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おはようございます。サノです。
来月、支那へ、行ってきます。
コダマさんのボディガードです。
すべて計算ずく。21世紀用語ではデキレースとも言うそうですが。私でいいねと、満場一致で決まりました。
コダマさんと仲がいいから。
体格的にも護衛役にふさわしいから。
独身だから。
長男じゃないから。
社歴も浅いし、陸軍系社員のような、紹介者への義理立てもないから。
つまり、万一死んでも面倒が少ないから。
ホテルの部屋へ窓から手榴弾が投げ込まれたりした場合。
投げ返す余裕がなければそれの上に覆い被さります。
爆圧を腹で受け止め、私は死にますけどコダマさんには逃げていただきます。
そのくらいの覚悟はすでにできてます。
さらに二発目三発目と投げてこられたり、念入りに機銃掃射とかまでされたら、どうしようもありませんけど。
こういうイメージトレーニングは、コダマさんが得意とすることのひとつで。21世紀のゲームというのは本当に、油断も隙も容赦も無駄もないものだと、驚かされますね。
コダマさん、念入りに基礎体力づくりをされてますけど、その柔軟体操も、きわめて論理的なんです。
私が学生時代にやっていた、毎日受け身百回なんて、したことがないと。
効率よく、特定の筋肉だけを鍛える。
そのコツは、スポーツジムというところで簡単に教えられたそうです。
自分は専門家でもなく、民間人でしかも低所得者層だったけどねと、平然と言ってのけるコダマさん。
いったい、オタとは、本当に同じ人間なのでしょうか。私にはもうさっぱりわかりません。
悩みの種といえば、荷物をなるべく少なく、と言われてることですね。
「生きて帰れりゃ御の字で、どうせ何もかも盗まれてベソかいて逃げ出すのが関の山だから」
とコダマさんは言ってますけど、それにしたってどうしたらいいものか。
とりあえず。
下着の内側に小物入れを何ヶ所もつくったりとか。
鉛筆に似せた発煙筒を試作したりとか。
キャラメルに見せてるけどこれは毒だから子供にあげたりしちゃ駄目だよとか。
そんな準備をいろいろと、してますけどね。
私がオタになるための旅に、コダマさんがボディガードしてくれてるような気にもなります。
猪八戒や沙悟浄もいつか加わるんでしょうか。なんてね。