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日本海軍の主戦場は、いま、ジャワ島周辺です。
シンガポールの南。蘭印ことオランダ領東インド諸島の一角。
この植民地領の首都バタヴィアは、ジャワ島西部にあります。
欧州の経済大国オランダは、ドイツに占領されました。
その亡命政府がロンドンに存続しており、本国外領地は、この亡命オランダ政府の傘下に含まれる関係です。
よって日本は蘭印を敵国とみなし、攻撃して占領する。
蘭印は石油やボーキサイトの産出地なので、優先順位の高い作戦となります。
蘭軍はジャワ・ボルネオ・スマトラ各島に基地を持ってましたが、さすがに英軍よりは弱いです。
そして、ウェールズ沈没とシンガポール陥落で一気に戦力減となった英海軍東洋艦隊の助けも期待できなくなった2月。日本軍はこの海域で、連合国の艦船を見つけては追い回しています。
ここでも、連合軍の戦術は基本、逃げるに徹している模様。
軽巡や重巡が幾艦か、沈められています。
はっきり報道されているのは、アメリカの重巡洋艦ヒューストン。3月1日、バタヴィア沖にて、撃沈。
増援が来るまでは、ヘタな手出しはケガのもと。
日本からは、今以上の増援を出してくる余裕はないんだから、もうちょっと疲れさせてから、一気に反撃するのがよい。
今は、耐えるときだよ。
日本は、侵略にあたって、「アジアの主権を白人支配から取り戻すのだ」という大義名分を唱えます。
南京占領の際も、「蒋介石の国民政府がいかに人民を苦しめていたか」というシナリオでした。
基本路線はずっと同じですね。
仏領インドシナでも、グアムでも、ニューブリテンでも、占領と同時にそれを謳うのですが、蘭印ではちょっと雰囲気が違う。
なんだか、日本軍、現地民から、歓迎されてる?
こんな巧言令色を、現地民は、信じこんじゃう?
本当かしらん。
あくまで私の感想というか、印象ですが。
オランダによる統治は、現地ではよっぽど、過酷だったのかもしれません。
蘭軍の兵士たちは、ここへ戻ってくるつもりがないのか、油田や基地の施設を破壊してから撤退しています。
英米とはドクトリンを共通化させていないのですね。
スマトラ島のパレンバンという採油場では、現地作業員たちがこの命令に従わず、通常操業状態のまま、日本兵を出迎えたとか。そんな話が載ってるんです。
歓迎される日本軍か。ヤラセ無しで。
ごめんなさい。
想像できない。
もっとも、すぐに、日本人の正体、バレると思うんですけどねえ。
今までよりもっとひどい働かせ方で、油を奪っていくだけだから。
そのために来てるんだから。
日本のみなさんは。
一方で、陸軍が本命視していた重慶攻略作戦は、今度もまた、大失敗。
重慶よりずっと手前の陣地を抜けられず、そこで日本兵たちは砲弾の的になっているそうです。
国府側が大宣伝しています。
そこに悲壮感は無い。
心から、嘲嗤ってる。
つられて、私も笑う。
笑えばいいと思うよ。
日本軍の基本路線はずっと同じです。
何度来ても同じところで罠に落ちる。
二周目以降は、コメディでしかない。
国府軍から歓迎される道化たち。
なかなか、想像できませんよね。