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コダマです。大連から船に乗り、神戸へ向かってます。
お世話になりました!関東軍の皆さん。
別れてしまえばいくらでも温かい言葉を吐きますよ。
コーモトもトーミヤも村岡司令官殿へも。
お忙しい中、多大なる労を払っていただき、感謝の念に堪えません。
この2週間で得た知識と経験を、日本の未来と世界の平和のために、存分に活かし奮いたいと天に誓う所存です。
いらん話もいっぱい聞いたけどな。
でも実際、山東への出兵が終わって一息ついたところとはいえ。
張作霖が戦時体制を解いてないので匪賊も血の気が上がってて。
いま満鉄付属地の警備ってけっこう緊迫してる状態なんですね。
河本は参謀なんで、本部にいて作戦とか考える人です。
東宮は毎日、現場でピリピリと治安維持してる人です。
心の中ではウゼーウゼーって言ってましたけど、本人達の前では決してね。
兵隊さんいつもご苦労様です!って最大限の営業スマイルをね、必死に。
それはもう全身全霊で演じてましたですよ。
次もあるかもしれないんで。
5月末に出兵が急に決まった時も、河本大佐は旅団2500名の名簿作りと召集、必要な武器・弾薬・糧食・医療品・寝具などあれこれ手配するのを数人がかりで一昼夜不眠不休でやり抜いたそうですよ。
「5月28日は俺、一生分の仕事したからな。もーえーわ、二度とやらん」
そんなこと何度も吐き捨ててました。
それはそれで御苦労様でしたと、心より言いたい。
おつかれちゃん。
さて、これから石原閣下への謹製報告書を作成するんですが。
そこそこ当たり障りのない、行儀良いレポートにまとめます。
日本へ帰ったら、また情報が入らなくて、ヤキモキするんだろうな、私。
ところで蒋介石。いま、日本へ来てるらしいです。
目下、私にとっては、最大級に謎のキーパーソン。
次の行動が読めません。
親日派だとは思ってません。
彼は、心底、支那の未来を考えてますが、あくまで、支那ありきです。
ほとんど全ての支那人にとって、日本は決して、憧れの成功者でもなければ、尊敬すべき隣人でもなければ、背中を追いかけていくべきアジアのトップランナーでもない。
それどころか、狡猾で抜け目のない、いつも嫌らしい目でこっちを見張っている、支那の匪賊や軍閥よりも危険な、変質者集団です。
そんな日本に対して、彼は極めて礼儀正しく対応し
部下のしでかしたこととはいえ即、全面的に謝罪したのです。
即断即決直情型の田中義一よりも、政治家スキルは高いと見るべきでしょう。
ゆめゆめ、油断めされるな。