ッ。
のどに食い込む指を引き剥がそうとするが、才門の力はまるで<奴ら>のように強力だ。
息ができない。
目の前が白く、赤く染まり始めた。
死ぬのか、俺も。
毒島先輩を死なせてしまった償いも出来ず。
彼女の死を誰かに伝えることもできず。
無責任に殺されるのか。
こんなところで。
「…………まるか……」
こんなところで。
「……んで、たまるか……」
こんな、ところで……ッ!
「死んで……たまるか……ッ!!」
無意識にカウンターの上をまさぐっていた手が何かに触れる。
熱い。
熱されたままになっていたホットプレートだ。
俺は迷わずそれを掴み上げ、才門の顔に押し付けた────!!!
「っぎゃあああああああぁぁあああぁあぁぁあぁぁぁぁ!?」
「ッッ……!!」
才門が恐ろしい悲鳴を上げる。のどに食い込んだ指が離れていく。
だがプレートを掴んでいた俺の手も限界だった。
我慢しきれずに取り落とすと、才門の顔面は真っ赤に焼け爛れている。
代わりに俺の手も酷いことになっているだろうが、今はそんなことを気にしてはいられなかった。
顔面を押さえ悶える才門に全体重を乗せた蹴りを食らわせる。
目の見えぬ状態で食らった一撃にバランスを崩し、
そのまま、割れたガラス戸に頭から突っ込んでいった。
肉を引き裂く音がして、見る間にガラス戸が鮮血に染まっていく。
才門はびくびく痙攣するばかりで、もうそれ以上動き出す様子は見られない。
俺はたまらずその場にへたり込んだ。
また、死んだ。
また、俺が殺した。
火傷を負った手がじくじくと痛む。
そしてそれ以上に、耐え難いほどココロが痛んだ。
途方にくれてしまうほど。
悔しかった。
俺が。俺が助けなきゃいけなかったのに。
壊れてしまいそうなほど、痛かった。
「…………いつまでも、こうしてられないよな」
抜けそうになる腰をどうにか支えて立ち上がる。
1人きりになってしまって、これからどうすればいいのかもわからない。
いや、行かなきゃいけないところは分かっている。バスを追いかけて孝たちと合流しないとけない。
そのためにはまず入り口を縛るテープを切って……。
「お、と……」
ふらりとよろけて転びそうになった。
けどそうはならなかった。
誰かが倒れそうになった体を抱きしめ、支えてくれたから。
覚えのある腕に頬が緩んだ。
「ああ………………ありがとう、先輩」
Dead End 5:温もり
(トラの鳴き声的なもの)
タイガー:はいみんなお久しぶりー。デッドエンドの数は開いてないのになぜか出番がなかったタイガー道場のお時間でーす。
ブルマ:今回は大方の予想通り、シロウはもうちょっと人を疑いなさいってことね。
タイガー:基本的には士郎よりも毒島さんや沙耶ちゃんのほうが冷静! 彼女たちの言うことは聞いておくのが無難よ。
ブルマ:けどおにいちゃんもそろそろ成長してもらわないとねー。
タイガー:そこはここを乗り越えた頃に期待ね。さあ士郎、己の屍を超えて往け……ッ。
ブルマ:シャレにならないわね、シロウの場合。
タイガー:それはそれとして分かってるのにこっちを選ぶ貴方たちに漢気を感じ……。
ブルマ:ないッスね。ただの変態の集まりッス。
タイガー:しゃらーっぷ!
ブルマ:あがーっ!
タイガー:さて、途中まで読んでて「あれ、これ毒島さん死んだまま進んじゃうんじゃね?」って思った人もいたのではないでしょうか。
実は作者も一瞬そのまま進めちゃおうかと思ったとか。
ブルマ:でもまああまりに理不尽だしそれやるとファンからブーイングの嵐になりそうで止めたチキンなんだけどねー。
タイガー:っていうか、これあれよね、映画ネタやりたかっただけよね。
ブルマ:どんだけ狭いストライクゾーンなのよ……。
◆分からん人向けの解説。
*ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年/イギリス)
ジョージ・A・ロメロの傑作『ゾンビ(原題:ドーン・オブ・ザ・デッド)』のパロディとして作られたホラーコメディ。
コメディなのでほとんど怖くはないが、きちんとお約束を踏襲しグロシーンも完備されたれっきとしたゾンビ映画。
主演はサイモン・ペグ、ニック・フロスト。
サイモン・ペグは脚本も努めており、その後監督のエドガー・ライトと共に大ファンであるロメロのランド・オブ・ザ・デッドにゲスト出演を果たしている。ゾンビ役で。
ロメロ自身この映画を気に入っているらしい。
ゾンビ映画が好きならぜひとも見て損はしない一本。
ちなみに学園黙示録の中にコンビニの店員としてサイモンが描かれているのは承知のことと思うが、作者はゾンビのことを<奴ら>と呼ぶのもこの映画が元ネタではないかと思っている。(劇中でゾンビと呼ぶのを嫌がるシーンがある)
ブルマ:ところで<奴ら>ってゲームするのかしら。
タイガー:あー、多分無理よね。目見えないし。映画のオマージュってことで許して!
それじゃあ、また次回のタイガー道場でお会いしましょー!
ブルマ:あ、ちなみに映画はレンタルビデオで借りられるから、興味が出たら観てみてね!
/*/
大した量にならないだろうなー、と思ってた死亡ルートが本筋並みの長さになってしまった件。
学園黙示録アニメ化のあおりか理想郷でもSSが増えたりスレが立ったりとにぎわっていてうれしい限りであります。
ところでゾンビものに特殊能力はありか、の話題ですが作者は「ねーよwwww」派。
あ、やめて、石投げないで……!! 説得力ないのは分かってるから……ッ!
でもやっぱりゾンビを相手にしたときの醍醐味はその絶望感や危機感。あくまで普通の人間が相手にするのが前提だと思います。
サバイバルとかね。
ということでこの先魔術師無双があったり<奴ら>うっちゃって士郎vs魔術師なんて展開にはならないのでご了承ください。
士郎が死んだり殺されたりするのをお楽しみください。
……まあ学園黙示録の主人公たちは総じてチート気味だとは思いますが。
追記:AAが超ずれる……誰か助けて……。