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No.535の一覧
[0] GH横嶋忠夫の極楽大作戦!![grayman](2006/07/29 15:08)
[1] Re:GH横嶋忠夫の極楽大作戦!![grayman](2006/07/29 15:18)
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[535] GH横嶋忠夫の極楽大作戦!!
Name: grayman 次を表示する
Date: 2006/07/29 15:08
 
 注意
 この話は、物語の主人公である「横島忠夫」が若干変わっています。
 が、原作となるべく違和感無く書くよう努力しますので、何卒ご了承ください。
 それを踏まえた上で読んでやろうという心の広い方のみ、下よりお読み下さい。










 世界を樹に例えられている話をご存知だろうか?
 
 それは様々な要因を経て原因と化し、それは幾つもの可能性へ至り、結果へと辿り着く。
 
 その有様は、樹の根が地中で様々な養分を栄養とし、幹や枝を経て、やがて実を成す。
 
 世界はそんな樹の在り方に似ている。
 


 「例えば」
 


 そんな一言で語り始められる可能性の話。
 
 有り得無くも、有り得たかもしれない、そんな可能性の話。
 
 誰かが語部となる「もしも」の話。


 実行されればソレは現実を成し、実行しなければ現実に成される事は無い。
 
 故に、コレはそんな元の世界とは少しズレのある世界での話。
 
 「IF」から始まる「誰かの誰かによる誰かの為の世界」の御伽話。










          GH横嶋忠夫の極楽大作戦!!










 彼が三歳の頃、彼の父親は会社では将来を期待された有望株だった。
 だが、彼の上司はそんな彼の父親を罠に嵌めた。
 結果、彼の父親はとある平行世界の歴史より少々早くナルニアへ転勤する事となった。
 
 無論、彼に日本に残る選択肢など無い。
 父母共にナルニアへ行くのに、当時三歳の彼が残れる道理など何処にあるだろうか?
 故に、彼が連れて行かれるのは当然の事だった。
 
 ナルニアはザンス王国の隣国だ。
 広大で緑豊かな国は、まるで世界を逆行しているかのように自然が有りのままで残っている。
 そんな所へ、彼は両親共々移住する事になった。
 




 テロ事件はその日、日本発ザンス王国行きの飛行機の中で起こった。
 




 当時日本発のナルニア直行便は無く、ザンス王国を経由して入国するのが普通だった。
 そしてその当時のザンス王国は、日本の鎖国時代に似ていた。
 オカルト文化がザンス王国の第一産業であり、機械文明はザンス王国では『タブー』だったのだ。
 それ故に、その飛行機が狙われたのは必然だったのかもしれない。
 




 テロ実行犯は『ザンス解放戦線』を名乗り、自ら『ザンス王国万歳』を叫び、手に持つ手榴弾を爆発させた。
 




 テロ実行犯の近くに彼の両親が居れば、あるいは止められたのかもしれなかった。
 が、実行犯は、彼らの座席からは遠い場所に居た事も災いした。
 
 高度数千メートル上での出来事だった。
 飛行機の中でそのような事を行えば、当然飛行機は航行不能になる。
 機体はバランスを失い本来の目的地、ザンス国際空港より大きく離れた場所
―――ナルニア国のとあるゲリラ部隊駐留区域付近―――に、墜落同然の不時着をした。
 


 当時三歳の彼が生き残ったのは、まさに奇跡と言えるだろう。
 瀕死の状態だった彼は、近くに駐留していたゲリラ部隊のとある一人の少女に助けられる事となる。
 それから、彼の家はゲリラ部隊の居る場所になり、彼の家族はゲリラ部隊の人々になった。
 
 まず、彼は言葉より銃器等の武器の扱い方から先に覚えさせられた。
 政府軍と戦っていたゲリラ部隊が駐留するその場所では、戦力にならない男は不要だったからだ。
 幸い、両親の才能を色濃く受け継いでいた彼は、その才能を遺憾無く発揮し
メキメキと兵士として、戦士としての実力を身に付けていった。
 


 そのままゲリラ部隊の兵士として七年をそこで過ごし、彼は十歳になった。
 彼の居る部隊が駐留してる場所は、最前線に最も近い場所だった。
 当然、死者は毎日のように、時にはダース単位で出る事も少なくなかった。
 
 彼の明るい性格が幸いしたのだろう、彼は家族に愛されていた。
 そんな彼が最前線に送り出される事は少なく、彼は日々辛くも楽しい生活を送っていた。
 彼の名前、正確には苗字が若干変わっていた。
―――その苗字を彼に与えたのは彼の部隊長で日系人だったが、
彼の記録を示す品は飛行機と共に灰になった為、彼の記憶と所持品を頼りに付けた為だと思われる―――
が、彼にはそんな事は些細事であり、大した事では無かった。
 葛藤はあったかもしれないが、重要ではなかった。
 


 だが、彼の辛く楽しい日々はそんな十歳の半ばを過ぎた頃、突然終わりを迎えた。
 最前線、しかも死者が日々出るそこでは幽霊が、無論の事―――悪霊も出る。
 彼の家族の一人は、きっと仲間達は合唱団でも作り、我々の応援歌でも合唱してくれているのだろう、と話していたが。
 
 彼はその死者の霊、悪霊にとり憑かれたのだ。
 十歳だった彼には悪霊に抵抗する術等無く
―――意識を保ったまま、まるで映画を見ているような感覚の中―――
操られ、家族だったゲリラの部隊をほぼ皆殺しにした。
 生き残ったのは彼と、彼を助けた姉代わりを勤めていた少女の二名だけであった。
 
 生き残ったとは言え、二人は重症だった。
 そんな中、彼は最後の景色を夢に見た。
 自分の名前を見つけてくれた彼の部隊長が、自分に襲われる彼の姉代わりの少女を庇った瞬間の映像だった。
 
 罪の意識に苛まれて、彼は少女より早くに目を覚ました。
 彼が目を覚ました場所は、ナルニア陸軍の病棟の一室だった。
 拷問じみた取調べを受ける事を恐れた彼は、少女を背負い、陸軍施設を脱出する事に成功した。
 
 十歳のしかも目覚めたばかりの重症だった少年兵が、軽いとは言え少女を背負って動くなど容易では無く、
その上軍事施設を脱出するなど至難の業だろう。
 だが、彼は成功させた―――その時は、彼は深く考えて無かった。
 朦朧とした意識では、そこまで考えが及ばなかったのだろう。
 


 一夜ほど彼は少女を背負い、かつて駐留していた場所の近くの廃屋に辿り着いた。
 本当ならば、駐留した場所まで行きたかったのが彼の本音であったが、見たくないという
もう一つの本音が無意識下にあったのかもしれない。
 彼は少女をそこに丁重に寝かせ、味方に知らせる暗号文を近くの崩れた壁に描き、
政府軍より先に見つけてくれる事を願いながら、彼はその地を後にした。
 
 味方を、家族同然の人達を殺してしまった。
 幼い彼はその罪に潰れそうになりながらも、ナルニアから、
政府から手の届かない場所を求めて、疲弊しながらも逃げる事に成功した。
 その途中で気づいた事だった―――彼は、霊能力に目覚めていた。










 後書
 
 初めまして、このSSの作者graymanです。
 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、コレはとある作品の主人公の過去話を元に横島君を書いています。
 SSの中の出来事は、全て原作『GS美神 極楽大作戦!!』にもチラホラある出来事に基づいて混ぜ合わせております。
 まだまだ至らぬ点はあると思いますが、完結出来る様努力しますので、最後まで何卒御付合い下さる様お願い申し上げます。
 


 最後に、一つ聞きたい。答えなくてもいいんですけど。個人的な事なので。
 横島君は『ダイの大冒険』のポップにも似てると思いますが、某CHの現AHのとある人にも似てますよね?
 シリアスがカッコイイ所とか、ナンパして撃墜される所とか、相棒の立場の女性に折檻される所(神通棍とハンマーの違いはありますが)とか。


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