これは私の、完全オリジナル作品です。
~大切なもの~
ガチャ。
「ただいま~」
ドアが開く音とともに妻が帰ってきた。
「今日のご飯何?」
「ごめん、今日は体調が悪くて作ってない…」
「は?」
「なにそれ、言い訳のつもり?」
「あんたが、体調悪かろうがこっちはどっちでもいいの」
「いいからさっさと作って
これが最近の日課だ
結婚した当初はもっと仲が良かった。
でも、僕が病気になり仕事を辞め、彼女にたよるようになってから、
彼女は仕事のストレスを僕にぶつけてくるようになった。
「あたしお風呂入るから、その間に作っててよね」
「あんたがいなければもっといい男捕まえれたんだけどな…」
と妻はボソッと口にした。
それを聞いたとき僕は妻を幸せにできないと思った。
明日実家に帰ろうと決めた
「おはよ~」
「ってあいつまだ寝てんのかよ…」
「ッチホント使えない」
「なんか机の上に置いてある…なにこれ手紙?」
~愛する妻へ~
僕は実家に帰らせていただきます。
僕はあなたを幸せにできない、僕では力不足だったみたいです。
全ては僕のせいです。
僕が病気になり、君に負担をかけさせ、ストレスをかけてたよね。
本当にごめんなさい。
君なら僕なんかよりもいい人に出会えると思います。
君の幸せを心から願っています。
さようなら。
読み終えたとき妻は涙した。
「私なんて最低んことをしたんだろ…」
「仕事のストレスを彼にぶつけて、一番つらいのは彼なのに…」
「別れたくないよ…」
ピーという発信音の後に要件をお伝えください。
『手紙読んだ…本当にごめんなさい。あなたが一番つらいのに、あなたの気持ちも考えずに八つ当たりして…私って最低だよね…でもね、こんなこと言える立場じゃないのはわかってる、でも私あなたともう一度やり直したい!こんな最低な女だけど、あなたが好きなの、愛してるの!だから、もしこの電話が届いてたら考えてみて。』
~一か月後~
「ただいま…」
今日もいないか…
「部屋の明かりがついてるっ!
ガチャ。
「あ、あなたもどってきてくれたの?…」
「ありがとう、ほんとにありがとう…」
「ごめんなさい、今まであなたに最低なことしてきた。」
「でも、もう二度とあんなことしない。あなたと一生一緒にいられるようにあたしがんばるから!」
だから…これからもよろしくね。
~完~