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No.4701の一覧
[0] 砲撃生徒異世界奮闘記(リリなの系オリ主(少々御大成分入り)→ネギま):小ネタ分多め [あず吉](2009/05/26 23:11)
[1] プロローグ「Missing In Action」[あず吉](2008/11/05 19:55)
[2] 第一話「ケ・セラ・セラ」[あず吉](2008/11/06 22:52)
[3] 第二話「執務室にて」[あず吉](2008/11/05 20:05)
[4] 第三話「モスクワは涙を信じない」[あず吉](2008/11/05 20:11)
[5] 第四話「初仕事」[あず吉](2008/11/05 20:19)
[6] 第五話「変に律儀」[あず吉](2008/11/06 06:08)
[7] 第六話「学園長直轄砲兵」[あず吉](2008/11/05 20:32)
[8] 第七話「ゴールデンクラッシャー」[あず吉](2008/11/09 23:33)
[9] 第八話「ライオンの皮を被った驢馬」[あず吉](2008/11/13 21:28)
[10] 第九話「キノコだと名乗った以上は編み籠に入れ」[あず吉](2008/11/16 16:03)
[11] 第十話「バタフライ効果」[あず吉](2008/11/21 22:53)
[12] 第十一話「地底図書室」[あず吉](2008/11/29 02:37)
[13] 第十二話「学園放浪&弟子二号交流記」[あず吉](2008/12/02 23:03)
[14] 第十三話「始業式前後」[あず吉](2008/12/08 21:22)
[15] 第十四話「荷馬車から落ちたものは、失われてしまったもの」[あず吉](2008/12/15 22:09)
[16] 第十五話「嵐の前」[あず吉](2008/12/31 18:34)
[17] 第十六話「暴風警報」[あず吉](2009/01/08 23:04)
[18] 第十七話「狸穴町」[あず吉](2009/01/17 21:49)
[19] 第十八話「晴れた空、そよぐ風」[あず吉](2009/09/20 21:07)
[20] 第十九話「デウス・エクス・マキナ」[あず吉](2009/02/13 16:19)
[21] 第二十話「"悪人"の仮面」[あず吉](2009/03/02 21:29)
[22] 第二十一話「"悪い"お兄さん」[あず吉](2009/03/13 22:10)
[23] 第二十二話「突撃砲兵(上)」[あず吉](2009/04/30 22:52)
[24] 第二十三話「突撃砲兵(下)」[あず吉](2009/04/01 05:42)
[25] 第二十四話「パスハ」[あず吉](2009/04/16 19:07)
[26] 第二十五話「乳母が七人いると子供に目が届かない」[あず吉](2009/05/19 01:15)
[27] 第二十六話「埼玉県警麻帆良署」[あず吉](2009/05/19 01:15)
[28] 第二十七話「一日をくださる神様だもの、一日の糧もくださるだろう」[あず吉](2009/05/26 23:10)
[29] 第二十八話「熊の親切」[あず吉](2009/06/09 23:47)
[30] 第二十九話「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」[あず吉](2009/06/25 17:55)
[31] 第三十話「雨降って地固まる」[あず吉](2009/07/10 21:45)
[32] 第三十一話「雨に唄えば(上)」[あず吉](2009/08/18 23:05)
[33] 第三十二話「雨に唄えば(中)」[あず吉](2009/08/18 23:05)
[34] 第三十三話「雨に唄えば(下)」[あず吉](2009/09/04 21:59)
[35] 第三十四話「会議は踊る」[あず吉](2009/09/19 22:07)
[36] 第三十五話「華麗なる日々」[あず吉](2009/10/08 22:11)
[37] 第三十六話「どんでん返し」[あず吉](2009/10/19 20:28)
[38] 第三十七話「祭りの後(上)」[あず吉](2009/10/25 22:17)
[39] 第三十八話「祭りの後(下)」[あず吉](2009/11/12 22:39)
[40] 第三十九話「不確定」[あず吉](2009/11/21 23:37)
[41] 第四十話「あら何ともなや きのふは過ぎて 河豚汁」[あず吉](2009/12/08 22:51)
[42] 第四十一話「戦線拡大」[あず吉](2010/01/02 15:44)
[43] 第四十二話「千客万来」[あず吉](2010/02/17 22:01)
[44] 第四十三話「開幕前後」[あず吉](2010/02/17 22:09)
[45] 第四十四話「運動の第一法則」[あず吉](2010/03/13 21:47)
[46] 第四十五話「苦労しなくては池から魚は引き揚げられない」[あず吉](2010/04/06 21:44)
[47] 第四十六話「メフィストフェレス」[あず吉](2010/05/06 23:33)
[48] 第四十七話「狐と狸」[あず吉](2010/06/16 23:01)
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[4701] 第二十四話「パスハ」
Name: あず吉◆4ffe3c79 ID:8dd07ffc 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/04/16 19:07
女子中等部の修学旅行が終わるほんの少し前。
3-A担任のネギ・スプリングフィールドは泣きそうな顔をしていた。

「ネギ先生どないしたん?」
「…お腹痛いの?」

事情を知らない教え子達は皆心配しているが、事情を知っている者は諦めさせようとしていた。

「あーもー、アンタが悪いんでしょ?アイツはそんなこと気にもしないだろうから気にしないの!」
「確かにねー。こざっぱりとしたトコあるから、気にもしなさそうじゃん」

それでも泣きそうな顔をする子供先生、自分の失敗が許せないのだ。


****


ユリウス歴と言う暦を使い祭日を決めている正教会では3月21日を春分と定めている。
本日、2003年の4月27日はその春分の後の満月の直後の日曜日。

その日が正教を始めとする東方教会最大の祭日、復活大祭ことパスハの日。
イイスス・ハリストスの復活を記憶する日。

ああ言っておくが、中世ギリシャ語でイエス・キリストを読むとイイスス・ハリストスになるだけで、同一人物だぞ。
カールがシャルルやチャールズやカルロになるのと同じ様な物だ。


そんな日なのだが、全く敬虔ではない我がコンドラチェンコ家は帰郷する親族一同や親しい人達を呼んで騒いで親交を深める日となっている。
一般的日本人にとってのクリスマスパーティーとお盆を足して2で割ってない感じなのだ。


太陽は間もなく真上に達する頃。

100人以上の人達が集まっている。
…裏方合わせても80人ぐらいと想定してたんだけどなぁ。

どうやら、招待状を持っている奴に付いてきたのや連れられたのが混じっている模様。
見覚えのある様な無い様な奴がチラホラいるもん。

あそこでネギとあーだこーだ言ってる髪を後ろで纏めてる地味メガネとか。
顔の造りは良さそうだから、ちょいちょいと弄ったら化けるかも…。


…と、料理足りるかなあ?
年頃からして喰うだろうと思って多めに作ってもらってるけど、ここまで多いとなあ。

厨房の方へと向かい、さっちゃん他の調理スタッフとどれぐらい追加出来るかの打ち合わせをしようとしていた時だった。
綺麗な金髪をした女の人、雪広さんがいた。


****


この麻帆良学園には○ルタン星人率いる学園執行部と渡り合える様に生徒会や各種委員会を纏める為の組織、MU(Mahora Student body Union)こと麻帆良学生自治連合がある。

マンモス学園だけあって規模は大きく、とある組織を元にした編制となっている。
メンバーは各学校の各種委員や専従生徒で構成されていて、無論クラス委員長もこの内に入る。


尚、CLO(学園図書委員会機関)なる組織や、クラスや学校間のもめ事を解決する為の学園司法裁判所があったり、
保育士志望の学生やボランティアを纏めているMNICEF(麻帆良保育児童基金)なる組織まで付いている始末。
止めに魔法生徒による学園安全保障理事会まであるし…、どこぞの国連かお前ら。


余談だが、この学園は基本エスカレータ式なので中学3年は先輩方からこき使われる運命にある。
生徒会や外に進学する連中は別よ、そうでない奴らを高等部や大学の先輩方が「1,2年よりも3年の方が仕事が解っている」と言って使うの。

で、僕も雪広さんもこき使われる3年、そこで知り合ったのだ。
ネギという接点が元で、お互いの仕事を手伝ったり手伝われたりもするぐらいの仲だ。

更に余談だが、こき使われる比率は僕の方が高かったりする。
男子中等部3-Aを数ヶ月でまとめ上げた手腕が評価されたのが原因。



「あれ?雪広さんどうしてこっちに来たの?」
素直な質問をぶつけてみる。お客として呼んだのであって、裏方として呼んだのではないからね。

「手ぶらで来るのも失礼と思いまして、実家の使用人達とコック達、それと料理を持参しましたの。お好きにお使い下さい」
え?そりゃあ、料理やスタッフ足りるかなあと思ってた所だから助かったと言えるけど、お客にそんな気を使わすなんてなあ。

「お気にせず、コンドラチェンコさんにはMUでお世話になっておりますから、その御恩返しと思っていただいて結構ですわ。それに…」
「それに?」

顔を爛々と輝かせはじめた。あー、何か見覚えのある顔。
「ネギ先生がお兄さんの様に慕っている御方の為なら、これぐらい当たり前ですわ!」
…どっから聞いた?アイツが人のこと呼び捨てにする様になって数日と立っていないのなのだが。パパラッチ辺りか?



まあ、解ったら簡単だった。僕へのお土産を買うのをうっかり忘れてしまったことを雪広さんが聞いたのだとか。

夕方持ってきた生八つ橋がそれだったのか、気にしないっての。
と言うか、京都は春休みに行ってたっての、悪いから言わなかったけどな。

「ネギ先生ったら「アリョーシャへのお土産を忘れちゃったよー」と涙を浮かべておりましたので、私の持っていた生八つ橋をお分け致しましたの。あんな

お顔を見せるなんて、ネギ先生は本当にコンドラチェンコさんのことを慕っていますのね…」

一瞬寂しそうな、羨ましそうな顔を見せたが、すぐにいつもの調子に戻る。

「そう言う訳ですから、好きなだけ使って頂いて結構ですわ」
「オーッホッホッホ」と、典型的お嬢高笑いをする雪広さん、じゃあ使わせてもらうよ。遠慮無くな。




そんなこんなで開始時間、雛壇から主催者の一言。

「本日は私事にお集まり頂き、誠に感謝致します」定型文から始まり、

「本当はこの12時間前に始めるののですが、全く敬虔では無い我が家、特に一族の長である祖父さんが
「春のいい時期なんだから」と言う理由で昼間にしてしまったんですよね。孫としても恥ずかしいぐらいいい加減な祖父です」
この形になったいわれと祖父さんへのちょっとした悪口を加える。

今頃クシャミでもしてるだろーなー。


****


とある次元世界のとある島国の首都郊外、其処にある時空管理局所有施設の一室。
「司令執務室」と書かれた部屋の主で、時空管理局少将の階級章を付けた男がクシャミをした。

「風邪ですか、お頭?」その初老の男の部下で、副官を務めている男が声を掛けた。
「誰かが俺の悪口でも言ったんだろう、心当たりがありすぎて誰かは解らんがな。にしてもだ、お頭は止めろと言っただろう"クローリク"?」
副官はその名で呼ばれるのが嫌らしく、顔をしかめる。

「お頭、私にはユーゴという立派な名前があるんですから、それは止めて下さいよ」
この色白のぽってりした柔らかい身体の持ち主、ユーゴ・T・キムラ。名の示す通り第97管理外世界に祖を持ち、近代ベルカ式の剣使いである。
童顔で、どことなくウサギに似ている為、口の悪い者はユーゴのことを司令の故郷でウサギを意味する「クローリク」と呼んでいた。

「お前が俺のことを"お頭"と呼ぶからだろう。現地雇用の奴や此方生まれの佐嶋ならともかく、ミッド生まれのお前もつられてどうする」
「は、申し訳ありません。ユーリー・アンドレービッチ・コンドラチェンコ少将閣下」

してやったりといった顔をするユーゴ、苦い顔をするユーリー。

「全く、こんな事をするのはお前ぐらいだぞ?ユーゴ・T・キムラ一等陸尉」
この二人はユーゴが新米三尉だった頃からの付き合いであり、どことなく憎めない性格と、いつもはおっちょこちょいだがここぞと言った時の働きっぷり
が気に入っており副官として置いている。

「と、所で何の用だ?」
「はい、ハラオウン士官学校校長から定時報告書が届きましたので、報告に。…もうすぐ半年ですか、アンドレイ君がMIAになって。報告書には何と?」
第34管理世界方面隊司令兼停戦監視団司令を務めるユーリー・アンドレービッチ・コンドラチェンコ少将はコンドラチェンコ家の長であり、アンドレイの祖父に当たる。
アンドレイは士官学校入学までは停戦監視団司令部付の嘱託魔導師として働いていた。

祖父の副官であるユーゴとも無論の事ながら親交を持ち、近代ベルカ式について師事したこともある関係だ。
故に、演習中にMIAとなったと聞いた時は狼狽したほどである。

「…そうだな、まあ今回も「微弱ながらも救難信号を連続受信、場所の特定には至らず」とある。発信し続けている言うことは生きてはいる様だから問題は

ないだろう。それにそんなに柔に育ててはいないのはお前も重々知ってはいるだろう?」
「ええ、私他部隊の皆で心身共に鍛えましたからね。最後の方となると新人を扱いていたぐらいですよ」
「それにだ、アイツの相棒はミーシャだぞ。この俺とセルゲイの相棒だったデバイスだ。クローリクが付いているより遙かに頼りになる」
「まあ、ミーシャさんはお頭やセルゲイさんの相棒だったデバイスですから心配はありませんが。それよりもお頭、それは止めて下さいよとさっきから言っておりますでしょう」
「ほれ、お前もお頭と言っているから此でお相子だ。さて、そろそろ昼だ。食いに出るからお前も付いてこいユーゴ」
「ははっ、お供致します閣下」
「全く、調子の良い奴だ…」

そうして部屋の主と副官は足早に部屋を出る。
生きてはいる孫がクシャミでもしているだろうと思いながら。


****


「花粉症にでもなったのかね?」
挨拶回りの途中、でっかいクシャミが出た。
ガンドルフィーニ先生の奥さん(結構美人)と娘さんを紹介して貰った直後だった。

その前に弐集院先生の奥さんも紹介して貰ったが…、どうやって騙したの?と聞きたくなるぐらい美人だった。
…娘さん、奥さん似でよかったですね。と言ったら一寸凹んでいた。気にはしていたか。

「いえ、多分コレは誰かが人の悪口を言っているのでしょう。心当たりが有りすぎて誰かは判りませんが」
「まあ、君の悪行は方々に知れ渡っているからね」
「この前に共犯者になったクセに何を仰いますか。…と、その時お貸しした得物。いかがでしたか?名残惜しそうにしていましたが」

京都へ行った際にガンドルフィーニ先生に貸し出したスキッチェンと銃剣、返して貰う時に一瞬逡巡していた様に見えた。

「確かにね。あの拳銃もだが、銃剣の切れ味のすばらしさには驚嘆したよ。敵の剣を受けようとしたら相手の方が切れてしまったほどだ」
まあ、この世界の魔法銃よりも高性能で実銃とほぼ変わらない扱いが出来るのと、
某所で手に入れた斬○剣合金で作ったのですんばらしいまでの切れ味を発揮するの、惜しくない方が珍しいよなあ。

「宜しければお譲りしたい…、所なのですが、流石にここでは作れない代物ですからね。お譲り出来ません」
「…。そうか…、やはり無理か」
最初に色めき立ち、最後でガッカリする。気付かれない様にしているつもりなのでしょうが、丸わかりですよ。

「とは言え、今までのお詫びと今回のお礼を兼ねてなんか作ります。何が宜しいですか?」
顎を親指と人差し指で挟みながら、「ナイフと拳銃を頼む。ナイフは今使っているヤツと同じ形で頼む」と頼まれた。

お安いご用です。今手に入る資材を使って出来るだけいい物を作りますよ。


****


主催者の挨拶回りは続く、祖父さんの大変さがちょっと判る今日この頃。


図書館探検部の4人、
「アリョーシャ君、今日は呼んでもろてありがとなー」
「あ、きょ、今日はお招きいだたきありがとうご、ございます…。アンドレイさん」
まあ、いつも通りの二人。

本屋ちゃん、4ヶ月も経ってるんだからいい加減慣れてよ。
アリョーシャって呼んでよー。

対照的に、
「いやー、招待してくれて感謝するよ。にしても太っ腹だね、これだけのごちそうを用意してくれてるってのに会費ゼロだなんてね!!」
「ご招待感謝するです、オモシロ珍しい飲み物をあれこれ用意してくれたことも感謝するですよ」
妙にテンション高い二人。パル様は只飯で、ゆえっちは珍飲料で。

「特にこの「ゲルル○ジュース」と「ど○り濃厚ピーチ味」は話には聞いていましたが、飲むのは初めてです」
「うん、仕入れに使った問屋さんがメーカー在庫でなら有るって言うから取り寄せて貰ったの」
微妙に目を輝かせているゆえっち、そんなに珍飲料が好きなのか…。

「でもそれ…、個性的で前衛的な味よ?」
「それがいいのです」
そうか、それがいいのか。ならば何も言うまい。


超一味、
「私の所に依頼して正解ネ。でもスゴイネ、これだけの規模のパーティをポケットマネーだけで開くなんて相当持ってないと無理ヨ」
「まあ、それなりに持ってはいるし。金は天下の回りもの、あの世まで持って行ける訳でもないんだから何かの折に使って行かなきゃ」
感心されたので、自分の考えを言ってみる。

「それはそれで正しい考え方ヨ。同じ歳なのにそんな考えが出来るとは、アリョーシャサンは大人ネ」
祖父さんの受け売りなんだけどな。事件が片付いた後に自腹切って臨時ボーナスを出したりするから余計に慕われるのだ、ウチの祖父さんは。


「初めて作るお料理が多くて大変でした・・・。でも…、いい勉強になりました」
さっちゃん達調理スタッフには苦労をかけてしまった。

代表的ロシア料理は食べたり作ったりしたことはあっても、宗教的伝統料理を作ったり食べたことがある人間は流石のお料理研究会でも少数派で、そこに合わせて修学旅行シーズンである。

知っている人間が修学旅行に出ていたりしてなかなか打ち合わせが出来なかったり、さっちゃんも帰ってきてすぐに仕込みに入らなければならなかったりで、苦労をかけてしまった。
ゴメンね、そしてアリガト。


「うちの子達は元気ですか?三人も送り出したんですからねー」
うちの子とはハカセ提供の量子コンピュータのことである。
現在二つは弟子用デバイスとして絶賛起動中。

「ああ、今度また手伝って下さいよーっ。アンドレイさんのアプローチは大胆で且つ実践的ですからー」
そう、ちょっと前にハカセの研究している「魔法の工学的応用」の論文の一部を見て、
個人的考察とミッドチルダでの実例(無論ミッドのことは隠してだぞ)を言ってみたら偉く感動され、手伝わされたのだ。

代償として3つ目の量子コンピュータと既存のアップグレードがタダで出来たので良しとするが。


まだまだ挨拶回りは続く、ちょっと招待しすぎたかなぁ…。

双子、
「お招き頂きありがとうございますですー」
「アリョーシャ君、ゴチソーサマー!」
色気より食い気…の割に成長しないなあ、この二人。


パパラッチ、
「アンタも魔法使いだったとはね。それも無茶苦茶強いそうじゃない、今度話聞かせてよ」
…記事にはするなよ?したら爆殺するか、そのムネが更にデカくなる様な目に遭わすぞ。
オマケでお腹も大きくなるがな!

無言で頷くパパラッチ、素直な子は好きよ。


真名、
「取り敢えずの請求額がこれだけだよ」
そう言って、電卓の数字を見せる。…高っ!いくら何でも使いすぎだろコレ。

「言うと思った、そこでだ。頼みを聞いてくれたらこれぐらいにするんだが…」
そこに表示されていた額はヤマ○電機やビッ○カメラも驚きの値引率。
…一体何を頼むんだ?ひょっとして僕の身体?

「いや、仕事用の道具だよ。近い内に大きい仕事があるからね、それ用のが欲しいんだ」
ああなるほど、そう言うコトね。判った、詳細は後日ってコトで。

でさ、銃口を眉間に突きつけるのはよして貰えないかな、.50AEモデルだろ?ソレ。流石にゴムスタンでも痛いし、マズルファイヤで火傷するんだけど、実包じゃないだろうな?
「さあ、どうだかね」


楓ちゃん、
「京都ではありがとうな」
「なんのなんの、あれは拙者が勝手にしたことで、気にしなくてよいでござるよ」
とは言え、恩に対して何も返さないのは我が家の礼儀に反するんだが…。

「では、美味しい菓子を一つ。それで手打ちにするでござるよ」
判った。今度、特上のお菓子を用意しよう。それでいいのね?
「楽しみにしてるでござるよ」


古ちゃん、
「礼の替わりにワタシとまた勝負するアルよ。アリョーシャ相手だと全力が出せるネ」
春休みに一回やり合ってから、再戦しろと五月蝿いのだ。
手を抜くのは失礼との考えから、目・脊髄・急所への攻撃有りでやったのが悪かった模様。

その緊迫感と衝撃の流し方の上手さ、更には身体強化魔法を使っていたため、多少打ち込まれても何ともなかったのがお気に召した様で、この様になったのだ。

え?魔法で強化するのはずるいって?
あっちは無意識に"気"を使って強化しているんだからこれでお相子ってコト。

「あ、そう言えば。ネギのことでちょっと頼みがあるんだけど」
「ネギ坊主のことアルか?」


明石親子、
「お招き頂き感謝するよアンドレイ君。今日はちゃんと当ててきたよ」
「おとーさん、ウソはダメだよ。朝、私が行かなきゃシワの付いたシャツで来るつもりだったでしょ」
相変わらずの親子だなあ。まあ、裏にアイロンとアイロン台を用意しておいたんだが使わなくて済んだな。

亜子ちゃんとまき絵ちゃんとアキラさん、
「ほんまにええのん?こないにご馳走になって、タダて」
「本人はいいって言ってるよ?ならご馳走になろーよっ!」
「御馳走様」

チア三人娘、呼んだ憶えないぞ?
「まあまあ、いいじゃん」
「ごちそーになってるよー」
「ごめんね、このバカ二人が勝手にね…」

ネギに連れられてたメガネ、
「…こうして面と向かって会うのは初めてですね。長谷川です」
「どういたしまして、アンドレイ・コンドラチェンコです。…で、長谷川さん。此方へはネギに連れられて?」
「ええ、半場無理矢理に」
「ごめん、後で叱っておくわ」
弟分を叱ったり代わりに謝ったりするのも兄貴分の仕事。


****


やっとこさネギと神楽坂の所、
神楽坂、顔が赤いがどうした?ネギの方をチラチラ見て…、ははん。
オジンコンの反動でショタコンに走ったか。

「違うのよ。私そんなんじゃないのよぉ~!!」
近くの木に頭を叩き付ける神楽坂。

まあ、自分がショタコンに目覚めたことをオジン好きとしては認めたくないのだな。
「ア、アスナさん、一体どうしたんですか!?」

気にするな、一過性の病気みたいなモノだ。暫くしたら落ち着くやもしれん。
「まあ、あれはあっちにおいといてだ。弟子三号となることに相違ないな?」
此方の目をしっかりと見て返す。
うん、いい目をしてるな。

「ハイ!お願いします!!えっと…」
「教官と呼べ。ただし、訓練の時だけだぞ?それ以外はいつもと同じで宜しい」『私もお忘れ無く。そのままで構いませんからね』
「教官にミーシャさん、よろしくお願いします!」
とまあ、弟子にするのはいいんだけどなあ。問題が色々あるし、コイツで試したいこともあるし、方針決めなきゃなあ。

あー、はっきりしてないからってこいつ用のデバイス後回しにしてたわ、ガンドルフィーニ先生の頼まれ物もあるし、真名にも頼まれたなあ。
さっさと片付けなくっちゃ、手先が小器用だとこんな時損なんだよな。

「あ、教官」「今はアリョーシャでいいと言ってるだろが。で、何だ?」
今さっきいつもと同じで宜しいと言ったでしょうが、オンオフが下手だなコイツは。

「さっき、弟子三号って言ってたよね?一号はタカミチだろうけど、二号はどんな人なの?」
あー、それもあったな。後でメイちゃんと会わせなきゃ…、あー挨拶回り途中だったわ。
主催者の辛い所なんだよなコレが、祖父さんや親父の気持ちが分かってきた様な気がする。

後、エヴァに一言言って…と、待てよ?それならこうして、ああして…、あいつに連絡とって…。

「アリョーシャ、何ブツブツ言ってるの?」
『ご心配なく、お馴染みのろくでもないことを考えているだけです』
「お馴染みのって…」


****


お開きになって少し立った頃、日が暮れかけている時間帯。場所は変わってエヴァの家。

「何?ぼーやを弟子にするだと!!?」
とっても分かり易い狼狽の仕方を実演してくれているエヴァンジェリンさん。ネギに神楽坂、参考にしておきなさい。
「何の参考にするのよ…」

後ろの神楽坂が呆れている様な気がするが、気のせいだろうから話を続ける。
「そうだ、コレは前年度、細かく言えば三学期の期末試験前からの約束だ」
「本気か?あのジジイが黙っていないと思うぞ?」

問題その一、バルタ○星人他。
試練を与えているとは言え、大事に育てたい英雄の息子。タカミチは良しするだろうが、あのジジイやまだまだ人のこと嫌っている先生達は反対するであろう。
そこで、前々から考えていたこととの合わせ技で解決することにした。

「で、コイツに此方と彼方の融合をさせてみたいのだ。そう言う訳でこちら側の師匠になって、と言うかなれ」
「命令形!?貴様はアホかーっ!!何で私がコイツを弟子にしなければならんのだ?お前が戦い方を教えれば良かろう」
予想通りの反応、そこでネギをずずいと前に出し続ける。

「いや、僕が教えられるのは"魔導師"の戦闘法だけで、"魔法使い"の戦い方は教えてやれないのよ。兄弟子二人は戦闘スタイルが確立されている奴らだけど、コイツははっきりとしてないの。興味ない?此方と彼方の融合」
「まあ…、確かに興味はある。だが、ぼーやはいいのか?勝手に実験台にされることになるが?」

ネギにサインを送る。背中をこうしたらこう言えと教えてあるのだ。
「ハイ!構いません。それに京都での戦い、アレを見て魔法使いの戦い方を学ぶならエヴァンジェリンさんしかいない。そう思いました!」

鼻をぴくりと動かす、クウネルさんの言っていた通りだなあ。
連絡とっておいて良かった、弄り方・擽り方を色々と、それこそ聞いてもいない所まで教えてくれたからな。

「…ほう、つまりは私の強さに感動した…と、…本気か?」
「ハイ!!」
指示はしてはいるが、気持ちは本物だ。
コレを思いつき、話した時に「教えてもらえるのなら教えてもらいたいです」と言っていたからな。


悪そうな笑みをうっすら浮かべたエヴァンジェリンさん、この後何を言うかは何となく解る。
「フン…良かろう、そこまで言うのならな。そこの後ろで立っている奴に花粉症を治して貰った借りがあることだしな」
治したというか、ワンシーズン殆ど気にならない様にしただけだがな。バイアン先生直伝の鍼でな。

「え…」
「ただし…!そこのそいつはともかくぼーやは忘れている様だが…、私は悪い魔法使いだ。悪い魔法使いにモノを頼む時にはそれなりの代償が必要だぞ…、くくく」
ずいっと出される素足。

「まずは足をなめろ…。って!小僧がなめるなぁ!!」
嘗めようとしたら凄まじい勢いで引っ込められた。ひどいじゃないか、その対応。

「アンタもするなーっ!!」神楽坂もだ。3回目だぞ、そのスチールハリセンで叩かれるのも。
エヴァを「何突然子供にアダルトな要求してんのよーっ」とハタくのはいいとして「イヤ、良くないだろ」


「チャチャゼロから聞いたぞ。あの呪符使いを腹上死寸前にまで行かせたと、そんな奴になめられたら腰が抜けるまでなめそうだ。だからお前はなめるな!」
「アレハ見物ダッタゼ。最後ノ方ナンカ軽ク触ラレルダケデ潮吹イテタカラナ。アノママモウ少シシテタラ死ンデタンジャネーカ?」
茶々丸の頭の上のチャチャゼロが捕捉する。

ダメと判ると余計にしたくなるのが人情ってモノでしょう、そう思っていると。
「わ…わかったよ。今度の土曜日、もう一度ここへ来い。弟子に取るかどうかテストしてやる。それでいいだろ?だからそんな目で見るのは止せ」
「アリョーシャ、アンタ今さっき、スゴイイヤらしい目してたわよ。このドスケベ」

何げにひでえ事言ってくる神楽坂、対照的にネギは純真な目で「腹上死ってなーに?」と聞いてくるが、当分は知らなくて宜しい。
そして良い子は意味が判らなくても決して神楽坂やタカミチに尋ねてはいけないし、ググってもいけない。お前と僕との約束だ。いいな?

「…そのうち教えるかも」
「アホかーッ」

4回目の神楽坂スチールハリセン、理不尽だ。可能性の話なのに。









あとがき:いよいよ、アリョーシャ君によるネギ魔改造が始まります。
この後どの様になるのか、こうご期待。


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