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日本時間4月18日。お午過ぎ。
本州へ、米軍爆撃機隊が初襲来。
日本中が、怒りに沸き立っています。どこまで恥知らずなのか米国はと。
「日本軍は、真珠湾でもグアムやフィリピンでも、米軍基地しか攻撃対象にしていない。
アジアの国々では解放者として現地民から熱狂的な歓迎を受けている。
正々堂々と聖戦をしている日本に対し、米国は我が領土へ忍びこみ、一般住宅を破壊し、無辜の民間人を殺戮した。
300戸近い家屋に被害を与え、500名以上の死傷者を出した。
これは明白なる国際法違反である。断固、猛省を促すべし」
正気で書いてますかね、これ。
まあいいや、日本人は我が身だけがかわいい民族なんです。
自分たちがどれだけ他国を踏み荒らし、殺戮を重ね、恥知らずの限りを尽くして今なお罪を犯し続けているのかなんて、そもそも考えたことすら、ないのでしょう。
それはさておき、この空襲に関しては、もっと精確な情報が知りたかった。
なので、10日ほどかけて、より詳細な資料を集めました。
フィリピンのクラーク空港が使えない今、米軍機はどこから飛んできたのか?
最新鋭機の航続距離と爆弾搭載量は、どれほどなのか?
この諸元は、今後の対日作戦に関わってくる、重要な数値なんです。
うろたえてる暇なんかないんですよ。米軍はとうとう本州を射程圏内におさめた。
日本軍機にはワシントンDC爆撃はおろか、カリフォルニア到達すら不可能です。
決定的なリーチの差。
気にならなければ軍人失格。
私は軍人じゃないけど気になる。知りたい。
結論から。
ミッチェル16機が空母ホーネットより発進。
4時間の飛行後、東京・千葉・神奈川・名古屋・神戸などへ爆弾を投下。
すぐさま西へ進路をとり、浙江省の麗水飛行場へ着陸する予定が、ほとんど燃料切れで墜落。
総員80名中70名が脱出に成功し、生還しました。
イノチガケですね。
非常識すぎる長距離飛行で結果的にミッチェルすべて失う。損害、大きすぎだ。
米紙ではこれも賛否両論。しかし日を追うにつれて、この作戦を成功に導いたドリトル隊の勇気を讃えようという論調が、主流になりつつあるようです。
やっと日本へ一矢報いた。その感動に水を差すのは、確かに、野暮ってもんですよね。
ミッチェル爆撃機。
いわゆるフォートレス系の重爆ではなく、攻撃機に近い。爆弾もそんなに積めません。
空母搭載できるサイズであることと、航続距離の長さを理由に採用されたみたいです。
それにしても概算4000kmの飛行。ゾッとする。
増槽、どれだけ積んでたんだろう。
護衛機もついてなかったようです。
無謀にもほどがある。
日本人が、本土攻撃されることを露ほども想像してない連中で、よかったですね。
もし零戦一機でも出てきたら、洋上で全滅してたかもしれない。
日本人は愚かですが、侮ってはいけません。
やつらは、蜂です。
一撃必殺。死を恐れず向かってきます。
そんな巣へ、ノコノコ飛びこんでいくなんて。
二度としないでくださいよ。