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8月15日といえば、終戦の日。
あと一年と、なりました。
まだ一年も、つづくのか。
神様にとっては何周目のループなのか知りませんけど、さて、このタームでは、いつになるやら。
どう、終わるやら?
そろそろパリが、解放されそうです。
連合軍が、ドイツ戦車を撃ち負かしながら、すぐ手前まで来ています。
ノルマンディーからパリって、電車なら5~6時間くらいで着けそうな距離なんですけどね。
平和になったら、2ヶ月かけてえっちらおっちら、その戦跡を辿る旅なんて、あこがれます。
将来の夢に加えましょう。孫を連れて、しみじみ語りながらとかね。
最高のバカンスでしょ。
ルーズヴェルト大統領が、来年からも続投、確実です。
四期目。前代未聞。
先月の民主党大会で、不在にもかかわらず圧倒的票数で指名され、本人も受諾。
対する共和党は、トマス・デューイ氏を候補者に押し出して、戦わせます。
マッカーサーにも声がかかったけど、今それどころじゃない、と断ったって。
勝敗は見えてますが
仮に逆転が起きるとしたら?
という米紙の考察が面白い。
「もし投票の始まる11月より前に、欧州戦線も太平洋戦線も終結したら、ルーズヴェルトは敗れるだろう」
面白いでしょ。
この戦争が終わったら、アメリカ全土で軍需産業に携わってる国民および、永住権を欲しがってる世界中からの難民が、失業します。戦地から兵隊も戻ってくる。
これ以上の移民は受け入れてほしくない。
自分たちの生活を守らなくてはならない。
言い方を換えれば、ルーズヴェルトは政治的都合により戦争の早期終結を選択できない。
もう少し引き延ばさねばならない。いつまで?
四期目が始まる3月までは続けるか?
いや、まだだ。戦後新体制への里程標をつくってからでないと、国民の不安が爆発します。
これからの国家戦略を組み立て、発表できるようになってから、戦争を終わらせましょう。
それまでは、消化試合を続けていなくちゃね。
もっともです。もっともすぎます。
日本を降伏させ、賠償金をとればよい話ではない。
日本はこれから米国によって開発され、大いなる市場となるべきだが、いかんせん国土が狭い。
朝鮮や台湾そして満洲は中国へ返還させるとして、そう、中国も米国資本によって開発せねばならない。
本命は中国です。蒋介石とも復興プランを練らねばなあ。それまでは、日本を、殺せない。
勝手に白旗を揚げられては、困るのだ。
こうなると私のシナリオも揺らぎますね。
日本にはとっとと降伏してもらいたかったのだが、それはアメリカの国益に反するのか。
日本由来の産業を今のうちにすべて破壊しておき
そこへ解放者として威風堂々と乗りこむ。
戦犯は処罰しますが、労働力として有望な層なら保護して施しを与える。
名実ともにアメリカの忠実な下僕として再教育する。
無産階級は強制的に解体しましょう。政府は傀儡で必要にして充分。
米国資本の誘致には積極的な優遇措置をとり、すみやかに社会基盤を確立。
いっそ、51番目の州として自治権を認めてあげるのはどうか。
広大な海域含めて領土も経済圏も拡張できるし、中国やソ連との距離も縮まる。
米国は今日までの五年間、多大なる貢献をしてきた。この程度の見返りを求める権利は、あるでしょう。
フム。いいんじゃないですかね。
日本が中国でさんざんやってきた征服理論もこれに近かったので。
世界諸国の反応はともかく、日本人には抗弁する資格ありません。
戦犯追及はスケープゴートですが、国民だって阿呆で強欲な愚か者ばかりです。情けをかける余地も無い。
常識的な罰として、これからは益虫として、役立てましょう。
それを円滑に運ぶためなら、女王蟻も役に立つから、残しておきますか。
完璧だな。