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No.6296の一覧
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[1] クソゲーオンライン2[あ](2009/02/06 20:54)
[2] クソゲーオンライン3[あ](2009/02/15 16:18)
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[26] クソゲーオフライン27[あ](2009/09/12 18:46)
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[6296] クソゲーオンライン21
Name: あ◆2cc3b8c7 ID:e0b0b385 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/07/27 22:30


静かに近づきつつある終わりを前に、残酷な喜劇は多くの血を求める中
『夢の国』に欲望に塗れ、血に飢えた獣達が集う


悪夢に支配された楽園は人々の絶望と悲しみによって彩られる



■アリの行列■


フェザーンの二大巨頭と呼ばれるウォーレンとジョージの
二人は無垢なる悪意を共有する『怪物』であった


彼等は現実世界でも仮想世界でも変わることなく人々と世界を翻弄しながら
自らの力を誇示し、悦に浸る趣味の悪い人間達であった

また、彼等がその趣味に興じる様は子供がアリの行列に
無慈悲な悪戯をする姿によく似て見えた


二人にとって大衆などといった取るに足らない存在は、アリ以下の価値しかない



■■


『子供という者は我慢が出来ぬ者』
「ウォーレン、それは正確では無いな。我慢が出来ぬのは大人も大して変わらん」


『たしかに』と呟いたジョージは長年のライバルにして最大の協力者に
陰惨な笑みを向けながら乾いた笑い声を上げつつ、あっさりと彼の指摘の正しさを認めた
大人と子供が持っている我慢強さに対する考察などに無駄な労力を費やす必要は無い
彼等にとって重要なのは『子供は我慢が出来ない』という事実


そして、それを利用した怪物達の目的はこの仮想世界に大きな混乱と衝撃を与える
『皇帝暗殺』を実行し、フェザーンの狡猾さに対する人々の憎悪を逸らす事にあった

多くの人達にとって遠くの嫌な奴より、身近な火事の方が
よっぽど重大事なのは『レンネンカンプ』の世界でも現実と変わらない


仮想世界を裏から糸を引いて操る自身達の安寧を守りつつ
その混乱に乗じ、更に自身の力を『資本』を大きく増やすために
『皇帝暗殺』という大層な名を冠せられた幼児殺しの陰謀は
二人にとって必ず実行しなければならぬ、大事な『イベント』のような物であった


そのために、彼等は与太話にしか聞こえぬ『情熱』に少なからぬカネを投じ
『夢の国』の建造と維持に対して地道な協力を行ってきたのだ

そもそも、帝国の資本を狙う為のダミー会社を作るなら
自らの息の掛かった帝国所属プレイヤーに
中途半端な会社を設立させるだけで事足りる
なにもカネの掛かりすぎる『夢の国』に拘る必要など全くない


そう、彼等は『いつか』のために『黒い情熱』を持って
邪悪な陰謀を為す為に、誰も気が付かぬ布石を根気強く打ち続けた


その腹黒い手の打ち様は、『怪物』と称するに相応しく
彼等を十老頭の巨頭足らしめる大きな要因の一つでもあった



『皇帝と言っても幼子であることに変わり無い。楽しい遊園地の話を耳にしたら・・・』
「我慢する方が無理と言うもの。必ず駄々を捏ねて足を運ぶであろうな」

『後は買収した皇帝の近侍から下らぬ『夢の国』の話を耳に入れるタイミングさえ
 調節してやれば、『皇帝暗殺』などという名ばかり大層な凶事の実行は存外容易い』

「我々は遠く安全な『街フィールド』認識のホテルの部屋で果報を待つだけ
 事が為れば好し、為らずとも私有地での初の大規模な惨劇は大きな波紋を生む
 成功すれば進捗著しい帝国は後継争いで威勢が削げ、失敗しても大きな混乱が
 まず間違いなく起きる。黒狐の小僧が上手く同盟にその隙を突かせるじゃろう」

『そして、その波紋はフェザーンへの羨望と嫉妬や憎悪を容易く打ち消し
 我々は引き続き心安らかにアリの行列を弄り続けることが叶うと言うわけか』


3000帝国マルクもするアイテム『年代モノのワイン』で喉を潤しながら
老人2人は汚らしい策謀を自画自賛しながら話を続ける
後に起こる惨劇を利用して、さらに増えるであろう資産と力に
思いを馳せながら彼等は酔いしれる


力を持ちすぎた『老害』は己の欲望のままに人々の心を狂わせることの快感に浸り
普段の姿を知る者には想像出来ないほど饒舌になっていく





■最後の開園■


皇帝の我侭によって急遽決まった『デスティニーランド行幸』
この事を内々に知らされたグルックに雇われた、『元奴隷』の従業員達は大いに奮起する
この皇帝行幸が無事済めば、皇帝の気まぐれによる補助金大幅アップも望めるのだから

もっとも、このちょっぴり邪な願望は最悪の形で報われる事になるのだが
残念なことに当事者達に預言者は居らず、そのことを知る術もなかった


■■


「ハイハイ!!今日は皆気合入れて行くわよ!タダでさえデスペナが増えて以降
 顧客のパイが減って経営苦しんだから、なんとしても補助金ゲットするわよ!」

『オー!!』『了解!』『ボ-ナスじゃ~!!』



開園前のスタッフルームで激を飛ばすグルックに
まだまだ経験の浅いスタッフ達は元気よく応える

彼等も補助金がゲットできれば臨時ボーナスに預かれる事もあり
安月給から脱出できるとモチベーションをMAXまで高めていく



『この分なら私が要らぬ心配をする必要も無さそうですね。グルックさんに
 お任せしていれば万事抜かりなく、皆さん問題なくやっていけそうですね』

「う~ん、何言ってるのかな~?アルフィーナちゃんにはちゃんと大事なお役目が
 あるじゃない。このハイレグアマーを装着して戦隊ショーにちゃんと出て貰うからね!」

『その、私は確かに彼等の面倒を最後まで見ると誓いましたが
 大衆の面前でそんな破廉恥な格好をするとは言った心算は・・・』

『酷い!!アルフィーナは私を破廉恥な女だって思ってたのね・・・
 そうよね、私なんか奴隷として裸を衆目に曝した雌奴隷だし、汚れてるよね』

『そんなことない!その、私はリアのことをそんな風に思ったことはありません!』


「じゃ、着てくれるのね」『うん、一緒に頑張ろうね♪』


「確かに最後まで面倒見ると約しましたが、こんな事までしなくてはならいなんて・・」

『はいはい、諦めてさっさと着替えて着替えて!評判良かったら
 定期公演にして、大いに客寄せパンダちゃんになって貰うんだから』

『ちょっと、恥ずかしいけどなんか文化際みたいな感じで楽しそう♪
 うん、なんかワクワクしてきた。特別手当も付くし頑張るぞぉ~!』

「はぁ、これが周りを省みることなく己が道を突き進んだ報いなのですね」



無慈悲なグルックの言葉と最近仲良くなった友人の悪戯っぽい笑みに
アルフィーナは自分の有り余る行動力を呪いつつ降参し
ノリノリの二入に半ば引きずられるようにして衣装室へと連れて行かれる


こうして、誇り高き少女はちょっと過激すぎるハイレグアーマーを身に纏い
幼い皇帝を楽しますため、グルックの朝の思いつきで急遽企画された
『美少女戦隊ショー』の台本読みとリハーサルに追われる事になる



『こんなこともあろうかと思って、ハイレグアーマーを購入しといて正解だったわね』 

「そんなもの用意しとかないで下さい!!」
『どうどう、凄く似合ってるし、かわいいから気にしない気にしない♪』




自分の先見性に悦に入り始める情熱溢れる若き女経営者と
視野が狭いのが玉に傷な誇り高き暴走お嬢さまに
結構能天気な所のあるお気楽奴隷ガールを加えた三人組は


出会って間もないにもかかわらず、馬が合ったのか結構仲良しになっていた
あまりにも違いすぎる彼女達の個性が功を奏したのかもしれない


なんだかんだで、その友人二人に強く頼まれたアルフィーナが
彼女達の要望に応じた結果、『美少女戦士アルフィーナ』として生まれ変わるのだが


彼女もその名が『レンネンカンプ』中に知れ渡る事になろうとは
この時点ではまったく予想もしていなかった

この直ぐ後に起こる『血の惨劇』によって、その名が知れ渡ることになるなど・・・



■宰相のお仕事■


皇帝フリードリヒよんせは『デスティニーランド』の存在を
近侍から聞いた瞬間『行きたい!直ぐ行きたい!!』と盛大に駄々を捏ね始め

『神聖にして不可侵』という皇帝大権を振りかざし
『デスティニーランド行幸』即日裁可し賜うた


これに帝国宰相リヒテンラーデは皇帝たるもの
軽々しく玉座を空けるものではないと異議を唱えたのだが

『よんせ、ゆうえんちにいくぞ!』の一言によって却下されたため
何名かの護衛と共に彼も皇帝に従ってお忍びで『夢の国』を訪れることになる


■■


『宰相閣下、13時から始まる『戦隊ショー』は外す事は出来ぬ物であると愚考致します』

『私もゲルラッハ子爵と同意見であります。グルック女史が
わざわざ皇帝陛下の御ために企画して貰った物のですからな』


カラーコピーの即席ポスターを見ながら、二人の少女の過激な姿に鼻の下を盛大に伸ばす
二人の腹心の言を聞きながらリヒテンラーデは頭を抱えたくなっていた

このバカ二人と数名の侍従や近衛で幼い帝国皇帝を
警護しなければならない現状に絶望せずにはいられなかった


そもそも、このような手薄な警備で行幸を行わざるを得なくなったのは
目の前で無邪気に遊びまわる幼い皇帝が『戦争イベント』の引き金を
最初に引いたことに端を発しているのだから如何ともし難い

多くの惨劇を無自覚に引き起こしてしまった『皇帝』は人気ゼロ所か憎悪の対象である
護衛を募った所で人が集まるどころか、暗殺や復讐を望む者が寄って来るだけなのは明白
そのため、老帝国宰相は自身を含めて信頼できる少数精鋭で無謀な行幸に踏み切ったのだ



「ワイツ、卿等の任は陛下の護衛が第一にあることを忘れるでない
 それに、人が多数集まるイベントショーは警備上好ましいと言えぬ」


今にも鼻血を噴出させそうな勢いの二人はリヒテンラーデ侯に窘められると
断腸の思いで『美少女』戦隊ショーの見学を諦める。血の涙を流しながら・・・

だが、身を削られるような思いで自らの欲望を封印しようとした二人に
想いもよらぬ救いの小さな手が差し伸べられる事になる


『せんたいか?かいじゅうはでるか?』『陛下、勿論でますとも!』

『ほんとか?がおがおするのか?』
『御意、滅茶苦茶ガオガオしまくりです!!』


自らの疑問に力強く返答を行う二人の廷臣に気を良くした
皇帝は『戦隊ショー』の観覧することを裁可する



「最早、何も言いますまい。統べては陛下の御心のままにありますよう
 ゲルラッハ子爵、ワイツ!努々、自身の職分を忘れることのないように!」

『心得ております』『警備一切抜かりなく整えて見せましょう』





この根拠のない二人の自信が最悪の結果を招く事になるのだが
目先の欲望に鼻の下を伸ばす愚者達は心待ちにする
美少女戦隊ショーが『惨劇』になるとは知らず、その開幕を心待ちにする

また、妥協と諦めによって強い諫言を行わなかった老宰相は
この決断を数時間足らずで死ぬほど後悔することになる


既に皇帝の周りには、いや、『夢の国』の至る所に
入場客の皮を被った欲望に忠実なケダモノ達が
巧妙にその牙と爪を隠しながら群れを成して溢れていた


今日も『デスティニーランド』はどこよりも笑顔と笑い声に溢れていた
この『夢の国』を創った人々が望んでいない穢れた笑顔と笑い声で・・・



■二人の休日■


何だかんだ言いながら、仲良く手を繋いで『夢の国』にやってきた
ヘインと食詰めは余すことなく、この素晴らしいテーマパークを楽しんでいた

二人にとって、久々の休日のお出かけはパウラを喪って以降
知らず知らず張り詰めがちに為る心を休ますいい機会になっていた

ダルイだの面倒などと言いながら、食詰めの言われるまま付き合っている
ヘインの姿が、それを何よりも証明していた


少しだけズレた感情をお互いに向ける二人だったが
その絆は最初の頃とは比べるべくも無いほど、強く太い物になっていた
仮想世界の虚構の時間であっても、過ごし時間の長さは彼らを強く結びつけていく


■■


『ダーリン、アイスクリームが食べたいのだが?』
「ダーリンじゃない!」


『細かい事を気にするな。折角の休日ではないか。恋人気分で楽しんだ方が有意義だと
私は思うのだが?偶にはかわいい同居人の我侭に付き合っても良いのでは無いかな?』

「へいへい、アイス奢ればいいんだろ奢れば!ちょっと待ってろ」
『ああ、ダブルかトリプルかは卿の判断に任せよう
 私の想い人が、狭量ではないことを祈っているよ』



ったく、三段買って欲しいなら素直にそう言えって言うんだよ
ほんと、俺にだけ好き放題たかりやがって、偶にはフェルナーとかにもねだれよ


ほんと、相変わらずだよ・・・、最初から何一つ変わっちゃいないんだよな


『ヘイン、どうした?手に滴るアイスを私に舐めろというのかな?
 まぁ、それが卿の趣味というなら、希望に沿うのも吝かでは無いが』

「違げぇーよ馬鹿!さっさとパクついてろ!!」


黙って素直にもぐもぐしてりゃかわいいのに
実態は生きる為なら敵の喉を容赦なく噛み千切る奴だからなぁ

まぁ、必死に命乞いする女の子を中ボスだからってだけで
容赦なく手に掛ける俺も大概だがらあんまり大きな事は言えないか


『珍しく考えごとか?それとも私に見惚れていたといった所かな?』
「にやにやしながら、からかってもアイス頬っぺたにつけてちゃ様になんねーぞ」


『心配するな。狙ってやっている。かわいいだろう?』
「その発言だけで子憎たらしさ倍増だよ」『それは、残念。今度言わずにやらして貰おう』


まぁ、今日位は難も考えずに休日を思いっきり楽しむか
被保護者に心配されて声掛けられてるようじゃ、世話ないからな



「そいじゃ、小腹も膨れた事だし、次はどこに行きますかね?」







仕方ないなといった風のヘインの誘いに満足気に希望を告げる笑顔の食詰め


最初の頃と変わらぬ何回も繰り返されてきた彼等の日常の一コマ
本当にありふれたいつも通りの、そして何ものにも変えがたい価値を持つ光景


多くの人々が地獄のような仕打ちと凄惨な光景を目にしながら
変わり、来るって行く中で、出来るだけ変わらない事を選択した二人

それは、非常に困難なことであったが、『らしさ』を知っている
家族が、仲間が傍に居てくれる御蔭でギリギリのラインで持ち堪える事が出来ていた

もっとも、大切な仲間の一人が欠けたことで、それも揺らぎつつあり
それに気付いたからこそ、茶番とも逃避とも言える『楽しい休日』で
確実に追い詰められていく、心を少しでも紛らわそうとしたのであろう


だが、そんな甲斐甲斐しい二人の努力を無残にも打ち砕く惨劇が始まるまで
不幸なことに、もう殆ど時間が残されていなかった



後に『悪夢の惨劇』と呼ばれる悲劇が華々しいショーの開幕と同時に幕を開ける!!



  ・・・ヘイン・フォン・ブジン公爵・・・電子の小物はレベル1228・・・・・

                ~END~


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