「熊の親切、って話知ってる?」
隠れていた岩越し、着替えを渡して神楽坂と話す。
知らぬ仲でもないし、弟分の姉的存在だ。そのまま放っておく訳にもいくまい。
「知らないわよ、アンタお得意のロシアのことわざでしょ?」
「うん、そうなんだけどね。ある所に優しい熊がいた。その熊は優しいからウサギと仲良くしていた。あるとき、ウサギの顔に蚊が止まったのを見た熊は、『刺されてはいけない』と思って払ってあげた。
でも、熊の力はウサギには強すぎて、ウサギは死んでしまいましたとさ。って話。まあ、お爺さんだったり蠅だったりと微妙な違いはあるけどね」
「…何が言いたいのよ」
「熊をネギ、手を言葉に置き換えてみ?」
「私はウサギってワケ?」
「アイツは悪気はないのだよ。ただ、子供だから語彙が少なくて、気持ちが読めなかっただけだと思う」
「…それぐらい、アンタに言われなくても分かってるわよ」
押し黙ってしまう神楽坂、一寸の掛け違えと不幸な事故の積み重ねで、引っ込みが付かなくなっているのだろう。
似たような経験があるから分かる。
「言っておくが、仲を取りなす気はないぞ」
「お兄ちゃんのクセに冷たいのね」
「これはお前とネギの間の問題だ。いくら兄貴分を自称していてもそこまで踏み込めるとは思っていない。ホントの兄弟でもな」
「優しいんだか、優しくないんだか。よく分からないわねー、アンタは」
「上げ膳据え膳で育ったらろくな奴にはならないだろ?ちゃんと導くために敢えて厳しく当たるのも優しさって奴よ」
「上げ膳据え膳ねぇ…、昔のいいんちょもあれこれやらされてたしね」
「ま、仲直りできたら教えてくれ。飯でも奢るわ」
そう言って去ろうとした時、「ちょっと待って」
神楽坂に引き留められる。
「何だ?」分かっていて、敢えてぼやかす。
「服…、持ってきてもらって何だけど、他にないの?この…ヒラヒラでフリフリなの以外に。靴下までフリルが付いてるんだけど」
用意した服はエヴァのコレクションの中から選んだ弩が付くほどのゴスロリ。
「悪いな、エヴァの趣味だ。借りられそうな服がそれしかなかったのだよ」
9割方嘘です。フツーのブラウスとスカートもありましたが、敢えてそっち方向のを用意してもらいました。
「それに…、女の子を一人で夜道を歩かせる気?」
いや、そこらのチンピラぐらいなら倒せるだろ?と喉の奥から出かかったが、『送っていくことを推奨します。ハリセンはイヤでしょう?』
ミーシャに止められたし、レディに恥をかかすのは士官候補生としてあるまじき行為だ。
…そう言うことにしておこう、凶悪なハリセンを持ってるわ、見事な跳び蹴りかませるのがレディかは別にして。
「これは失礼いたしましたお嬢さん。この不肖アンドレイ・コンドラチェンコ、寮までの短い合間とは言え無事送り届けましょうぞ」
片膝を付き、片手を取って手の甲に軽い接吻を…、ホントにしたらハリセンアタックされそうなのでするふりをする。
それでも真っ赤になるのだからなあ、女子校育ちなのがよく解る。
「何カッコつけてんのよ。…なかなか様になってるじゃん」
こう見えても士官候補生ですから。士官は外交官でもあるのだよ、だからキッチリとした礼儀を仕込まれるのだ。
****
青い海と白い雲、照りつける太陽。
今年二回目の南国。
そして3-Aのノー天気軍団、ここは雪広グループ所有のリゾートアイランド。
ネギに誘われたからついて来たのだ。半数以上がいる3-Aの連中は勝手について来たそうな。
「コンドラチェンコさんはまだいいのです。ウチのクラスの面々と来たらもう…」
雪広さんも大変ねぇ。あれだけ濃い面々相手にしてるんだから。
ですが、御陰で目の保養になってますよ、いつもは男ばっかりの環境だし。
「う~ん、でも男の子の一人もいないとせっかくの南の島も今ひとつかにゃ~」
「…アリョーシャ君は?」
「アレは遠距離恋愛中だからカウント外。この前写真見せてもらったけど、カワイイ子だったよー」
「ウチらにも早うカレシ出来んかなあ」
「やっぱネギ君かな」
人が馴染みのある環境でゆりかしウェア羽織ってまったりと過ごしている時だ。
「アリョーシャ君泳がないの?」通り掛かった村上さんが声を掛けてきた。
「泳げるし、泳ぐけどね。沖縄育ちだってのは知ってるよね?そのせいか落ち着くのよ、南国の空気が」
「それはいいんちょから聞いて知ってるけど、沖縄とロシア人って言う組み合わせがどうもしっくり来ないんだよねー」
んなこと言われてもなあ、実家のある嘉手納宇宙港の周りにはNASDAに再就職したロシア系技術者とその子孫が結構住んでいるし、
日本は疎か世界中の宇宙関係者が集まると言う場所柄、何人が住んでいようが誰も違和感を感じないのが現状だったからなあ。
通っていた嘉手納市立第一宇宙港小学校なんて市立なのにインターナショナルスクール状態だったし。
こっちの世界では妙な違和感を持って取られるのか。
「ま、あんまり気にしないことだよ。さてと、泳ぐとしますか。ん?向こうが騒がしいな」
「ホントだ。…ちづ姉のおっぱいにネギ先生がはさみ込まれてる!?」
聞いた時は耳を疑った。確かめてみると聞いた通りの状況。
かなーり羨ましい状況だこんちくしょうめ、さらにはだ、それが増えて行くではありませんか。
四人によるおっぱいアタック、…コレはお仕置きせねばならんな、うん、コレは正当な懲罰だ。
『嫉妬は大人気有りませんよ』
どっかからツッコミが入っているが無視、何故か知らないがここに丁度いい物があるからコレを使おう。
何コレー、マシュマロじごくー!?
とまあ、いくら羨ましい地獄にいるんだお前な子供先生。
「あれ?空から変な音が…」周りの生徒の内何人かが妙な音がするのに気がつく。
その直後、トタン特有の鈍い輝きと音、「大変っ、先生の頭からええ感じの音がっ!?」そんなのが響き合った。
「いやあああ~!?」
「なんで金だらいが!?つーか、どっから!?」
「それよりも、誰か人工呼吸を!!」
「私が」「私ーっ」
「初弾命中、先程ノ射撃ハ見事ナリ」
「いや、カッコつけられても…。何で金だらいが?」
「偶々あったから使ったけど、こんな南の島にあったと言うことは、「コレを使いなさい」という天の父からの啓示だったんだよ!」
流石に呆れているが、南の島にトタンの金だらい(40cmぐらい)があって、何故か僕の近くに置いてあった時点でなあ。
使って頭に当てるのがお約束だとは思わないのかね、村上君?
「何やってんだか…、バカ…。アンタは余計にバカだけどね…」
****
「確かにねー、最近の男子は情けないってゆーか、カッコ悪いってゆーか、元気ないところはあるよ」
「まーねー」
「ん?向こうで泳いでるのアリョーシャ君でしょ、さっき向こうで泳いでなかった?」
「あ、ホンマや。…ひょっとして、おーい、アリョーシャくーん」
「なにー?」
「さっきからずっと泳いでんのー?」
「もうちょっとで一周するとこー」
「ま、まぁ、元気な男子もいるって事で」
「遠泳と立ち泳ぎ…、上手い…」
島を泳いで一周したらもう夕方。調子に乗りすぎたなと思いながらコテージの方へと向かう。
コテージ前の広場にさしかかった時、パパラッチ以下五名と一匹が集まっていた。
「おう、アンドレイの兄貴、丁度いいところに!」
自重しろエロオコジョ。で、ナニが丁度だって?
「いえ、この二人が魔法を勉強したいって言うもんですから、モノになった時の編制を考えてたところでして。で、アンドレイの兄貴にも加わってもらう
としてドコに来て貰うのか。それを考えてた所でしてね」
ふむ、チーム編成か。エロオコジョにしてはいいこと考えるではないか。
「アンドレイの兄貴、その"エロオコジョ"ってのは止めてくれやせんか?俺っちにはちゃんとした名前が…」
「呼んでもいいが、風呂は常に男湯、寝床の女物下着は全部返還して代わりに六尺褌(使用済み)で寝るのならな」
「エロオコジョで構わないでさあ…。と、とりあえずこんな編制を考えてるんですが、いかがでしょ?」
そんなに褌はイヤだったのか…、武士の情けで正絹の褌にしてやろうと思っていたのに…。
「いくら絹でも使用済み褌は嫌っしょ、このスケベに男湯しか入らせないってのもねー」
それはそれとして、ウッドデッキに書いてあるのを見てみる。
「前衛がせっちゃんと古ちゃんか、そこに神楽坂とネギ加えて4人分隊組ませて、残り4人を後方支援担当にした方がいいな」
「ネギの兄貴も前に出すんで?」
「その為のパートナーだろ?神楽坂とネギでツーマンセル組ませて中衛担当だ。軍隊で言うところの機関銃手か擲弾手だな」
「で、兄貴の魔法で足止めされたり弱った敵さんを前衛の二人が直接叩くってワケですか」
多少は勉強しているらしく、話が通じやすい。ネコ目イタチ科イタチ亜科イタチ属動物だけどな。
「…もう少し人が欲しいな、分隊が組めるぐらい。出来ればガチンコで殴り合える奴と火力を持ってる奴が欲しいところなんだが…」
現在アメリカ陸軍のライフル分隊は分隊長と4人班二つの9人編制。
班の内訳はアサルトライフル持った班長と小銃手、局式ポジションで言えばフロントアタッカーかガードウイング。
グレネードランチャー付きアサルトライフル持ちの擲弾手とMINIMI持ちの分隊支援火器兵、センターガード相当。
ちょっと前まではここに対戦車ミサイル装備の特技兵(センターガード)が付いてたが、人員削減と柔軟な運用を計って削減されました。
そこにアメリカらしい豊富な後衛(フルバック)や地獄見そうなぐらいの砲兵か航空支援(センターガード)が付くのだがそれは割愛。
「となると、楓姉ちゃんや龍宮の姉さんに加わってもらうってのはどーでい?」
「悪くないな、足速い楓ちゃんを遊撃型ガードウイングに、真名は狙撃型センターガードに…、雇うと偉く金が掛かるのがなあ。言っておくが払わんぞ」
「そ、そんなっ!俺っちや兄貴の財布から出せってのかい?金持ってるんだからアンドレイの兄貴も出してく…、…兄貴に加わってもらえばいいだけの話
じゃねえですか。つーかその時にどこに入ってもらうか悩んでいたところだってーの」
「言っておくが、入るかどうか解らんぞ?こっちはこっちで仕事持ちだからな」
為替や株で副収入があるとは言え、確実な基本収入は必要だ。その為に夜間警備をしているのだ。
それに、もしも救援が来たらこの世界に居続けられるかは定かではない、それを決めるのはミッドのお偉いさん方であって、そこに自分の意志は全く介在しない。
これが「すさまじきものは宮仕え」という奴だ。
「いや、そこはアンドレイの兄貴に何とか加わってもらえればってことで。兄貴は士官候補生として専門教育受けてるんでしょう?
あの砲撃だけでも百人力だってのに、専門家としての知識が加われば尚のこと強くなりやすぜ。更に愛衣の姉さんにもセンターガードとして加わってもらえば完璧ってもんでさあ」
「雛は秋に数えるもの」ってことわざがあってな、日本では「取らぬ狸の皮算用」と言う。不確定要素を試算に入れるな。
僕もだが、弟子二号が面子に入るとは限らないぞ?
「あのー、愛衣さんって誰のことですかー…」
僕の弟子でネギの姉弟子、そのうちみんなと会わせるから。
「アンタの弟子って事は、その子も魔法使いか、結構いるモンなんだねー」
お前達が知らんだけで恐ろしい数いるからなあ。
この世界と隣の魔法世界だけで6700万人、管理局が把握している全次元世界の魔導師(所属・非所属・ランク問わず)合わせりゃ地球の総人口以上いるんじゃねえの?
「そないにおるんかー。ウチもがんばって、はよ一員にならな」
そういや、このかちゃんは治療魔法学ぶんだったな。それなりの知識はあるから教えようか?
頭いいからミッド式でも憶えられそうだし。
「どんなん知ってるん?ウチ、色々知りたいからいっぱい教えてなー」
いいよー、中の中の成績の医大生ぐらいの医学知識と野戦治療の経験とバイアン先生直伝の技術が有るから出し惜しみ無しで教えてあげる。
「そのバイアン先生という方も管理局の人ですか?」
うん、三等医務陸佐で祖父さん直下の司令部付医官、鍼と按摩と灸の三療と治療魔法を組み合わせた技法の使い手。
患部近くに魔力の鍼を刺しての文字通りのピンポイント治療とか、威力調整型炎熱系魔法を使って温熱療法したりするの。
「…そこに鍼を使った暗殺術が加わったら完璧ですね…。どうしましたか?そんな顔して…、まさか」
そう、そのまさか。何で分かったの?暗術使いでもあるって事を、身長も180cm(六尺)で目も小さめだし。
「本当に事実は奇なりになってますー」
****
割り当てられたコテージ、310号室で夜の一杯中。
未成年の集まりなので夕食にアルコールは付かないし、付けられません。
仕方がないので、ボーイ(現地雇用)に多めのチップを渡して部屋に酒とつまみを持ってこさせました。
ネギに「未成年なんだから飲んじゃダメだよ!」と注意されたが、
「スイスのとある州ではビール類は14歳から飲める。オーストリアやギリシアでは15歳から飲める。だから問題はない」と屁理屈をこねてやった。
「ミーシャさんからも注意してくださいよー」ミーシャを味方に付けようとしたが、
『ネギさん、同志は酒好きでしてね。5歳の頃からコッソリ飲んでいたほどです。私も昔は注意していましたが、無駄と悟った今は何も言いません』
諦めの境地に入っているから味方になりゃあしない。ある意味筋金入りなのだよ、僕は。
で、持ってこさせた酒はよーく冷えた金色のラベルに恵比寿様が書いてあるビールを大瓶半ダース。ここは日本資本だからね!
つまみはスペインの誇る旨いもんの一つ、ドングリばっか喰わせた黒豚の後足の生ハム、ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ。
こんなリゾート島に来るのはヒマな金持ちと相場が決まっているので、いい物を揃えているのだ。
喰ってた物の性で脂がさっぱりとしています、噛めば豊かな味が広がります、絶妙な塩気が酒を呼びます。
ネギにも飲ませてみたが「うう、苦いよぉ。ハムは美味しいけど、ちょっと塩辛いし」
まだまだ子供だな、もうちょっとすればお前もこれが旨く感じてくるのだよ。
とは言え、酒のつまみは少々味が強い物ばかりだからな、酔うと味覚が少し鈍るから少し強めの味付けにしてある場合が多い。
飲屋街の気の利くラーメン屋だと、最後の〆に来た酔客と一般客で味付けを変えている場合があるのだ。
旨いつまみで2本ほど空にした頃、先程までしていた話を打ち切り、唐突に話を切り替える。
「この前のことだけどな、神楽坂、とっくに許してくれているみたいだぞ」と。
「え…、アスナさんから聞いたの…?」
「直接は聞いてない。この前召喚したはいいが、素っ裸だっただろ?あの後服を持って行ったんだが。その時の話の様子からな…」
「そうなんだ…、てっきり今でも怒ってると思ってた…」
やっぱり子供、読みが甘い。怒らせたのも心の機微が読めなかったからな。
とは言え、僕も人のことは言えません、一年次の時に陛下を怒らせてしまい、とんでもない目に遭わされたことがある。
どんな目かって?母親直伝スターライトブレイカー、その改良型で貫通力強化型。
場所は演習場近く、運の悪いことに三年による魔法使用可の演習が終了した直後、残滓魔力がたっぷりな状況です。
一人で防御一切無視の火力は反則です。しかもその強化の為のプログラム追加を手伝ったのは僕なのですから、とんだ因果応報です。
「でも、何で話を聞いてくれないの?ひょっとして僕のこと嫌いになっちゃったのかなあ…」
こら、お前はすぐにネガティブというか、悪いように考えてしまう傾向があるぞ?
男の子なんだから涙を浮かべるのは止めなさい。
「まあ、神楽坂と付き合いの長い連中に聞いてみたんだがな。アイツは"頑固者"だそうな」
「アスナさんがガンコ?確かにこれと決めたら聞かないところがあったけど…」
日頃身近に接しているから解ってはいるな、ならば宜しい。
「だから心の中では許していても、頑固にお前の謝罪を受け入れまいとしているのだと思うぞ、僕は。全く、許しているのなら素直に謝っちまえばいいものを、頑固者め」
「…アスナさん、仲直りしてくれるのかな…」
「ま、近い内に許してくれるだろ。丁度ここに吉兆が現れていることだし」
そう言って、四本目を取り出してラベルの所を指さす。
「ここの所、恵比寿様は知ってるよな?」
「うん。日本の神様で幸福を連れてくる七人の神様、「シチフクジン」だったっけ?その一人だって聞いてる」
神様は"人"じゃなくて"柱"と数えるのだが、10歳のイギリス人にはそれは分からないだろうから後で説明するとして。
「そうだな。で、鯛を抱えている恵比寿様の後ろの籠、魚籠って言うんだけどな、この空瓶のと見比べてみ?」
四本目とさっき空にした三本目をネギに渡す。
「うん?…あ、鯛のシッポが出てて、二匹になってる」
そう、これがその吉兆、五~六百本に一つの確率で混入させてあるという「ラッキーヱ○ス」。
そんな珍しい物がこのタイミングで、遠く離れた異国の地で、僕の頼んだのに入っていた。
これはきっといいことが起こる前兆だろう、だからきっと近い内に仲直り出来るぞ。
「…うん、きっと仲直りしてくれるね!」
「その前に、ちゃんと謝れよ~。向こうが許していてもひどいことを言ったししたことには代わりはないんだからな?」
乱暴に頭を撫でながら釘を刺しておく。何か嬉しそうな顔しやがってコイツは、ぐりぐりしてやる、うりゃうりゃ。
「うわ~ん、それやめてよぉ。痛いってばぁ」
「まったく、仲いいなあ。兄貴達は」
『同意見です。下の弟妹方や従弟妹方とほぼ変わらない扱いですからね』
****
翌朝、仲直りと言葉によるちょっとした誤解を繰り広げる二人。
ウサギと熊が入れ替わったか。
「しっかし、やっぱ姐さんって、兄貴のこと…」
愛に年齢は関係ないぞ、ウチの両親は十四歳の差があるが、仲いいぞ。それに比べれば五、六歳なんて大した問題ではないだろ?
「いや、それはアンドレイの兄貴の所が異常ってだけじゃあ…」
南の島の朝日と朝風を受け、爽やかな気分の朝。
足下で痙攣を起こしているイタチ科動物は気にしないでおこう、自分でやっておいてなんだけどね。
あとがき:気付けばPV二十万オーバー、読者の皆様方には感謝してもしきれません。
マイペースで書き続けますので、気長にお待ちいただけば僥倖でございます。
オリジナル設定
嘉手納市:嘉手納飛行場の返還と宇宙港への切替に伴う人口増加によって出来た架空の市です。
宇宙関連の企業団体と人間が世界中から集まる関係上、「沖縄一沖縄らしくない市」と呼ばれています。
因みに、この街では琉球語はほぼ使われません。なのでアリョーシャ君も使いません。