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No.4483の一覧
[0] 運命の交差[蛇](2008/10/18 02:28)
[1] 第二話 ― 状況確認 ―[蛇](2008/11/03 21:42)
[2] 第三話 ― 一夜明けて ―[蛇](2008/11/07 14:45)
[3] 第四話 ― 言い訳 ―[蛇](2008/11/12 18:50)
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[4483] 運命の交差
Name: 蛇◆96d6d7d8 ID:60481dfb 次を表示する
Date: 2008/10/18 02:28
 はじめまして蛇といいます。初めての投稿となりますから矛盾や性格、口調がおかしいなどと至らぬ所が多々あると思いますが、温かい目で読んでもらえるとうれしいです。

第一話 ― 予期せぬ再会 ―
「――――投影、開始 トレース・オン」
今まで数えきれないほど唱えてきた呪文を呟き俺は自己に埋没していく。
創造の理念を鑑定し,
基本となる骨子を想定し,
構成された材質を複製し,
制作に及ぶ技術を模倣し,
成長に至る経験を共感し,
蓄積させた年月を再現し,
あらゆる工程を凌駕し尽くしここに,幻想を結び剣と成す。
 手にある感触を確かめ瞑っていた眼をゆっくりと開けていく。
「―――投影,完了 トレース・オフ 宝石剣ゼルレッチ」
手にはその名の通りまるで宝石をそのまま剣にしたかのような無骨な剣が握られていた。
その剣の出来を見て俺はこの投影が成功したことを強く実感した。
「やっと成功したな。さっそく師匠に見せに行くかな。」
投影した剣を手の中で弄びながら今日の寝床である森の一画へ向かうことにする。
 歩きながら思う。
 あの小さな戦争からもう六年の年月が経とうとしていた。
未熟で何も知らなかった俺は巻き込まれる形であったもののあの戦争に参加することになった。そして様々な人の手をかりなんとか生き残る事ができた。
 簡単にいえばこの程度だがその過程で俺は全てが消えた災害の真実や爺さんの目指していた理想を知り,心強い仲間と出会い,何よりあいつに出会う事が出来た。
辛い戦いだったがそれがあったからこそ今の自分があるんじゃないかとすら思う。
 あれから六年が経とうとしていた。
 世の中の事を何も知らなかった未熟者は爺さんのように世界を旅した。紛争地帯や戦争,果ては死都となった街に赴き,理想の為に足掻き続けた。
 低かった背は今は一八〇前半になり,赤かった髪は白くなり,肌は褐色になった。対魔力を補うために手に入れた聖骸布の外套を着るようになってからはその姿はすっかりあの弓兵のようになっていた。
 固有結界の事を協会に知られ封印指定となり逃げながらも人を救うためにはなんでもやった。その過程に俺は今の師匠と出会い、何の因果か弟子として様々な出会いを経験しながら世界を走り続けている。
「セイバー、俺は何も後悔してないぞ。」
届かないと分かりつつもそんな事を口にした。
 そんな事を考えている内にいつの間にか師匠がいる場所に到着していた俺は師匠に投影した宝石剣を渡した。
「師匠,どうですか?たぶん完璧に投影できたはずですけど?」
「ほう。たしかにワシの宝石剣と一寸足りとも差異はないようだな,衛宮。」
宝石剣の出来に珍しく師匠こと魔法使いキシュア・ゼルレッチ・シュバインオ-グは感心したような声を出した。
「苦労しましたからね。」
「うむ。ならば一度使ってみろ。何しろお前のような投影ができる者など存在せんのだ。見た目はともかく中身までは分からんからな。」
そう言って宝石剣をトスするように俺に投げる師匠。
 それを危なげなく受け取りながら俺は首を傾げた。
「そんなもんですか?師匠ならそのくらいわかると思いますけど。」
しっかり疑いつつ一応訊ねる。なんせこの人には今まで色々と無茶をさせられてきたのだ。簡単に信用なんて出来るはずがない。
「いいから早くやれ。今までで最も凡才で出来の悪い弟子であるお前がどこまで成長したかこれで分るじゃろ。」
出来が悪いのは分かっているがここまではっきり言われるとかえって清々しいな。
「わかりました。何かあった時はお願いします。」
そう言ってから宝石剣を手に取り呪文を呟く。
「――――同調、開始 トレース・オン」
魔力を流す。
 その瞬間,宝石剣が輝きだし、その光の量に思わず目を瞑った。
 そして、眼を開けれないほどの輝きが治まった時,何故か浮遊感を感じ,嫌な予感をビシビシ感じながら眼下を見るとなぜか俺はどこぞの屋根に向かって落下していた。
「なんでさ!!」

-Interlude- 「凛」
ドーーン!!!!
「何!?今の音!!?」
「分かりませんが,どうやらリンの寝室からのようです。」
「わかった。行ってみよう。」
部屋を揺らすような突然の轟音に驚きながらもすぐに冷静さを取り戻した私たちは私の寝室に向かって走る。大きな魔力の気配も感じるから先頭はセイバーに任せて私と士郎はそれに続くという形だ。
寝室の前に着いた私達はそれぞれ武装を済ませいつでも攻撃できる準備を済ませる。
「では,私から行きますから二人は援護をお願いします。」
完全武装したセイバーが小さく私達に確認を取る。
士郎が「俺が行く。」と言っていたが中に感じる魔力の気配は只者じゃないと言って渋々了解させた。
 ほんとにいつまで経っても無鉄砲なんだから困ったものだ。
「分かったわ。セイバーお願い。」
「すまない,気をつけろよセイバー。」
「任せてください。では,行きます!!」
セイバーが勢いよく扉を蹴破ると中に走りこむ。しかし,中からは一向に戦闘の音も声すらしない。
 さすがに何かあったのかと思って,私と士郎も走りこむとそこには唖然とした表情をしているセイバーと―――
「ア,アーチャー?」
「なんでこいつが!!」
同じように唖然とした表情で私達を見ている聖杯戦争で私のサーヴァントだったアーチャーが何時かのように座り込みながらそこに居た。
-Interlude out-


 俺は目の前の光景に息が止まりそうになった。
勢いよく屋根に突っ込んだ俺は周りを確認するとそこはどこかの寝室のようだった。
二つに割れたベットに座り込みながらこれからどうしようかと思っていると魔力の気配が三つここへ向かっているのが分かった。ここが魔術師の家だと判断しながらいつでも逃げれるように頭に剣の設計図を用意しておいた。
 そして扉が蹴破られ一際大きな魔力を持った魔術師が部屋に走りこんで来た・・・と思ったが違った。部屋に走りこんできたのは金砂のような綺麗な髪と宝石のような翠色の瞳で俺を見下ろす蒼のドレスに銀の甲冑を着た少女だった。
 その姿は屋根の穴から差し込んだ月光によってなお映えた。
 その姿を俺が見間違うわけがない。
 眼の前に現れた少女は―――
「セ,セイバー。」
俺の最愛の女性だったのだから。


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