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No.5245の一覧
[0] エヴァ、乗ってみました (最新話4-5:投稿)[ユスケ](2010/12/20 03:06)
[1] エヴァ、乗ってみました 2[ユスケ](2009/04/17 03:35)
[2] エヴァ、乗ってみました 3[ユスケ](2009/04/17 03:35)
[3] エヴァ、乗ってみました 4[ユスケ](2009/04/17 03:36)
[4] エヴァ、乗ってみました 5[ユスケ](2009/04/17 03:36)
[5] SWITCH!あの子のハートを打ち砕け! 1[ユスケ](2009/03/02 01:04)
[6] SWITCH!あの子のハートを打ち砕け! 2[ユスケ](2009/03/02 01:05)
[7] SWITCH!あの子のハートを打ち砕け! 3[ユスケ](2009/03/02 01:02)
[8] SWITCH!あの子のハートを打ち砕け! 4[ユスケ](2009/03/06 19:56)
[9] SWITCH!あの子のハートを打ち砕け! 5[ユスケ](2009/04/17 03:36)
[10] ハハキタク、スグカエレ 1[ユスケ](2009/04/18 02:22)
[11] ハハキタク、スグカエレ 2[ユスケ](2009/04/20 19:10)
[12] ハハキタク、スグカエレ 3[ユスケ](2009/07/05 23:09)
[13] ハハキタク、スグカエレ 4[ユスケ](2009/08/29 13:53)
[14] ハハキタク、スグカエレ 5[ユスケ](2009/08/28 19:09)
[15] 人の創りしうんたらかんたら 1[ユスケ](2009/09/03 18:30)
[16] 人の創りしうんたらかんたら 2[ユスケ](2009/11/08 04:53)
[17] 人の創りしうんたらかんたら 3[ユスケ](2010/02/11 03:32)
[18] 人の創りしうんたらかんたら 4[ユスケ](2010/03/02 22:05)
[19] 人の創りしうんたらかんたら 5[ユスケ](2010/12/20 15:58)
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[5245] SWITCH!あの子のハートを打ち砕け! 2
Name: ユスケ◆6e34495b ID:85176eb0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/03/02 01:05
「こんにちは、碇シンジです、よろしくね」

「碇君の趣味って何ですか~?」

「体育座りです」













絶対滑ってない。







第二話 SWITCH!あの子のハートを打ち砕け!その2





自己紹介で愉快な子である事をアッピルしようとした。

でもスケーターっぷりを露呈した結果に終わった。

目線で教室の窓際一番後ろ、いわゆるヤンキーの特等席に座っていたレイに助けを求めたら、手旗信号で『援軍は来ない』と言われた。

ポツダム宣言せざるをえない(人生的な意味で。

そんな感じで始まった僕の学園生活。

既に自力でやる星を見るひと並に詰みゲーな気がしないでもないけど、頑張ろうと思います。





悲しみの自己紹介が終わって、何も気にした様子が無い先生は、レイの前の席を僕の席に決めた。

決まった時のレイの。

「そう…ダメなのね、もう」

と言う言葉が印象的だった。

全然悲しくない。

とりあえず着席すると、横に座っていた女の子が声をかけてくる。

「私は洞木ヒカリ、学級委員長をやってるの、よろしくね」

「うん!よろしくね!頑張って三万人分集めてね!」

「え?よく分からないけど…分からない事あったら何でも聞いてね」

やばい。

この人、多分凄くいい人だ。

というか、同年代の女の子に笑顔で話しかけられるという事が久しぶり過ぎるって事に気付いて、僕は人生のメモリアルが始まった事を直感した。

ちゃんと伝説の木あるかなぁ。

「うん、きっと迷惑かけると思うからごめんね!」

「出来ればかけないようにしてね…」

苦笑いを浮かべて洞木さんは言う。

「僕の座右の銘、悪気は無かった、なんだよn「絶対かけないでね?」

「了解しました、大佐殿」

真顔で言われたから怖かった。

第三真東京市にきて、一番怖かった。

何だかんだで授業が始まる。

へーこっちの学校って端末使って授業やるんだね。

前の学校はノートだったよ、やっぱり都会は違う。

ていうか授業内容が出てくるページが分からない。

適当にいじるかなぁ…

総合情報センター…ここかな?

あ、あった、授業関連情報。

え?パスワード?知らないよ…適当に打ち込むかな…

うわ、正解した…って、なんか小テストの答案出てきた。

やっべ、これ誰のパスだよ。

慌ててログアウトする。

うん!分からない事は人に聞こう!

レイに端末の使い方を聞こうとしたら、端末を起動もさせずに本を読んでいたから、大人しく洞木さんに聞く事にした。

やっぱりこの子不良なんじゃ…

そして使い方を教えてもらっていざ授業。

パスワードは最初に職員室で教えてもらったでしょ?って軽く怒られた。

そういや何か紙貰ったなぁ…

ログインした瞬間、画面にぽよってウィンドウが表示された。

なんぞこれ?

フィッシング詐欺ですね、分かります。

でもどうせ学校の端末だから余裕でクリック。

そしたらただのチャット部屋からのお誘いだった。

つまんね…

その後は授業も聞かずに皆の質問に答えていた。

何処から来たの?彼女いるの?好きな食べ物は?好きなオーラバトラーは?あ、サーバインです、とかetc。

暫く質問に答え続けて、こちらからも質問するようになって来た頃だろうか。

チャット欄に変な質問が来た。



《 碇君があのロボットのパイロットって本当?yes or no 》



あるぇー?

これってもしかしてバレてる?

何でだろ?MAGIにハッキングとか、そんな気合入った人がいるとは思えないんだけど…

まさか【新パイロット】碇シンジについて語ろう【厨二過ぎ】みたいなスレ立ってるんじゃないよね?

あっても不思議じゃないから困る。

ねーよ。

とりあえずしゅひぎむとか言うのがあるらしいから、否定しとこう。

《 のー(’’; 》

それにしても、ホントこの人なんで知ってるんだろう。

「セカンドインパクトが起きた頃私は小田原市の根府川辺りに住んでましてね…」

僕が全く授業どころじゃなくても、先生は淡々と授業を進めていく。

暫く待ってたら返事が来た。



《 嘘でしょ?知ってるんだから 》



うわぁ…完全にバレてるじゃん。

うーん、困った。

よし、しらばっくれよう。

《 てかロボットってそもそも何の事ヾ(*゚ω゚*)ノ゙ 》

「その戦争を小田原一年戦争と言いまして…」

《 またぁーしら切っちゃって、知ってるんだから 》

ちょ…何この人…怖いんだけど…

MASAKAストーカー?

完全にモテ期到来ですね、分かります。

でもそろそろ僕もムカついてきた。

こいつ誰だよ?

《 てか君どなた?名を名乗れぇい!(・`ω´・)シャキーン! 》

暫くして返事が来る。

《 そんなのどうでもいいでしょ? 》

《 ほええええええええええ/*^ω^*\ 》

完全にこっちの話聞く気ないじゃんか…

こうなったら意地でも正体探ってやる!

「こちらは物量作戦で押していたのですが…」

《 本当の事教えてよ 》

誰が教えるかっての!

残念ながら、前の家で半引き篭もりだった僕には特技がある!

ヒーローらしい必殺技が!

チャットログからIDチェック!

学校のサーバーにアクセス!

~暫くお待ちください~

ID照会して…何か変な数字でた。

あ、学生番号か。

よし、足跡消してと。

生徒録は普通に公開してあるから…でた。

相田ケンスケ?どいつ?

クラスを見渡すと、写真通りの人がいた。

とりあえず目が合ったので手を振っておく。

あ、そっぽ向かれた。

だが!今更逃がさないぜ!

《 相田君って言うのかな(*'ω'*)? 》

発言した瞬間、相田君の席の方からガコンッって音が聞こえた。

椅子から落ちたみたいだ、動揺してる動揺してる。

とりあえず、こう打ち込んでおいた。



《 えむきゅーです(´゚Д゚`) 》



そしてチャット部屋を出ると、僕は授業に集中する事にした。

ふう…一仕事終わった後のこの爽快感は格別だz

「思わず言っていましたね、坊やだからさ…と」





根府川先生のこの台詞を聞いて、もっと真剣に先生の話を聞いておくんだったと後悔した。




隠れてチャットを眺めていた洞木ヒカリのコメント。

「顔文字がイチイチ可愛い…」













「レイたん」



…………。



「レイにゃん」



…………。



「レイっち」



…………。



「レイぽん」



…………。



「レイぱん」



…………。



「レイすけ」



…………。



「レイとん「それは強すぎるからダメ」

「じゃあなんて呼べば返事してくれるのさ!」

今はもう昼休みだ。

お弁当を一緒に食べようと思ってレイに話しかけたら、こうなった次第です。

涙目でそう言ったら、レイは溜息混じりに呟いた。

「…おかしな呼び方はやめて…後涙目もやめて」

「じゃあレイたんって呼ぶよ!」

「…もうそれでいいわ」

よっしゃ!レイたんって呼ぶ権利ゲット!

諦めないでよかった!

「よし!レイたん!ご飯食べよう!ご飯!」

そう言って僕はお弁当を取り出す。

「いいけど…」

「お弁当持ってきてる?」

「お弁当?」

え。

何その不思議そうな顔…

「ええ?お弁当って方言なのかな…食事をこんな風に持ってくる事だよ!」

持ってきたお弁当を見せたら、レイたんは「あぁ」と合点がいった顔をして、ポケットからプラスチックのケースを取り出した。

「お弁当…これ?」

何これ…

開けてみたら、数個の錠剤と軍隊で食べるようなレーションっぽいのが入っていた。

「どっせぇぇぇぇええぇぇぇええぇぇぇえぇぇぇえぇええええええぇぇえい!」

思わず窓の外に投げ飛ばした。

それをボーっとした顔で見つめるレイたん。

「お弁当、飛んだ…」

この子間違ってる…果てしなく間違ってる…

親は一体どういう教育してるんだ!

とかまともな教育受けてない僕が言ってみたりするテスト。

「こんなのはお弁当って言わないの!と言う訳で今日は僕がレイたんにお弁当の真髄を見せてあげよう!行くぞレイたん!」

そう言って席を立ったら、レイたんは不思議そうに言った。

「どこ行くの?何で行くの?」

「いいかいレイたん、お弁当って言ったら屋上なんだよ!」

そう!学園ものでお弁当といったら屋上に決まってる!

これはもはや否定しようの無い事実!決定事項!ラブコメ黄金率!

そんな事を考えていたら、レイたんは真顔でこう言った。

「動くの、面倒」

「あ、はい、じゃあここでいいです」

というわけで、レイたんの席を挟んで向かい合わせに座った。

何かクラスメイトの「碇…アイツすげーな…」とか言う声が聞こえてくる。

イミフ。

そして僕は、こんな時の為に持ってきていたもう一つのレイたん用お弁当箱を取り出して、レイたんに渡した。

「こっちの学校って給食無いんだね、僕が行ってた学校は給食があったんだよ、こっちは無いって聞いてびっくりしちゃった、だから慌ててお弁当作ってきたんだけどリツコさんが「そういえばレイってお弁当どうしているのかしら…」とか言うからさ、もし買って食べる派だったらレイたん食べるかなって思って持ってきたんだよね、お弁当持ってきた?っていうかもう買っちゃった?買ってないよね?じゃあとりあえずこれ食べてみてよ、味は保障するからさ、それじゃいただきまーす、ほら一緒に!」

「よく喋るわね…」

「ハッハ、ありがとう!いただきまーす!」

「褒めてない…いただき…まーす」

レイたんは少し不思議そうにしていたけど、僕の行動を見て、ぎこちなく手を合わせていただきますを言う。

もしかして…いただきます知らなかったとか…そんな訳ないよね?

まさかね…

僕がもりもりとお弁当を食べているのを見て、レイたんは始めただそれを見ているだけだったけど、やがて箸を持った。

芋の煮っ転がしに箸を伸ばす。

また暫くそれを見つめ、そっと口に入れて、もぐもぐって効果音が似合いそうな感じで食べ始めた。

何となくそれを見つめる。



そして。



レイたんは物凄い勢いでお弁当を食べ始めた。

ちょっと引く位凄い。

「ど、どう?美味しい?」

「…おいしい…かも」

リスみたいに頬を膨らませてそう言うレイたんを見て。



何となく、二週目から出てくるキャラだなと思った。



しんじ は れいたん の えづけ に せいこうした。













SIDE-ミサト



「で?どうなの?新婚生活は」

食堂で注文した日替わり定食を受け取り席を探していると、リツコとマヤちゃんの二人がいたので、こう聞きつつ合席した。

ナァ~。

リツコは口の中の物を飲み込むと、不敵な笑みを浮かべて言う。

「快適ね、家事をやってくれるから助かるわ」

え?家事?

シンジ君家事出来るんだ…

やっぱウチで引き取っとけばよかった…

自宅の惨状を思い出しながら後悔していると、マヤちゃんが前に嫌いだと言っていた人参を小皿に集めながらリツコに聞く。

「家事って、料理とかですか?」

「全部よ」

リツコの不敵な笑みがムカつく。

ってちょっと待った。

全部?

「は?洗濯とかも?」

ニャウ~ン。

「料理、洗濯、掃除に買い物何でもございね」

「じゃあ下着も洗わせたりしてるの?」

「そうね」

ウニャ~。

「アンタ…それはね」

中学生の子に大人の下着洗わせるなんて…

何考えてるんだか。

まあ自分がそうしないかと言われたら、それは何とも言えない事なのだが。

少し呆れていたら、リツコは不思議そうに聞いてくる。

「何よ?」

「…何でもないわ」

全然分かってないし…

マヤちゃんはクスクスと笑っていた。

「先輩って何処かズレてるんですよね」

モニャ~ン。

…………。

そろそろつっこんで良いんだろうか。

「あと、リツコ」

「何かしら」

「気になるんだけど…」

さっきから机の下に猫が二匹いるのだ。

名前なんていったっけ?カミナとシモン?

猫二匹は机の下でナァナァと鳴きながらごろごろ転がっている。

「可愛いじゃないですか~」

そう言いながらマヤちゃんは小皿に分けた人参を二匹に食べさせてあげていた。

あー微笑ましい光景。

「って!嫌いなもの処理してんじゃないわよ!小学生か!」

とりあえず一発叩いたら、マヤちゃんは涙目になっていた。

そんな光景を眺めながらリツコは呟く。

「仕方ないじゃない、ついてくるんだもの」

「家に置いて来なさいよ」

ネルフに動物連れてくるなんて聞いた事が無いわよ、と続けようとして、アタシは地雷を踏んだ事に気付いた。

リツコが椅子を倒しながら立ち上がり、叫ぶ。

「私達が家を出てる間に何かあったらどうするのよ!貴女その時の責任は取れるの!?この子達に保安部でも付けてくれる訳!?」

「あー!ごめんなさい!アタシが悪かったから!」

そう言いながら謝りに謝る。

数分後、リツコの怒りは何とか沈静化していた。

「相変わらず猫の事になると豹変するわね…」

大学の頃からこうなのだ。

少しでも猫に関する話でミスを犯すと、リツコは大爆発する。

シンジ君…とんでもない起爆剤を拾ってきてくれたわね…

そんな起爆剤二匹は、こっちの事情はお構いなしに人参を咥えてごろごろしていた。

生まれ変わったら猫になろう…

ファ~ブルスコ。

「今違うのいた!」



何だか食事を取るはずが妙に疲れた…

そしてまた日替わり定食に箸を伸ばす。

だが。

アタシにはもう一つ聞かなければいけない事がある。

「リツコ」

「何よ?」

「もう一つ聞いていいかしら?何それ?」

そう言ってアタシはそれを指差す。

リツコが食べているもの。

そう、ここは食堂なのに、リツコは何故かどう見ても手作りのお弁当を食べているのだ。

リツコは困った顔で言う。

「あら?バレたかしら」

「見せ付けてたでしょうが!」

じゃなかったら食堂で食べずに自分の部屋で食べるはずだ。

大体は推測できる。

というより間違いない。

この女、アタシがいつも食堂で食べているのを知っていて、わざと見せ付けに来やがったのだ。

「シンジ君の手作りらしいです…」

マヤちゃんが煤けた顔で呟く。

いや、分かるわ。

マヤちゃんが煤ける理由も。

だって何て言うか…

お弁当…凄いし…

何この、女としての敗北感。

アタシ達の内心なんてお構いなしに、リツコは言う。

「そうなのよ、私はいいって言ったんだけどね」

おい、じゃあその満面の笑みは止めろ。

そしてリツコはわざと食べるところがアタシ達に見えるように食事を再開した。

「「…」」

黙ってその光景を見つめるアタシ達。

「あぁ~ホントに美味しい」

「うわっ、何か眩しい」

何かオーラみたいなのが…

暫く負け犬二人でその光景を眺めていたのだが、やがてマヤちゃんが口を開いた。

「せ、先輩!」

「何かしら?」

見ればマヤちゃんは何かを決意したような顔を…

待ってマヤちゃん!

プライドを捨てちゃダm

「ひ、一口下さい…」

捨てた…

軽々と…

「…仕方ないわね」

リツコは余裕たっぷりの笑みでそう言うと、面倒臭そうにマヤちゃんのお皿に何かを一つ乗せた。

二人で、お皿に乗った何かを見つめる。

…………。

マヤちゃんが堪らず聞いた。

「…何ですか?これ」

「ゴマ」

「うわあぁぁぁあぁぁぁぁあああぁぁああぁぁぁあぁぁん!」

あ、泣いた。

ネルフには虐めがあります。










SIDE-シンジ



食事も終わって、昼休みも中盤に差し掛かった頃。

暇だから端末にゲームを落としてレイたんに色々教えていたら、突然関西弁で声を掛けられた。

「転校生、ちょっとええか?」

振り向いてみると、ジャージを着た変な人がいた。

何でこの人制服着てないんだろう。

とりあえずあまり係わり合いになりたくない。

「あ、サインはダメです」

「ちゃうわボケ!」

「握手もダメです」

「厳しいやないか…って、ええから来い!」

ジャージ君はそう言うと僕の首根っこを掴んでぐいぐいと引きずっていく。

レイたんに目線で助けを求めると、手旗信号で『健闘を祈る』って言われた。

何という冷淡…






滑ってないもんね。





そのまま引きずられていると、校舎裏で僕は放り出された。

う~ん…

僕の長年のいじめられっ漢人生で培われた危険センサーがメギャーンメギャーンって反応してる。

「何の用さ?僕アマラ経絡にヒジリ助けに行かなきゃならないんだけど」

「家でやれ!」

ごもっとも。

すると何時の間に居たのか、m9の相田君が苦笑いで呟いた。

「何かトウジがそういう事言うと全然説得力無いな」

うん、パッと見でもそんな感じ。

ジャージ君は一発相田君の頭を叩くと、こちらを向いた。

あぁ…ジャイアンとスネ夫の関係なのかな。

そしてジャージ君が口を開く。

「悪いけどな、ワイはお前を殴らなあかん」

「てか中学生の喧嘩にメリケン持ち出す時点でなんとも」

「なっ…!」

僕の指摘に、ジャージ君はあからさまに動揺した。

「お前の次のセリフは『なんでメリケンのことわかったんだ、この野郎!』と言う!」

「そんなもん持っとる訳あるか!…あ」

「あ…」

静寂が場を包む。

何か気まずい…

うん。

まぁ、持ってる訳ないよね。

とりあえず言っておく。

「カット」

そして僕は咳払いを一つすると、改めて言った。

「お前の次のセリフは『なんでメリケンのことわかったんだ、この野郎!』と言う!」

「な、なんでメリケンのことわかったんだ、この野郎!」

「ふふん、君程度の人間の言う事なら簡単に分かるさ」

この人ノリいいなぁ…

僕が少し感動していたら、ジャージ君は拳を握ってこちらに近づいてきた。

「ええい!持ってへんけど!いくで!」

あ、やばい、何か逆に火をつけちゃった…

まぁ喧嘩したいってんなら構わないさ。

「あ、一つだけ言っとくと」

でも、僕は一つだけ忠告しておく。

「僕、手加減とか出来ないから」

ジャージ君の顔が真っ赤に染まる。

ちょっと怒らせたっぽい。

「上等じゃ!」

そう言って、ジャージ君は拳を振り上げた。





































「弱っ!」

ジャージ君は驚愕しているようだった。



僕のあまりの弱さに。



という訳で、一撃で僕は吹っ飛ばされた。

立ち上がって叫ぶ。

「喧嘩には自信が無くてね!」

「ただお前…みょーに殴られ慣れとるの…」

そう言ってジャージ君は首をひねると、何だかやり辛そうな顔をしていた。

僕は喧嘩は弱いけど威力を殺すのだけは得意なのさ!

殴られ慣れてるからね!年季が違うぜ!

「ハッハ、君程度のパンチで僕を涙目にしようなんて甘いと言わざるを得ない!」

「後2~30発殴っとくかの」

そう言ってジャージ君はケンシロウ的に拳を鳴らす。

「二桁って!酷い!」

以下、フルボッコ。







「ちょ!痛い痛い!」







「痛いってば!てかホントに2~30発殴る気じゃん!」







「もっと熱くなれよ!」







「ずっと君のターン!」







「あと、いつになったら無駄無駄って言い出すの?」







暫く時がたつと、そこにいたのは疲れ果てたジャージ君と、目を回す僕と、呆れている相田君だった。

ジャージ君が息も絶え絶えに呟く。

「ホ…ホンマに…頑丈な…やっちゃの!」

「運動神経はダメダメでも殴られるのにはもう慣れてるのさ!」

僕はその道のプロだからね。

てか、気付いた。

ふと思ったんだけど…

「あれ?何で僕殴られてんの?」

「今更かい!」

ジャージ君は渾身のツッコミを入れて地に倒れる。

関西人のど根性を見た。

この人底力Lv9位ありそうだ。

「殴られても全然疑問に思わなかったよ…慣れって怖いね…」

前の学校で意味も無くフルボッコされてたからなぁ…

全然疑問に思わなかった。

「お前…可哀想なやっちゃの」

「あ、やっぱり?僕も最近気付いたんだけど、もしかしたら僕ってすっごい不幸な気がするんだよね」

気のせいだといいんだけどな。

そんな感じで、何故か殴ってきた人に同情されるっていう変な状況にいたら、ずっと黙っていた相田君が面倒臭そうに口を開いた。

「あー話が続かないから言うけどさ、こいつの妹、この前の戦闘でロボットが派手に動いたせいでシェルターが揺れてさ、その時に足挫いちゃったんだよね」

「え」

妹さんが足挫いた?

「それだけ?」

「うん、それだけ」

…それって僕の所為じゃなくね?

倒れているジャージ君を見ると、何か恥ずかしそうにしていた。

いや、恥ずかしがられても…

「なんというシスコン…シスタープリンセス貸してあげようか?」

「だまっとれ!でも貸してくれ!」

「じゃあ妹さんへお詫びに包帯でも送っとくよ、シスプリと一緒に」

するとジャージ君はふらふらしながらも立ち上がり、僕を指差して言う。



「筋を通すならそこはまず湿布やろ!」




「花とか果物とかだろ…」

何だか面倒臭そうに呟く相田君が印象的だった。

平和な学校だなぁ…










あとがき

頭脳派で運動神経ゼロのシンジ君。

今回のお気に入りはレイたんの

「お弁当、飛んだ…」

です。

うん、変態乙。

てか今回はゲームネタがやたらと多かった気がする…



*括弧の区別がつき難かったので訂正

*華麗に綴りを間違っていたので訂正


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