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No.561の一覧
[0] ―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/17 23:19)
[1] Re:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/17 23:33)
[2] Re[2]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/17 23:51)
[3] Re[3]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/18 00:04)
[4] Re[4]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/17 23:57)
[5] Re[5]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/18 00:01)
[6] Re[6]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/20 23:06)
[7] Re[7]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/23 15:36)
[8] Re[8]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/25 21:14)
[9] Re[9]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/30 18:46)
[10] Re[10]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/05 00:02)
[11] Re[11]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/08 23:14)
[12] Re[12]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/11 22:56)
[13] Re[13]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/15 16:19)
[14] Re[14]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/18 23:24)
[15] Re[15]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/22 21:47)
[16] Re[16]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/24 15:42)
[17] Re[17]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/29 14:52)
[18] Re[18]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/07/05 19:31)
[19] Re[19]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/07/18 22:05)
[20] Re[20]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/07/26 22:15)
[21] Re[21]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/08/03 21:53)
[22] Re[22]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/08/25 23:31)
[23] Re[23]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/12/02 00:11)
[24] Re[24]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/12/14 20:57)
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[561] Re[18]:―NARUTO― 九尾と龍の物語
Name: 陰陽師 前を表示する / 次を表示する
Date: 2003/07/05 19:31
第十八話  苦渋の決断








ナルト修行開始から4日目


その頃、木ノ葉の里では・・・・・・・・・・・・








雲ひとつない青空。


その光景を眺めているのはつい先日まで怪我と酒のせいで半分死に掛けていたリュウである。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


リュウは今買い物のため商店街まで足を運んでいた。


つい先日の日取り二日酔い(一週間も続いたが)もなくなり、影虎戦での傷も治療用の術が効く様になり今では大方回復している。


もう出歩いても問題なくなり久しぶりの外を満喫していた。


それとこの間のアンコ襲来事件で家の食料を食い尽くされたため買い物に来たのだが・・・・・・


「何でこうなる・・・・・・・・・・」


「堅いこと言わないの!あ~、けど奢りで食べるお団子はホントおいしいわね!!」


今リュウがいるところは商店街の中にある有名な茶店。


そこの店先の長いすに座っている。


だが一人ではなく隣にはなぜか、みたらしアンコがいた。


それもアンコの横には大量のお団子の串がある。


その数は実に40本。異常に多い。しかもこのお団子1本100両(1000円)もする高級なお団子である。


「お前、自分の給料で食べろよ・・・・・・・・・俺だって金はないんだぞ」


「嘘おっしゃい!暗部の仕事でたんまり儲けてるでしょうが!!」


アンコの言うとおり暗部はかなり給料がいいのだ。


それもリュウが受け持つのはSランク任務ばかり。


この4年で1000万両以上の儲けがある。


「だからと言って俺がお前に奢るのは・・・・・・・・・・・」


だがなぜかリュウもナルトと同じでアンコに非常に弱い。


気づけば奢らされていた、なんてことがこれまで何十回、何百回あったことか・・・・・・・


「気にしない気にしない!じゃ、次行って見よう!!おばちゃんの団子あと10個!!」


「まだ食うのか!?それも10個も!?」


「そ!あ、後おしるこも付けてね!!」


「・・・・・・・・・・・・」


リュウはアンコのその様子を見て頭を抱える。


おいしそうにお団子を食べるアンコだがここまで食べると、見ているほうが気分が悪くなってくる。


「しっかし、ナルトがいないとあんたも寂しそうね」


不意にアンコがリュウの様子を見て言う。


「ん?まあな。あいつとは本当の兄弟のように今まで生活してきたからな・・・・・・・・・・今頃あいつ任務うまくやってるかな?」


「大丈夫じゃないの?カカシが付いてるんでしょ?それにナルトはあんたが思ってるほど弱くはないし、頼りなくもないわよ」


アンコはナルトのことをよく理解している。


ナルトにとってアンコは姉のような存在。


まあ手がかかり、少し子供っぽい姉だが・・・・・・・・・・


「そうだといいんだがな・・・・・・・・・・・・」


「はいよ!お団子とおしるこお待ちどう様!!」


「待ってました~!」


お団子を積み上げたお皿を持ってくる店員。


それを見てアンコは子供のように喜ぶ。


「は~、まったく・・・・・・・・・・・・・」


(ナルト・・・・・・・しっかり任務やってるかな?)


おいしそうに団子を食べるアンコの姿をため息をつきながら、それでも笑顔で見ているリュウであった。






「は~、食べた食べた。おいしかった、ご馳走様!じゃあリュウ、後お勘定よろしく!!」


「・・・・・・・・・・・・たまにはお礼くらい持って来いよ。何でもいいから」


自分で頼んだお茶を飲みながら、多少のいやみを含め言う。


「ん~、そうね。じゃあ体で払おうか?」


「ぶっ!!」


思いっきり飲んでいたお茶を噴出してしまった。


「あははは!冗談よ!!けどアンタってホントにウブよね!」


「ほっとけ!」


顔を真っ赤にして怒った口調で言うリュウ。


まだまだ純情なリュウなのだった。


そんな様子をアンコは心底楽しそうに笑う。


またそんなアンコを見るとリュウはさらに顔を赤くした。


「くそ、お前といるとホントろくな事がないな・・・・・・・・・・・」


「よく言うわ。結構アンタだって楽しんでるくせに」


「は~、なんでいつもこう主導権を握られるんだろうな・・・・・・・・・」


肩を落とし半分泣きながら呟く。


「そういう運命なのよ、あきらめなさい!」


「とほほほ・・・・・・・・・・・」


さらに肩を落とすリュウ。


なんかアンコの前だとギャップがありすぎるような・・・・・・・・・・


「ん?」


リュウはふと空を見る。


そこに一羽の小鳥が飛んでいた。


そしてその小鳥はリュウの肩に止まる。


「召集?」


「ああ、どうやら仕事みたいだ。病み上がりできついがな」


「あんまり無理しないほうがいいわよ」


少し心配そうな顔でアンコが言う。


「大丈夫だ。まあぱっぱと片付けてくる」


「じゃあ、給料が入ったらまた奢ってね~」


「・・・・・・・・・・・お前な~」


ジト~とした目でアンコを見る。


「あはは・・・・・・・・・まあがんばってね!じゃあ!!」


そう言うとアンコは瞬身の術で姿を消した。


「・・・・・・・・・・わざわざ瞬身の術を使う必要があったのか?」


ふとそんなことを思うが気を取り直し、リュウも三代目の元へと急いだ。








「おお・・・・・来たか。体のほうはもう大丈夫か?」


「はい、まだ完全にとはいきませんがほとんど回復しました。それで今回の仕事は?」


「うむ、これじゃ」


リュウは火影から指令所をもらいそれに目を通す。


「暗殺、ですか。それもこいつは・・・・・・・・・・・・」


その紙には暗殺のターゲットの顔写真が張られていた。


「人相からして悪党ですね。何々、ガトーカンパニーのガトーですか」


「うむ。裏世界の帝王と呼ばれる男じゃ。この間お前に依頼したあの企業よりもさらにあくどい事をしておる男じゃ。今は何でも波の国の乗っ取りを行なっているらしい」


「国の乗っ取りとはまた大きなことをしますね。まあこの資料を見る限りかなりの悪ですね。分かりました、すぐにガトーカンパニーに対する破壊工作とガトーの暗殺に着手します」


「頼むぞ」


「了解」








ナルト修行開始から6日目の朝


波の国の森の中


ナルトは寝息を立てて眠っている。


大分疲れているようだ。ここ数日ほとんどぶっ続けで修行していた。


しかし成果はあまり上がらなかった。


だがこの時ナルトの意識は深層部にあった。


そして・・・・・・・・・・








『答えは決まったか?うずまきナルト・・・・・・・・・・・』


「・・・・・・・・まだ、だってばよ・・・・・・・・」


ナルトは巨大な檻の中にいる九尾と会話をしていた。


だがその九尾の姿は半分以上透明になっていた。


またその声も以前に聞いたような力強いものではなくもう虫の息に近い感じだった。


そしてナルトの口調もいつものような明るいものではない。


歯切れの悪い言葉。その理由は・・・・・・・・・・


『・・・・・・・・・・・・時間がない。ワシにとっても、お前にとっても』


「・・・・・・・・・・・わかってるってばよ」


『お前が悩むのも無理はない。だがお前は決めなければならない。ワシと一つになるか・・・・・・それとも力を失うか』


「・・・・・・・・・・・・・・・」


ナルトは九尾のその言葉に黙り込んでしまう。


その顔には焦りや恐怖などの感情が入り乱れていた。


『本来ワシ等妖魔は人間とは相成らない存在。だがワシはお前の中に封印された。そしてこの12年間でワシとお前は限りなく一つになろうとしている。だが相反する精神がある限り完全に一つになることはできん。それに体が一つになろうとするのをお前の体も無意識に拒絶しているからな』


「・・・・・・・・・・・・・・」


『だがもう一つになることは止められん。だがこのまま一つになれば・・・・・・・・・お前がワシを拒絶したまま融合すれば、ワシの魂は完全に消滅する。そしてそれはワシの強大なチャクラの暴走を意味する』


九尾はそこで一息つくとナルトを真剣に見つめる。


その目は自分の身を案ずるものではなく、本気でナルトの身を心配するものだった。


『お前のその小さな器では・・・・・・・・まだワシのチャクラをすべて吸収し自分の物にすることはできん!お前が制御できない膨大なチャクラはお前の体の中で暴走し体の至る所を、特にチャクラを司る中枢を完全に破壊する。そうなればお前は二度と忍として生きていくことはできん!それどころか命の危険性さえある』


「でも!でも!お前を受け入れるってことは!」


『そう、人間であることを捨てなければいけない。おそらくワシと一つになればお前はおそらく人ではなくなる。姿は変わることがなくても、人と言う存在ではなくなる。いやまだ完全にそうと決まったわけではないが・・・・・・・・・・・・過去いくつもの例を見ても・・・・・・人でなくなる可能性は高い・・・・・・・・・・・』


かつて、人間の長い歴史の中で妖魔と一つになろうとした者はそれこそはいて捨てるほど存在した。


その誰もが人間の持つ欲望、もっと強い力、誰もが知り得ない知識を求めていた。


だがその者達は妖魔と一つになり確かに力を手に入れた。


だがその代償は大きい。


自我の崩壊、醜い魔獣の姿への変貌など多くの弊害を伴った。


比較的ましだった者でも人間の姿をした人間でない者。


妖魔でも人間でもない、そんなどちらの存在でもない者へと変貌する。


『だが人間であることを取るならば、お前はもう二度と忍としてはやっていけない。かと言って一つになることを取れば人間ではなくなる・・・・・・・・・・・・お前にとっては苦渋の選択になるだろう・・・・・・・・・』


「っ!」


ナルトは自分の拳を思いっきり握り締めた。それこそ血が出るくらいに。


この修行中、チャクラが不安定だったのは自分のチャクラと九尾のチャクラが体の深い部分で一つになろうとしているのを五行封印が乱し、今まで以上にコントロールが難しくなっていたからだ。


忍として生きることを取るか、人間としてきることを取るか・・・・・・・・・・・・


どちらも嫌だ。選べない・・・・・・・・・・・・・


自分の夢をあきらめれない、だがかと言って妖魔のような存在として生きれない。


それに今でも十分人ではない化け物として里の人間から見られている。


その上九尾と一つになれば完全に化け物になる。


一瞬ナルトの脳裏に兄の姿が浮かぶ。


優しい兄。いつも自分を見てくれている兄。


だがもし自分が人間でなくなったら?


兄はどうするだろう・・・・・・・・・・・


今までと同じように接してくれるだろうか?


だがナルトの頭には決して考えたくない光景が浮かぶ。


兄が自分を拒絶する光景。


決してありえないとは言い切れない。


もしここにリュウがいれば、


『ナルトはナルトだ!!どんな姿になってもどんな存在になってもお前は俺の弟、うずまきナルトだ!!!』


と叫んでいただろう。


だが今のナルトにそんなことがわかるわけはない。


恐怖の中で、ナルトは必死に考えた。


『まだ考える時間はある・・・・・・・・・・・・・と言っても後数日だが』


そんな様子を見かねたのか、九尾は口を開いた。


『お前が木ノ葉の里に帰るまで、できる限り融合を遅れさせる。そうすればまだ数週間の余裕がある。今は・・・・・・・目の前のことに手中しろ・・・・・・・・・・・・・・』


だが一度考え出すと・・・・・・・・・それもまだ12歳の幼いナルトには重すぎる内容。


目先のことに集中しろと言われてもなかなか集中などできない。


『・・・・・・・・・・・仕方がない。ワシが使える力を使いこの記憶を封印する』


「え?」


『まだお前には辛すぎる問題だ・・・・・・・・・・・すまなかった、ナルトよ。お前の中にワシが封印されなければこんなことにはならなかった。12年前・・・・・・・・・・・あの時ワシが油断しなければ、奴等の策略にはまったばかりに・・・・・・・・・・・・』


「ど、どういうことだってばよ!?そもそも里を襲ったのは・・・・・・・・・・・・」


『・・・・・・・・・・・・・この話はまだ早い。時が来れば、お前にも話そう。だが今は修行に集中しろ。そして、答えは今回のことが終わってから出せ』


「ま、まて!まだ聞きたい事が・・・・・・・・・・・・」


だが続きを言う前にナルトは九尾に記憶を封印された。


そしてナルトはそのまま意識を表層部に戻して行った。


『うずまきナルトよ。辛いと思うが、決めなければならない。そして願わくば生きよ。ワシを封印したお前の父のように、強く、そして気高く』


再び闇が多い尽くした空間で九尾は小さく呟くのだった。










「こんな所で寝てると風邪ひきますよ」


ナルトはその声で目が覚めた。


目の前には見たこともない女性がいた。


その女性は、いや正確には、と言うよりもこの人物は女ではなく男。


再不斬を助けた『白』と言う少年だった。


しかしナルトは目を覚ましたのはいいのだが、まだ何か夢を見ていたような気分だった。


そして忘れてはいけない何かを忘れた、そんな不思議な感じがした。


だが思い出そうとしても思い出せない。


それについ先ほどまで何かを悩んでいた気がするがそれすら思い出せない。


九尾の封印が効いているのだ。


封印されていながらもナルトの記憶を封印できたのはひとえにナルトの精神が極端に不安定になっていたからだ。


まさに苦渋の選択。


決断する勇気は今のナルトにはなかった。


それはそうだろう。まだ12歳の少年が夢をあきらめるか、夢のために人間を捨てるかの選択を迫られるのだ。


おそらくほとんどの人間は夢を捨てても人と言う存在を捨てることはできないだろう。


だがナルトの夢・・・・・・・・・火影を超す忍になると言う夢に対する思い入れは尋常ではない。


そう簡単にあきらめれるものではない。そのため余計に考えてしまうのだ。


そしてそのことがナルトを必要以上に不安定にさせている。


何時壊れてもおかしくない心。砂上の楼閣と言ってもいいかもしれない。


ナルトの自我の崩壊。それは九尾の強大なチャクラの完全な暴走を意味する。


九尾の、そしてナルトの制御を離れたチャクラはあたり一帯を、それこそ国一つを丸ごと焦土に化す事ができるほど凄まじいものなのだ。


だから九尾は封印した。


それに九尾の封印された魂のすぐ傍にナルトの意識があったこともあり比較的簡単に記憶を封印できたのだ。


「・・・・ん・・・・?ん――?・・・・アンタ・・・・誰――?」


眠たそうな眼を擦りながらナルトは上半身を起こした。


この時、完全に九尾との会話の記憶はなかった・・・・・・・・・・・・


そしてナルトの顔はいつも通りだった・・・・・・・・・・・・








「あのさ!あのさ!この草取ればいいの?…この草が薬草?」


「すいません。…手伝わせちゃって」


ナルトはテキパキと薬草を抜いていく。この手の知識はサバイバルなどでよく知っているのだ。


「姉ちゃん、朝から大変だな」


「君こそ!こんな所で朝から何をやってたんです?」


「修行オ!!!」


ナルトは大きな声でそう言った。


実際ここ数日は九尾のことでほとんど成功しなかったが、そんなことは今のナルトの頭には無い。九尾が完全に記憶を操作したからだ。


「君…もしかして、その額当てからして忍者か何かなのかな?」


「!!…そう見える!?見える!?そう!俺ってば忍者!」


「へ――凄いんだね、君って」


「へへっ」


褒められたことで多少有頂天になる。


「何で修行なんかしてるんですか?」


「俺ってばもっと強くなりてーんだ」


自分の夢を叶えるために。


だが今のナルトは覚えていない。


その夢のために今大きな選択を迫られていることを・・・・・・・・・・・・・


自分自身を捨てることになるかもしれない、運命の選択を・・・・・・・・・・・


「ん――…でも君はもう十分強そうに見えますよ」


「ダメ!ダメ!俺ってばもっともっと強くなりてーの!」


「・・・・・・・・・それは…何の為に…」


しばらく押し黙った白は、不意に口を開いた。


「俺の里で一番の忍者になる為!尊敬する人達を超えるため!」


ナルトは拳を強く握りながら言う。


「それに今はある事をある奴に証明する為!」


「……それは誰かの為ですか?それとも自分の為ですか?」


「………は?」


その言葉に意味が理解できずナルトは困惑する。


白はそんなナルトの表情を見てクスッと笑う。


「何がおかしんだってばよ!」


「君には大切な人がいますか?」


「?」


ナルトはその言葉でさらにワケがわからなくなり始めた。


そして白はどこか遠い目をする。


その脳裏のはかつての自分の姿が映る。


ぼろぼろの服と体。


光が消えうせた瞳。


そこで彼は男に会う。


鬼のような気配を持つ男に。


「・・・・・・・・・・・」


白はしばらく何かを考え込み、そしてナルトの顔をじっと見据えた。


(?・・・・・・・・なんだ?)


「人は…大切な何かを守りたいと思った時に…本当に『強くなれる』ものなんです」


「・・・・・・・・・・・」


ナルトの脳裏に浮かんでくる人達。


イルカ、カカシ、アンコ、三代目、自来也・・・・・・・・・・・そして兄、リュウ。


目標であったり、守りたい人であったり、失いたくない人達。


彼等のおかげで今の自分が存在するのだから。


「うん!それは俺もよく分かってるってばよ!」


ニコっと笑いながらナルトは白の笑い返した。


また白もナルトの言葉に笑顔を見せる。


そして白は静かに立ち上がった。


「君は強くなる……また何処かで会いましょう」


「・・・・・・・・・・・」


背を向けて立ち去る白。


そして、そのときの彼の表情は先ほどまでとはうって変わり真剣なものだった。


またナルトも白のそんな後姿を真剣な顔で見ている。


ナルトには白があの追い忍であると確信していたのだ。


以前会った時のチャクラのの気配でナルトは計らずともそれを知ることができるのだ。


(けど女の子、で追い忍か・・・・・・・・・・・)


「あ・・・・・・・・・・・・それと・・・・・・・・・・・ボクは男ですよ」


(な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!)


まるで心を読んだかのごとく白が答える。


それにナルトは内心で激しく驚く。


まあ実際女の子みたいな姿だったから・・・・・・・・・・・(笑)


そして二人は再び分かれた。


だが次に会う時は、戦場でなのだ。


それはどちらかの死を意味する・・・・・・・・・・








翌日―――修行開始7日目の朝


「ナルトの奴どこ行ったんだ?昨日も一人で夜から出掛けて無理しやがって…」


「もう朝ゴハンだって言うのに…サスケ君も散歩行くって言ったっきりいなくなるし…」


その声の主はカカシとサクラ。


一行に帰ってこないナルトを心配し見に来たのだ。


ザク


「「!」」


と二人の足元に一本のクナイが振ってきた。


そして二人が上を見上げると・・・・・・・・・・・


「へへへ・・・・・・・・・」


そこには肩で息をしながら木の太い枝に倒れこんでいるナルトの姿があった。


しかもその場所は地面からかなり高い。。


「ナルトがあんな所まで登れるようになったわけ?(スゴイ)」


さすがのサクラも内心では驚きの声を上げる。


「どうだ!どうだ!オレってばこんなとこまで・・・・・・登れるようになったってばよ!」


五行封印をされながらもここまで登れるとは本当に大したものである。


「よっこら…しょ…!・・・・・・・あ!」


枝の上に立とうとしたナルトだが不意に足を滑らせバランスを崩してしまう。


「あ!バカ!!」


「マズイ!!この高さから落ちたら…!!」


そんなナルトの様子にしたの二人は本気で焦った。


「うわあ!!」


ナルトはまっ逆さまに落ちかける。。


「キャ―――っ!!」


(くそ!まだ体が…)


もう駄目かと思ったその時


「な―――んちゃってェ―――!!」


落ちかかってていた体が急に止まる。


それはナルトが足の裏にチャクラを集中して木に吸い付いていたからだ。


「ハッハ――!引っ掛かった!引っ掛かった!」


そんなナルトの姿に二人は黙りこむ。


「びっくりするじゃない…このバカ!!(しゃーんなろ!…後で殺す!)


またも本音と建前がバラバラのサクラだった。


「あ!」


だが一瞬集中が乱れたせいで吸着力が弱まりナルトは地面に向かい落下し始める。


「って・・・・・・・あ”!」


「あ”あ”――!!ナルトのバカ!調子ぶっこいてるからよォ!」


「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!!」


今度こそ落ちると思ったその時


「あ!」


「このウスラトンカチが……」


サスケがナルトを助けた。


サスケもナルトが先ほどしたようにチャクラを足に集め木に吸い付き、右手でナルトの足を掴んだのだ。


「キャ――!さすがサスケ君!しびれるゥ!!」


「・・・・・・・・・・(こいつら…よく成長してやがる)」


カカシは二人の成長をほほえましく眺めていた。








バキャ!


「・・・・・・・・・・・・・」


「大分戻りましたね」


「ああ」


それは再不斬と白。


再不斬は先ほどリンゴを右腕で握りつぶした。


もう体もほとんど回復したのだ。


「よし!そろそろ行くか、白!!」


「・・・・・・・・・はい!」


そして再び戦いの時は来た・・・・・・・・・・・










あとがき
やっと更新できました。
次回もなるべく早く更新したいのですが、今月は作者も忙しくなかなか更新ができないと思います。
次回を楽しみにしている人には大変申し訳ありません。
ですが、1週間、もしくは2週間に1回の割合で更新するように努力していくので今後とも陰陽師をよろしくお願いします。


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