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No.6296の一覧
[0] クソゲーオンライン(銀英設定パロ)[あ](2020/02/21 23:53)
[1] クソゲーオンライン2[あ](2009/02/06 20:54)
[2] クソゲーオンライン3[あ](2009/02/15 16:18)
[3] クソゲーオンライン4[あ](2009/02/24 21:54)
[4] クソゲーオンライン5[あ](2009/03/01 15:46)
[5] クソゲーオンライン6[あ](2009/03/06 22:32)
[6] クソゲーオンライン7[あ](2009/03/08 20:06)
[7] クソゲーオンライン8[あ](2009/03/14 18:30)
[8] クソゲーオンライン9[あ](2009/03/15 16:48)
[9] クソゲーオンライン10[あ](2009/03/29 16:34)
[10] クソゲーオンライン11[あ](2009/04/13 21:12)
[11] クソゲーオンライン12[あ](2009/04/26 23:20)
[12] クソゲーオンライン13[あ](2009/05/24 17:54)
[13] クソゲーオンライン14[あ](2009/05/31 15:30)
[14] クソゲーオンライン15[あ](2009/06/20 18:00)
[15] クソゲーオンライン16[あ](2009/06/29 23:02)
[16] クソゲーオンライン17[あ](2009/07/04 21:08)
[17] クソゲーオンライン18[あ](2009/07/06 22:26)
[18] クソゲーオンライン19[あ](2009/07/11 16:54)
[19] クソゲーオンライン20[あ](2009/07/19 22:44)
[20] クソゲーオンライン21[あ](2009/07/27 22:30)
[21] クソゲーオンライン22[あ](2009/08/10 21:04)
[22] クソゲーオンライン23[あ](2009/08/12 19:50)
[23] クソゲーオンライン24[あ](2009/08/16 18:43)
[24] クソゲーオンライン25[あ](2009/08/16 19:21)
[25] クソゲーオンライン26[あ](2009/09/05 20:39)
[26] クソゲーオフライン27[あ](2009/09/12 18:46)
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[6296] クソゲーオンライン13
Name: あ◆2cc3b8c7 ID:e0b0b385 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/05/24 17:54
犠牲者の上限2500万以上・・・・
日本共和国の総人口5億1000万の内、約5%が緩慢な死の危機に直面していた
そして、この想像を絶する数値は現実世界を大きく揺るがすことは確実であった

ログインした多くは10代から30代という若年層に偏っており
国の未来を担う多くの若者達が失われようとしているのだから



■最悪の不良品■


事件から5日目、政府は事件全容の究明と解決に向けて
最大限の努力を行っていたが、残念なことに結果を出すには至っていなかった


「季節外れの雷雨か・・・、どこかで停電でも起きてなければ良いが
 いや、私が今心配しなければならないのは本会議での答弁の方かな?」


咥えた葉巻の先から立ち昇る煙を見詰めながら内閣の首班たる地位に就く男は
自身が最も信頼する補佐官に言葉を投げ掛けるも、返答を得ることは出来なかった





『リアルファイト』はシャフト局長が先日の閣議で説明したように
最高の安全性を持っており、停電程度で使用者が命の危機に曝すようなことはないが
それに接続されている『レンネンカンプ』の付属機器は違う


強制切断や停電などによって強制ログアウトなどしようものなら
即効でプレイヤーの頭をフットーさせてしまうことになるし

また、内臓バッテリーの寿命や不良によるバッテリー切れでも
プレイヤーの脳味噌をフットーさせることになる


大きな情熱を持って大事業に挑んだ男の命を奪った原因も
後者、不良バッテリーの寿命到来によるあっけない死であった


『レンネンカンプ』に捕らわれた人々の直ぐ傍に死はある
そして、それから逃れる術はない



■麻垣康三■


『内閣総理大臣にご質問致します。今回の一連の騒動、『レンネンカンプ事件』について
 なんら政府は解決策を示しておりません。これは被害者の方々だけでなく、主権者たる
 国民に対する説明責任を政府が放棄しているのではないか?と私を危惧しております
 ですが、万が一にもこの事態に対する打開策を総理若しくは自問党がお持ちならば
 この場を持ってご披露して頂きたいと考えております。是非ともご回答を願います』


10日間足らずでこの異常事態を解決する方法が見つかる訳もないことは
質問する野党議員自身が一番良く分かっている筈であったが
与党を貶めることこそが野党のすべき事であると信じて疑わない彼は
この事件に対する懸念を嫌みったらしく二次元至上主義の首相を攻撃する



『内閣総理大臣、麻垣康三君・・・』



どこか浮世離れした議長の声に促された首相の答弁は
野党の追求を見苦しく言い訳混じりに逃げようとしながら
再び政府の支持率を下げる的外れな失言交じりのモノになるでだろうと
彼が口を開く前までは野党だけでなく、与党の多くの議員も疑っていなかった
だが、その予想が全くの的外れであった事を彼等は直ぐ知ることに為る


「ご質問のなかで説明責任を私や政府が果たしていないと言われましたが
 これは致し方ないことであるとご理解頂きたい。説明しようが無いのですから」


この余りにも酷い開き直りともいえる答弁に質問者を含めた
野党の議員達は言葉につまり、いつものように満足に野次ることができなかった
そして、麻垣首相はそれを好機として逃さず、いつも以上に舌を滑らかに動かしていく


「そう、私も政府も説明すべき情報を持っていないのです
 有史以来最大の国難を迎えているかも知れないというに!!
 だが、私も政府も日本を諦めない!!犠牲者を増やさないため
全力で事に当たる覚悟を私も政府も既に終えております!!」



質問も質問であったが、返された答えはそれに輪を掛けたぶっ飛び具合であった
しかし、不思議な事にその正直すぎる力強い答弁は世論の
国民の心を掴むことに何故か成功する


非常時には道理よりも、理屈を超えた強いリーダーシップが必要と言う事を
国民という集合体は本能的に理解していたのかもしれない





以後、この『ぶっちゃけ答弁』によって、そこそこの支持を得た首相は
『レンネンカンプ事件』の対応だけでなく、国政全般において八面六臂の活躍を見せ
首相四人分の仕事をこなした男として高い評価を得るようになるのだが
それは、少しばかり未来の話になる。偉大な為政者の道は長く険しい


ただ、彼の『レンネンカンプ事件』の対応に関する功績は
事件によって起こされた人心の不安を最小限に抑えたという面にあり
『レンネンカンプ』自体が持つ問題を解決する役目を
彼の下で直接的に担うのは特務機関ジオバンニの人々になる


そして、その道は首相が辿る道に勝るとも劣らない厳しく険しいモノになるのだが・・・



■お悩み相談?■


過酷な仮想世界に情熱を原動力に生まれた夢の国『デスティニーランド』を訪れた
ヘインと食詰めの二人は閉館時間間近にも関わらず、現実を忘れ夢の世界を満喫していた


『情熱』と『献身』によって作られた夢の国は
二人をいとも容易くクソったれな現実から解放することに成功していた
そして、その成功は二人だけでなく全ての来場者に対するものでもあり
夢の国にただ一人居る『場違いな人間』の存在をより際立たせてもいた



「ちょっと乗り物酔いしたみたいだ。悪いが先に並んでてくれ!」


そう早口に告げたヘインは、食詰めが不平を言う間もなく足早に来た道を引き返す
どうしても、放っておけないものを見てしまった彼の足取りはいつもより速い


そして、なんとなく理由が分かってしまった食詰めは仕方がないなと諦めつつ
列に並びながら、想い人の自己陶酔と言う名の『酔い』が醒めるの持つことになる
優しく、少しだけ寂しそうな表情を浮かべながら一人佇む・・・


■■


「これで涙を拭って下さい。美しい女性に涙は似合いません」

キラッ☆っと滑稽にしか見えない決めポーズを取りながら、
売店で買った玩具のトランペットを片手にインチキ臭いタキシードに装備を変えた男は
涙を零し続けるグルックに小奇麗なハンカチを差出したのだが



『・・・・』



無言で無視され、差出したハンカチは自身が流す血の涙を拭うことに供することになる
『ぷぷ、面白い人ですね♪』とか『あははっ、笑ったらなんかすっきりしちゃった♪』

そんな漫画やアニメみたいな超展開に発展する事態には残念なことにならなかった


『・・・・・』「・・・・・・」『・・・・』「・・・・・」


両者言葉を交わす事もなく、永遠に続くような重苦しい沈黙が五分ほど経過し
ヘインの精神は遂にゲシュタルト崩壊を起こすことになる

その姿は余りにも滑稽であり、無様でもあったが・・・



『あの、大丈夫?その私のことは余り気にしなくても良いよ?』


その情けなくも哀れな姿が心優しいグルック女史の同情を引き出すという成功をもたらす
本来は慰める心算だったのが、逆に慰められる始末ではあったが

それでも会話の切欠になった事には違いはなく、そこから始まった会話を足がかりに
ヘインはグルックから『夢の国』が誕生するまでの経緯だけでなく
彼女に涙を流させた原因をつかむ事に成功する


もっとも、ヘインがしたことは頷いたり、時折見つめたりするなど
グルックが自分の感情を整理して話せるように待っただけ
あとは情熱にみちた一人の男の生き様を聞きながら目を輝かせるだけで十分だった



「そっか、凄い人だったんだなぁ。一度会って話でもして見たかったな」
『もし、君があの人と会ったら、きっと部下に誘われたんじゅないかな?
あの人、変わってたり面白いモノをいつも子供みたいに追いかけてたから』


「さり気無く変人扱いですか、あと俺はその人の部下が務まるほど
情熱に満ちた熱い男じゃないですから、多分、途中で逃げ出しますよ」

『そう?私の見立てだと意外とイイ線まで行くと思うんだけどなぁ?
 それじゃ、長話はおしまい。彼女さんがあそこで待ち惚けしてるよ』



グルックに促されて前を見ると、どこか不満そうな顔の食詰めが仁王立ちしていた
話に興じる余り、少し限度を超して待たせ過ぎてしまったようである

もちろん、食詰めもヘインが何をしに行くのか承知の上で行かせたのだから
怒るべき正当な理由は持ち合わせてはいないのだが
想い人が知らない女性と楽しげに喋っているのを
笑って見過ごせるほどの寛容さを生憎と持ち合わせていなかった



「相変わらず、面倒な奴だな。これはどれだけ集られるか予想も出来ないな」

『ふふっ、そんなこと言っちゃだめだよ。かわいくていい娘そうじゃない
 大切にしてあげて。後悔と思い出だけを糧に生きてくのってシンドイよ』


「・・・了解、前向きに善処させてもらいますよ」


ヘインの言葉や態度と食詰めの様子で、なんとなく二人の関係を察したグルックは
ちょっとだけ、辛い経験を積んだ先輩として何気に重い忠告をする

ヘインはその掛けられた言葉に反論することはできず
不承不承といった体で彼女の忠告を受け入れ、席を立つ事しか出来なかった
もっとも、食詰めの立つ方に向かう足取りが異常に重いものであったが


ヘインに食詰めとグルック、シルヴァーベルヒの情熱が切欠となったこの出会いは
やがて『夢の国』で起きることになる事件にヘイン達を巻き込む事になるのだが
それは、もう少しばかり先の話になる。そう、現実世界で考えればほんの直ぐ先のこと



■二人の老人■


『既に他の帝国企業を買収した後もお二人がデスティニーランドに出資を
続けていると聞き及びましたが、老いて情に脆くなられましたかな?』


『夢の国』の出資者たる二人の目的はルビンスキーの言うように既に達せられていた
別の帝国企業を手に入れた今、入場者の母集団が決して増えず
改装等に莫大な資金を要するテーマパークなど
『カネの支配者』である二人にとって既に無用の長物以外の何物でもない



だが、二人の男は資金を引き上げる事もなく
投資ではなく資金援助、いや寄付を『デスティニーランド』に続ける


果たして、これは単なる人気取りのポーズなのか
それとも、本当に残された不幸な女性に同情したからなのか?
様々な憶測と思惑が混ざり合い二人の大物に関する噂がフェザーンを飛びかう
人々の好奇心の強さは仮想世界であっても変わらない


そして、自治領主ルビンスキーも好奇心と無縁ではいられないと言う点では
その他大勢の一般プレイヤーとそう変わりはしなかった


■■


『我が世の春を謳歌されておられる自治領主閣下にはジョージや私のような
 年寄りの道楽は理解できますまい。聞くだけ時間と労力の無駄というものです』

『こやつの言う通り。自治領主には自治領主の為すべき事があり、老人には
老人のする事がある。自らの領分を忘れて不用意にそれを越えれば待つのは・・・』


「破滅ということですか?お二人は何か誤解を為されているようだ
 私はあくまで自治領主として、市中を騒がす噂を看過できないだけです
その点を諒解して頂きたい物ですな。私もお二方とは今後もこれまで通り
尊敬と尊重の均衡が取れた関係を続けたいと心より思っているのですから」


真意を問うルビンスキーを脅し混じりに軽くかわそうとする二人であったが
その程度で引き下がるほどフェザーンを統べる自治領主は腑抜けではなかった
自らの職分を盾に、そこから更に十老頭の重鎮たる二人の懐に踏み込む


『べらべらと良く喋る小僧だ。市中を騒がす噂を大きくした張本人が
 よくほざいた物だな?安心しろ!ボロ布を纏った輩とこの件は無関係』

『お前の地位を脅かすこともない。これはあくまで我々の『趣味』に属する事
 それでも、まだとやかく言うほどお前は聞き分けの悪い子ではないだろう?』


「さすが賢老と呼ばれる方々、私のような小人の動きは全てお見通しでしたか
 自治領主という職分故に無礼な振る舞いを致しましたこと心よりお詫び申し上げます」




二人の言葉に満足したルビンスキーが踵を返すのは早かった
十老頭に地球教、自身の地位を脅かす力を持つものが少なくない彼にとって
目を配る必要がある者は多く、彼ら二人にばかり時間を割いている訳には行かない

一先ず、二人の不可解な行動が最も危惧している
十老頭と地球教が結びついて自身を排除しようとする動きでないと分かれば良いのだ


また、二人の方も自分達の『本当の目的』の邪魔をしないのなら
積極的にルビンスキーを排除する必要はなく
下手に警戒されて動きにくくなる事を避けるため
自治領主に対する支持を十老頭の重鎮として約す



夢を買った二人の老人と夢を受継いだグルック
彼等の道が再び交差する時、何が起きるのだろうか?



■新たな旅立ち■


大魔王レンネンカンプの両腕が披露されて以後
多くの『求道者』達は彼らを倒すためにイゼルローンとガイエスブルクを目指す
そして、その中には十分すぎるほどレベル上げに明け暮れたヘイン達一行も含まれていた


物語は新たな地獄がいくつも待ち受ける第二章へと進もうとしていた


   ・・・ヘイン・フォン・ブジン侯爵・・・電子の小物はレベル389・・・・・

                ~END~



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