File_1925-11-002D_hmos.
小西行長?
知らないなあ。
行長、ていう階級いつの間にできたんだ?とか思っちゃったよ。
コダマです。
いま目の前に、小西行長の碑、てのが建ってるんですけどね。
なんでも、330年前、秀吉が朝鮮出兵したとき、小西さんて武将が、どうやらここまで攻めこんできたそうですよ。
豊臣秀吉が、国内の不満分子を体よく一掃するために、朝鮮へ戦争仕掛けて、何回か行って、財政難に陥って、秀吉が死んだんでやめました、くらいは知ってるけど、武将の名前までは記憶してないなあ。
総督府の警務局で書類出したんですよ。
封筒には、三矢局長殿、石原莞爾拝、て書いてあったので。わざわざ局長が出てこられたんですね。
閣下とは同郷らしいです。
局長その場で開封され、ふむふむと。
私は中身知らなかったんですけど、朝鮮総督府発行の通行許可証というか身分証明書を作ってもらえることになりました。
2~3日滞在することになり、ホテルも安全なとこ紹介してもらって。
で、観光しています。
ぜんぶ計算ずくかよ、あの狸オヤジめ。
日本領じゃなくなったら、こんな碑、速攻で壊されるよな、て史跡があちこちにあります。
そんな複雑な気分でする観光なんて、貴重な体験かもしれませんね。
そうそう、列車が面白かったんです。鮮鉄。
車内、広いんですよ。あっ、と気がついて、ホームでゲージ幅をよく見てみると、日本のより広いんですね。
おお、これが広軌かあ、と。ニヤッとしちゃいました。
前世でも、マジマジと見たことなかったんで。鉄でもなかったんで、さほど。
みたいな観光をね。ガイドブック片手に、フラフラと。
許可証かあ。
なんだか、RPGやってる気分ですね。
これであとルーラとか、どこでもドアとか、一度行った村へはMP使えばすぐワープできる、なんて能力あれば最高なんだけどな。
この世界、物理移動しかないんで、時間かかるんですよね。
テレフォーンよりもまだまだ電報の時代だし。
ましてやモバイル通信網なんてはるかはるか未来の夢物語。
あ、でもサノには通じましたよ携帯電話。インターネットを説明するのより楽でした。
戦国時代に転生してたら、おれ、一生泣いてたかもしれないなあ。
この時代なら、あともうちょっとしたら、知ってる世界へ戻れそうな。
なんとか生きてるうちに、テレビゲームを発明できそうな、そんな希望を夢抱けるんですよねえ。
デジタル時代を到来させること。それが、おいらの、ライフワークっす。
じゃあね、小西さん。草場の陰で見守っていてください。