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ガダルカナル。ああガダルカナル。ガダルカナル。
米紙報道で、ついにその名が。ガダルカナル。
8月7日。米海兵隊が総力をもって、上陸開始。
日本軍が、この島に飛行場を建設中でした。
不意を突いたようです。守備も疎かだった。
かれらは散り散りになって、奥地のジャングルへと、逃げこんだ。
完成間近だった空港は、数日あれば穴を塞いで、連合軍基地として使用可能だそうです。
作戦は大成功。日本に、またも一矢報いました。ラッキー・ストライク!
ガダルカナル。
ソロモン諸島の中でも、大きめの島。
開戦前のごく少ない文献による説明では、中央域はほとんどが密林に覆われ、海岸周辺のわずかな平地に住民が素朴に暮らしているだけでした。
まさに、平和な楽園だった。
はずなのに。ガダルカナル。
21世紀の日本では、ガダルカナルといえば激戦地。筆頭に挙がる名前です。
飢餓とマラリアで亡くなった兵も多かったらしい。
地獄の消耗戦というイメージだけを持ってました。
いつものごとく、それ以上の知識を持ちません。おはずかしい。
米国視点で上陸直後の記事を読む限りでは、きわめて単純な印象しか受けません。
やっと築いたマイルストーンなので、扱いはそれなりですが。
海兵隊はただちにこのあとオーストラリア司令部のマッカーサーと協働して、モレスビー、そしてラバウルへと進撃します。
ニューブリテン島のラバウルに日本軍の一大基地があり、守りも堅い。本命はここなのです。
ガダルカナルは、ラバウル攻略のための航空拠点としてはきわめて重要ですが、市街地は無いので、占領工作は不要。
最低限の守備隊さえ残しておけばよい。
はずでした。
しかし、密林に隠れ潜む日本兵が、いつ寝首を掻きにくるかわからない。
この脅威は、軽視できない。
島全体を焼き払わねば安眠できない?
いろんな意味で、それはやめてほしい。
殺人トトロが棲む森も、いざとなったら森林資源を焼き尽くすことを躊躇しないアメリカも、どっちも御免です。
不要不急な破壊活動は、可能な限り、自粛していただきたいものです。
念を押すけど、どっちにもだぞ。
ドクトリンの違いといえば、米軍では、航空作戦の戦域を半径300マイルとし、その範囲を超えることのないように計画を立てているそうです。
ドリトル隊の空襲では無茶をしすぎましたが、おそらくその反省から生まれた教義でしょう。
ガダルカナルからラバウルまでは約1000km=620マイル。なので、間に最低二つは基地を確保してからの総攻撃となる予定。
上陸作戦には一度に全力を投入する。これも基本です。
一方、日本軍は、カタログスペック上の最大航続距離を頼りに計画を立てます。
兵の命をどれだけ軽んじようと、良心の呵責など持ちません。
第一陣は全滅覚悟のため、第二陣、第三陣と常に予備隊を温存することも定石となります。
兵たちにはハングリーパワーを求めます。ゆえに、常に飢えさせておくことも忘れません。
何度全滅させられても、次から次へと新手を繰り出すことで、相手を精神的にも弱らせる。
敵にも味方にも、搾りきるまでハラスメントを極めるべし。
これが、日本のしつこさです。
私は日本軍を見て、蜂だの蟻だの蝿だのと、よく昆虫に喩えてきましたが。
まさに昆虫並みの思考だと。最近ますます、そう思います。
本人たちも望んでいるなら、虫として扱ってあげるべきか。
知恵の実なんて欲しくもない。そう生きたいと、願うなら。
いいでしょう。森へ還り、永遠に地を這って過ごしやがれ。