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No.537の一覧
[0] 前世の呪い(GS)[popman](2006/09/01 21:16)
[1] Re:前世の呪い(GS)2[popman](2006/09/05 18:12)
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[537] 前世の呪い(GS)
Name: popman 次を表示する
Date: 2006/09/01 21:16
父さん。 東京は怖いところです。
僕は、ただ、子犬を助けただけなのに。
いつのまにか陰陽師になってしまいました。





目の前には稲荷寿司を食べる子犬・・・のようなもの
フェレットにしてはデカイし、タヌキにしては白い。
スーパーに買い物行った帰りに付いてきた。
腹を空かせてるみたいだから、一応食いモンはやってみたんだが・・・
「全部食うなよ」とパックから稲荷寿司をとる。
・・・とろうとしたら目の前でポンッという音が


「おとなしく呪われなさい」
「・・・・・」
「まてい 俺が何をしたっちゅーんだ」
お子様がビシッと指を付きつけている。
反対の手は腰に・・・ではなく稲荷寿司のパックを持っているので締まらないことおびただしい。


「えーと、なんで呪われなきゃならねーんだよ」
「あんたの前世の高嶋が私を祓ったの。 私を祓って呪われずに済むと思ったら大間違いよっ!」
いきなり聞いたら電波ユンユンにしか聞こえない台詞を吐く
が、物語の都合上叩き出せない横島


「前世・・・呪い・・・ 俺には何を言ってるのかさっぱりわからねーが、とりあえず飯を食わせろ」
稲荷寿司のパックに手をかける。
「これは私のよっ」
「買ってきたのは俺だっ」
引き裂かれるパック、飛び散る稲荷寿司




なんだか疲れた すごく疲れた。床の稲荷寿司をじっとみる。
最後に掃除したのはいつだっけ?
軽く洗って皿に載せる。
「うう、私の稲荷寿司がぁ」
六畳一間の和室のちゃぶ台に顔をのせて涙目のお子様
「食えないわけじゃないだろ」
たしかに水っぽくて美味しくないが、飢えの前には無力。
この程度で捨てるような裕福な暮らしも貧弱な胃腸もしとらん。




「俺は横島忠夫。 で、お前は誰で 呪いってのはなんだ? さっきまでいた子犬はどうなった?」
文句を言いながら、4個食いやがったお子様に聞いてみる。
「私はタマモ あんたの前世に祓われた白面九尾金毛の生まれ変わりで、犬じゃなくてキツネよ」
「呪う前にあんたの前世が死んじゃったんで、生まれ変わりのあんたを呪うわ」
よくわかんねーが子供のころ、近所の稲荷神社でイタズラしたせいか?




「で、呪うって 俺の食い物を奪うことなのか?」
ああん? と睨むと目をそらす。
前世がどうであろうと、俺にはこんなお子様に呪われる覚えはねぇ。
「生まれかえったばかりで妖力が足りないのよっ」
「人の食いモン奪っといてなにが呪うじゃっ」
「イタイ イタイ イタイ やめてー」
こめかみに拳骨をグリグリ 力関係をはっきりさせてやらなきゃなるまい。


「狐・・・俺はビンボーなんでペットなんか飼えないぞ」
「ペット言うなー」
腕を振りまわすがリーチの差で届かず。腕が届かなければ足。
「ぬうおぉ」
向こう脛を蹴ってタマモの勝ち。




ハアッ ハアッ 食いモン奪われた上に余計なカロリー使っちまった。
「居てもいいけど、ここは狭いし、まじに自分の食費で手一杯でな、バイトを探そうとしてたとこなんだよ」
テーブルの上にあるはアルバイト情報誌 高校生可となるとそれほど選択肢は無い。
「あんた陰陽師で荒稼ぎしてるんでしょうが」
「俺は普通の貧乏高校生 前世がどうとか知らん。 そんな便利な力あったら使っとるわ」
タマモは睨むが息が荒いので締まらない。


タマモの呪いは「御家断絶」らしいが、そんな先のことより明日の飯
さっきの蹴りが向こう脛じゃなく股間に決まっていたら、一気に呪いが適っていたような気もするし。
「俺が飯を食わせてやれば呪わないって言うんだな」
「祓われた恨みはあるけど、油揚げを毎日食べさせてくれれば我慢してあげても良いわ」
「祓ったのは俺じゃないっつーに 結局は食いモンをたかるんかよ」
「追い出したら呪うわよっ」
油揚げ程度っつてもなぁ 俺の食費でギリギリだし。


「きっかけは私が教えるからさっさと思い出して稼ぎなさいっ 稲荷寿司の作り方も覚えること」
「金が有れば稲荷寿司は作ってもいいけどさ、前世って思い出すのか?」
生まれてこの方オカルトとは無縁だったので、前世といわれてもピンと来ない。
オカルトっぽいのってオヤジの回復力くらいかなぁ。
「私が近くにいるんだから必ず思い出すわ。 一度に全部じゃないだろうけど」
「それで稼げるんかよ?」
「前世は陰陽師として荒稼ぎしてたわよ。 力は受け継いでるはずなんだから、さっさと悪霊祓って稼いできなさいよ」
「無茶言うなよ・・・」
それより陰陽師なんて仕事、聞かなくはないけど今は儲かるのか?
タウンページに無かったような気がするぞ。


・・・のってました。
現代ではゴーストスイーパー GSと言うらしい。
GSならニュースで聞いたような来もしなくはない。
悪霊祓い・・・ 近所の教会もGSとして載ってるし。




俺の前世は京で一番の実力派陰陽師としてバリバリ稼いでた高嶋忠道らしい
夜の方もバリバリやってたらしく、なんてうらめやましい。
で、タマモの前世の所に夜這いに行ってつい正体を見破ってしまい、タマモが追われる原因を作ったとのこと。
まあ、今はお子様だが確かに将来有望かもしれない 5年後だろうけど。


「前世のあんたは、稼いでたけど女に貢いでは夜這いしてたわね さっさと稼いで私に貢ぎなさい」
ぐう、せっかくの労働意欲を削ぐなっ しかも貢ぐことを要求してるし。


タマモはコンビニで買ってきた稲荷寿司を食べている。
普段はコンビニは高いから買わないんだぞっ お前がどうしても食べたいっていうから買ってきたんだぞっ
くっ すでに貢がされているのか 侮れない。


「才能はあったわね。無駄遣いというか女にだらしなくて失敗してたけど。 この部屋もそういう本がいっぱいだし」
「たしかにエロいのは好きだ エロは良い エロこそ我が野望」
「前世ではそれなりモテてたし、期待は出来るんじゃない? 私が執り憑くから無理だけど」
タマモがくっついてくる っていうかしなだれかかってくる
前世が美女ねぇ まあ、確かに綺麗だけど。
「貧弱な胸のお子様にくっつかれても嬉しくないわっ って痛たたた」
二の腕に思いきり噛みつきやがった 歯型ついたよ
「成長して妖力が回復してたら焼いてたわよ」
「焼くって張りつけ火あぶり?」
「ちがうぅっ 妖狐といえば火の玉でしょっ」
「うーむ 成長してエロくなったら、そんときゃナンボでもくっついていいぞ」
もう一度 齧られました。


タマモは見た目お子様だし寝る時は狐に戻るらしい。
が、俺の気楽な一人暮しも終わりか・・・
「どうせ相手がいなかったんだから一緒でしょ」
「じゃかましいわっ」


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