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No.561の一覧
[0] ―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/17 23:19)
[1] Re:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/17 23:33)
[2] Re[2]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/17 23:51)
[3] Re[3]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/18 00:04)
[4] Re[4]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/17 23:57)
[5] Re[5]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/18 00:01)
[6] Re[6]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/20 23:06)
[7] Re[7]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/23 15:36)
[8] Re[8]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/25 21:14)
[9] Re[9]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/05/30 18:46)
[10] Re[10]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/05 00:02)
[11] Re[11]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/08 23:14)
[12] Re[12]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/11 22:56)
[13] Re[13]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/15 16:19)
[14] Re[14]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/18 23:24)
[15] Re[15]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/22 21:47)
[16] Re[16]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/24 15:42)
[17] Re[17]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/06/29 14:52)
[18] Re[18]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/07/05 19:31)
[19] Re[19]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/07/18 22:05)
[20] Re[20]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/07/26 22:15)
[21] Re[21]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/08/03 21:53)
[22] Re[22]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/08/25 23:31)
[23] Re[23]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/12/02 00:11)
[24] Re[24]:―NARUTO― 九尾と龍の物語[陰陽師](2003/12/14 20:57)
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[561] Re[14]:―NARUTO― 九尾と龍の物語
Name: 陰陽師 前を表示する / 次を表示する
Date: 2003/06/18 23:24
第十四話 任務と慢心、そして・・・・・・誓い








広大な森の中


茂みの中を移動する一つに影。


そしてそれを追うのがつい先日、下忍になった忍達。


春野サクラ、うちはサスケ、そしてうずまきナルトの三人組だった。


三人はすばやく木々の間を移動、その陰にターゲットに見つからぬよう気配を消して隠れた。


「目標との距離は?」


離れた場所で通信機越しに連絡を取るには彼等の班の担当上忍はたけカカシである。


『5メートル!いつでもいけるってばよ!』


『オレもいいぜ』


『私も』


そして通信機越しに聞こえてくる三人の声。


「よし!やれ」


カカシの指示が入ると三人はすばやく動き出した。


「うりゃああぁあっ!」


ナルトが一気に目標に飛びつく。そしてほかの二人も目標へと向かう。


「つっかまえたぁーっ!!!」


《ニャ―――!!》


ナルトは影に飛びつき、思いっきり目標を抱きしめる。


だがそれは人間ではなく・・・・・・・・・・・・・猫だった。


「右耳にリボン…目標の『トラ』に間違いないか?」


「ああ、ターゲットに間違いない」


サスケが通信機越しに、カカシに報告する。


ちなみにナルトはその時・・・・・・・・・・


《シャ―――!!》


「イテイテイテってばぁ!!」


ガリガリと、と猫の爪に顔を引っかかれていた。


「ハハ・・・馬鹿ねーナルト」


サクラに笑われながら、猫相手に苦戦するナルト。


つい先日、雨隠れの忍を一人で倒したとは誰も思わないだろう。


『よし、迷子ペット『トラ』捕獲任務終了。










木ノ葉隠れの里、任務受付所


『ニャーーーーーーーー!!!!!!!』


涙を流しながら泣き叫ぶ猫。


彼(?)は今主人である火の国の大名の妻『マダム・シジミ』に熱い抱擁を受けている。


「ああ!私の可愛いトラちゃん!!死ぬほど心配したのよォ~~」


そう言いながら迷子になったペットとの再会に喜び、頬をグリグリと猫に押し当てている。


・・・・・・・・・・・・猫のほうはかなりいやそうでピクピクと痙攣までしている。


(・・・・・・・・・・・・かなり苦労してんだな、あの猫)


(逃げんのも無理ないわね、アレじゃ・・・・・・・・・・・・)


ナルトとサクラはそれぞれしみじみと思った。


「・・・・・・・・さて!カカシ隊、第7班の次の任務はと・・・・・・・・・・」


受付に座りキセルを吹かしながら『三代目火影』がナルト達の次の任務を選んでいた。


「んーーー・・・・・老中様の子守りに、隣町までのお使い、芋掘りの手伝いか・・・・・・」


どれもこれもDランクの仕事ばかり。


しかもかなりショボイ。忍者と言うよりどこかのお手伝いさんとそう変わらない。


「ダメーッ!!そんなのノーサンキュー!!」


ナルトが大きな声でそう叫びながら、手でバツ印を作る。


「俺ってば、もっとこうスゲェー任務がやりてーの!他のにしてェ!!!」


こんな仕事ではあの二人に追いつけない。


もっともっとすごい仕事をしなければ・・・・・・


ナルトは内心でそう思った。


(・・・・・・一理ある)


(もーーー、めんどいヤツ!)


(ハーーー、そろそろダダこねる頃だと思った)


サスケ、サクラ、カカシはそれぞれ内心で思う。


「バカヤローー!!お前はまだペーペーの新米だろーが!誰でも初めは簡単な任務から場数を踏んで、繰り上がって行くんだ!」


と、三代目の横に座っていた忍者アカデミーで担当教師だったイルカがいきなり立ち上がっり怒鳴った。


その横では三代目がやれやれといった様子で眺めている。


「だってだって!この前からずっとショボイ任務ばっかじゃん!!」


今まで何回も兄や自来也と共にAランクやBランクの仕事を多くこなしてきた。


Aランクにいたってはイルカよりも多い。


だから今のDランクの任務ではまったく物足りない。


まあそれを知るのはこの場では三代目だけだが・・・・・・・・・・・・


「いい加減にしとけ、こら!」


「イテっ」


ゴチ!とカカシの拳がナルトの頭にヒットした。


その様子を見ながら、三代目は一息つくと気を取り直し話し出した。


「ナルト!お前には任務がどーいうものか説明しておく必要があるな・・・・・・いいか!里には毎日多くの依頼が舞い込んでくる。子守りから暗殺まで・・・・・・依頼リストには多種多様な依頼が記されておって・・・・・・・難易度の高い順にA・B・C・Dとランク分けされておる。里では大まかに分けて、ワシから順に『上・中・下』忍と能力的に分けてあって、依頼はワシ達上層部がその能力にあった忍者に任務として振り分ける」


下人はまだまだ見習い忍者。


そのため経験も少ない第7班にはDランク任務が精一杯なのである。


「で・・・・・・・・任務を成功させれば、依頼主から報酬金が入ってくるわけじゃ・・・・・・・」


三代目が同じ受付の右手側では先程の『マダム・しじみ』が迷子のペット探しの報酬金を払っているの。


「とは言っても、お前らはまだ下忍になってばかり・・・・・Dランクが精々いいとこじゃ」


「今日の昼飯は何かな・・・・・・・・・・・・またラーメンがいいな」


「・・・・・・・・・・」


「きけェェイ!!!」


声を張り上げる三代目


説明をまるで聞かないで、今日のお昼の献立のことを考えていた。


「ど…どーもすいません」


担当であるカカシは平謝りする。


「あーーあ!そうやってじっちゃんはいつも説教ばっかりだ」


胡座をかき、床に座り込むとナルトは声を張り上げ言う。


「けど俺ってばもう・・・・・!いつまでも、じっちゃんが思っているようなイタズラ小僧じゃないんだぞ!!」


(あ―あ。後でどやされるな・・・・・・オレ)


ナルトに言葉に一番驚いたのはイルカだった。


昔からイタズラばかりしていたナルト。


だが今は少なからず成長し、頼もしくなったように見える。


実際ナルトはリュウのスパルタ式の修行で前々からかなり成長していたのだが。


三代目はそんなナルトの姿を見てすこし考える。


少なくとも三代目はこの中で一番ナルトの実力を知っている。


しばらく考え、三代目はある案を浮かべた。


「分かった・・・・・・・お前がそこまで言うなら、Cランク任務をやって貰う・・・・・・・ある人物の護衛だ」


つい先日、ナルトが一人で雨隠れの上忍を倒したという報告は受けていた。


そこまで成長しているのならこの程度の任務なら大丈夫と判断したのだ。


まあいざとなってもカカシがいる。そのため問題はないと判断した。


「アハ!だれ?だれ?大名様!?それともお姫様!?」


ナルトはこれまでもそういった護衛の類の仕事をしている。


まあその時はリュウがついていたが、今回はいない。


そのためこの任務を成功させれば、また一歩二人に近づけると思ったのだ。


「そう慌てるな。今から紹介する!入って来て貰えますかな・・・・・・・」


ガラ・・・・・


戸が開き、片手に酒瓶を持った老年の男が姿を現した。


その顔には赤みがかかっており少し酔っているようだ。


「なんだァ?超ガキばっかじゃねーかよ」


そう言うと酒瓶に口を付け、勢いよく酒を飲む。


「・・・・・とくに、そこの一番ちっこい超アホ面。お前それ本当に忍者かあ!?お前ェ!」


「アハハ、誰だ一番ちっこいアホ面って・・・・・・・・・・」


キョロキョロとナルトは左右にいる二人を見比べる。


しかし二人ともナルトよりもかなり背が高い。


「!」


ナルトはそれが誰なのか理解する。


「・・・・・・・・・・・俺だってばよ」


ナルトはがっくしと肩を落とす。


相手に飛び掛らないだけでもナルトは大人だろう・・・・・・・・・・


今まで散々兄にこれ以上ない位のいやみを言われていたため免疫ができているのだ。


「わしは橋作りの超名人、タズナというもんじゃわい。わしが国に帰って橋を完成させるまでの間、命を賭けて超護衛してもらう!」


そしてナルト達はこれからCランクの任務に付く。


だがこれが普通のCランクの任務ではなくAランククラスの任務になるとはこのときカカシでさえ予想していなかった。








その後第7班は身支度のため一度それぞれの家へと戻った。


「たっだいまー!!!!」


「・・・・・・・・・・・・・・ナルト、悪いが少し静かにしてくれ。頭が痛い・・・・・・・・・・・」


大きな声で家に入るナルトだがすでに家には一人の人物がいた。


ナルトの兄、リュウ。


だがその顔色はかなり悪い。それに元気もなさそうだ。


「兄ちゃん、だいぶ苦しそうだね」


「・・・・・・・・・・・・・二日酔い、いやもうすでに五日だから五日酔いか・・・・・・・・・・・」


リュウは前回の任務でかなりの傷を負い帰還した。だがそれだけならいい。


すでに傷の応急処置も済み、多くの術を使い治療用の術が効かない状態からは脱し傷もだいぶ癒えてきたのだが、帰ったその日に彼の天敵とも言える女性、みたらしアンコに捕まり一晩中酒の晩酌につき合わされ挙句、酒のビン1本丸ごと飲まされた。


酒がまったく飲めないリュウにとってはまさに拷問。


死ぬ思いだった。さらに二日酔いがなかなか取れず今も死にそうなくらい気分が悪いのだ。


「兄ちゃん、いい加減に五行封印解いてくれってばよ!」


ナルトはリュウが任務に行く前に施した五行封印を今もしている。


帰ってきてからこんな状況でリュウは術が使えないのだ。


「う~、大きな声を出すな。頭に響く・・・・・・・・・・それから悪いナルト・・・・・・・・・・・今は無理だ。こんな状態じゃ・・・・・・・・・・・うっ!」


とリュウは急いでトイレに駆け込んだ。


ナルトは、中でかなり吐いているんだろうと思った。


酒は兄の唯一の弱点で、今がナルトにとって逆襲のチャンスだが余りにも兄が不憫に思えた。


(兄ちゃんも大変だな・・・・・・・・・・とっ、こうしちゃいられないってばよ。早く準備しないと・・・・・・・・・・・)


ナルトは急ぎバッグに必要な道具を詰める。


早くしないと集合の時間に間に合わない。


(まっ、五行封印されててもそこまで心配要らないか。この状態でも本気出せば中忍くらいわけないし・・・・・・・・・・・・)


そしてナルトは五行封印を解除してもらわないまま出発した。


だがこの先ナルトはこのことを深く後悔することになる。


余談だがこのあとリュウは3回ほど吐いたという・・・・・・・・・・・・・・哀れ










木の葉正面入り口前


「出発――っ!!」


「何はしゃいじゃってんの、アンタ」


サクラはナルトのはしゃぎ様に文句を言う


「だって俺ってば、一度も里の外に出た事ねェーからよ」


もっともそれは昼のこと。


夜はリュウと共に何度もこの里を抜け出し数多くの任務をこなした。


だがやはり昼と夜ではその景色に大きな違いがある。


やはり昼に見る景色は新鮮なのだ。


「おい!・・・・・・・本当にこんなガキで大丈夫なのかよォ!」


「ハハ・・・・・・・上忍の私がついてます、そう心配要りませんよ・・・・・・・・」


二人の会話を聞きナルトは少しカチンとなるがあえて何も言わない。


兄曰く


『言いたい奴らには言わせておけ。弱い奴ほどよく吠える。は自分を相手にどう見せるかだ。わざわざこっちから突っかかる必要も無い』


という言葉を聞いていたためである。


とナルトは二つの視線を感じた。


あたりをキョロキョロと見渡す。


気配の消し方がお粗末だ。


この間戦った忍の足元にも及ばない。


「・・・・・・・・・・・・」


だから別に気にかけることもないだろうと思い、そのまま歩き出す。


それは新しい戦いのほんの序曲でしかなかった。








「ねえ、タズナさん」


タズナに声をかけたのはサクラ。


ナルトは先頭を歩き、ほかの四人は並んで歩いている。


「何だ?」


「タズナさんの国って『波の国』でしょ?」


「それがどうした?」


「ねえ、カカシ先生…その国にも忍者っているの?」


「いや、波の国に忍者はいない。・・・・・・が大抵の他の国には、文化や風習こそ違うが隠れ里が存在し忍者がいる」








~カカシ先生のニンニン忍者豆知識~


“忍び五大国”の巻


大陸にある沢山の国々にとって、忍の里の存在は国の軍事力に当たる。


つまりそれで、隣接する他国との関係を保っているわけ!


ま!かと言って里は国の支配下にあるもんじゃなくて、あくまで立場は対等だけどな。


波の国のように他国に干渉を受けにくい小さな島国なんかでは、忍の里が必要でない場合もあるし・・・・・・・・


それぞれの忍の里の中でも特に、木ノ葉・霧・雲・砂・岩の五ヶ国は国土も大きく力も絶大な為。


“忍び五大国”と呼ばれている。


―――で里の長が『影』の名を語れるのも、この五ヶ国だけで・・・・・・・・


その火影・水影・雷影・風影・土影のいわゆる『五影』は全世界、各国何万の忍者の頂点に君臨する忍者達だ。






「へー火影様ってすごいんだぁ!」


(あのショボイジジィがそんなにスゴイのかなぁ・・・・・なんかウソ臭いわね!)


サクラは本音と建前がまったく正反対。


(じいちゃんより、兄ちゃんのほうが強いってばよ)


ナルトがやはり尊敬するのは自分の兄。


ナルトはこれまで何度か兄の強さを目の当たりにしているからだ。


もしかすると自分より先に兄が火影になるのではないか。


最近ではそう思い始めている。


まあそうなったらそうなったで兄を超え、火影の名を兄から奪うという更なる目標ができるのだが。


「・・・・・・・・・・お前ら、今火影様を疑ったろ?」


ギクッ!


カカシの言葉に図星をつかれ三人はすこし焦る。


「ま・・・・・・安心しろ。Cランクの任務で忍者対決なんてしやしないよ」
「じゃあ、外国の忍者と接触する心配はないんだァ・・・・・・」


「もちろんだよ、アハハハハ!」


笑いながらポンとサクラの頭に手を乗せるカカシ。


「・・・・・・・」


だがカカシの言葉に、少し動揺しタズナは顔を俯かせる。


「・・・・・・」


そんなタズナを姿に気がついたのはサスケだけだった。


とナルト達が歩いていると、前方に大きな水溜りが一つあった。


だがそれを大して気も留めないで歩いていく。


その中でカカシだけが、水溜りをジッと見ていた。


その多少のカカシの変化にナルトは気づいた。


いや、カカシの変化ではなく自分たちに向けられている殺気にだ。


(・・・・・・・・・・・・・さっきの奴だ。しっかし、もうちょっと気配を消せないのかな)


本人達は本気で気配を消しているようだったがナルトにはバレバレ。


もっともこれはナルトだから気づいたようなものである。


おそらく普通の忍ではその気配には気がつかなかっただろうが・・・・・・・・・・・・


気づかないふりをして水たまりを離れる。


だがカカシが水溜りから少しはなれたところでそれは現れた。


右手に大きな手甲そして鋭い鉄の爪をした忍。その忍と背中合わせにもう一人、こちらは左手に同じ手甲と鋭い鉄の爪をつけている。


そして二人のうち後ろを向いていた忍が音を立てず空高く跳躍した。


またその二人の手甲のからは長い黒い鎖が現れる。


その鎖は二人の手甲で繋がっている。


「!!」


一瞬にして、その鎖がカカシに巻きつく。


「なに!?」


完全に拘束されるカカシ。またその鎖は特殊な形状で鎖事態が刃になっている。


その刃がカカシの体に突き刺さる。


「え!!?」


「!?」


「・・・・・・!」


余りにも一瞬の出来事だったためナルトを含む全員は何が起こったのかまったくわからなかった。


「一匹目」


二人の手甲を力いっぱいに引く。


その直後、カカシの身体がバラバラになった。


見るも無残な死体と化し・・・・・・・・・・・


「キャ――!!」


「!!」


「カ、カカシ先生!!」


サクラも、そしてサスケさえも驚きをあらわにしている。


だがナルトだけは違った。声を上げたがそこまで驚いてはいない。


一瞬だがカカシが変わり身の術を使うのを見た。


それにほとんど完全に気配を消しているが、ナルトにはカカシの気配を感じ取れた。


と、自分の背後に迫る二つの気配を感じた。


「・・・・・・・・二匹目」


カカシを細切れにした敵が自分の後ろにいる。


そして次はナルトを細切れにしようと鎖を振るう。


だが・・・・・・・・・・・・


「あんま、俺をなめるな・・・・・・・・・・」


ナルトは小さな、それでいてドスの聞いた声でそう言い放つと二人の顔面に向かい裏拳を決めた。


恐ろしく速い攻撃。


この二人のレベルでは避けられるはずも無い。


二人はそのまま背後に吹き飛ばされる。


一応今は下忍として行動しているため本気の一撃ではない。


もしナルトが本気で打ち込めば二人の顔は原形を残さないくらいに粉々になっていただろう。


そして五行封印はあくまでチャクラを封じる術。だからナルトの体術には何の影響もない。


「くっ!」


敵は再度ナルトに攻撃しようとした。


(来い!)


ナルトは身構え敵を迎え撃とうとする。


とその時だった。


(サスケ!?)


ナルトが見たのは空高く跳躍するサスケ。


サスケは空中で、ホルスターから手裏剣とクナイを一つずつ取り出すとまずは手裏剣を投げた。


手裏剣はひとつの鎖の中心部の穴にはまるとそのまま鎖ごと木に突き刺さる。


更に抜けないように手裏剣の真ん中に空いている穴を狙って、クナイを飛ばし見事それをやってのける。


(やるな、サスケの奴・・・・・・・・・・・・)


ナルトは少しだけ感心した。今のサスケの正確な手裏剣術はもはや下忍レベルではない。


あそこまでの正確性とスピード。そして初めての実戦でそれをやってのける度胸。


どれをとっても超一流。そしてサスケに対する評価を少し改めた。


(はずれぬ・・・・・・!)


何とか力任せに引っ張り鎖をはずそうとするがまったく抜けない。


次の瞬間、一瞬にして二人の手甲の上に現れるサスケ。


そして両足を浮かせ、両手で手甲を押さえたままそれぞれの顔に蹴りを喰らわせる。


「「グッ!」」


鎖が木に張り付いているため後ろに飛ぶことができず大きく仰け反る。


このままではまずいと思ったのか、二人は手甲に手を添え手甲を回転させた。


グルン!!


ガキョ


と金属音が響き、鎖が外れる。


身動きが取れるようになった二人は、二手に分かれナルトを中心に大きく円を描きながらタズナに向かっていく。


敵はタズナに標的を絞ったようだ。


だがその一方はナルトに狙いをつけ向かっていく。


(手甲か・・・・・・・・・問題ないってばよ)


ナルトには相手の動きが止まっているかのように見えた。


そして余裕で受け止められると思った。


だがこのときナルトは油断していて気がつかなかった。


普段の・・・・・・・・・・・兄と共に行動していたときなら気がついていただろう。


その手甲の光加減が怪しいことを・・・・・・・・・・・・


腕を振り上げ切りかかろうとする敵。


ナルトはそれを右手で難なく受け止めた。


カウンターで相手の腹に強烈な一撃をお見舞いする。


もちろん多少手は抜いたが・・・・・・・・・・・・


「ゴフッ!」


相手は思いっきり吹き飛ばされる。


だがこの時、偶然敵の爪がナルトの左手の甲を浅くかすめた・・・・・・・・・・・


そしてもう一方の敵はタズナを狙って腕を振り上げていた。


(く、来るっ!!私がやらなきゃ…やらなきゃ!!)


サクラはクナイを構え、タズナをかばうようにその前に飛び出る。


何としてでも守らなければならない。


「おじさん!下がってェ!!」


「!」


サクラに向かって振り下ろされる鋭い刃。


それに気づくサスケ。そして。


フッ・・・・・・・・


凄まじいスピードで、サスケがサクラをかばうようその前に踊り出る。


ドフ!


「!!」


何かが敵の動きを止めた。


それは殺されたはずのカカシだった。


「ぐお!!」


サクラたちに襲いかかろうとしていた敵はいともあっさりカカシにひねり潰された。


それも右腕一本で。


そして左腕にはナルトに吹っ飛ばされた奴が見える。


(カカシ先生・・・・!生きてたァ!?)


(フン・・・・・でしゃばりが・・・・・・)


(やっぱり変わり身だったってばよ・・・・・・・・・)


ナルトはカカシがバラバラになった場所を見る。


そこにあったのは刻まれた多数の丸太だった。


「みんなよくやった。だがナルト、偶然とは言えこいつ等の爪に触れたのはまずかったな」


カカシはナルトの左手の甲を見る。敵を吹っ飛ばしたことに関してはよくやったと言えるが、そのせいで敵から傷をもらったのはまずかった。


「こいつらの爪には毒が塗ってある。おそらくかすっただけでも効いてくるだろう・・・・・」


カカシの言葉を聞き、ナルトの悲痛な思いが走る。


甘かった。油断せずに相手の爪をよく見れば毒が塗ってあることに気がついただろう。


そして偶然とはいえ左手が爪に触れたのは自分のミスだ。


そしてそれはやってはならないミスだ。あの時自分は少し油断していた。


相手がたいしたこともなく余裕で倒せると思っていた。


しかし自分は傷をもらった。


偶然・・・・・・・・・・それは言い訳にしかならない。


「油断するからだ、バカ」


サスケの一言。


もちろんサスケはナルトの本当の実力に気がついていない。


そしてその言葉には少なからず嘲笑が含まれている。


だが一言がナルトにはとてつもなく悔しかった。


絶対的な自分への悔しさ。


地来也をそして兄を超えるために、この任務を望んだ。


ところが自分のミスでこの様だ。


こんなことではいつまでたってもあの二人を超え、火影になることなんてできない。


そんな自分への悔しさにナルトは大きく肩を震わせている


「ナルト、悔しいのは分かるがあんまり動くな毒が回る。早く傷を開いて毒抜きをしないとな」


ナルトは自分の手の甲を見る。いつもなら九尾の力でこの程度のかすり傷どうと言うことはない。


だが五行封印のせいで少なからず全身に回るチャクラの量が減少している。


さらに九尾の治癒能力も毒にはそこまで効果を発揮しないようだ。


手の甲がズキズキする。


「タズナさん」


「な・・・・・何じゃ・・・・!」


「ちょっとお話があります」










「こいつら霧隠れの中忍ってとこか・・・・・・」


全員が木に縛り付けられた二人を囲むように見る。


その間ナルトは毒が全身に回らないように左手首をきつく押さえている。


「こいつらは如何なる犠牲を払っても戦い続ける事で知られる忍だ」


「・・・・・・何故、我々の動きを見きれた」


自分たちの気配は完全に消したと思っている。


まあナルトには余裕でわかっていたが。


「数日雨も降っていない今日みたいな晴れの日に・・・・・・水溜りなんてないでしょ」


だからこそカカシは不自然な水溜りを警戒していたのだ。


「あんた、それ知ってて何でガキにやらせた?」


「私がその気になれば、こいつらくらい瞬殺できます・・・・が・・・・・・」


言葉を止め、カカシは自分右側に立つタズナを見る。


「私には知る必要があったのですよ・・・・・この敵のターゲットが誰であるかを・・・・・」


「?・・・・・・どういう事だ?」


タズナはわからないといった様子でカカシに聞き返す。


「つまり、狙われているのは貴方なのか、それとも我々忍の内の誰かなのか・・・・・ということです。我々は貴方が忍に狙われてるなんて話は聞いてない。依頼内容はギャングや盗賊等、ただの武装集団からの護衛だった筈・・・・・これだとBランク以上の任務だ・・・・・・依頼は橋を作るまでの支援護衛という名目だったはずです」


「・・・・・・・・・」


タズナはカカシの言葉を聞き顔をうつむかせる。


「敵が忍者であるならば・・・・・・・迷わず高額な『Bランク』任務に設定されてたはず・・・・・何か理由ありのようですが、依頼でウソをつかれると困ります。これだと我々の任務外って事になりますね」


まだ下忍になりたてのこのチームにBランクはかなりの重荷である。


それに下手をすれば命の危険がある。


いやもうすでにこの鬼兄弟レベルが現れた時点ですでに命の危険が付きまとっている。


「この任務、まだ私達には速いわ・・・・・やめましょ!ナルトの傷口を開いて毒血を抜くにも麻酔がいるし・・・・里に帰って医者に見せないと・・・・・・・」


サクラもこれからのことを考えると心配で仕方がない様子だ。


「んーーーー」


ナルトに視線を向けるカカシ。そしてしばらく考える。


「こりゃ荷が重いな!ナルトの治療ついでに里へ戻るか」


今のこの班の実力ではこの任務は無理とだというカカシの判断。


だがナルトにとっては不服だった。


悔しさの余り表情をゆがめる。


そして・・・・・・・・・・・


ザクッ!


ナルトは左手の甲にクナイを突き立てていた。


「!?」


「!」


「!!」


「!?」


ナルトのいきなりの行動に驚きの表情を浮かべる4人。


「ナルト!何やってんのよ!!アンタ!!!」


サクラもナルトの行動に驚きを隠せないでいる。


(なんでオレはこうなんだ!?エロ仙人に、兄ちゃんに勝つって決めたのに・・・・・・・!)


あの二人とは別行動での初めてのCランクの任務。


この任務を成功させれば少しでもあの二人に近づくことができる。


そう思っていた。そして自分は強いと思っていた。


二人も多少なりとも認めてくれていた。


だが今回のことで思い知らされた。


自分は天狗になっていたことを。


上忍レベルの力があっても少しの油断ですべてが終わる。


これが致死性の毒だったら今頃自分はもうこの世にはいない。


少しの油断ですべてが終わる。


ナルトは今回のことを激しく後悔している。


(これから先、いかなる相手でも慢心しない。この左手の痛みに誓うんだってばよ)


それは自分への誓い。夢を実現させるための。


「オレがこのクナイで・・・・・・・オッサンを守る。任務続行だ」


それはナルトの新たな一歩だった。


本当に強くなるための。


そして夢をかなえるための・・・・・・・・・・・










その頃


波の国のとある場所


「失敗したじゃとォ!?お前達が元腕利き忍者だと言うから高い金で雇ったんじゃぞ!!!」


黒いスーツを着込んだ小柄な男。その横にはボディーガードらしきがたいのいい背の高い男もいる。


小柄な男は目の前のソファーに座る男の怒鳴り散らす。


するとそれを聞いた男は背中にある長い柄を握った。


「!!」


そしてそれを先ほど怒鳴り散らした男のほうへ振りかざす。


「ぐちぐちうるせーよ。今度は俺様がこの首切り包丁でそいつを殺してやるよ」


長い強大な首切り包丁を垂直でとどめる。


かなりの筋力の持ち主だ。


そしてその切っ先を向けられた男はあたふたと慌てふためいている。


「・・・・・・ほっ・・・・・本当に大丈夫だろーな・・・・・!敵もかなりの忍びを雇ったようじゃし・・・・・そのうえ鬼兄弟の暗殺失敗で警戒を強めているとなると・・・・・・・・・」


「この俺様を誰だと思ってる・・・・・・霧隠れの鬼人と呼ばれたこの、桃地再不斬をな!」


そしてナルト達に新たな敵が襲い掛かる。









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